投稿者: 制度ナビ編集部

  • 子どもの大学・専門学校の学費、免除になるかも?高等教育の修学支援制度のしくみ

    子どもの大学・専門学校の学費、免除になるかも?高等教育の修学支援制度のしくみ
    最終更新日:2026.03.01
    ざっくり言うと

    子どもが大学や専門学校に進学するとき、入学金や4年分の授業料はかなりの金額になります。私立大学なら4年間で500万円を超えることも珍しくありません。ひとり親家庭をはじめ収入が多くない世帯には、特に大きな壁です。
    そのために、学費そのものを減らしてくれる+毎月の生活費として奨学金がもらえる制度があります。しかも返済不要です。
    これが「高等教育の修学支援新制度」と呼ばれるものです。

    • いくら?給付型奨学金 最大月7.5万円+授業料免除
    • 返済は?不要(給付型なので返さなくてよい)
    • 誰が?住民税非課税世帯・準ずる世帯の学生
    • 対象校は?大学・短大・高専・専門学校(認定校のみ)
    • 申し込みは?高3の春に予約採用で申し込むのが一般的
    • 窓口は?高校 or 進学先の大学・専門学校

    注意:「借りて返す」タイプの貸与型奨学金(日本学生支援機構など)とは別の制度です。この制度は返済不要の「給付型」です。両方を併用することもできます。

    あわせて読みたい サムネイル 高等学校就学支援金(私立高校の無償化)ってどんな制度? 高校の学費を支援する制度。ひとり親世帯は加算あり。大学進学前に活用できます。

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    そもそも、なぜこんな制度があるの?

    日本では長い間、「大学の学費は家庭が負担するもの」という考え方が続いてきました。でも実際には、家庭の収入によって大学進学率に大きな差があります。 お金に余裕がない世帯の子どもほど、進学を諦めたり、多額の借金(貸与型奨学金)を背負って大学に行ったりするケースが多かったんです。

    ひとり親家庭は特にその影響を受けやすい立場にあります。 子育てと仕事を一人でこなしながら、何百万円もの学費を工面するのは並大抵のことではありません。

    この「家庭の収入によって子どもの進学が左右される」という状況を変えるために、2020年4月にスタートしたのが「高等教育の修学支援新制度」です。 学費そのものを減らす「授業料等減免」と、毎月お金がもらえる「給付型奨学金」の2つをセットで提供することで、低所得世帯でも大学・専門学校に通えるようにしよう、という制度です。

    高等教育の修学支援新制度:2つの支援 ① 授業料等減免 入学金・授業料が 減額または免除 国公立大:授業料ほぼ全額 私立大:授業料の大部分 払う学費そのものが 減る(または無料に) ② 給付型奨学金 毎月お金がもらえる (返済不要) 自宅通学:月2〜3.8万円 自宅外通学:月3.4〜7.6万円 在学中の生活費を 毎月カバーできる

    ※金額は2024年度・第Ⅰ区分(住民税非課税世帯)の代表例。詳しくは後述の金額セクションを参照。

    つまり、「学費を減らしてもらいながら、毎月の生活費も支援してもらえる」のが、この制度の大きな特徴です。しかも両方返す必要がありません。ひとり親家庭など収入が多くない世帯の子どもにとって、進学のハードルをぐっと下げてくれる制度です。

    誰がもらえるの? 所得の条件は?

    条件は大きく2つです。「家庭の収入の条件」と「学力の条件」があります。

    収入の条件(所得要件)

    家庭の収入によって、もらえる金額が4段階に分かれています。

    区分 世帯の収入の目安(4人家族の場合) 支援額
    第Ⅰ区分 住民税非課税世帯(年収約270万円未満が目安) 全額支援
    第Ⅱ区分 年収約300〜380万円未満が目安 2/3の支援
    第Ⅲ区分 年収約380〜460万円未満が目安 1/3の支援
    第Ⅳ区分 年収約600万円未満の多子世帯・理工農系の学生など(2024年度〜) 授業料減免のみ(授業料の一部)

    収入の目安はあくまで参考です。家族構成・働き方・控除の状況によって大きく変わります。「うちは対象外かも」と思っても、一度申請してみることをおすすめします。

    ひとり親家庭の多くは、住民税非課税か、それに近い収入水準です。つまり第Ⅰ区分または第Ⅱ区分に該当しやすく、最大の支援を受けられる可能性が高いです。「対象外では?」と思わず、まず申請してみることが大切です。

    あわせて読みたい サムネイル 住民税非課税世帯って何?判定のしくみとメリット 収入がいくら以下だと住民税非課税になるか、どんな減免が受けられるかを解説。

    逆に、対象外になるのはどんなケース?

    • 家庭の収入が第Ⅲ区分(または第Ⅳ区分)の基準を超えている
    • 入学する学校が「確認大学等」(文科省の認定校)に含まれていない
    • 在学中に成績要件を満たせなくなった(支援の廃止・停止の対象になる)
    • 過去にこの制度を利用して支援を打ち切られたことがある

    学力の条件もあるって聞いたけど、どういうこと?

    「給付型奨学金なんだから、学力は関係ないのでは?」と思う人もいるかもしれません。でも、この制度には学力の要件もあります。

    申し込み時点での学力要件

    高校在学中に申し込む場合(予約採用)、次のいずれかを満たす必要があります。

    • 高校の評定平均が3.5以上であること
    • または、評定平均が3.5未満でも、レポートや面談などで学習意欲が確認できること

    「成績が悪いともらえないの?」と心配しているかもしれません。でも、評定平均3.5というのは「まったく普通の成績」程度のラインです。しかも成績が足りない場合でも、勉強の意欲や進学の目的をきちんと書ければ認められるケースがあります。担任の先生や奨学金担当の先生に相談してみましょう。

    在学中の継続要件(毎年チェックがある)

    奨学金をもらい続けるためには、大学でも毎年要件を満たす必要があります。

    • GPA(成績の平均点)が下位1/4以下にならないこと
    • 修得単位数が基準を下回らないこと
    • 出席状況が著しく不良でないこと

    これらをクリアできれば、卒業まで支援を継続して受けられます。

    奨学金はいくらもらえるの?

    毎月の給付額は「学校の種類(国公立か私立か)」と「自宅から通うか一人暮らしか」によって異なります。区分別の月額をまとめると、次のとおりです。

    学校の種類・居住形態 第Ⅰ区分(全額) 第Ⅱ区分(2/3) 第Ⅲ区分(1/3)
    国公立大学・自宅通学 月 20,300円 月 13,600円 月 6,800円
    国公立大学・自宅外(一人暮らし) 月 34,200円 月 22,800円 月 11,400円
    私立大学・自宅通学 月 38,300円 月 25,600円 月 12,800円
    私立大学・自宅外(一人暮らし) 月 75,800円 月 50,600円 月 25,300円

    専門学校・短大・高専の金額は大学とやや異なる場合があります。JASSO(日本学生支援機構)の公式サイトで確認してください。

    たとえば、住民税非課税世帯(第Ⅰ区分)の子どもが私立大学に一人暮らしで進学した場合、4年間で約363万円(月7.58万円×48ヶ月)の奨学金を受け取れる計算になります。これに授業料免除が加わるので、家庭の実質負担はぐっと減ります。

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    「修学支援制度だけでは足りない部分はどうすればいい?」

    給付型奨学金でカバーできない学費や生活費は、教育ローンや貸与型奨学金で補う選択肢もあります。利率・返済期間・審査基準を比較して、最適な組み合わせを選びましょう。

    • 日本政策金融公庫の教育ローンも選択肢のひとつ
    • 貸与型奨学金との組み合わせも検討できる
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    授業料の免除はどのくらい減るの?

    給付型奨学金と同時に受けられる「授業料等減免」は、入学金と毎年の授業料の一部(または全部)を大学・専門学校側が免除してくれる制度です。 自分で申請するわけではなく、奨学金の採用と連動して大学が対応します。

    国公立大学の場合(第Ⅰ区分)

    • 入学金:約28万2,000円 → ほぼ全額免除
    • 授業料:約53万5,800円(年間)→ ほぼ全額免除

    私立大学の場合(第Ⅰ区分)

    • 入学金:最大約26万円まで免除
    • 授業料:最大約70万円(年間)まで免除

    私立大学の場合、実際の授業料がこの上限を超えることもあります。その場合、超えた分は自己負担になります。

    学費の負担イメージ(第Ⅰ区分・4年間) 国公立大学 本来の学費(4年間) 約244万円 授業料等減免(4年間) 約-242万円 給付型奨学金(4年・自宅外) 約+165万円(月3.4万×48) 自己負担:ほぼゼロ +生活費サポートを 毎月受け取れる 私立大学 本来の学費(4年間) 約540万円(平均的な文系) 授業料等減免(4年間) 最大約306万円まで 給付型奨学金(4年・自宅外) 約+364万円(月7.6万×48) 自己負担:一部残る 学部・大学によって 差が大きい

    ※学費はあくまで目安。実際の金額・免除額は学校・区分・学部等によって大きく異なります。

    国公立大学なら、第Ⅰ区分(住民税非課税)の場合は学費がほとんどかからなくなります。「大学の授業料がほぼゼロになる」と聞いてもピンとこないかもしれませんが、これは本当のことです。ひとり親家庭であれば、まず「うちは第Ⅰ区分に入るのかどうか」を確認するところから始めましょう。

    どうやって申し込むの? 手続きは難しい?

    申し込みは基本的に「学校(高校または大学)を通じて行います」。自分でJASSO(日本学生支援機構)に直接申し込むのではなく、在籍している学校が窓口になります。

    一番多いのは「予約採用」:高3の春に申し込む

    進学前に「予約採用」として申し込むのが一般的です。合格前の段階で予約できるので、進路の見通しが立てやすくなります。

    予約採用の流れ(高3の場合) ① 高3の4〜6月ごろ:高校で書類をもらう 先生から案内があることが多い。案内がなければ自分で聞く ② 申込書類・家庭の収入証明等を提出 収入証明・マイナンバー・学力確認書類などを準備 ③ JASSoから「採用候補者」の通知が届く 秋ごろ(10〜11月)に結果通知。区分も確認できる ④ 大学・専門学校に合格・入学 入学後に「進学届」を提出して確定(スカラネット) ⑤ 在学中、毎月奨学金が口座に振り込まれる 同時に大学への授業料等減免も適用される ⑥ 毎年「継続願」を提出して支援を続ける

    ※高校によってスケジュールが異なります。担任または進路担当の先生に確認してください。

    入学後でも申し込める「在学採用」

    高校のときに申し込めなかった場合や、途中から経済状況が変わった場合は、大学・専門学校在学中でも申し込める「在学採用」があります。

    「高校のときに知らなかった」という人でも、入学後に申し込めます。申し込み時期は大学によって異なりますが、年1〜2回の募集があるのが一般的です。在籍する大学・専門学校の奨学金担当窓口に問い合わせてみましょう。

    途中で打ち切りになることはある? こういうときどうなるの?

    残念ながら、状況によっては支援が停止・廃止になることがあります。主なケースを整理しておきましょう。

    成績が下がったとき

    毎年、在学期間中の成績が審査されます。GPA(成績の平均)が下位1/4以下になったり、修得単位数が基準を大きく下回ったりすると、まず「警告」になります。警告が続くと支援が停止・廃止されます。

    「廃止」になると、一部の金額の返還を求められる場合があります。「もらったお金を返す必要はない」と聞いていても、廃止になった場合はその限りではないので注意が必要です。ただし、一発廃止ではなく「警告→2年連続で改善されなければ廃止」というステップがあります。

    家庭の収入が増えたとき

    在学中に親の収入が大幅に増えた場合、区分が変わったり支援対象外になったりすることがあります。毎年秋ごろに収入の再確認(適格認定)があります。

    休学・退学したとき

    • 休学:原則として休学中は支援が停止されます。復学すると再開できる場合が多いです。
    • 退学:支援が廃止されます。退学後は奨学金の返還を求められることもあります。

    転学・編入したとき

    転学先・編入先が「確認大学等」であれば、手続きをすることで支援が継続できる場合があります。ただし自動的には続かないので、転学・編入後すぐに手続きが必要です。

    「貸与型奨学金」や「高校の就学支援金」と何が違うの?

    名前が似ている制度がいくつかあります。「返す必要があるのか・ないのか」「高校向けなのか大学向けなのか」でまったく性格が違うので、ここで整理しましょう。

    教育系の制度マップ 【高校段階の支援】 高等学校就学支援金 高校授業料の補助(返済不要) 私立高校授業料実質無償化 収入目安590万円未満の世帯 に追加支援あり 【この制度】 高等教育の修学支援新制度 授業料免除+給付型奨学金 大学・専門学校向け(返済不要) 貸与型奨学金 JASSO第一種(無利子) JASSO第二種(有利子) → 卒業後に返済が必要 給付型と貸与型は 組み合わせて使えます (給付型が優先適用) 高校 → 大学と両制度を続けて使えます。 就学支援金(高校)+修学支援新制度(大学)の 組み合わせで、高校〜大学まで支援が続きます。

    ※各制度の支援額・条件は、家庭の収入や学校の種類によって変わります。

    制度 何を支援? 対象段階 返済
    高等教育の修学支援新制度 授業料免除+毎月の給付金 大学・短大・高専・専門学校 不要(給付)
    高等学校就学支援金 高校の授業料補助 高校(公立・私立) 不要(給付)
    JASSO貸与型奨学金(第一種) 毎月の生活費(無利子で貸付) 大学・短大・高専・専門学校 必要(無利子)
    JASSO貸与型奨学金(第二種) 毎月の生活費(有利子で貸付) 大学・短大・高専・専門学校 必要(有利子)
    母子父子寡婦福祉資金(修学資金) 学費の貸付(無利子) 大学・専修学校等(ひとり親) 必要(基本無利子)
    あわせて読みたい サムネイル 高等学校就学支援金(私立高校の無償化)ってどんな制度? 高校段階の授業料支援。ひとり親世帯は加算があるので、この制度との組み合わせで役立ちます。

    ひとり親のご家庭で、子どもが高校生のうちに知っておきたいのは「高校→大学とシームレスに支援が続く」ということです。高校のうちに就学支援金で授業料を下げ、大学では修学支援新制度で授業料免除+奨学金を受ける、という流れが理想です。高3になる前から情報収集しておくのがおすすめです。

    みんなが気になる Q&A

    制度の細かいルールは学校や状況によって異なります。最終的には学校の奨学金担当窓口で確認してください。

    Q浪人して入学した場合でも対象になる?
    A対象になります。予約採用の申し込みを高3のときにしていなかった場合でも、進学後に在学採用として申し込めます。浪人期間があっても収入要件・学力要件を満たしていれば利用できます。
    Q専門学校でも使えるの?
    A使えますが、「すべての専門学校が対象」ではありません。文部科学省が認定した「確認校」である必要があります。進学を考えている専門学校が対象かどうかは、学校のホームページや入試担当窓口で確認してください。
    Q親が離婚した年は収入の計算がどうなる?
    A原則として「申請時点の世帯の収入」が基準になります。離婚後にひとり親になり収入が下がったケースでは、そのタイミングで改めて申し込むことで適用される可能性があります。在学採用のタイミングや「家計急変採用」という仕組みも活用できます。奨学金担当窓口に早めに相談するのが安全です。
    Q給付型奨学金をもらいながら、貸与型も借りられる?
    A基本的には可能ですが、給付型奨学金の受給者は貸与型の上限が制限されます。たとえばJASSO第一種(無利子)の場合、給付型をもらっている人は月2万円に上限が下がるケースがあります。制度の詳細はJASSOの公式サイトで確認してください。
    Q子どもがアルバイトしていても受けられる?
    A受けられます。学生本人のアルバイト収入は、収入の計算において「生計維持者(親)の収入」とは別に扱われます。ただし学生本人が一定以上の収入を得ている場合は、別途確認が必要なケースもあります。また、アルバイトで学業がおろそかになると継続要件を満たせなくなる場合があるので注意してください。
    Q大学院には使えないの?
    Aこの制度(修学支援新制度の給付型奨学金)は大学院には使えません。大学院向けには別の奨学金制度(JASSOの第一種・第二種など)があります。

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    もっと詳しく知りたいとき(公式の情報)

    この記事はわかりやすさを優先して、細かいルールを省略している部分があります。最終的に正確な情報は、以下の公式サイトや、在籍する(または進学予定の)学校の奨学金担当窓口で確認してください。

    この記事は一般的なケースをわかりやすくまとめたものです。最終的な判断・必要書類は、在籍校の奨学金担当窓口または各公式情報が基準になります。

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    © お金の制度ナビ

  • 住民税非課税世帯って何?判定のしくみとメリットをわかりやすく解説

    住民税非課税世帯って何?判定のしくみとメリットをわかりやすく解説
    最終更新日:2026.03.28
    ざっくり言うと

    各種給付金を調べていると、「住民税非課税世帯かどうかで金額が違います」という説明がよく出てきますよね。
    たとえばひとり親向けの高等職業訓練促進給付金は、住民税非課税世帯なら月10万円、課税世帯だと月7万500円です。
    「自分は非課税世帯?」がわかると、もらえる金額の見通しが立ちます。これが「住民税非課税世帯」の判定のしくみです。

    • どういう状態?世帯全員の住民税が0円
    • 判定は?前年の所得で自動判定
    • ひとり親は?控除が多く非課税になりやすい
    • 何が変わる?給付金の金額・国保料・支援の優遇

    注意:住民税の「申請免除」とは別の話です。「非課税世帯」は自分で申請するものではなく、前年の所得をもとに市区町村が自動で判定します。

    あわせて読みたい サムネイル ひとり親が資格を取りながら毎月もらえるお金って?高等職業訓練促進給付金のしくみ 非課税世帯と課税世帯で給付額が変わる代表的な制度。月10万円か月7万円かを左右します。

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    そもそも、なぜ「住民税非課税世帯」という区分があるの?

