退職した年の確定申告、やらないと損するケースとは?

退職した年の確定申告、やらないと損するケースとは?
最終更新日:2026.03.26
ざっくり言うと

会社員だと毎年12月に「年末調整」が行われますよね。あれは会社が「払いすぎた税金を精算してくれる」手続きです。
でも、年の途中で退職すると、その年の年末調整がされません。
その結果、税金を払いすぎたままになってしまうことが多いんです。
自分で確定申告をすれば、払いすぎた税金が戻ってきます。場合によっては数万〜十数万円の還付になることも。やらないのはもったいないです。

  • 還付の目安は?数千円〜数十万円(状況による)
  • 申告期限は?翌年2月16日〜3月15日(還付なら5年以内OK)
  • 必要なものは?源泉徴収票・マイナンバー等(意外と少ない)
  • 手続きの場所は?税務署・e-Tax(スマホでもできる)
  • 住民税はどうなる?翌年に自分で払う形に変わる(要注意)
  • 再就職した場合は?新しい会社で年末調整されれば不要なことも

注意:年の途中で再就職して新しい会社で年末調整を受けた場合は、原則として確定申告は不要です。前の会社の源泉徴収票を新しい会社に提出するのを忘れずに。

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「初めての確定申告、どこから手をつければいい?」

退職年の確定申告は、源泉徴収票さえあれば比較的シンプルです。freeeやマネーフォワード確定申告などのクラウドソフトを使えば、質問に答えるだけで書類が完成します。スマホ対応・e-Tax連携で税務署に行かなくてもOK。

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そもそも、なんで退職すると税金が戻ってくるの?

会社員の場合、毎月の給料から所得税が自動的に引かれています(天引きといいます)。この金額は、あくまで「1年間フルで働いたときの予測」をもとにざっくり計算されたものです。

年末まで働いた場合、会社が「年末調整」をして正確な税額に精算してくれます。でも年の途中で退職すると、その精算がされません。

途中退職の場合、残りの月は収入ゼロなのに「1年フル勤務」前提で税金を引かれていた分が過剰になります。つまり払いすぎた状態のまま放置されてしまうんです。

年末まで働いた場合 12月に会社が年末調整 → 払いすぎた税金を精算 → 自動的にお金が戻ってくる(還付) くらべると… 年の途中で退職した場合 年末調整なし → 払いすぎた税金が精算されない → そのままだと損したまま! 自分で確定申告すれば払いすぎた分が戻る! 申告期限:翌年2月16日〜3月15日 還付申告なら翌年1月1日から5年以内でもOK → 申告しなければお金は戻ってこない

年末まで働いた場合と途中退職の場合の税金の違い

「確定申告って難しそう」と感じるかもしれませんが、退職年の還付申告はシンプルなケースが多いです。源泉徴収票(退職時に会社からもらう紙)があれば、スマホのe-Taxで30分もあれば終わることも。「面倒だからいいや」でやらないのが一番もったいないです。

お金が戻ってくるのはどんなケース?

「自分は戻ってくるのかな?」と気になりますよね。以下のケースに当てはまるほど、還付額が大きくなりやすいです。

ケース① 年の途中で退職して、その後再就職しなかった

これが一番わかりやすいケースです。働いていた期間だけに税金がかかるはずなのに、フル勤務を前提に天引きされていた分が丸ごと戻ってきます。特に退職時期が早いほど(1〜6月退職など)、還付額が大きくなりやすいです。

ケース② 社会保険料・生命保険料控除などが年末調整で反映されていない

退職後に自分で国民健康保険や国民年金を払った場合、その保険料は「社会保険料控除」として申告できます。払った分だけ税金の計算のもとになる金額が下がるので、その分税金が減ります(=お金が戻る)。生命保険料や地震保険料も同様です。

ケース③ 医療費をたくさん払った

1年間に自己負担した医療費が10万円(または所得の5%)を超えた場合、「医療費控除」で超えた分を申告できます。退職年は入院・手術があった方に特に関係してきます。

あわせて読みたい サムネイル 医療費控除ってなに?いくら戻ってくるの? 医療費が年間10万円を超えたら使える確定申告の控除。対象になる費用・ならない費用をわかりやすく解説。

ケース④ ふるさと納税をしていた(ワンストップ特例を使っていない場合)

