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    仕事中のケガで休んだらお金はどうなる?休業補償給付のきほん

    仕事中のケガで休んだらお金はどうなる?休業補償給付のきほん
    最終更新日:2026.02.02
    ざっくり言うと

    仕事中や通勤中にケガをして働けなくなったとき、お給料がそのまま出なくなるのはとても困りますよね。
    そんなときのために、労災保険から1日あたり給付基礎日額(ケガ前の日給の目安)の約80%が受け取れます。
    これが「休業補償給付(休業給付)」と呼ばれるものです。

    • いくら?給付基礎日額の約80%/日
    • いつから?休業4日目から(待期3日あり)
    • 対象は?仕事中・通勤中のケガ・病気
    • 申請先は?所轄の労働基準監督署
    • 時効は?休業日の翌日から2年
    • パートも?雇用形態を問わず対象

    注意:「業務外の病気・ケガのとき」にもらえるお金(健康保険の傷病手当金)とは別の制度です。どちらか一方しか使えないケースがほとんどですが、状況によっては両方の制度が関係することもあります。

    あわせて読みたい サムネイル 傷病手当金ってなに?業務外の病気で休んだときのお金 風邪や私的なケガで長期休業したときにもらえる健康保険の給付金。金額・申請方法をわかりやすく解説。

    そもそも、なんで8割ももらえるの?

    ふだんケガをして病院に行くと、窓口で3割だけ払えばいいですよね。残りの7割は健康保険が負担してくれているからです。

    でも、仕事中・通勤中のケガや病気は「労災(労働災害)」扱いになるので、ふつうの健康保険ではなく労災保険が使われます。そして、労災で働けなくなった間のお給料の補填も、労災保険がカバーしてくれるしくみになっています。

    「働けない間、生活費がまったく出なくなるのはさすがに困る」ということで、労災保険から休業期間中に約80%が支給されますよ、というのがこの制度です。

    ふだんの病気・ケガ(業務外) 病院は 3割負担 休業中は 傷病手当金(2/3) これが仕事中・通勤中だったら… 仕事中・通勤中のケガ・病気(労災) 健康保険は使えない。労災保険が適用される だから労災保険から約80%が出る! 治療費も原則0円でカバーされます

    ふだんの病気・ケガと、仕事中・通勤中の違い

    「労災保険って会社が加入してるやつでしょ?」そうです。ほぼすべての会社員・パート・アルバイトは労災保険に入っています(保険料は全額会社負担なので、自分でお金を払う必要はありません)。働いていれば基本的に保護されていると思って大丈夫です。

    いくらもらえるの? 計算方法は?

    1日あたりの支給額は、大きく2つに分かれています。合計すると給付基礎日額の約80%になります。

    • 休業(補償)給付:給付基礎日額の60%
    • 休業特別支給金:給付基礎日額の20%

    「給付基礎日額」って何?ざっくり言うと、ケガをする前の3か月の給料合計を、日数で割った金額のことです。残業代や各種手当も含めて計算されるので、月給だけで見るより少し変わる場合があります。パートや日給制の人も同じルールで計算されます。

    具体例で見てみよう

    仮に給付基礎日額が1万円と決まったとすると、1日あたりの支給額はこうなります。

    • 休業(補償)給付:10,000円 × 60% = 6,000円
    • 休業特別支給金:10,000円 × 20% = 2,000円
    • 合計:8,000円 / 日

    20日間完全に働けない日が続いたとすると、8,000円 × 20日 = 16万円が目安になります(端数や上限額の影響を受ける場合があります)。

    注意:給付基礎日額には最低額・最高額が法律で定められています。また長期の休業になると、統計に基づくスライド調整が入ることもあります。正確な額は所轄の労働基準監督署で確認してください。

    誰がもらえるの? 条件はあるの?

    条件はシンプルで、次の3つを満たしていれば基本的にOKです。

    1
    仕事中か通勤中のケガ・病気であること 業務に関係した事故や、合理的なルートでの通勤中の事故が対象です。プライベートな行為によるものは対象外になることがあります。
    2
    治療のために働けない日がある 完全に休まなくても、一部しか働けない日も対象になることがあります。
    3
    その日に給料が支払われていない(または一部だけ) 有給休暇を使って給料が全額支払われている場合は、その分は対象外になります。

    パートやアルバイトも対象?