    住民税は、地域の行政サービス(道路・学校・ゴミ収集など)を維持するために、住んでいる市区町村に払うお金です。 ふつうは所得が多いほど多く払う仕組みになっています。

    でも、収入がとても少ない人がいる世帯にまで同じように課税すると、生活が成り立たなくなりますよね。 そこで「一定の所得以下の世帯は住民税を0円にする」というルールが設けられました。 この状態にある世帯のことを、住民税非課税世帯と呼びます。

    さらに国は、「生活が厳しい人には給付金も手厚く」という考え方で、各種制度の金額設計に「住民税非課税世帯かどうか」を使うようになりました。 だから今、給付金を調べるとこの言葉がたくさん出てくるんです。

    給付金の金額は「課税状況」で変わる 住民税 課税世帯 高等職業訓練促進給付金 月 7万500円 高等学校就学支援金 通常加算のみ 高額療養費の上限額 高め(所得区分による) 支援が少なめ 住民税 非課税世帯 高等職業訓練促進給付金 月 10万円 高等学校就学支援金 ひとり親加算あり 高額療養費の上限額 低所得区分で低め 支援が手厚い

    ※各給付金の金額は代表例。実際の詳細は各制度のページを確認してください。

    つまり、「住民税非課税世帯」というラベルが付くと、いろんな給付金や制度が有利になるんです。「何か申請してなるもの」ではなく、前年の収入をもとに自動で判定されます。

    住民税非課税世帯って、どういう状態のこと?

    住民税は2種類ある

    住民税には「均等割」と「所得割」の2種類があります。

    • 均等割:所得に関係なく一律でかかる部分(年5,000〜6,000円程度)
    • 所得割:所得が多いほど高くなる部分(税率約10%)

    「住民税非課税世帯」とは、世帯の全員がこの2つとも0円になっている世帯のことです。 どちらか一方だけ0円でも、非課税世帯とは言いません。

    「住民税が安い世帯」ではなく「住民税がゼロの世帯」です。ここは大事なポイントで、少しでも住民税を払っていれば「課税世帯」になります。

    「世帯」で判定される

    「世帯」単位で判定されるので、同居している家族全員が非課税かどうかが関係します。 たとえば、子どもが0円でも同居の親が住民税を払っている場合は、課税世帯になります。

    ひとり親で子どもだけと暮らしている場合、子どもは所得がないので住民税は0円です。 本人(親)の住民税が0円になれば、世帯全員が非課税、つまり住民税非課税世帯になります。

    自分は住民税非課税世帯? 判定の目安はどこ?

    判定のもとになるのは「前年1月〜12月の合計所得金額」です。給料だけでなく、副業収入や事業収入なども含みます。

    均等割が非課税になる目安(2025年度)

    扶養している家族の人数によって基準が変わります。おおまかな目安は次のとおりです。

    扶養家族の人数 非課税になる所得の目安 パート収入の目安(給与のみ)
    0人(本人のみ) 45万円以下 年収100万円以下
    1人(子ども1人) 112万円以下 年収約204万円以下
    2人(子ども2人) 147万円以下 年収約256万円以下
    3人(子ども3人) 182万円以下 年収約307万円以下

    ※パート収入の目安は給与所得控除(最低55万円)を差し引いた計算。自営業・副業収入がある場合は異なります。自治体によって基準が一部異なる場合があります。

    子どもがいるひとり親の場合、扶養家族1人なら年収約204万円以下が目安です。月収に換算するとおよそ17万円以下。フルタイムで働いていても、該当するケースは少なくありません。

    ひとり親は「ひとり親控除」で有利になる

    2020年から「ひとり親控除(35万円)」という制度が始まりました。 婚姻歴に関係なく、合計所得500万円以下の単身親(未婚含む)が対象です。

    この控除が適用されると所得から35万円が引かれるので、ひとり親は非課税ラインに届きやすくなっています。 以前の「寡婦控除」より広く適用されるようになった点も大きいです。

    あわせて読みたい サムネイル 児童扶養手当っていくらもらえるの?所得制限のしくみ 所得の判定ラインは児童扶養手当でも似た考え方が出てきます。あわせて確認しておきましょう。

    「自分が対象かどうか」はどこで確認できるの?

    毎年5〜6月ごろに届く「住民税の決定通知書(特別徴収の場合は給与明細と一緒に)」を見ると確認できます。

    • 「均等割額」と「所得割額」がどちらも0円 → 住民税非課税
    • どちらかでも金額がある → 課税世帯

    給付金などの申請時に「住民税の課税証明書(非課税証明書)」の提出を求められることがあります。これは市区町村の窓口やコンビニのマイナンバーカード対応機で取得できます。

    住民税非課税世帯になると、具体的に何が変わるの?

    住民税非課税世帯に該当すると、お金まわりでいくつかのことが有利になります。代表的なものをまとめます。

    非課税世帯で有利になる制度 住民税非課税世帯 給付金・手当が手厚くなる 高等職業訓練促進給付金:月7万→月10万/修学支援制度の優先採用など 国民健康保険料が軽減される 均等割・平等割が最大7割軽減(前年所得に応じて自動適用) 高額療養費の自己負担上限が下がる 低所得区分で月3.5万円が上限。入院が長引いても安心 NHK受信料の全額免除(申請が必要) 世帯全員が住民税非課税の場合、申請すると免除になる ※各制度の詳細条件は制度ごとのページで確認を

    非課税世帯に該当すると複数の制度で有利になります

    介護保険料・保育料にも影響する

    40歳以上の方は介護保険料も収入に応じた段階制になっており、住民税非課税世帯は低い段階が適用されます。 保育所の利用料(保育料)も世帯の住民税額をもとに決まります。住民税非課税世帯は無償化の対象になることもあります。

    これだけの制度が連動しているので、「住民税非課税世帯かどうか」は家計にとってとても大きな分かれ道です。収入が少し多めでも、控除をうまく活用することで非課税に近づけることがあります。

    注意しておきたいことはある?

    毎年変わる可能性がある

    住民税の判定は毎年おこなわれます。 前の年の収入が増えると、翌年6月から課税世帯に変わります。 逆に収入が減れば、翌年には非課税世帯になることもあります。

    給付金によっては「申請時点での課税状況」で判定されるものもあります。 タイミングによって有利・不利が変わることがあるので、申請の際には確認が必要です。

    給付金をもらっても、住民税への影響は原則ない

    高等職業訓練促進給付金などのひとり親向け給付金は、所得税・住民税の非課税所得として扱われます。 「給付金をもらったせいで課税世帯になった」ということは、原則ありません。

    注意:給付金の種類によって課税・非課税の扱いは異なります。育児休業給付金や失業給付などは非課税ですが、事業収入として計上されるものは別です。不安な場合は市区町村や税務署に確認してみましょう。

    「非課税 = 生活保護」ではない

    住民税非課税世帯というと貧困のイメージが先行しがちですが、そうではありません。 ひとり親で子どもを扶養している場合、年収200万円前後でも非課税世帯になることがあります。 制度設計上の区分であって、生活が苦しいかどうかとは直接つながりません。

    みんなが気になるQ&A

    Aひとり親向けの給付金(高等職業訓練促進給付金・児童扶養手当など)は原則として住民税の課税対象外です。受け取っても非課税世帯の判定には影響しません。ただし制度によって異なるので、不安な場合は給付を行う市区町村に確認しましょう。

    A住民税は「前年1〜12月の所得」をもとに、翌年6月から判定が変わります。今年の収入が増えても、住民税に反映されるのは来年の6月からです。逆に今年収入が減っても、非課税の恩恵を受けられるのは来年6月以降になります。

    A「住民税の非課税証明書」または「課税(非課税)証明書」は、お住まいの市区町村の役所・役場の窓口で取得できます。マイナンバーカードをお持ちの場合、コンビニのマルチコピー機でも取得できます(対応している自治体に限ります)。手数料は300円程度が多いです。

    A「住民票上の世帯」で判定されます。実家に住民票があり、同じ世帯として登録されている場合、親が住民税を払っていれば課税世帯になります。別世帯として住民票を登録していれば、自分の収入だけで判定されます。住民票の世帯分離が選択肢になるケースもあります。

    A給付金の種類によりますが、申請の際に「課税(非課税)証明書」の提出を求められることが多いです。申請する制度の窓口(市区町村や担当部署)に必要書類を事前に確認しておくとスムーズです。

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    この記事はわかりやすさを優先して、細かいルールを省略している部分があります。最終的な判断や正確な基準は、以下の公式情報やお住まいの市区町村の窓口で確認してください。

    この記事は一般的なケースをわかりやすくまとめたものです。最終的な判断・必要書類は、お住まいの市区町村の案内が基準になります。

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  • 扶養と年収の壁って、どういうこと?103万・130万・150万の違いをわかりやすく

    扶養と年収の壁って、どういうこと?103万・130万・150万の違いをわかりやすく
    最終更新日:2026.03.01
    ざっくり言うと

    パートや副業の収入を増やしたいけど、「扶養から外れると損するって聞いた」「103万の壁を超えたらまずいの?」と悩んでいる人は多いですよね。
    年収の壁には「税金の壁」と「社会保険の壁」の2種類があり、それぞれ仕組みも影響する金額も全然違います。ひとまとめに考えると混乱するので、まず「どの壁の話か」を切り分けるのが理解の近道です。
    この記事では、住民税・所得税・社会保険それぞれの壁が何を意味するかを順番に整理します。

    • 壁の種類税金の壁 / 社会保険の壁(別物)
    • 住民税の壁約93〜100万円(扶養なし)
    • 所得税の壁103万円(配偶者控除に影響)
    • 社会保険の壁①106万円(大企業勤務の場合)
    • 社会保険の壁②130万円(扶養から外れるライン)
    • 配偶者特別控除150万円まで満額、201万円で完全消滅

    注意:年収の壁に関するルールは法改正によって変わることがあります。特に2024〜2025年に制度見直しの議論が進んでいます。最新情報はお勤め先・加入している健康保険・お住まいの自治体でご確認ください。

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    そもそも「扶養」って何?2種類ある、を先に知っておく

    「扶養に入っている」という言葉、よく聞くけど実は2つの意味があります。混乱のもとはここです。

    「扶養」には2種類ある ①税法上の扶養 配偶者控除・扶養控除 → 配偶者の税金が安くなる 関係する壁: 103万円・150万円・201万円 管轄:税務署・自治体 ②社会保険の扶養 健康保険・年金の扶養 → 保険料を払わなくていい 関係する壁: 106万円・130万円 管轄:勤め先・健康保険組合 この2つは別々に考える必要がある 「税法上は扶養を外れていても社保の扶養は残る」場合もある

    「扶養」は税金と社会保険で別々に判定される。壁の話もまずここから整理

    「103万の壁を超えたら扶養から外れる」とよく言われますが、正確には「税法上の配偶者控除が適用されなくなる」という話です。社会保険の扶養(健康保険・年金)はまた別のラインで判定されます。この2つを混同すると、損得の計算が狂ってしまいます。

    税金の壁ってどういうこと?(103万・150万・201万)

    税金の壁は「配偶者(主に夫)の税金が増えるかどうか」のラインです。自分(妻・パート側)の税金がかかるかどうかとは別の話です。

    103万円の壁:配偶者控除が使えなくなる

    パートで働く側(妻など)の年収が103万円を超えると、配偶者(夫など)の所得税で使える「配偶者控除(38万円)」が適用されなくなります。配偶者の税負担が増える、という意味での「壁」です。

    また、103万円を超えるとパート側自身も所得税がかかり始めます(給与所得控除55万円+基礎控除48万円=103万円が非課税ライン)。

    「103万を超えると損する」とよく言われますが、正確には「超えた額に対して所得税がかかり始め、配偶者側の税負担も少し増える」という話です。超えた瞬間に全収入に税金がかかるわけではありません。少し超えたくらいなら手取りが大幅に減ることはほとんどありません。

    150万円の壁:配偶者特別控除が満額使えなくなる

    103万円を超えた後も、年収150万円以下であれば「配偶者特別控除(38万円)」が満額使えます。つまり配偶者の税負担は103万円以下のときとほとんど変わりません。

    150万円を超えると、配偶者特別控除の金額が少しずつ減り始めます。

    201万円の壁:配偶者特別控除が完全になくなる

    年収が201万円を超えると、配偶者特別控除がゼロになります。ここで初めて「税法上の扶養のメリットが完全に消える」状態になります。

    パート側の年収 配偶者の控除 パート側の所得税
    〜103万円 配偶者控除(38万円)満額 かからない
    103万〜150万円 配偶者特別控除(38万円)満額 かかり始める
    150万〜201万円 配偶者特別控除が段階的に減る かかる
    201万円超〜 なし(控除ゼロ) かかる

    ※配偶者控除・特別控除は配偶者(夫など)の年収が1,095万円以下の場合に適用されます。配偶者の収入が多い場合は控除額が異なります。

    あわせて読みたい サムネイル 住民税が非課税になる条件って? 非課税ラインの考え方(扶養人数別)と、非課税世帯が受けられるメリットを解説。

    「住民税の壁」は所得税とは別にある(約93〜100万円)

    所得税の壁(103万円)より前に、住民税がかかり始めるラインがあります。多くの自治体では、扶養なし・単身の場合、年収が約93〜100万円を超えると住民税の均等割がかかり始めます。

    住民税はパート側自身の税負担の話であり、配偶者の控除とは関係ありません。「自分が住民税を払うかどうか」の確認として意識しておきましょう。

    税金の壁:年収ラインのまとめ(扶養なし・単身の目安) 年収 約93〜100万 住民税(均等割) 103万 所得税・配偶者控除 106万 社保①(大企業) 130万 社保②(一般) 150万 特別控除が減り始め 201万 特別控除ゼロ 住民税の壁 所得税・配偶者控除の壁 社会保険の壁 非課税 壁を1つずつ超えていく

    年収が上がるにつれ、住民税→所得税→社会保険の順で「壁」を超えていく

    住民税の壁(約93〜100万円)は所得税の壁(103万円)より低い位置にあります。「103万以内に収めているから税金はかかっていない」と思っていても、住民税はすでに発生していることがあります。給与明細や住民税決定通知書で一度確認してみてください。