ふるさと納税の「ワンストップ特例」は在職中を前提にした手続きです。退職後に確定申告が必要になった場合は、ワンストップ特例の効力がなくなります。確定申告の中でふるさと納税の寄附金控除をまとめて申告しましょう。

あわせて読みたい サムネイル 退職・転職した年のふるさと納税、注意点はある? ワンストップ特例が無効になるケースと、確定申告で処理する方法を解説。

ケース⑤ 住宅ローン控除の初年度

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、1年目だけ必ず確定申告が必要です。退職年に新居を購入した場合は、ここで申告しておきましょう。2年目以降は年末調整でできます。

どのケースも「払いすぎた税金を取り戻す」のが目的です。「申告しない=お金をただで捨てている」のと同じなので、少しでも当てはまると思ったら申告してみてください。e-Taxなら計算は自動でやってくれます。

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「どの控除が使えるか、自分で全部判断できるか不安…」

確定申告ソフトなら「医療費控除はありますか?」「ふるさと納税はしましたか?」と順番に聞いてくれるので、控除の知識ゼロでも申告書が完成します。入力しながら還付見込み額もリアルタイムで確認できるので、「自分はいくら戻るか」がすぐわかります。

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退職金・失業給付は申告しなくていいの?

退職金は「退職所得」として別扱い

退職金(退職所得)は、給与所得とは別の計算方法で優遇されています。会社で「退職所得の受給に関する申告書」を提出していれば、会社が税金を計算して源泉徴収してくれるので、基本的に確定申告は不要です。

ただし、この申告書を提出しなかった場合や、退職金を一時金と年金の組み合わせで受け取る場合などは申告が必要なことがあります。

失業給付(雇用保険の基本手当)は非課税

失業給付は所得税も住民税もかかりません。つまり確定申告への記載は不要です。「失業給付をもらったから確定申告しなきゃ」と心配しなくて大丈夫です。

整理するとこういうことです。
・給与(退職まで)→ 確定申告の対象(源泉徴収票をもとに申告)
・退職金 → 基本的に申告不要(会社で処理済み)
・失業給付 → 申告不要(非課税)

退職後の住民税、どう払えばいいの?

確定申告とは別に、住民税の支払い方法が変わることも知っておいてください。これが退職後に「突然大きな請求が来た!」と驚く原因になりやすいです。

在職中は住民税が毎月の給料から天引きされています(特別徴収といいます)。でも退職すると天引きができなくなるので、翌年6月以降に自分で払う「普通徴収」に切り替わります。

1
退職した年の住民税(前年所得分)は退職時に精算 退職月から12月分までの残りの住民税を、最後の給料から一括天引きするか、自分で振り込む形になります。会社の給与担当に確認してください。
2
翌年6月ごろに「住民税の納付書」が届く 確定申告の内容をもとに、自治体から住民税の納付書が送られてきます。退職後の収入が少なかった場合は金額が少なくなりますが、現役時代の給与をもとにしているため、思ったより高い請求が来ることも。
3
年4回に分けて自分で払う 6月・8月・10月・1月の4回払いになります。忘れずに払いましょう。口座振替の設定をしておくと安心です。

住民税で「去年辞めたのになんでこんなに高いの?」と感じる方が多いですが、住民税は「前の年の所得」に対してかかるため、退職後に収入がなくても前年の給与に基づく住民税が請求されます。生活費の計画を立てるときに、この支出も忘れずに見込んでおきましょう。

実際にどうやって申告するの?手続きの流れは?

手続きは2パターンあります。ほとんどの人はスマホ・PCのe-Taxで完結します。

パターンA:スマホ・PCでe-Tax(いちばん楽)

国税庁の「確定申告書等作成コーナー」か、freee・マネーフォワードなどの確定申告ソフトを使います。質問に答えながら入力するだけで書類が完成し、そのままオンライン提出(e-Tax)まで完結します。

パターンB:税務署に書類を持参・郵送

紙で申告書を作成して、管轄の税務署に持参または郵送します。確定申告の時期(2月16日〜3月15日)は税務署が込み合います。還付申告(お金が戻るケース)は1月から受付が始まるので、早めに動くとスムーズです。