    はい、雇用形態にかかわらず対象になります。派遣社員・パート・アルバイトでも、労災保険が適用される会社で働いていれば対象です。「ウチの会社は小さいから労災入ってないかも」と思っていても、ほぼすべての会社は強制加入なので心配しなくて大丈夫です。

    業務災害と通勤災害って何が違うの?

    • 業務災害:仕事中や仕事に関連した行為でのケガ・病気。たとえば作業中の事故、過労による疾病など。
    • 通勤災害:会社と自宅を合理的なルート・方法で行き来する途中のケガ・病気。

    どちらに当てはまるかは、労働基準監督署が個別に判断します。「業務中かどうか微妙かも」と思っても、まずは会社と相談して労災申請の手続きを進めることが重要です。

    最初の3日間は出ないって聞いたけど、どういうこと?

    労災保険の休業(補償)給付は休業4日目から支給されます。1〜3日目は「待期期間」と呼ばれ、労災保険からは給付が出ません。

    待期3日間、お金はゼロになるの?

    業務災害(仕事中のケガ)の場合は、待期3日間について会社に平均賃金の60%以上を補償する義務があります(労働基準法の規定)。なので、業務災害なら会社からお金が出るのが基本です。

    通勤災害の場合は、会社にこの補償義務はありません。就業規則によっては出るところもありますが、基本的にはないものと思っておくのが安全です。

    まとめると:
    業務災害:待期3日→会社が補償 / 4日目〜→労災保険から80%
    通勤災害:待期3日→原則なし / 4日目〜→労災保険から80%

    有給休暇を使った場合は?

    休業中に有給休暇を使って給料が支払われた場合、「賃金を受けていない日」に該当しないため、その分は給付の対象外または減額されます。有給を使うかどうかは会社の就業規則や本人の判断ですが、事前に会社の人事・労務担当に確認しておくと安心です。

    いつまでもらえるの? 打ち切りはある?

    原則としてケガが「治る」までもらえます。「治る」とは、完全に回復することだけでなく、治療を続けても症状がこれ以上改善しない「症状固定」の状態も含みます。

    • 症状固定と判断されたあとに休んでも、給付は出なくなります
    • 療養開始から1年6か月が経過してもまだ治っておらず、症状が重い(傷病等級1〜3級)場合は、「傷病(補償)年金」に切り替わることがあります
    • 傷病(補償)年金に移行した場合、休業(補償)給付は原則打ち切りになります

    長期の療養になりそうな場合は、いつまで給付がもらえて、その後どの制度に切り替わるかを早めに把握しておくことが、生活設計のうえで大切です。医療機関や労働基準監督署に相談しながら確認しましょう。

    傷病手当金や有給と重なったらどうなるの?

    「働けない期間の収入を補う」という点では似ている制度がいくつかあります。でも、同じ期間を二重にもらうことは基本的にできません

    「働けない間のお金」どれが使えるの? ← このページ 休業(補償)給付 → 給付基礎日額の約80% 仕事中・通勤中のケガ・病気(労災)が対象 傷病手当金(健康保険) 業務外の病気・ケガが対象。標準報酬日額の2/3 → 労災が認められた場合、傷病手当金は原則出ない 会社の休業補償(労基法) 業務災害の待期3日間に会社が補償(平均賃金の60%以上) → 4日目以降は労災給付が優先、会社補償は免除される 有給休暇 → 給料が出ている日は、労災給付の対象外になる場合あり

    「働けない間」に関係する制度の整理

    労災か業務外か、わからないときは?

    まずは会社に報告して、労災の可能性があれば労基署への手続きを優先するのが原則です。先に健康保険(傷病手当金)で処理してしまうと、後で労災と認定されたときに精算が必要になって手間がかかります。「労災かもしれない」と思ったら、最初から労災前提で動くことをおすすめします。

    後遺障害が残ってしまった場合は?

    症状が固定して後遺障害が残った場合は、「障害(補償)給付」という別の給付に移ります。また、厚生年金の障害年金とも関係してくることがあります。どの給付とどう組み合わされるかは複雑なので、長期化しそうな場合は専門家(社労士・弁護士)に早めに相談するのが安心です。

    あわせて読みたい サムネイル 傷病手当金ってなに?業務外の病気で休んだときのお金 ふつうの病気・ケガで休業したときにもらえる健康保険の給付。計算方法や申請のしかたをわかりやすく解説。

    申請はどこに何を出せばいい?

    休業(補償)給付をもらうには、所轄の労働基準監督署に請求書を提出します。「会社がやってくれる」わけではないので、自分(または家族)が動く必要があります。

    主な書類は?