    あわせて読みたい サムネイル 住民税が非課税になる条件って? 非課税ラインの考え方(扶養人数別)と、非課税世帯のメリットを解説。

    社会保険の壁ってどういうこと?(106万・130万)

    社会保険の壁は「自分が健康保険・年金の保険料を払い始めるかどうか」のラインです。税金の壁とは完全に別の話です。社会保険の扶養を外れると、毎月の保険料負担が増えるため、手取りが大きく減ります。

    106万円の壁:大企業で働く場合の特別ライン

    パート・アルバイトで働く会社が従業員101人以上(2024年10月から51人以上)の企業で、かつ次の条件をすべて満たすと、年収106万円(月収約8.8万円)を超えた時点で社会保険に加入することになります。

    • 週の労働時間が20時間以上
    • 月額賃金8.8万円以上(年収換算で約106万円)
    • 雇用期間が2か月を超える見込みがある
    • 学生でない

    この条件に当てはまると、配偶者の社会保険の扶養から外れ、自分で健康保険・厚生年金に加入することになります。

    注意:2024年10月から、対象となる企業規模が「従業員101人以上」から「51人以上」に拡大されました。勤め先の規模が変わった・変わる予定がある場合は確認してください。

    130万円の壁:ほぼすべての人に関係するライン

    勤め先の規模に関わらず、年収が130万円を超えると配偶者の健康保険の扶養から外れます。自分で国民健康保険に加入するか、勤め先で社会保険に加入するかになります。

    保険料の負担額は収入によって変わりますが、年間数万円〜十数万円単位の出費が発生することが多く、これが「手取りが減った」と感じる最大の原因になりやすいです。

    社会保険の壁は、税金の壁と違って「少し超えたくらいなら大丈夫」ではありません。130万円を超えた瞬間に保険料が丸ごと発生するため、損益分岐点(手取りがプラスになる年収)を計算してから判断するのが大切です。

    社会保険の壁:130万円を超えると何が起きる? 年収130万円未満(社会保険の扶養内) 健康保険・年金の保険料:自分では払わなくていい → 配偶者の保険に入れてもらっている状態 130万円を超えると… 配偶者の社会保険の扶養から外れる → 自分で健康保険・年金の保険料を払う必要がある → 年間数万〜十数万円の出費が増える パターンA 勤め先で社会保険に 加入する(厚生年金) → 将来の年金が増える パターンB 国民健康保険・ 国民年金に自分で加入 → 保険料が高くなりやすい

    130万円を超えると保険料の自己負担が発生。損益分岐点を確認してから判断しよう

    結局、いくら稼いだら「損しない」の?

    「壁を超えたら損する」という話が一人歩きしていますが、正確には「壁をちょっと超えたときに一時的に手取りが減ることがある」という話です。稼ぎ続ければ損益分岐点を超えて、プラスになります。

    社会保険の壁(130万円)の場合:おおよその損益分岐点

    130万円を超えると社会保険料(健康保険+年金)が発生します。多くの場合、保険料の負担は年間15万〜25万円程度になります。これを手取りで取り戻すには、130万円+保険料分を超える収入が必要です。

    ざっくりした目安として、年収160〜170万円を超えると手取りがプラスに転じるケースが多いですが、勤め先の保険料率や家族構成によって変わります。

    「130万円を1円でも超えたら損」という理解は正確ではありません。130万〜160万円台の”損しやすいゾーン”を把握したうえで、その上を狙うか、その下に収めるかを判断するのが正しい考え方です。中途半端に「ちょっとだけ超えてしまった」状態が一番もったいないです。

    税金の壁(103万円・150万円)の場合:実はあまり損しない

    103万円を少し超えても、かかるのは超えた分だけへの所得税(税率5%)と、配偶者の税負担の微増です。数千円〜数万円の増税で済むことがほとんどです。「103万円を超えたら家計が崩壊する」というほどの影響はありません。

    一方、150万円〜201万円の間で配偶者特別控除が減っていく期間も、段階的な減少なので急激な損はありません。

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    扶養を外れると住民税はどう変わるの?

    扶養を外れることと住民税は、2つの視点から関係します。

    パート側自身の住民税:収入が増えれば増える

    パートで稼ぐ金額が増えれば、それに応じて自分自身の住民税も増えます。住民税は前年の収入をもとに翌年6月に決まるため、今年たくさん稼いだ分の住民税は来年6月からかかり始めます。

    配偶者側の住民税:控除が減ると少し増える

    配偶者控除や配偶者特別控除が使えなくなる(減る)と、配偶者側の課税所得が増えます。住民税も所得税と連動して少し増えます。ただし配偶者控除(33万円)が使えなくなっても住民税の増加は年3万円程度(税率10%で計算)で、劇的に増えるわけではありません。

    「扶養を外れると税金が大変なことになる」という印象がありますが、税金の壁を少し超えたくらいで家計が大きく崩れることはほぼありません。問題になりやすいのは社会保険の壁(130万円前後)で保険料が丸ごと発生するケースです。まず「税金の話か社保の話か」を切り分けて考えてみてください。

    あわせて読みたい サムネイル 住民税の仕組みってどうなってるの?(いつ・どう払う?) 住民税の計算・天引き・自分払いの違いと、転職・退職時の注意点。 あわせて読みたい サムネイル 住民税が急に増えた…原因の切り分けと対処法 前年収入の増加・控除の変化など、増えた理由別に解説。

    みんなが気になるQ&A

    Q. 103万円の壁は2025年以降も変わらない?

    A. 2024〜2025年にかけて「103万円の壁を引き上げる」議論が国会で進んでいます。基礎控除の引き上げが検討されており、ラインが変わる可能性があります。最新の状況はニュースや税務署・国税庁のWebサイトでご確認ください。この記事の数字は現行制度をもとにしています。

    Q. フリーランス・自営業の場合、年収の壁はどう考える?

    A. フリーランスや自営業の場合は「給与収入」ではなく「事業所得」で判定されます。計算の仕組みが違うため、同じ「103万円」というラインがそのまま適用されるわけではありません。また、社会保険の扶養については「年収(売上ではなく利益)」で判定されることが多いため、加入している健康保険に確認してください。

    Q. 配偶者控除と配偶者特別控除の違いは?

    A. 配偶者控除は「パート側の年収が103万円以下」のときに配偶者(夫など)が使える控除(38万円)です。配偶者特別控除は「103万円を超えて201万円以下」の範囲で使える控除で、超えた金額に応じて控除額が少しずつ減っていきます。103〜150万円の間は配偶者控除と同じ38万円が使えるので、103万円をちょっと超えたくらいでは実質的な影響はほぼありません。

    Q. 社会保険に入ったら損するだけ?

    A. 短期的には保険料の負担が増えますが、社会保険に加入すると「傷病手当金(病気・ケガで働けないときの給付)」や「将来の厚生年金が増える」というメリットもあります。保険料を払いながら受け取れるものが増える、という見方もできます。損か得かは、収入の水準や将来の計画によって異なります。

    Q. 扶養に入ったまま副業するのは問題ある?

    A. 副業収入も年収に合算して壁の判定が行われます。パートの給与+副業収入の合計が各ラインを超えると、扶養から外れる可能性があります。副業収入がある場合は確定申告も必要になることが多いので、合計収入を把握したうえで計画を立てることが大切です。

    「自分はどうするのが正解か」は、数字で確認するのが一番

    年収の壁は「壁がある」を知るだけでなく、自分の状況でいくら稼ぐと損益分岐点を超えるかを計算することが大切です。勤め先の規模・配偶者の年収・子どもの有無など、個人差が大きいため、一般論だけでは判断が難しいこともあります。

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    もっと詳しく知りたいとき(公式の情報)

    この記事はわかりやすさを優先して、細かいルールを省略している部分があります。最終的に正確な情報は、以下の公式サイトや、勤め先・加入している健康保険・お住まいの自治体の窓口でご確認ください。

    年収の壁に関するルールは法改正によって変わります。この記事は執筆時点の制度をもとにしています。最新の制度は上記公式サイト等でご確認ください。

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  • 住民税が非課税になる条件って?非課税世帯のメリットもまとめて解説

    住民税が非課税になる条件って?非課税世帯のメリットもまとめて解説
    最終更新日:2026.03.01
    ざっくり言うと

    「年収いくら以下なら住民税がかからないの?」と気になっている人は多いと思います。
    住民税が非課税になるかどうかは、収入の金額だけでなく家族構成(扶養している人の数)によっても変わります。また、住民税には「所得割」と「均等割」の2段階があり、どちらが非課税かによって受けられる支援の幅が変わることも覚えておくと便利です。
    非課税になると、税金がゼロになるだけでなく各種の給付金・医療費の減免・保育料の軽減など、暮らしに直結するメリットがあります。

    • 非課税の2種類所得割ゼロ / 均等割もゼロ
    • 単身・扶養なし年収約100万円以下が目安
    • 扶養ありの場合扶養が増えるほど非課税ラインが上がる
    • メリット①住民税がかからない(年数万円〜)
    • メリット②給付金・保育料・医療費の減免対象になりやすい
    • 自動で判定?基本は自動。申告が必要なケースもある

    注意:非課税の基準額は自治体によって若干異なる場合があります。この記事の数字は一般的な目安です。正確な金額はお住まいの自治体の窓口でご確認ください。

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    そもそも「住民税非課税」ってどういう状態なの?

    「住民税がかからない」と一口に言っても、実は2つのレベルがあります。住民税は「所得割」と「均等割」という2つの部分でできているので、まずここを整理しておきましょう。

    住民税の「2つの部分」と非課税の2段階 所得割 収入に応じて増える部分 税率:約10% 収入が少ないとゼロになる 均等割 みんな一律の定額部分 約5,000〜6,000円/年 さらに収入が少いとゼロ レベル① 所得割だけゼロ 給付金など一部の支援対象に 均等割はかかる(数千円) レベル② 所得割も均等割もゼロ 「住民税非課税世帯」として 幅広い支援が受けられる

    「住民税非課税」には2段階ある。給付金などの対象は主にレベル②

    ニュースや給付金の案内で出てくる「住民税非課税世帯」は、所得割も均等割もどちらもゼロの世帯のことを指します。「所得割だけゼロ」では対象外になる支援も多いので、この違いは覚えておくと便利です。

    非課税になる収入のラインはいくら?

    住民税が非課税になるかどうかは「前年の所得(≒もうけ)」で判定されます。ただし給与収入の場合、給与所得控除が差し引かれてから「所得」が計算されるため、年収(額面)と所得は違う数字になります。

    非課税ラインは扶養人数で変わる

    住んでいる市区町村によって基準は若干異なりますが、多くの自治体では次のような基準が使われています。

    家族の状況 所得の目安 給与年収の目安
    単身(扶養なし) 45万円以下 約100万円以下
    扶養親族が1人 112万円以下 約167万円以下
    扶養親族が2人 147万円以下 約204万円以下
    扶養親族が3人 182万円以下 約241万円以下

    ※給与年収の目安は給与所得控除(最低55万円)を差し引いた計算例です。他に社会保険料控除・各種控除がある場合は実際の非課税ラインがさらに上がります。正確な基準はお住まいの自治体へご確認ください。

    「単身で年収100万円くらいが目安」とよく言われますが、これは扶養が誰もいない場合の話です。子どもや配偶者を扶養している人は、もっと高い収入でも非課税になりえます。家族構成込みで確認するのが大切です。

    「所得割だけ非課税」の目安も異なる

    所得割のみゼロになるラインは、さらに高めに設定されています。単身の場合、おおむね年収約155万円以下(所得100万円以下)が目安になる自治体が多いです。ただしこの場合、均等割(年数千円)はかかります。

    あわせて読みたい サムネイル 住民税の仕組みってどうなってるの?いつ・どう払う? 所得割・均等割の違いから、天引き・自分払いの違いまで基本を解説。

    非課税かどうかは、誰がどうやって判定するの?

    基本的に、自治体が前年の収入データ(確定申告・年末調整)をもとに自動で判定します。自分で「非課税にしてください」と申請する必要は原則ありません。

    ただし、次のような場合は申告が必要になることがあります。

    • 前年に収入がゼロ(専業主婦・無職・学生など)でも、住民税の申告をしないと非課税の証明が出せない場合がある
    • 扶養家族の変更(子どもの就職・結婚など)があった場合
    • 前年に確定申告も年末調整もしていない場合

    「収入がないから申告しなくていい」と思っていると、非課税の証明書が発行できない=給付金の申請ができないという状況になることがあります。収入がゼロの年でも「住民税の申告(ゼロ申告)」を市区町村の窓口でしておくと安心です。

    非課税になると何がいいの?メリットをまとめて確認

    住民税が非課税になることの一番わかりやすいメリットは、当然「住民税の支払いがゼロになる」ことです。でも実は、それだけじゃありません。非課税世帯を対象にした様々な支援が受けられるようになります。

    住民税非課税になると受けられる主なメリット 住民税非課税世帯 (均等割もゼロ) 住民税がかからない 年間数万円〜の節約 給付金の対象 臨時給付金など 保育料の軽減 保育・給食費など 医療費の自己負担軽減 高額療養費・後期高齢 給付型奨学金・ 授業料免除 大学等の修学支援 介護サービス費の軽減 利用者負担が下がる 注意:支援の種類・対象・金額は制度によって異なります ・「住民税非課税」でも対象外になる支援があります ・申請が必要なものと、自動で適用されるものがあります ・支援の内容は年度・自治体によって変わることがあります

    住民税非課税になると、税金以外にも様々な支援が受けやすくなる

    よく知られていないメリット:高額療養費の自己負担上限が下がる

    病院での医療費が高額になったとき、一定額を超えた分は健康保険から戻ってくる「高額療養費制度」があります。この自己負担の上限額が、住民税非課税世帯では低く設定されています。入院や手術が続く場面では、この差が家計に大きく影響します。

    修学支援制度(大学の授業料免除・給付型奨学金)にも影響する

    大学・短大・専門学校の授業料免除や給付型奨学金(返さなくていい奨学金)は、住民税非課税世帯かそれに準ずる世帯が対象の中心です。子どもの進学を考えている家庭では、住民税非課税かどうかが非常に大きな意味を持ちます。

    住民税非課税になることで「税金がゼロ」という直接的なメリットに加え、医療・保育・教育・介護など、生活の様々な場面で自己負担が下がることがあります。「どうせ自分は対象外」と思い込まず、一度確認してみる価値はあります。

    パート・アルバイトの人はどう考えればいいの?

    パートやアルバイトで働いている人が「住民税を払わなくていい収入ライン」を気にするとき、よく混同されるのが住民税の壁・所得税の壁・社会保険の壁という3つの「年収の壁」です。

    パート・アルバイトの「年収の壁」早見表 壁の種類 年収の目安 住民税の均等割 (定額部分)の壁 約93〜100万円 住民税の所得割 (収入比例部分)の壁 約155万円 所得税の壁 (国の税金) 約103万円 ※扶養なし・単身の場合の目安。自治体・控除の状況で変わります 社会保険の壁(106万円・130万円)は別途確認してください

    「住民税の壁」と「所得税の壁」は別物。それぞれ確認が必要

    103万円の壁って住民税とは関係ないの?

    よく耳にする「103万円の壁」は所得税(国の税金)の壁です。住民税の壁とは別の話です。住民税が非課税になるラインは、単身なら約93〜100万円程度が目安で、所得税よりも低いことが多いです。

    「103万円を超えないようにしている」人でも、住民税はすでに発生している、というケースはよくあります。

    注意:配偶者の扶養に入っている場合、「配偶者控除の壁(103万円・150万円)」と「住民税の壁」は別の話です。自分の住民税がかかるかどうかと、配偶者の控除が変わるかどうかは、それぞれ独立して確認してください。

    あわせて読みたい サムネイル 扶養と年収の壁って、どういうこと? 扶養が外れると税金がどう変わるかをわかりやすく整理。103万・130万・150万の違いも解説。

    「自分の年収でどうなるか」を確認したい

    収入・扶養の状況によって住民税がかかるかどうかは変わります。まずは自分の状況を整理してみましょう。

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    「住民税非課税証明書」はどこでもらえるの?