必要なものをそろえよう

1
源泉徴収票(ぜったいに必要) 退職時に会社から発行されます。紛失した場合は会社に再発行を依頼してください。給与の合計・天引きされた所得税などが記載されています。
2
マイナンバーカード(または通知カード+本人確認書類) e-Taxを使う場合はマイナンバーカードがあるとスムーズです。
3
控除に関係する書類(該当する場合のみ) 医療費の領収書・生命保険料控除証明書・ふるさと納税の受領証明書・国民健康保険の支払い記録など。使う控除に応じて準備します。
4
還付金を受け取る銀行口座 還付金の振込先として自分名義の口座が必要です。

書類がそろったら、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」(スマホ・PCどちらでも使えます)に進むのがおすすめです。給与所得だけのシンプルなケースなら、源泉徴収票の数字を入力するだけで30分もかからず完成します。還付金は申告から約1〜2か月で口座に振り込まれます。

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「作成コーナーは難しそう。もっと簡単なやり方ない?」

確定申告ソフトは、国税庁の作成コーナーよりも画面がわかりやすく、入力ミスのチェックや控除の自動提案もしてくれます。e-Taxとも連携していて、入力〜提出〜還付まで一気通貫で完結します。

  • 会計知識ゼロでもガイドが丁寧
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退職年に関係しやすい「税金まわりの制度」まとめ

確定申告と一緒に、退職年に使えることが多い制度を整理しておきます。

退職年に関係しやすい税金まわりの制度 確定申告でまとめて処理できるものが多い ← このページ 確定申告(還付申告) 払いすぎた所得税を取り戻す。翌年1月〜5年以内に申告 医療費控除 年間の医療費が10万円を超えたら申告で税金が減る ふるさと納税(寄附金控除) 退職年に確定申告が必要な場合はここで一緒に申告する 社会保険料控除 退職後に自分で払った国保・国民年金の保険料は申告で節税 → 払った金額を忘れずに申告すること ※住宅ローン控除の初年度も確定申告が必要

退職年の確定申告で使えることが多い控除・制度

「退職年は控除を使えるチャンス」です。在職中は年末調整まかせで見逃しがちだった控除も、確定申告なら自分で全部まとめて申告できます。医療費・ふるさと納税・国保の保険料あたりは退職年に関係しやすいので、領収書や証明書類をひとまとめにしておくと申告が楽になります。

みんなが気になる Q&A

Q. 申告期限を過ぎてしまった。もう遅い?

A.還付申告(税金が戻ってくるケース)なら、退職した年の翌年1月1日から5年以内であれば申告できます。「去年の分、やってなかった…」という場合でもまだ間に合うことが多いので、あきらめずに申告しましょう。一方、税金を追加で払う必要があるケースは、期限を過ぎると延滞税がかかります。

Q. 失業給付をもらいながら確定申告して大丈夫?

A.大丈夫です。失業給付は非課税なので、確定申告の所得には含めません。給与の還付申告をしても、失業給付の受給に影響は一切ありません。

Q. 源泉徴収票をなくしてしまった。どうすればいい?

A.退職した会社に連絡して再発行を依頼してください。法律上、会社には再発行の義務があります。会社が対応してくれない場合は、管轄の税務署や労働基準監督署に相談する方法があります。

Q. 副業収入があった場合はどうなる?

A.退職年に副業(フリーランス収入・ネット販売など)があった場合、その所得が年間20万円を超えると確定申告の義務が生じます。給与の還付申告と同時に副業分も申告する形になります。帳簿や領収書は保管しておきましょう。

Q. 確定申告したら逆に税金を追加で払うことはある?

A.退職後も収入があった場合(副業・フリーランス・不動産収入など)は、追加で税金が発生する可能性があります。ただし、退職のみで収入がほぼゼロという方は、追加徴収になることはほぼなく、還付になるケースが大半です。

Q. 年の途中で再就職した場合は?

A.再就職先で年末調整を受けるとき、前の会社の源泉徴収票を提出すれば、1年分まとめて精算してくれます。その場合は確定申告は不要です(医療費控除などを使いたい場合は別途申告できます)。源泉徴収票の提出を忘れると正確な年末調整ができないので、必ず出しましょう。

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この記事はわかりやすさを優先して、細かいルールを省略している部分があります。最終的に正確な情報は、以下の公式サイトや、お近くの税務署・確定申告相談会で確認してください。

この記事は一般的なケースをわかりやすくまとめたものです。最終的な判断・必要書類はお住まいの地域の税務署の案内が基準になります。税額の計算が複雑な場合は、税理士や税務署の無料相談窓口への相談をおすすめします。

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