    • 業務災害の場合:「休業補償給付支給請求書(様式第8号)」
    • 通勤災害の場合:「休業給付支給請求書(様式第16号の6)」

    請求書には、休業した日数・お給料の支払い状況・医師の証明などを記載します。また、事業主(会社)の証明欄が必要なケースもあります。

    一緒に提出する書類は?

    • 医師の意見書・診断書(労災用の様式)
    • 賃金台帳・出勤簿など(賃金と出勤状況がわかるもの)
    • 通勤災害の場合は、通勤ルートや事故状況を示す資料

    どのタイミングで出せばいい?

    長期の休業になる場合は、1か月ごとにまとめて請求するのが一般的です。

    「労働基準監督署ってどこにあるの?」 → 厚生労働省のウェブサイトで住所を探せます。また、会社の所在地を管轄する署に出すのが基本です。書類の書き方がわからない場合は、署の窓口で相談にのってもらえます。

    時効(期限)はある?

    休業(補償)給付には2年の時効があります。休業した日の翌日から2年で請求権が消えてしまいます。長期休業の場合、遡ってまとめて請求できる期間に限りがあるので、原則として1か月ごとに請求していくのが安全です。

    みんなが気になる Q&A

    Q. 3日間の休みでも何か補償はありますか?

    A.労災保険からの給付は4日目からなので、3日以内では出ません。ただし、業務災害であれば会社に平均賃金の60%以上を補償する義務があります(通勤災害には会社補償の義務はありません)。就業規則を確認してみてください。

    Q. 労災か業務外か、よくわからないときはどうすればいい?

    A.まず会社に報告して、労災の可能性があると思ったら労働基準監督署に相談するのが先決です。先に健康保険(傷病手当金)で処理してしまうと、後から労災認定された場合に精算が必要になって面倒です。「労災かも」と思ったら早めに動きましょう。

    Q. 有給休暇を使っていたら、労災請求できない?

    A.有給を使った日は「賃金を受けた日」になるため、その日は休業(補償)給付の対象外になることがあります。ただしケースによって異なるので、労働基準監督署に相談して確認するのが確実です。

    Q. 傷病手当金と同時にもらえますか?

    A.同じ期間について二重には受け取れないのが原則です。労災が認められた場合は労災保険が優先され、傷病手当金は支給されないかごく少額の差額だけになります。先に傷病手当金を受けていた場合は、後で調整が入ることがあります。

    Q. 申請が遅れてもまだ間に合う?

    A.休業日の翌日から2年以内であれば請求できます。ただし長期の休業の場合、1か月ごとに請求していかないと時効で切れてしまう分が出てくるので、なるべく早めに動くのをおすすめします。

    Q. パートやアルバイトでも対象になりますか?

    A.はい、雇用形態にかかわらず対象です。労災保険が適用されている会社で働いていれば、パートでもアルバイトでも保護されます。給付基礎日額は実際の賃金をもとに計算されます。

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    「労災申請って自分でできる?書類の書き方がよくわからない…」

    労災認定のポイントや書類の書き方、会社とのやり取りの進め方など、一人で抱えていると手が止まりがちです。労災に詳しい社労士・弁護士に相談すれば、具体的なアドバイスがもらえます。

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    休業中の生活費、どう考えればいい?

    休業(補償)給付でカバーされるのは給付基礎日額の約80%です。でも実際には残業代・各種手当の分が減ったり、出費が重なったりして、生活水準をそのまま維持するのは難しいことも多いです。

    • 家賃・住宅ローン・保険料・教育費などの固定費を一覧にして、毎月の最低生活費を把握する
    • 労災給付・会社からの補償・家族の収入・貯蓄など、どのお金で何をカバーするかを整理する
    • 長期休業や後遺障害が見込まれる場合、障害年金や民間の就業不能保険の有無を確認する
    • 復職が難しい場合は、リハビリ施設や職業訓練・転職支援の活用も検討する

    生活費と公的給付のギャップを「見える化」する

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    労災給付だけでなく、民間保険・貯蓄・転職の可能性も含めて全体像を把握しておくと、長期療養になったときの不安を減らしやすくなります。

    もっと詳しく知りたいとき(公式の情報)

    この記事はわかりやすさを優先して、細かいルールを省略している部分があります。最終的に正確な情報は、以下の公式サイトや所轄の労働基準監督署で確認してください。

    この記事は一般的なケースをわかりやすくまとめたものです。最終的な判断・必要書類は、所轄の労働基準監督署および会社の案内が基準になります。

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