    給付金の申請や医療費の減免、奨学金の申請などでは「住民税非課税証明書(課税証明書)」の提出を求められることがあります。この書類は市区町村(役所・役場)の窓口で取得できます。

    1
    住んでいる市区町村の窓口へ行く 税務課・市民課など窓口名は自治体によって異なります。マイナンバーカードがあればコンビニのマルチコピー機でも取得できる自治体もあります。
    2
    「課税証明書(非課税証明書)」を申請する 本人確認書類(マイナンバーカード・運転免許証など)を持参します。手数料は300円程度が多いです。
    3
    必要な「年度」を確認してから申請する 証明書は「どの年の収入に基づくか」で年度が異なります。提出先から指定された年度の証明書を取得してください。

    収入がゼロで申告をしていない年の証明書は発行できない場合があります。収入がない年でも市区町村に「住民税の申告(ゼロ申告)」をしておくと、あとから証明書が必要になったときに困りません。

    みんなが気になるQ&A

    Q. 住民税非課税世帯かどうか、自分で確認できる?

    A. 毎年6月頃に届く「住民税決定通知書(特別徴収の場合は勤め先から)」で確認できます。「税額」の欄がゼロ、または「非課税」と記載されていれば非課税です。確認が難しければ、市区町村の税担当窓口に問い合わせてみてください。

    Q. 世帯に一人でも住民税を払っている人がいたら「非課税世帯」にならない?

    A. 「住民税非課税世帯」とは、世帯全員が住民税非課税である世帯のことです。同じ家に住む家族(世帯員)のうち一人でも住民税を払っている人がいると、原則として非課税世帯には該当しません。ただし制度によって判定の仕方が異なる場合もあるので、給付金などは個別の案内を確認してください。

    Q. 非課税になると国民健康保険料は安くなる?

    A. 国民健康保険(国保)の保険料は、収入(所得)が低い世帯には「均等割の軽減制度」があり、保険料が2〜7割引きになります。これは住民税非課税かどうかではなく、世帯の所得金額で判定されますが、収入が住民税非課税ラインに近い水準であれば軽減の対象になることが多いです。自治体の窓口で確認してみてください。

    Q. 今年から収入がなくなった。住民税は今すぐゼロになる?

    A. 残念ながら、住民税は「前年の収入」をもとに計算されるため、今年から無収入になっても今年の住民税(前年収入で計算済み)はかかります。非課税になるのは、収入がゼロの年の翌年6月以降です。収入が大きく減って払えない場合は、自治体に分割払いや猶予の相談をしてください。

    Q. 非課税世帯向けの給付金は申請が必要?それとも自動で来る?

    A. 給付金の受け取り方は制度によって異なります。自治体から案内が届いて申請が必要なものと、自動で振り込まれるものがあります。給付金の情報はお住まいの自治体のWebサイトや広報誌で確認するか、役所の窓口に問い合わせてください。案内が届いたら必ず中を確認し、期限内に手続きすることが大切です。

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    住民税非課税になるかどうかは、収入だけでなく家族構成・控除の状況・副業の有無など、様々な要素が絡みます。「なんとなくわかったけど、自分の数字がよくわからない」という場合は、FPへの無料相談を活用してみてください。

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    この記事はわかりやすさを優先して、細かいルールを省略している部分があります。最終的に正確な情報は、以下の公式サイトや、お住まいの自治体の税担当窓口で確認してください。

    この記事は一般的なケースをわかりやすくまとめたものです。非課税の判定基準・支援の詳細はお住まいの自治体・各制度の案内が基準になります。

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    © お金の制度ナビ

  • 住民税の仕組みってどうなってるの?いつ・どう払うか全部わかる

    住民税の仕組みってどうなってるの?いつ・どう払うか全部わかる
    最終更新日:2026.03.01
    ざっくり言うと

    毎月の給料から引かれている「住民税」、なんとなく払っているけど仕組みはよくわからない……という人は多いと思います。
    住民税は前の年の収入をもとに計算され、毎年6月から翌年5月にかけて払う税金です。会社員は給料から自動的に天引きされますが、フリーランスや転職したてのタイミングでは自分で払うことになります。
    払い方を知っておくだけで、「急に請求が来た!」という驚きがなくなります。

    • 何のお金?都道府県+市区町村に払う税金
    • いくら?大まかに所得の約10%(+均等割)
    • いつ決まる?前年1〜12月の収入をもとに毎年6月
    • 払い方①天引き(会社が給料から引いてくれる)
    • 払い方②自分で払う(自治体から納付書が届く)
    • 注意タイミング転職・退職・フリーランスになるとき

    注意:住民税の税率や均等割の金額は自治体によって異なることがあります。最終的な金額は「住民税決定通知書(納税通知書)」でご確認ください。

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    そもそも住民税って、なんのために払うの?

    ふだん暮らしている街の道路・公園・学校・ゴミ収集・保育園……こういったサービスは、誰かが費用を出して維持しています。その費用の一部を「住んでいる人で分担しよう」というのが住民税の考え方です。

    住民税は2つの税金がセットになっています。

    • 都道府県民税(東京都なら「都民税」)
    • 市区町村民税(住んでいる市・区・町・村への税金)

    この2つを合わせて「住民税」と呼んでいます。実際には一緒にまとめて払うので、意識する必要はありません。

    住民税は「今住んでいる自治体へのお金」です。引っ越しても税金は自動的に新しい自治体へ切り替わりますが、課税されるのは前年1月1日時点の住所地。引っ越しのタイミングには少し注意が必要です(くわしくは後述)。

    住民税はいくらかかるの?計算のしくみ

    住民税は大きく2つの部分でできています。

    所得割:収入が多いほど増える部分

    前の年の「所得(≒もうけ)」に税率をかけて計算します。税率はほぼ全国一律で10%(都道府県4%+市区町村6%)です。ただし、ここから各種控除が差し引かれるので、課税対象はそのまま年収ではありません。

    住民税の計算のしくみ 前年の収入(給料・副業など) 1月〜12月の合計 − 各種控除(社会保険・扶養など) 課税所得 控除を差し引いた「実際に税金がかかる金額」 × 税率10%(所得割)+ 均等割 住民税の年間金額が決まる 6月〜翌年5月の12回に分けて払う 均等割:定額(多くの自治体で年約5,000〜6,000円) 所得がゼロ〜少額でも課税される可能性あり

    住民税は「所得割(収入に応じた部分)+均等割(定額部分)」でできている

    均等割:みんな一律に払う部分

    収入の多い少ないに関係なく、住んでいる人が定額で払う部分です。金額は自治体によって異なりますが、多くは年間5,000〜6,000円程度です。2024年度からは森林環境税(年1,000円)も加わっています。

    ざっくり計算すると「年収400万円の会社員」の住民税は、給与所得控除や社会保険料控除などを差し引いた後で計算されるので、年収の10%よりかなり低い金額になります。自分のおおよその金額が知りたい場合は、自治体のHPにある住民税シミュレーターを使うと便利です。

    いつ決まって、いつ払うの?タイムラインを確認

    住民税には独特のタイムラインがあります。「今年の収入なのに、来年払う」ではなく、「去年の収入をもとに、今年の6月から払う」というのが正しい理解です。

    住民税のタイムライン 1 前年1月〜12月 この期間の収入・控除が課税の計算に使われる 2 翌年1〜3月(確定申告)or 年末調整 収入・控除の情報が自治体へ届く 3 翌年5〜6月(通知書の送付) 自治体が計算し、住民税決定通知書が届く 4 翌年6月〜翌々年5月(12回で払う) ・会社員:毎月の給料から天引き(自動) ・自営業など:自分で納付書か口座振替で払う 例:2025年(前年)の収入 → 2026年6月に決定 2026年6月〜2027年5月にかけて12回払う ※退職・転職・独立したときはタイミングが変わることも

    「今年の収入」が住民税に反映されるのは1年後の6月から

    よく「去年転職したのに住民税が急に来た!」と驚く人がいます。これは転職前の会社で前年の収入分がまとめて計算され、転職後の6月から新しい会社で天引きが始まるからです。びっくりしますが、二重請求ではありません。

    会社が給料から引いてくれるの?(特別徴収)

    会社員・パート・アルバイトなど、勤め先がある人の多くは給料から自動的に天引きされています。これを「特別徴収」と言います。

    手続きは全部会社(雇用主)がやってくれるので、自分で何かをする必要はありません。ただ、天引きが始まる6月の給料明細を見ると、今年の住民税の金額が変わっているので確認しておくと安心です。

    天引きの月割りはどうなってるの?

    年間の住民税を6月〜翌5月の12回に均等に分けて引かれます。年の途中で就職・転職した場合は、残りの月数で割り直されることがあるため、1回あたりの金額が多くなることがあります。

    給料明細の「住民税」欄を前の月と比べてみてください。6月に増えた・減ったと感じたら、前年の収入か控除が変わったサインです。増えた理由が気になる場合は、住民税決定通知書(勤め先から渡されます)で確認できます。

    あわせて読みたい サムネイル 住民税が突然増えた…その原因を切り分けるには? 前年収入の増加・控除の減少・ふるさと納税の申請漏れなど、増えた理由別に解説。

    自分で払う場合はどうするの?(普通徴収)

    次のような人は、自治体から届く納付書で自分で払います。これを「普通徴収」と言います。

    • フリーランス・自営業者
    • 会社を退職して無職・求職中の人
    • 給与以外に副業・不動産収入などがある場合(その分だけ普通徴収になることも)

    納付書はいつ届くの?

    毎年6月頃に、自治体から「住民税の納税通知書(納付書)」が届きます。年4回(6月・8月・10月・翌1月)の分割払いが基本です。

    1
    6月に納付書が届く 自治体から「住民税決定通知書」と「納付書(4枚)」が封筒で届きます。
    2
    払い方を選ぶ コンビニ・銀行窓口・口座振替・スマートフォン決済など、自治体によって対応方法が違います。
    3
    期限内に払う 納付書に書かれた期限を過ぎると延滞金が発生することがあります。忘れずに払いましょう。

    注意:納付書を紛失した場合は、自治体の税担当窓口に連絡すると再発行してもらえます。放置は延滞金につながるので早めに動いてください。

    副業・フリーランスの税金、どう整理する?

    普通徴収になるケースや確定申告が必要なケースは、収入の種類によって変わります。整理が難しい場合はFPや税理士に相談すると早いです。

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    転職・退職したときはどうなるの?

    住民税がやっかいなのは、転職・退職のタイミングです。「前の会社では天引きだったのに、急に納付書が届いた」というのはよくある話です。

    退職するとき(1〜5月退職)

    1〜5月に退職した場合、まだ払い終わっていない残りの住民税を最後の給料からまとめて引くことが多いです。退職月の給料明細で住民税の金額を確認してみてください。

    退職するとき(6〜12月退職)

    6〜12月に退職した場合は、翌年5月分まで残った分を普通徴収(自分で払う)に切り替えるか、退職金からまとめて引くかを選ぶことが多いです。退職後に自治体から納付書が届いたら、それで払います。

    転職したとき

    転職先の会社に「住民税の特別徴収を継続したい」と伝えておくと、新しい会社が引き継いで天引きしてくれます。何も言わないと一時的に普通徴収(自分払い)になることがあります。

    退職・転職したときの住民税の扱い 1〜5月に退職 残りの住民税を最後の 給料・退職金から まとめて引かれることが多い 6〜12月に退職 翌年5月分まで普通徴収 (自治体から納付書が届く) 払い忘れに注意! 転職したとき 転職先に「特別徴収を引き継いでほしい」と伝えればOK 手続きは転職先の会社がやってくれる(書類が必要な場合あり) 自治体・会社によって手続きが異なる場合があります

    退職・転職時は住民税の支払い方が変わりやすい。確認を忘れずに

    退職・転職後に「住民税の納付書が届いたけど払わなくていいよね?」と放置するのは危険です。期限を過ぎると延滞金が発生します。納付書が届いたら金額と期限をすぐ確認しましょう。

    引っ越ししたときはどうなるの?

    年の途中で引っ越しをしても、住民税はその年の1月1日時点に住んでいた自治体に払います。引っ越し後すぐに「新しい自治体に払わなきゃ」とはなりません。

    翌年1月1日以降は、新しい住所の自治体に課税されます。つまり、引っ越しの効果(課税先が変わること)が出るのは、翌年の6月からです。

    注意:住民票の移動が遅れると、新旧2つの自治体から請求が届くように見えることがあります。住民票はなるべく早く移しておきましょう。

    みんなが気になるQ&A

    Q. 住民税は所得税と何が違うの?

    A. 所得税は「国に払う税金」で、住民税は「住んでいる自治体に払う税金」です。計算の仕方や控除の金額も少し違います。所得税は毎月の源泉徴収+年末調整で精算しますが、住民税は前年の収入をもとに翌年6月から払います。この1年のタイムラグが「住民税だけ遅れて来る」感覚の原因です。

    Q. 無職の年があっても住民税はかかる?

    A. 所得がゼロまたは一定以下であれば、所得割は発生しません。ただし均等割は課税されることがあります(非課税の基準は自治体によって異なります)。無職の翌年6月に納付書が届いた場合は、前年に何か収入がなかったか確認するか、自治体の窓口に相談してください。

    Q. 住民税をクレジットカードや口座振替で払える?

    A. 自治体によって対応が違います。コンビニ払い・口座振替・スマートフォン決済(PayPayなど)・クレジットカード対応の自治体もあります。お住まいの自治体のWebサイトで「住民税 支払い方法」を検索してみてください。

    Q. 住民税を減らすには何をすればいい?

    A. 住民税は課税所得(控除後の金額)に課税されます。つまり、控除を増やすほど住民税が減ります。代表的な方法はふるさと納税・iDeCo(個人型確定拠出年金)・医療費控除・生命保険料控除などです。自分の状況に合う方法を確認してみてください。

    Q. 払うのがきつい。分割や猶予はある?

    A. まず自治体の税担当窓口に相談してください。状況によっては分割払いや猶予が認められることがあります。放置すると延滞金が発生するので、早めに動くのが大切です。

    住民税を減らしたいなら、まず控除から整理しよう

    住民税を合法的に減らす近道は「使える控除をちゃんと申告すること」です。会社員でも確定申告で取り戻せる控除があります。初めてでも使いやすい確定申告ソフトを使うと、入力をナビしてくれるので安心です。

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    もっと詳しく知りたいとき(公式の情報)

    この記事はわかりやすさを優先して、細かいルールを省略している部分があります。最終的に正確な情報は、以下の公式サイトや、お住まいの自治体の税担当窓口で確認してください。

    この記事は一般的なケースをわかりやすくまとめたものです。最終的な金額・根拠は「住民税決定通知書(納税通知書)」を確認し、疑問が残る場合は通知書の項目名を伝えて自治体の税担当へ相談してください。

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    © お金の制度ナビ

  • 老齢厚生年金って何?いくらもらえる?計算方法をわかりやすく解説

    老齢厚生年金って何?いくらもらえる?計算方法をわかりやすく解説
    最終更新日:2026.03.27
    ざっくり言うと

    「会社員は老後の年金が手厚い」とよく聞きますよね。その理由が老齢厚生年金です。
    会社で働いていた期間と給料に応じて、老齢基礎年金(約7万円)に上乗せしてもらえるお金です。
    会社員が40年・平均月収45.5万円で働いた場合、基礎年金と合わせると夫婦で月約23.7万円になります(2026年度)。

    • 誰が?厚生年金に加入していた会社員・公務員
    • いつから?原則65歳から(繰上げ・繰下げあり)
    • 金額は?給料と加入期間で人によって違う
    • 保険料は?給料の18.3%(会社と半分ずつ)
    • 加給年金?配偶者が65歳未満なら上乗せあり
    • 働きながら?月65万円超えると一部停止(2026年度)

    注意:老齢厚生年金は老齢基礎年金に上乗せしてもらえるものです。基礎年金とは別の制度ですが、両方同時に受け取ります。自営業・フリーランスの方は基礎年金のみで、厚生年金はありません。

    あわせて読みたい サムネイル 老齢基礎年金って何?いくらもらえるの? 全員の土台になる国民年金(老齢基礎年金)の仕組みと金額をわかりやすく解説。

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    そもそも、なんで基礎年金とは別に厚生年金があるの?

    国民年金(老齢基礎年金)は全員に共通の土台ですが、月約7万円だけで老後の生活をまかなうのはかなり厳しいですよね。

    そこで、会社員・公務員には「在職中に稼いだ給与の一部を保険料として積み立て、老後に上乗せして返す」しくみが用意されています。それが老齢厚生年金です。現役時代に多く稼いだ人ほど、多く払ってきた分だけ、老後にもたくさん受け取れます。

    老後にもらえる年金のイメージ(会社員の場合) 老齢基礎年金(全員の土台) 月約 7万608円(2026年度満額) 老齢厚生年金(会社員・公務員の上乗せ) 給料と加入期間によって変わる 合計で月10〜20万円以上 を受け取れるケースも (夫婦2人・モデルケースで月約23.7万円/2026年度)

    老齢基礎年金に老齢厚生年金が上乗せされるイメージ

    「自営業だと老後の年金が少ない」と言われる理由はここです。自営業は基礎年金のみ(月約7万円)ですが、会社員は基礎年金+厚生年金で受け取れる額が大きく変わります。だからこそ、自営業の方はiDeCoなどで自分で上乗せを作ることが重要です。

    いくらもらえるの? 金額はどうやって決まるの?

    老齢厚生年金の金額は「現役時代の給料の高さ」と「加入期間の長さ」で決まります。基礎年金のように一律の満額がなく、人によってまったく違います。

    年金額の主な3つの要素

    老齢厚生年金は次の3つを足した金額です。

    1
    報酬比例部分(メインの部分) 現役時代の給与・賞与の平均と加入月数で計算する、いちばん大きな部分。給料が高く、長く働くほど金額が増えます。
    2
    経過的加算(補てん分) 厚生年金の加入期間が20歳〜60歳の範囲を外れている場合(例:18歳で入社・60歳以降も在籍)に、基礎年金でカバーされない部分を補う上乗せです。多くの場合、わずかな金額です。
    3
    加給年金額(家族の上乗せ) 厚生年金に20年以上加入した人が65歳になったとき、65歳未満の配偶者や子がいると加算されます。2026年度は年額約234,800円(配偶者分)が上乗せされます。

    計算式のイメージ(報酬比例部分)

    細かい計算式は少し複雑ですが、イメージとしては:

    報酬比例部分(年額)≒ 平均月収(賞与込み)× 5.481 ÷ 1000 × 加入月数
    ※2003年4月以降の加入期間の場合のおおよその目安。2003年3月以前は賞与が別計算。

    たとえば、平均月収(賞与込み)40万円で30年(360か月)加入した場合:
    40万円 × 5.481 ÷ 1000 × 360 ≒ 約789,264円(年額)=月約65,772円 となります。

    厚生労働省の経歴別受給例(2026年度) 会社員中心(厚生年金39.8年・平均月収50.9万円) 基礎年金 69,951円 + 厚生年金 106,842円 合計 173,457円 / 月 国民年金中心(厚生年金7.6年・平均月収36.4万円) 基礎年金 48,896円 + 厚生年金 14,617円 合計 63,513円 / 月 第3号被保険者中心(厚生年金6.7年・平均月収26.3万円) 基礎年金 69,016円 + 厚生年金 9,234円 合計 78,250円 / 月

    厚生労働省公表の経歴別受給例(2026年度・個人ベース)

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    誰がもらえるの? 会社員なら全員もらえる?

    老齢厚生年金を受け取るには、次の2つを両方満たす必要があります。

    1
    老齢基礎年金の受給資格期間(10年以上)を満たしている 老齢厚生年金は、老齢基礎年金の受給資格が前提になります。まず国民年金10年以上の要件を満たしていることが必要です。
    2
    厚生年金の加入期間が1か月以上ある 1日でも会社員・公務員として厚生年金に加入した期間があれば対象です。1か月あたりのわずかな金額でも受け取れます。

    「厚生年金に入っているかどうか」ってどうわかる?

    給与明細に「厚生年金保険料」の控除欄があれば加入しています。パート・アルバイトでも、一定の条件(週20時間以上・月収8.8万円以上など)を満たせば加入対象です。

    「短期間しか会社員じゃなかった…」→大丈夫です。1か月でも厚生年金に加入していれば、その分だけ老齢厚生年金が上乗せされます。金額は少なくても、ゼロよりは確実に多くなります。転職を繰り返した方も、すべての会社での加入期間が合算されます。

    あわせて読みたい サムネイル パート・アルバイトも厚生年金に入るの?社会保険の加入条件まとめ 2024年以降、パートの社会保険加入条件が変わりました。入るべきか損得も解説。

    「加給年金」って何? もらえる条件は?

    老齢厚生年金には、「家族がいると上乗せしてもらえる」加給年金という制度があります。これは厚生年金独自の仕組みで、基礎年金にはありません。

    加給年金がもらえる条件

    • 厚生年金の加入期間が20年以上ある
    • 本人が65歳になったとき、65歳未満の配偶者(年収850万円未満)がいる
    • または、18歳到達年度末までの子(障害のある子は20歳未満)がいる

    2026年度の加給年金額(年額):
    配偶者分:234,800円(月額 約19,567円)
    ※配偶者の生年月日によって特別加算あり(最大174,100円)
    子(1・2人目):各234,800円 / 子(3人目以降):各78,300円

    加給年金が終わるタイミング

    配偶者が65歳になると加給年金は終わります。ただし、その代わりに配偶者自身の老齢基礎年金に「振替加算」が加算されます(配偶者の生年月日によって金額が異なります)。

    「年の差婚で配偶者がずっと若い」→その分だけ加給年金を長く受け取れます。たとえば夫が65歳で妻が55歳なら、妻が65歳になるまでの10年間、毎年約23万円の上乗せがあります。合計230万円以上の差になることも。

    働きながら年金をもらうと減らされるってほんと?

    はい、条件によっては減らされます。これを「在職老齢年金」といいます。ただし、2026年4月から基準額が大きく引き上げられて、対象者はかなり少なくなりました。

    仕組みはシンプル

    65歳以降に厚生年金に加入して働きながら老齢厚生年金を受け取る場合、月収(賞与込み)+老齢厚生年金の月額の合計が月65万円(2026年度)を超えると、超えた分の半分が年金から差し引かれます。

    在職老齢年金の仕組み(2026年度) 月収+年金 ≦ 65万円 の場合 年金は全額もらえる ✓ ほとんどの人はこちらに当てはまる 月収+年金 > 65万円 の場合 (月収+年金 - 65万円)÷ 2 が支給停止 例:合計70万円 → 差額5万円の半分=2.5万円が停止 ⚑ 基礎年金(月7万円)は在職中でも一切減額されない 在職老齢年金で調整されるのは「厚生年金部分のみ」

    在職老齢年金の仕組み。65万円の基準は2026年4月から引き上げ

    「年金が減るから働くのを抑えてた」→2026年4月から基準額が月65万円に引き上げられました。月収+年金の合計が65万円以下なら全額もらえます。以前より多くの人が減額なしで働けるようになっています。

    ただし:在職老齢年金で年金が減っても、働き続けることで厚生年金の加入期間が延び、将来の年金額が増える「在職定時改定」があります(毎年10月に反映)。「働き損」とは一概にいえません。

    どうやって申請するの? 老齢基礎年金と別々に手続きが必要?

    老齢厚生年金と老齢基礎年金の申請は同時に1回の手続きでできます。別々に出す必要はありません。

    申請の流れ

    1
    65歳の誕生日の約3か月前に「年金請求書」が届く 日本年金機構から封書で郵送されます。ハガキ・封書がこない場合は年金事務所に連絡を。
    2
    必要書類を揃えて年金事務所へ提出 戸籍謄本・住民票・振込先口座の写しが基本。加給年金を申請する場合は配偶者の戸籍・収入確認書類も必要です。
    3
    「年金証書・年金決定通知書」が届いたら受給開始 審査完了後に書類が届きます。初回の振込は手続きから1〜2か月後が目安。偶数月15日に前2か月分がまとめて入金されます。

    「特別支給の老齢厚生年金」って何?

    1961年4月1日以前生まれの男性(女性は1966年4月1日以前)は、65歳より早く「特別支給の老齢厚生年金」を受け取れる経過措置があります。該当する方には日本年金機構から案内が届きます。申請しないと受け取れないので、案内が届いたら忘れずに手続きをしてください。

    自分の年金加入記録・見込み額を確認したい

    「ねんきんネット」でこれまでの加入記録と将来の年金見込み額がスマホから確認できます。定期的にチェックする習慣をつけておくと安心です。

    ねんきんネットを使う(公式)
    ※日本年金機構の公式サイトに移動します

    こういうときどうなるの? よくあるケース

    転職・転職回数が多い場合

    問題ありません。すべての会社での厚生年金加入期間が合算されます。日本年金機構がまとめて管理しているので、退職した会社の期間も自動的に合算されます。

    繰上げ・繰下げで受け取り時期を変えたい

    老齢厚生年金も基礎年金と同様に、60〜64歳での繰上げ(1か月あたり0.4%減額)、66〜75歳での繰下げ(1か月あたり0.7%増額)ができます。ただし、基礎年金と厚生年金は必ずしも同時に繰上げ・繰下げしなくてもよく、別々のタイミングにすることも可能です。

    離婚したとき(年金分割)

    婚姻期間中の老齢厚生年金(報酬比例部分)は、離婚時に合意または審判によって分割できます。これを「年金分割」といい、専業主婦(夫)や収入の少なかった配偶者に有利な制度です。離婚の際は必ず年金事務所に相談してください。

    年金分割は自動ではありません。離婚後2年以内に手続きをしないと権利が消えてしまいます。忘れず手続きを。

    配偶者が先に亡くなった場合

    厚生年金に20年以上加入していた人が亡くなると、残された配偶者に「遺族厚生年金」が支給されます。亡くなった方の老齢厚生年金の3/4相当額が受け取れます(老齢基礎年金とは別)。

    保険見直し

    遺族厚生年金でカバーできない分は、生命保険で補えている?

    遺族厚生年金は亡くなった方の年金の3/4。でもそれだけでは遺族の生活費が足りないケースも多いです。今加入している生命保険の保障額が、公的年金も踏まえて十分かどうか確認してみましょう。

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    みんなが気になる Q&A

    A厚生年金保険料は給与の18.3%ですが、半分は会社が負担するので自己負担は実質9.15%です。さらに払った保険料は老後に年金として返ってくるだけでなく、障害・遺族の万が一にも備えられます。長生きするほど元が取れる仕組みです。

    A消えません。会社員だった期間の加入記録は日本年金機構に残ります。65歳になれば、その期間分の老齢厚生年金を受け取れます。自営業になってからは国民年金に加入することになり、老齢基礎年金の方に積み立てが続きます。

    Aはい、育児休業中は厚生年金・健康保険の保険料が免除されます。本人も会社も払わなくてOKです。しかも将来の年金額の計算では「保険料を払った期間」として扱われます。育休を取得しても年金が減らない仕組みになっています。

    A違います。厚生年金は国が運営する公的年金です。企業年金は会社が独自に用意する私的年金(確定給付企業年金・企業型DCなど)で、会社によって有無・内容が異なります。iDeCoの掛金上限が会社員で「企業年金なし」の場合と「あり」の場合で違うのも、この企業年金の有無によって変わるためです。

    Aはい、雑所得として所得税・住民税がかかります。ただし「公的年金等控除」が大きいため、年金収入だけであれば実際の税負担は軽めです。加えて、健康保険料・介護保険料が年金から天引きされるため、手取りは額面より少なくなります。75歳以上からは後期高齢者医療制度の保険料も天引きされます。

    A65歳以上で厚生年金に加入しながら働き続けると、毎年10月に直近1年分の加入記録が年金額に反映される制度です(2022年10月から導入)。以前は退職しないと年金額が増えませんでしたが、在職中でも働いた分だけ年金が増えるようになりました。在職老齢年金で一部が止まっていても、加入期間が積み上がる点は変わりません。

    もっと詳しく知りたいとき(公式の情報)

    この記事はわかりやすさを優先して書いています。詳しい条件・最新の金額は公式サイトでご確認ください。

    この記事は一般的なケースをわかりやすくまとめたものです。最終的な判断・必要書類は、日本年金機構または年金事務所の案内が基準になります。

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  • 老齢基礎年金って何?いくらもらえるの?わかりやすく解説

    老齢基礎年金って何?いくらもらえるの?わかりやすく解説
    最終更新日:2026.03.27
    ざっくり言うと

    老後、働けなくなったとき、収入はどうなるんだろう…と不安になりますよね。
    そのための制度が老齢基礎年金です。20歳から60歳までの間に国民年金保険料を納めると、65歳からずっと毎月お金を受け取れます。
    2026年度の満額は月額約7万円(年間約85万円)。国の年金のうち、すべての人の「土台」になる部分です。

    • いくら?満額 月約7万円(2026年度)
    • 誰が?国民年金に10年以上加入した人
    • いつから?原則65歳から
    • いつまで?亡くなるまでずっと
    • 保険料は?月17,920円(2026年度)
    • 申請は?65歳になる前に自分で手続き

    注意:老齢基礎年金は「老後にもらえるお金の土台」です。会社員・公務員の方がもらえる「老齢厚生年金」とは別の制度で、2つを合わせて受け取ります。

    あわせて読みたい サムネイル 老齢厚生年金ってなに?基礎年金との違いは? 会社員・公務員がもらえる厚生年金の仕組みと計算方法をわかりやすく解説。

    老後の資産形成

    「基礎年金だけだと老後は足りない?」まずは自分の年金額を確認しよう

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    そもそも、なんで「基礎年金」という制度があるの?

    老後って、仕事を引退したらお金はどこから来るんでしょう。貯金だけで生きていくのは、長生きするほど不安ですよね。

    そこで国が作った仕組みが公的年金です。現役世代が保険料を出し合って、高齢者・障害のある人・遺族を支えるしくみです。老齢基礎年金はその中の「誰もが加入する土台の部分」で、日本に住む20〜59歳の全員が対象です。

    「年金って払っても将来もらえないんじゃ…」と思う人もいますよね。でも、老齢基礎年金は生きている限りずっと受け取れるので、長生きするほど得になる安心のしくみです。

    日本の年金制度(2階建て) 2 階 老齢厚生年金(会社員・公務員) 1 階(全員の土台) 老齢基礎年金(国民年金) 対象:日本に住む 20〜59歳の全員 自営業・フリーランス → 基礎年金のみ 会社員・公務員 → 基礎年金+厚生年金

    日本の年金は「2階建て」。基礎年金はすべての人の土台

    「年金って会社員だけのもの?」→ちがいます。自営業・フリーランス・専業主婦(夫)・学生も全員が国民年金に加入します。老齢基礎年金は全員が受け取れる年金の土台部分です。

    いくらもらえるの? 満額はいくら?

    2026年度(令和8年度)の満額は月額70,608円(年額約847,300円)です。前年度より1,300円増えました。

    ただし、これはあくまで「40年間(480か月)すべて保険料を納めた場合」の最高額です。実際の受給額は、保険料を納めた期間に比例して計算されます。

    自分の年金額を計算してみよう

    計算式はシンプルです。

    年金額(年額)= 70,608円 × 保険料を納めた月数 ÷ 480か月
    ※保険料免除期間がある場合は、免除の種類ごとに係数が変わります。

    たとえば、保険料を360か月(30年)納めた場合:
    70,608円 × 360 ÷ 480 = 約52,956円 / 月 となります。

    納付月数と年金額(月額)の目安 10年 約17,652円 20年 約35,304円 30年 約52,956円 40年 70,608円 満額 (納付年数)

    納付期間が長いほど受け取れる年金額が増える(2026年度の金額)

    「学生のとき払ってなかった…」→ 大丈夫、「学生納付特例」で免除してもらった期間は10年以内なら追納できます。追納すると将来の年金額が増えます。まだ間に合う人は確認してみてください。

    年金額は毎年変わるの?

    はい、変わります。物価や賃金の動きに合わせて毎年4月に改定されます。2026年度は前年度より1.9%増で、4年連続の増額です。ただし、物価の上昇率(3.2%)よりは低い伸びにとどまっています。これは「マクロ経済スライド」という仕組みで、年金財政を長期的に安定させるために少し抑えているためです。

    iDeCo(個人型確定拠出年金)

    基礎年金だけじゃ足りない分を、税金を節約しながら備えられる

    iDeCoは掛金が全額所得控除になるため、節税しながら老後資金を積み立てられます。月5,000円から始められ、60歳まで積み立てた資産を年金として受け取れます。

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    誰がもらえるの? 条件はあるの?

    条件は1つだけ、シンプルです。

    1
    受給資格期間が10年(120か月)以上ある 保険料を「ちゃんと納めた期間」+「免除してもらった期間」+「カラ期間(合算対象期間)」を合わせて10年以上あればOKです。

    以前は25年(300か月)以上必要でしたが、2017年8月から10年に短縮されました。過去に保険料未納期間が長くても、10年分さえあれば受け取れます。

    「受給資格期間」って何が含まれるの?

    次の3種類を合算してカウントします。

    • 保険料納付済期間:実際に保険料を払った月数
    • 保険料免除期間:所得が低いなどの理由で免除・猶予になった期間(年金額は減りますが、資格期間にはカウントされます)
    • 合算対象期間(カラ期間):昔の制度の関係で年金額には反映されないが、期間としてカウントできる期間(海外在住期間など)

    「払い忘れた期間があって不安…」→ まずはねんきん定期便やねんきんネットで自分の加入記録を確認しましょう。10年に届かない場合は、任意加入や追納で補う方法もあります。

    あわせて読みたい サムネイル 国民年金の免除・猶予制度って何?未納とどう違うの? 収入が少ないときに使える保険料の免除・猶予制度。申請しないと年金が減ります。

    受け取り開始はいつから? 早くor遅くできるの?

    原則は65歳からです。でも、「もう少し早く受け取りたい」「遅らせて増やしたい」という選択もできます。

    繰上げ受給:60〜64歳から早めに受け取る

    最短60歳から受け取れますが、1か月繰り上げるごとに0.4%ずつ減額されます(最大60か月=最大24%減)。一度決めると元には戻せないので注意が必要です。

    繰下げ受給:66〜75歳まで遅らせて増やす

    1か月遅らせるごとに0.7%ずつ増額されます。75歳まで繰り下げると最大84%の増額になります。長生きするほど得になりますが、受け取り開始が遅れるぶん、総受取額の損益分岐点には注意が必要です。

    繰上げ・繰下げによる年金額の変化 繰上げ受給 60歳〜64歳で開始 1か月あたり0.4%減額 最大24%減(60歳開始) 一度決めると変更不可 65歳(基準) 100%(減増なし) 繰下げ受給 66歳〜75歳で開始 1か月あたり0.7%増額 最大84%増(75歳開始) 長生きほど有利 損益分岐点の目安 繰下げ(70歳開始)→ 約82歳まで生きると総受取額が多くなる 繰下げ(75歳開始)→ 約87歳まで生きると総受取額が多くなる

    繰上げ・繰下げの仕組みと損益分岐点の目安

    繰上げ・繰下げは一生の受取金額に大きく影響します。健康状態・他の収入・税金・社会保険料への影響を含めて考えるのがベター。迷ったら年金事務所やFPに相談してみてください。

    あわせて読みたい サムネイル 年金の繰上げ・繰下げ、どっちが得?損益分岐点で考える 何歳から受け取るのが一番お得か、具体的な数字でシミュレーション。

    どうやって申請するの? 手続きは面倒?

    年金は「申請主義」です。65歳になっても自動ではもらえません。自分で手続きをして初めて受け取れます。

    申請の流れ

    1
    65歳の誕生日の約3か月前に日本年金機構から「年金請求書」が届く はがき・封筒で自宅に郵送されます。書類が届かない場合は年金事務所に確認を。
    2
    年金請求書に必要事項を記入して提出する 戸籍謄本・住民票・振込先の通帳のコピーなどを添付して、近くの年金事務所またはマチの年金相談センターへ。
    3
    「年金証書・年金決定通知書」が届く 審査が完了すると書類が送られてきます。初回の振込は手続きから1〜2か月後が目安です。
    4
    偶数月の15日に振り込まれる(前2か月分) 年金は2か月に1回、偶数月15日に振り込まれます。たとえば6月15日に「4月分+5月分」がまとめて入金されます。

    どこに出せばいいの?

    • 会社員・公務員だった人:近くの年金事務所(社会保険事務所)
    • 自営業・フリーランスだった人:住んでいる市区町村の役所
    • どちらか迷う場合:年金事務所に電話か窓口で相談するのが確実

    手続きは意外とシンプルです。「書類が届いたら書いて出すだけ」と思っておいて大丈夫。わからなかったら年金事務所の窓口で相談すれば、その場でサポートしてくれます。

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    こういうときどうなるの? よくあるケース

    フリーランス・自営業の場合

    会社員と違い、老齢基礎年金のみです(厚生年金がありません)。そのため、老後の年金額は会社員より少なくなりがちです。足りない分を補うために、付加年金・国民年金基金・iDeCoなどで上乗せする選択肢があります。

    専業主婦(夫)の場合(第3号被保険者)

    会社員や公務員の配偶者(年収130万円未満)の場合、保険料を自分で払わなくても国民年金に加入できます(第3号被保険者)。この期間も年金額の計算に含まれます。ただし、就職・離婚・扶養を外れた場合は手続きが必要です。

    未納期間がある場合

    未納期間があると受け取れる年金額が少なくなります。受給資格の10年(120か月)を満たしていれば受け取れますが、未納のままより免除申請をした方が得です。免除は年金額に反映されますが(2分の1)、未納は一切反映されません。

    注意:未納は追納できますが、期限は2年以内です。それを過ぎると払いたくても払えません。気になる方は早めに年金事務所に相談してください。

    海外在住期間がある場合

    海外在住期間は「任意加入」できます。加入しなかった期間でも「カラ期間(合算対象期間)」として受給資格の計算には含まれますが、年金額の計算には含まれません。帰国後に改めて確認しましょう。

    障害・遺族を抱えている場合

    国民年金には老後の年金だけでなく、障害がある人への「障害基礎年金」、家族を残して亡くなったときの「遺族基礎年金」もあります。老齢基礎年金とは別の制度ですが、同じ国民年金の保険料が財源になっています。

    「老齢厚生年金」とは何が違うの?

    老後にもらえる年金には、基礎年金と厚生年金の2種類があります。

    老齢基礎年金 老齢厚生年金 対象 全員(国民年金) 対象 会社員・公務員 2026年度満額 月約7万608円 金額 給与・加入期間で変わる 2026年度保険料 月17,920円(定額) 保険料 給与の18.3%(労使折半) 加入先 市区町村・日本年金機構 加入先 会社(日本年金機構) 会社員・公務員は「基礎年金+厚生年金」の両方もらえる 自営業・フリーランスは「基礎年金のみ」→ 自分で上乗せを検討

    老齢基礎年金と老齢厚生年金の違い

    「会社員でも基礎年金は払うの?」→はい、払います。会社員は厚生年金保険料の中に基礎年金分も含まれているのでまとめて給料から引かれています。基礎年金だけ別に払う必要はありません。

    みんなが気になる Q&A

    Aほぼ同じ意味で使われます。「国民年金」は保険制度全体の名前(加入・保険料を払う側の視点)で、「老齢基礎年金」は65歳以降に受け取る給付の名前です。老後に支払われるもの以外にも「障害基礎年金」「遺族基礎年金」があります。

    A答えは「人によります」。健康で長生きしそうなら繰下げ受給が有利、他に収入がないor健康に不安があれば早めに受け取る方が安心、という考え方が一般的です。65歳開始なら単純明快で、税金・社会保険料の計算も楽です。繰上げ・繰下げは取り消しができないので、慎重に決めましょう。

    A婚姻期間中の厚生年金は「年金分割」で分け合える制度があります(老齢厚生年金の話)。老齢基礎年金は加入者本人のものなので分割されません。ただし、離婚後に第3号被保険者でなくなった場合は、自分で国民年金保険料を払う必要があるので手続きを忘れずに。

    Aできます。老齢基礎年金は働いていても減額されません。ただし、老齢厚生年金を受け取りながら会社員として働く場合は「在職老齢年金」の仕組みで一部が支給停止になることがあります(2026年度の停止基準は月65万円)。

    A国民年金に上乗せできる制度で、月400円追加で払うと、老齢基礎年金に「200円×付加保険料を納めた月数」が上乗せされます。2年以上受け取れば元が取れるため、自営業・フリーランスの方には加入をおすすめする専門家が多いです。iDeCoと組み合わせることも可能です(国民年金基金との併用はNG)。

    Aはい、老齢基礎年金は「雑所得」として所得税・住民税の対象になります。ただし、公的年金等控除という大きな控除があるため、年金だけが収入の場合は課税される額が少なく、実質非課税になるケースも多いです。

    「障害基礎年金」「遺族基礎年金」とは何が違うの?

    同じ国民年金から出るお金でも、もらえるタイミングと理由が違う3つの給付があります。

    • 老齢基礎年金:65歳以上になったとき(老後)
    • 障害基礎年金:病気やケガで障害が残ったとき
    • 遺族基礎年金:国民年金加入者が亡くなって、子のある配偶者や子が残されたとき

    この3つは国民年金保険料が財源になっています。つまり、老後だけでなく、万が一のときにも保険料が役立つしくみです。

    「年金保険料って老後のためだけに払ってるの?」→ちがいます。障害や死亡のリスクにも備えられる「保険」です。若い人でも払う意味があります。

    保険見直し

    公的年金だけでカバーできない部分を民間保険で補えているか確認しよう

    障害・遺族への公的給付は存在しますが、生活費の全額をまかなえるわけではありません。民間の生命保険・就業不能保険との組み合わせが重要です。今の保険が十分かどうか、無料で比較・相談できます。

    • 複数社を一度に比較・資料請求無料
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    • 公的制度との組み合わせを考えてくれるFP相談も可
    保険を無料で見直す

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    もっと詳しく知りたいとき(公式の情報)

    この記事はわかりやすさを優先して書いています。細かい条件・最新の金額は必ず公式サイトでご確認ください。

    この記事は一般的なケースをわかりやすくまとめたものです。最終的な判断・必要書類は、日本年金機構または年金事務所の案内が基準になります。

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  • 基礎控除って何?所得控除の全体像をわかりやすく【2025年改正対応】

    基礎控除って何?所得控除の全体像をわかりやすく【2025年改正対応】
    最終更新日:2026.03.26
    ざっくり言うと

    毎年12月になると「年末調整の書類」が会社から届きますよね。
    あの書類で記入する「基礎控除」や「扶養控除」のことを、まとめて「所得控除」と呼びます。
    これを多く使えば使うほど、税金が安くなる仕組みです。
    2025年の税制改正で基礎控除が大幅に引き上げられたので、使わないともったいない制度です。

    • 所得控除って?税金の計算前に所得から引ける金額
    • 種類は?2025年から全部で16種類
    • 基礎控除は?2025年から最大95万円(改正前48万円)
    • 手続きは?会社員は年末調整/個人事業主は確定申告
    • 103万円の壁は?2025年から「160万円の壁」に引き上げ
    • 住民税は?基礎控除43万円のまま変わらず

    注意:2025年の基礎控除引き上げは「所得税」が対象です。住民税の基礎控除は43万円のまま変わっていません。また、2025年〜2026年の上乗せは時限措置で、2027年以降は基礎控除が一部変わります。

    あわせて読みたい サムネイル 年金に税金ってかかるの?公的年金等控除の金額と計算方法 年金受給者が使える「公的年金等控除」の仕組み。基礎控除と組み合わさる計算の流れもわかりやすく解説。

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    そもそも、なんで「所得から引く」なんて仕組みがあるの?

    同じ年収500万円でも、一人暮らしで健康な人と、子どもが3人いてお父さんの介護もしている人では、生活の余裕はぜんぜん違いますよね。

    それなのに「同じ収入なら同じ税金」にしてしまったら、不公平です。

    そこで国は、「家族の状況や支出の内容によって、税金の計算に使う所得を小さくしていいですよ」というルールを作りました。これが所得控除のしくみです。

    収入(給与・年金・事業 など) 「もらった金額」の合計 給与所得控除・公的年金等控除など (収入の種類ごとに差し引く控除) = 所得(給与所得・雑所得 など) ↓ ここからさらに所得控除を引く 所得控除(基礎控除・医療費控除 など16種類)

    税金の計算は「収入 → 所得 → 課税所得」の順に進む

    ざっくり言うと、「所得控除が多いほど、課税所得が小さくなり、税金が安くなる」ということです。
    この「課税所得」に税率をかけたものが、最終的に払う所得税の金額になります。

    所得控除って、全部でいくつあるの?

    2025年から全部で16種類あります。2025年に「特定親族特別控除」が新設されて1つ増えました。

    大きく2種類に分けられます。

    人的控除(家族の状況によって変わる)

    自分や家族の状況に応じて使える控除です。年末調整の書類で記入するのは、主にこのグループです。

    • 基礎控除:所得が一定以下なら誰でも使える(2025年から最大95万円)
    • 配偶者控除:配偶者の年収が一定以下のとき
    • 配偶者特別控除:配偶者の年収が少し高めのとき(段階的に控除)
    • 扶養控除:16歳以上の子・親などを養っているとき
    • 特定親族特別控除:19〜22歳の子がアルバイトで稼いでいるとき(2025年新設)
    • 障害者控除:自分や家族が障害者のとき
    • ひとり親控除:ひとり親家庭のとき
    • 寡婦控除:離婚・死別後に再婚していない女性のとき
    • 勤労学生控除:働きながら学校に通っている学生のとき

    物的控除(支払った費用によって変わる)

    実際に支払ったお金の内容によって使える控除です。

    • 社会保険料控除:国民健康保険・国民年金などを払っているとき
    • 小規模企業共済等掛金控除:iDeCoやDC(企業型年金)の掛金があるとき
    • 生命保険料控除:生命保険・個人年金・医療保険に加入しているとき
    • 地震保険料控除:地震保険に加入しているとき
    • 医療費控除:その年の医療費が多かったとき(確定申告が必要)
    • 寄附金控除:ふるさと納税・特定の寄付をしたとき(確定申告が必要)
    • 雑損控除:災害・盗難などで資産に損害が出たとき(確定申告が必要)

    会社員の場合、医療費控除・寄附金控除・雑損控除の3つは年末調整では使えず、確定申告が必要です。「ふるさと納税は年末調整でできない」と覚えておくと便利です(ワンストップ特例制度を使えば申告不要になります)。

    あわせて読みたい サムネイル 医療費控除はいくら戻ってくるの?計算方法をわかりやすく 年間10万円を超えた医療費があれば確定申告で取り戻せる。計算方法・対象費用・申請のしかたを解説。

    基礎控除って何?2025年から変わったってほんと?

    基礎控除は、所得が一定以下なら誰でも使える控除です。家族構成や職業は関係ありません。

    2025年の税制改正で、この基礎控除が大きく変わりました。改正前は最大48万円(一律)でしたが、2025年からは所得の金額に応じて最大95万円まで引き上げられたんです。

    基礎控除額(所得税・2025年〜) 合計所得金額 控除額 132万円以下 95万円 132万円超〜336万円以下 88万円 ※ 336万円超〜489万円以下 68万円 ※ 489万円超〜655万円以下 63万円 ※ 655万円超〜2,350万円以下 58万円 2,350万円超〜2,500万円以下 48万〜16万円(段階的に減額) 2,500万円超 0円(対象外) ※印は2025〜2026年の時限措置。2027年以降は一律58万円

    出典:国税庁「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について」をもとに作成

    「合計所得金額132万円以下」とは、給与収入だけの場合だと年収200万円程度以下のイメージです(給与所得控除65万円を引いた後の金額なので)。
    年収500万円なら所得はだいたい346万円前後なので、63〜68万円の控除が使えます。2024年以前(48万円)より大幅アップです。

    「103万円の壁」が「160万円の壁」になったって本当?

    2025年の改正でよく話題になったのが「103万円の壁」の引き上げです。

    もともと「年収103万円以内なら所得税ゼロ」とされていたのは、こういう計算でした。

    • 給与所得控除(最低保障):55万円
    • 基礎控除:48万円
    • 合計:103万円 → これ以下なら課税所得ゼロ

    2025年の改正で、これが次のように変わりました。

    • 給与所得控除(最低保障):65万円(55万円→65万円に引き上げ)
    • 基礎控除:95万円(48万円→最大95万円に引き上げ)
    • 合計:160万円 → これ以下なら所得税ゼロ(給与のみの場合)

    注意:「160万円まで所得税ゼロ」は所得税だけの話です。社会保険(扶養の壁)は別のルールで判断します。「160万円まで働いても大丈夫」と単純に考えると、社会保険の扶養を外れる可能性があるので注意が必要です。

    住民税の基礎控除は変わらないの?

    住民税の基礎控除は43万円のまま据え置きです。所得税の基礎控除引き上げは住民税には適用されません。

    そのため、所得税はかからなくても住民税が発生するケースがあります。「所得税がゼロだから住民税もゼロ」とは限らないので注意してください。

    課税所得ってどうやって計算するの?実例で確認しよう

    税金の元になる「課税所得」は、次の順番で計算します。

    1
    収入から「給与所得控除」を引いて「給与所得」を出す

    会社員の場合、給与収入から仕事のコストとして一定額を引けます。これが給与所得控除です。年収500万円なら144万円引けて、給与所得は356万円になります。

    2
    給与所得から「所得控除の合計」を引いて「課税所得」を出す

    基礎控除・社会保険料控除・生命保険料控除など、自分に使える控除をすべて足します。それを給与所得から引いた残りが課税所得です。

    3
    課税所得に税率をかけて「所得税額」を出す

    課税所得が195万円以下なら税率5%、195〜330万円なら10%…という累進税率がかかります。

    計算例:年収500万円・独身・社会保険料70万円の会社員

    • 給与収入:500万円
    • 給与所得控除:144万円 → 給与所得:356万円
    • 基礎控除:63万円(所得356万円は489万円以下のゾーン)
    • 社会保険料控除:70万円
    • 生命保険料控除(例):4万円
    • 所得控除の合計:137万円
    • 課税所得:356万円 − 137万円 = 219万円
    • 所得税(概算):課税所得219万円 × 10% − 9.75万円 = 約12万円
    2024年以前(基礎控除48万円)と比べると、基礎控除が15万円増えた分だけ課税所得が小さくなります。税率10%のゾーンなら、約1.5万円の節税効果がある計算です。

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    年末調整と確定申告、どっちでやるの?

    自分がどちらで手続きするかは、働き方によって変わります。

    会社員・パートの場合 → 年末調整

    会社に書類を出せば、会社が代わりに計算してくれます。自分でやることは多くありません。

    ただし次の3つは年末調整ではできないので、確定申告が必要です。

    • 医療費控除(年間10万円を超えた医療費がある場合)
    • 寄附金控除(ふるさと納税でワンストップ特例を使わなかった場合)
    • 雑損控除(台風・火災・盗難などで損害が出た場合)

    個人事業主・フリーランスの場合 → 確定申告

    すべての所得控除を自分で申告します。毎年2月〜3月に確定申告書を税務署(またはe-Tax)に提出します。

    会社員でも「医療費が多い年」「大きな寄付をした年」は、年末調整のあとに確定申告をすることで還付が出る可能性があります。
    「年末調整をしたからもう終わり」ではなく、確定申告で取り戻せる税金がないか確認してみましょう。

    あわせて読みたい サムネイル ふるさと納税のしくみ・寄附金控除の計算方法 「ワンストップ特例か確定申告か」の判断方法もわかりやすく解説。

    iDeCoって、所得控除と関係あるの?

    iDeCo(個人型確定拠出年金)に加入すると、掛金の全額が「小規模企業共済等掛金控除」として所得控除になります。これが、iDeCoが「節税になる」と言われる理由です。

    たとえば毎月2万円(年24万円)iDeCoに積み立てると、その24万円が丸ごと所得から引けます。税率10%のゾーンなら年間2.4万円の節税になります。

    iDeCoは節税しながら老後のお金を積み立てられる制度です。ただし60歳になるまで原則引き出せないので、生活費に余裕がある分だけ積み立てるのが基本です。
    掛金の上限額は職業(会社員・公務員・自営業者など)によって違います。

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    ※投資には元本割れのリスクがあります。手数料・リスク・運用商品を確認の上、ご自身の判断でお申し込みください。

    みんなが気になる Q&A

    Q. 2025年の改正で、自動的に控除が増えるの?手続きはいる?

    A.会社員の場合、2025年12月の年末調整から自動的に新しい基礎控除額で計算されます。ただし、特定親族特別控除(19〜22歳の子が対象)の適用には、申告書への記入が別途必要です。個人事業主は2026年2〜3月の確定申告(2025年分)から新しい金額が適用されます。

    Q. 配偶者の「103万円の壁」も160万円になったの?

    A.2025年からは、配偶者(妻・夫)の年収が123万円以下なら配偶者控除が使えるようになりました(改正前は103万円以下)。ただし「社会保険の扶養」のライン(106万円・130万円など)は別のルールなので、混同しないよう注意が必要です。

    Q. 副業収入があると、基礎控除の金額は変わるの?

    A.基礎控除の金額は「合計所得金額」で判定します。給与所得+副業の所得(事業所得や雑所得など)をすべて合算した金額で区分が決まります。副業で所得が大きく増えると、控除額が下がる区分になることがあります。

    Q. 2027年以降は基礎控除が下がるって本当?

    A.2025年・2026年の基礎控除引き上げ(88万円・68万円・63万円など)は時限措置です。2027年以降は、合計所得655万円以下の区分が「一律58万円」になる予定です。ただし合計所得132万円以下の95万円は引き続き適用される見込みです(2025年3月時点の制度。今後変更の可能性もあります)。

    Q. 所得控除と税額控除って何が違うの?

    A.所得控除は「課税所得(税金の計算のもと)を減らす」もので、税額控除は「計算後の税額から直接引く」ものです。住宅ローン控除は「税額控除」なので節税効果が高い制度として有名です。同じ「控除」という名前でも、計算のしくみが違います。

    本ページは一般的な情報提供を目的としたものです。個別の税務判断・申告の最終確認は、国税庁・お住まいの市区町村、または税理士等の専門家にお問い合わせください。

    もっと詳しく知りたいとき(公式の情報)

    この記事はわかりやすさを優先して、細かいルールを省略している部分があります。正確な情報は以下の公式サイトで確認してください。

    この記事は2026年3月時点の制度をもとに作成しています。税制は改正されることがあるため、最新の情報は国税庁または専門家にご確認ください。

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    © お金の制度ナビ

  • 65歳以上で退職したら失業保険はもらえる?高年齢求職者給付金のしくみ

    65歳以上で退職したら失業保険はもらえる?高年齢求職者給付金のしくみ
    最終更新日:2026.03.26
    ざっくり言うと

    65歳を過ぎて仕事を辞めたとき、「もう失業保険はもらえないの?」と思う人も多いです。
    でも実は、65歳以上でも条件を満たせばお金がもらえる制度があります。
    それが「高年齢求職者給付金」です。年金をもらいながら同時に受け取れるのも大きなポイントです。

    • 対象は?65歳以上で離職した人
    • いくら?30日分または50日分を一括で
    • 年金と?一緒にもらえる(減額なし)
    • 手続きは?ハローワークで自分で申請
    • 期限は?離職日の翌日から1年以内
    • 何回でも?何度でも受給できる

    注意:64歳以下が対象の「失業保険(基本手当)」とは別の制度です。65歳以上になると自動的にこちらに切り替わります。

    あわせて読みたい サムネイル 失業保険(基本手当)のきほん|仕事を辞めたらいくらもらえる? 64歳以下の方が対象の失業給付。金額・期間・申請手順をわかりやすく解説します。

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    そもそも、なんで65歳以上は別の制度なの?

    日本の失業保険(正式名称:雇用保険の基本手当)は、64歳以下の人を対象にした制度です。 そのため65歳になると、ふつうの失業保険を受け取る権利がなくなってしまいます。

    でも、65歳を過ぎても「まだ働きたい」という人はたくさんいますよね。 定年後に別の会社でパートをしていた、再雇用でそのまま働いていた、でも事情があって辞めることになった――そういうケースはとても多いです。

    そこで設けられたのが「高年齢求職者給付金」です。 65歳以上の雇用保険加入者(正式には「高年齢被保険者」)が仕事を辞めたときに、 再就職活動を支援するために支給される一時金のことです。

    離職したときにもらえる給付金 64歳以下の場合 失業保険(基本手当) 給付日数:90〜330日 4週間ごとに分割支給 年金との 併給はできない ※65歳未満の年金 (特別支給)に限る 65歳以上の場合 高年齢求職者給付金 (この記事の制度) 給付日数:30日 or 50日 まとめて一括支給 年金との 併給できる! 年金が減額されることも ありません

    65歳以上になると失業給付の制度が切り替わります。

    つまり、「65歳になったら失業保険はもらえない」ではなく、「もらえる制度が別になる」ということです。しかも年金と同時に受け取れる点が、65歳以上限定のメリットです。

    誰がもらえるの? 条件はあるの?

    条件はシンプルで、次の2つを満たす必要があります。

    条件①:雇用保険に6か月以上入っていた

    離職した日の1年前までの間に、雇用保険(高年齢被保険者)として加入していた期間が通算6か月以上あること。

    「通算」なので、1年の間に少し空白があっても合計6か月以上であればOKです。
    加入期間のカウント方法:ひと月ごとに区切って、賃金が支払われた日数が11日以上ある月を「1か月」と数えます。11日未満の月でも、働いた時間が80時間以上なら1か月にカウントされます(2020年8月以降のルール)。

    条件②:「失業の状態」にある

    失業の状態とは、「働く意思と能力があって、積極的に仕事を探しているのに就職できていない状態」のことです。

    次のような場合は、失業とはみなされないため受け取れません。

    • 病気やけがですぐに働けない(→ 回復後に申請できることあり)
    • 自営業を始めた、または始める予定がある
    • 引退して就職する気がない
    • すでに次の就職先が決まっている(就職前の場合)

    定年後に再雇用されていた場合の注意:定年退職直後に「再雇用」として同じ会社で続けて働いていたなら、その間も雇用保険に加入していれば対象です。ただし、あくまで「再雇用後に退職する」タイミングで申請することになります。

    65歳の誕生日の「1日前」からが対象です。
    正確には、65歳になった誕生日の前日(=64歳の最終日)以降に離職した場合が対象になります。誕生日をまたいで辞める場合は、ハローワークに事前確認しておくと安心です。

    いくらもらえるの? 計算方法は?

    もらえる金額は、「基本手当日額」×「支給日数」で決まります。 支給日数は雇用保険の加入期間によって変わります。

    支給日数のルール

    • 雇用保険に加入していた期間が1年未満:30日分
    • 雇用保険に加入していた期間が1年以上:50日分

    通常の失業保険(最低90日〜最大330日)と比べると日数は少なめですが、まとめて一括でもらえます。

    基本手当日額の計算ステップ

    1
    賃金日額を計算する 退職前6か月間の給与合計 ÷ 180日=賃金日額
    基本給+通勤手当など各種手当を含みます。ただしボーナスや3か月を超えるスパンの臨時報酬は除きます。
    2
    給付率をかけて基本手当日額を出す 賃金日額が低いほど給付率は高く(最大80%)、高いほど低くなります(最低50%程度)。
    65歳以上の場合、基本手当日額の計算には「60歳以上65歳未満」の給付率テーブルが適用されます。
    3
    基本手当日額 × 支給日数 = 受給額 これが一括で振り込まれます。

    計算例:退職前6か月の給与合計が120万円だったAさん(加入期間2年)の場合。
    賃金日額=120万円÷180=6,667円
    基本手当日額≒約4,700〜5,000円(給付率75%前後として)
    受給額≒4,800円×50日=約24万円(あくまで目安)
    ※実際の金額は日額の上限・下限規定にも左右されます。正確な額はハローワークで確認を。

    基本手当日額の上限・下限は毎年8月1日に改定されます。最新の金額は厚生労働省またはハローワークで確認してください。

    転職支援サービス

    「給付金をもらいながら、次の仕事も探したい」

    高年齢求職者給付金は「再就職を目指す人」のための制度です。給付金を受け取りつつ、シニア向けの求人サービスを活用してみましょう。

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    年金をもらいながら同時に受け取れるの?

    これが高年齢求職者給付金の大きな特徴です。老齢年金と同時にもらえます。 年金が減額されることもありません。

    通常の失業保険(64歳以下対象の基本手当)は、 65歳以前にもらえる「特別支給の老齢厚生年金」と同時には受け取れません。 どちらかを選ばなければならないんです。

    でも高年齢求職者給付金は65歳以上が対象なので、 すでに老齢年金を受給している人もそのまま受け取れます。 これは制度設計の大きな違いです。

    年金との関係 失業保険(基本手当) 64歳以下が対象 特別支給の年金と 同時受給 ✕ どちらか一方を 選択する必要あり 高年齢求職者給付金 65歳以上が対象 老齢年金と 同時受給 ✓ 年金は減額されない

    高年齢求職者給付金なら、年金をもらいながら同時に受け取れます。

    「年金と合わせてもらえる」ということは、65歳以上で離職したときの生活の安心感がぐっと違ってきます。年金を止める必要も、どちらかを諦める必要もありません。

    どうやってもらうの? 手続きの流れ

    高年齢求職者給付金は自分でハローワークへ申請します。 病院が代わりに手続きしてくれる制度などとは違い、自分で動く必要があります。 ただし手順はシンプルで、おおむね次のような流れです。

    1
    離職票を受け取る 退職後、会社から「離職票」が郵送されてきます。これが申請に必要な書類です。通常、退職後10日〜2週間程度で届きます。
    2
    ハローワークへ行く(求職の申し込み) 住所を管轄するハローワークへ行き、求職の申し込みをします。オンライン(ハローワークインターネットサービス)で事前に仮登録することもできます。
    3
    7日間の待期を経て認定 申し込みが受理されてから7日間は「待期」といって、給付金が支給されません。この期間は仕事をしないことが条件です(自己都合の場合はさらに給付制限あり)。
    4
    失業認定を受けて、一括支給 ハローワークで「失業の状態」と認定されると、支給日数分(30日または50日分)が一度に振り込まれます。

    受給期限に注意:高年齢求職者給付金は離職日の翌日から1年以内に受け取らなければなりません。申請が遅れると、その分受け取れる金額が減ってしまうこともあります。退職したらなるべく早めに動きましょう。

    自己都合退職の場合は「給付制限」がある

    正当な理由なく自分の都合で辞めた場合(自己都合退職)は、 7日間の待期のあとにさらに1か月間給付金が支給されません(給付制限)。 5年間で3回以上繰り返した場合や、重大な理由で解雇された場合は3か月に延びます。

    2025年4月1日以降の自己都合退職は給付制限が「2か月→1か月」に短縮されました。以前よりも早めに受け取れるようになっています。

    申請ってどこに何を出せばいいの?

    どこに行く?

    自分の住所を管轄するハローワークに行きます。 勤めていた会社の近くのハローワークではなく、「今住んでいる場所」を管轄する窓口です。

    「どこのハローワークに行けばいいかわからない」というときは、ハローワーク公式サイトで郵便番号を入力すると管轄のハローワークを調べられます。

    何を持っていく?

    • 離職票(会社から届く書類。1と2の両方)
    • マイナンバーカード(本人確認と番号確認を1枚で完結できる)
    • マイナンバーカードがない場合は、①通知カードなど個人番号確認書類+②運転免許証などの身元確認書類
    • 証明写真1枚(3cm×2.4cm)
    • 本人名義の通帳またはキャッシュカード(振込先口座の確認用)

    船員として働いていた方は、ハローワークではなく地方運輸局での手続きが必要です。

    こういうときどうなるの? よくあるケース

    働きながらもらえる?

    一定の条件を満たせば、週20時間未満のパートなどを続けながらもらえます。 ただし7日間の待期中は仕事してはいけません。また週20時間以上の仕事をすると雇用保険加入義務が生じるため、失業の状態に該当しなくなります。

    「少し働きながら活動したい」という場合は、ハローワークに事前に相談するのが一番です。働いた日数と収入をきちんと申告すれば問題なく受け取れるケースが多いです。

    何度でも受け取れる?

    はい、何度でも受け取れます。65歳以上の制度には年齢の上限も受給回数の制限もありません。 一度受け取ったあとに別の会社で働いて、また辞めた場合も、 雇用保険の条件(6か月以上加入)を再び満たせばまた申請できます。

    定年後に再雇用されていた場合は?

    定年退職後に同じ会社で「嘱託」「契約社員」などとして再雇用されていた場合も、 その再雇用期間中に雇用保険(高年齢被保険者)として加入していれば対象です。 再雇用中に退職したタイミングで申請します。

    病気で今はすぐ働けない場合は?

    「今すぐ働くことができない」状態だと失業の条件を満たさないため、すぐには申請できません。 回復して働ける状態になってから手続きを始めます。 受給期限(1年)の間に受け取れなくなる場合は「受給期間の延長申請」という特例が使えることもあるので、ハローワークに相談してみてください。

    失業保険(基本手当)と何が違うの?

    よく混同されますが、65歳の前後で適用される制度がガラッと変わります。 主な違いをまとめると次のとおりです。

    項目 失業保険(基本手当) 高年齢求職者給付金
    対象年齢 64歳以下 65歳以上
    支給日数 90〜330日(年齢・加入期間・理由により変動) 30日または50日(固定)
    支給方法 4週間ごとに分割支給 一括で全額支給
    年金との併給 特別支給の年金とは原則不可 老齢年金と同時受給OK
    受給回数 1回(再就職後に再取得は可能) 何度でも

    65歳以上になると自動的に「高年齢求職者給付金」に切り替わるので、自分で選ぶ必要はありません。ただし申請は自分から動かないと始まらないので、その点だけ注意しましょう。

    あわせて読みたい サムネイル 失業保険(基本手当)はいくらもらえる?計算方法と申請の流れ 64歳以下の方が対象の失業給付。給付日数・金額の計算方法・手続き手順を解説します。

    みんなが気になる Q&A

    離職票がないと正式な申請手続きができません。まずは会社に連絡して届く時期を確認してください。離職票が届いたらすぐにハローワークへ向かいましょう。待っている間に受給期限(1年)は経過していくので、できるだけ早めに動くことが大切です。
    高年齢求職者給付金は非課税です。給付金を受け取ったからといって、それだけで確定申告が必要になるわけではありません。ただし、年金や他の収入がある場合は、それらの合計によって確定申告が必要になる場合があります。心配な場合は税務署やFPに相談してみてください。
    なります。65歳以上で週20時間以上・31日以上の雇用見込みで働いていた人は「高年齢被保険者」として雇用保険に加入します。そのため、パートやアルバイトでも条件(6か月以上加入・失業状態)を満たせば高年齢求職者給付金を受け取れます。
    退職したときの年齢が重要です。65歳になる前(64歳以下)に退職した場合は、通常の失業保険(基本手当)が適用されます。高年齢求職者給付金の対象は「65歳以降(正確には64歳最終日以降)に退職した人」です。退職後に65歳の誕生日を迎えても、退職時が65歳前なら対象外になります。
    高年齢求職者給付金は「自分が働いて雇用保険に加入していた」ことが前提です。パートナーの扶養に入っているだけでは対象になりません。ただし、扶養に入りながらパート等で週20時間以上働き、高年齢被保険者として雇用保険に加入していれば対象になります。

    もっと詳しく知りたいとき(公式の情報)

    この記事は一般的なケースをわかりやすくまとめたものです。実際の受給可否・金額・必要書類は、お住まいの地域を管轄するハローワークにご確認ください。

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  • 退職した年の確定申告、やらないと損するケースとは?

    退職した年の確定申告、やらないと損するケースとは?
    最終更新日:2026.03.26
    ざっくり言うと

    会社員だと毎年12月に「年末調整」が行われますよね。あれは会社が「払いすぎた税金を精算してくれる」手続きです。
    でも、年の途中で退職すると、その年の年末調整がされません。
    その結果、税金を払いすぎたままになってしまうことが多いんです。
    自分で確定申告をすれば、払いすぎた税金が戻ってきます。場合によっては数万〜十数万円の還付になることも。やらないのはもったいないです。

    • 還付の目安は?数千円〜数十万円(状況による)
    • 申告期限は?翌年2月16日〜3月15日(還付なら5年以内OK)
    • 必要なものは?源泉徴収票・マイナンバー等(意外と少ない)
    • 手続きの場所は?税務署・e-Tax(スマホでもできる)
    • 住民税はどうなる?翌年に自分で払う形に変わる(要注意)
    • 再就職した場合は?新しい会社で年末調整されれば不要なことも

    注意:年の途中で再就職して新しい会社で年末調整を受けた場合は、原則として確定申告は不要です。前の会社の源泉徴収票を新しい会社に提出するのを忘れずに。

    あわせて読みたい サムネイル 失業給付(基本手当)のきほん。誰がいくらもらえるの? 退職後の生活を支える失業給付のしくみ、もらえる金額・日数・手続きをわかりやすく解説します。

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    「初めての確定申告、どこから手をつければいい?」

    退職年の確定申告は、源泉徴収票さえあれば比較的シンプルです。freeeやマネーフォワード確定申告などのクラウドソフトを使えば、質問に答えるだけで書類が完成します。スマホ対応・e-Tax連携で税務署に行かなくてもOK。

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    そもそも、なんで退職すると税金が戻ってくるの?

    会社員の場合、毎月の給料から所得税が自動的に引かれています(天引きといいます)。この金額は、あくまで「1年間フルで働いたときの予測」をもとにざっくり計算されたものです。

    年末まで働いた場合、会社が「年末調整」をして正確な税額に精算してくれます。でも年の途中で退職すると、その精算がされません。

    途中退職の場合、残りの月は収入ゼロなのに「1年フル勤務」前提で税金を引かれていた分が過剰になります。つまり払いすぎた状態のまま放置されてしまうんです。

    年末まで働いた場合 12月に会社が年末調整 → 払いすぎた税金を精算 → 自動的にお金が戻ってくる(還付) くらべると… 年の途中で退職した場合 年末調整なし → 払いすぎた税金が精算されない → そのままだと損したまま! 自分で確定申告すれば払いすぎた分が戻る! 申告期限:翌年2月16日〜3月15日 還付申告なら翌年1月1日から5年以内でもOK → 申告しなければお金は戻ってこない

    年末まで働いた場合と途中退職の場合の税金の違い

    「確定申告って難しそう」と感じるかもしれませんが、退職年の還付申告はシンプルなケースが多いです。源泉徴収票(退職時に会社からもらう紙)があれば、スマホのe-Taxで30分もあれば終わることも。「面倒だからいいや」でやらないのが一番もったいないです。

    お金が戻ってくるのはどんなケース?

    「自分は戻ってくるのかな?」と気になりますよね。以下のケースに当てはまるほど、還付額が大きくなりやすいです。

    ケース① 年の途中で退職して、その後再就職しなかった

    これが一番わかりやすいケースです。働いていた期間だけに税金がかかるはずなのに、フル勤務を前提に天引きされていた分が丸ごと戻ってきます。特に退職時期が早いほど(1〜6月退職など)、還付額が大きくなりやすいです。

    ケース② 社会保険料・生命保険料控除などが年末調整で反映されていない

    退職後に自分で国民健康保険や国民年金を払った場合、その保険料は「社会保険料控除」として申告できます。払った分だけ税金の計算のもとになる金額が下がるので、その分税金が減ります(=お金が戻る)。生命保険料や地震保険料も同様です。

    ケース③ 医療費をたくさん払った

    1年間に自己負担した医療費が10万円(または所得の5%)を超えた場合、「医療費控除」で超えた分を申告できます。退職年は入院・手術があった方に特に関係してきます。

    あわせて読みたい サムネイル 医療費控除ってなに?いくら戻ってくるの? 医療費が年間10万円を超えたら使える確定申告の控除。対象になる費用・ならない費用をわかりやすく解説。

    ケース④ ふるさと納税をしていた(ワンストップ特例を使っていない場合)

    ふるさと納税の「ワンストップ特例」は在職中を前提にした手続きです。退職後に確定申告が必要になった場合は、ワンストップ特例の効力がなくなります。確定申告の中でふるさと納税の寄附金控除をまとめて申告しましょう。

    あわせて読みたい サムネイル 退職・転職した年のふるさと納税、注意点はある? ワンストップ特例が無効になるケースと、確定申告で処理する方法を解説。

    ケース⑤ 住宅ローン控除の初年度

    住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、1年目だけ必ず確定申告が必要です。退職年に新居を購入した場合は、ここで申告しておきましょう。2年目以降は年末調整でできます。

    どのケースも「払いすぎた税金を取り戻す」のが目的です。「申告しない=お金をただで捨てている」のと同じなので、少しでも当てはまると思ったら申告してみてください。e-Taxなら計算は自動でやってくれます。

    確定申告ソフト

    「どの控除が使えるか、自分で全部判断できるか不安…」

    確定申告ソフトなら「医療費控除はありますか?」「ふるさと納税はしましたか?」と順番に聞いてくれるので、控除の知識ゼロでも申告書が完成します。入力しながら還付見込み額もリアルタイムで確認できるので、「自分はいくら戻るか」がすぐわかります。

    • ガイドに沿って入力するだけ・漏れを防げる
    • スマホ対応・e-Tax連携でそのまま提出
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    退職金・失業給付は申告しなくていいの?

    退職金は「退職所得」として別扱い

    退職金(退職所得)は、給与所得とは別の計算方法で優遇されています。会社で「退職所得の受給に関する申告書」を提出していれば、会社が税金を計算して源泉徴収してくれるので、基本的に確定申告は不要です。

    ただし、この申告書を提出しなかった場合や、退職金を一時金と年金の組み合わせで受け取る場合などは申告が必要なことがあります。

    失業給付(雇用保険の基本手当)は非課税

    失業給付は所得税も住民税もかかりません。つまり確定申告への記載は不要です。「失業給付をもらったから確定申告しなきゃ」と心配しなくて大丈夫です。

    整理するとこういうことです。
    ・給与(退職まで)→ 確定申告の対象(源泉徴収票をもとに申告)
    ・退職金 → 基本的に申告不要(会社で処理済み)
    ・失業給付 → 申告不要(非課税)

    退職後の住民税、どう払えばいいの?

    確定申告とは別に、住民税の支払い方法が変わることも知っておいてください。これが退職後に「突然大きな請求が来た!」と驚く原因になりやすいです。

    在職中は住民税が毎月の給料から天引きされています(特別徴収といいます)。でも退職すると天引きができなくなるので、翌年6月以降に自分で払う「普通徴収」に切り替わります。

    1
    退職した年の住民税(前年所得分)は退職時に精算 退職月から12月分までの残りの住民税を、最後の給料から一括天引きするか、自分で振り込む形になります。会社の給与担当に確認してください。
    2
    翌年6月ごろに「住民税の納付書」が届く 確定申告の内容をもとに、自治体から住民税の納付書が送られてきます。退職後の収入が少なかった場合は金額が少なくなりますが、現役時代の給与をもとにしているため、思ったより高い請求が来ることも。
    3
    年4回に分けて自分で払う 6月・8月・10月・1月の4回払いになります。忘れずに払いましょう。口座振替の設定をしておくと安心です。

    住民税で「去年辞めたのになんでこんなに高いの?」と感じる方が多いですが、住民税は「前の年の所得」に対してかかるため、退職後に収入がなくても前年の給与に基づく住民税が請求されます。生活費の計画を立てるときに、この支出も忘れずに見込んでおきましょう。

    実際にどうやって申告するの?手続きの流れは?

    手続きは2パターンあります。ほとんどの人はスマホ・PCのe-Taxで完結します。

    パターンA:スマホ・PCでe-Tax(いちばん楽)

    国税庁の「確定申告書等作成コーナー」か、freee・マネーフォワードなどの確定申告ソフトを使います。質問に答えながら入力するだけで書類が完成し、そのままオンライン提出(e-Tax)まで完結します。

    パターンB:税務署に書類を持参・郵送

    紙で申告書を作成して、管轄の税務署に持参または郵送します。確定申告の時期(2月16日〜3月15日)は税務署が込み合います。還付申告(お金が戻るケース)は1月から受付が始まるので、早めに動くとスムーズです。

    必要なものをそろえよう

    1
    源泉徴収票(ぜったいに必要) 退職時に会社から発行されます。紛失した場合は会社に再発行を依頼してください。給与の合計・天引きされた所得税などが記載されています。
    2
    マイナンバーカード(または通知カード+本人確認書類) e-Taxを使う場合はマイナンバーカードがあるとスムーズです。
    3
    控除に関係する書類(該当する場合のみ) 医療費の領収書・生命保険料控除証明書・ふるさと納税の受領証明書・国民健康保険の支払い記録など。使う控除に応じて準備します。
    4
    還付金を受け取る銀行口座 還付金の振込先として自分名義の口座が必要です。

    書類がそろったら、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」(スマホ・PCどちらでも使えます)に進むのがおすすめです。給与所得だけのシンプルなケースなら、源泉徴収票の数字を入力するだけで30分もかからず完成します。還付金は申告から約1〜2か月で口座に振り込まれます。

    確定申告ソフト

    「作成コーナーは難しそう。もっと簡単なやり方ない?」

    確定申告ソフトは、国税庁の作成コーナーよりも画面がわかりやすく、入力ミスのチェックや控除の自動提案もしてくれます。e-Taxとも連携していて、入力〜提出〜還付まで一気通貫で完結します。

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    退職年に関係しやすい「税金まわりの制度」まとめ

    確定申告と一緒に、退職年に使えることが多い制度を整理しておきます。

    退職年に関係しやすい税金まわりの制度 確定申告でまとめて処理できるものが多い ← このページ 確定申告(還付申告) 払いすぎた所得税を取り戻す。翌年1月〜5年以内に申告 医療費控除 年間の医療費が10万円を超えたら申告で税金が減る ふるさと納税(寄附金控除) 退職年に確定申告が必要な場合はここで一緒に申告する 社会保険料控除 退職後に自分で払った国保・国民年金の保険料は申告で節税 → 払った金額を忘れずに申告すること ※住宅ローン控除の初年度も確定申告が必要

    退職年の確定申告で使えることが多い控除・制度

    「退職年は控除を使えるチャンス」です。在職中は年末調整まかせで見逃しがちだった控除も、確定申告なら自分で全部まとめて申告できます。医療費・ふるさと納税・国保の保険料あたりは退職年に関係しやすいので、領収書や証明書類をひとまとめにしておくと申告が楽になります。

    みんなが気になる Q&A

    Q. 申告期限を過ぎてしまった。もう遅い?

    A.還付申告(税金が戻ってくるケース)なら、退職した年の翌年1月1日から5年以内であれば申告できます。「去年の分、やってなかった…」という場合でもまだ間に合うことが多いので、あきらめずに申告しましょう。一方、税金を追加で払う必要があるケースは、期限を過ぎると延滞税がかかります。

    Q. 失業給付をもらいながら確定申告して大丈夫?

    A.大丈夫です。失業給付は非課税なので、確定申告の所得には含めません。給与の還付申告をしても、失業給付の受給に影響は一切ありません。

    Q. 源泉徴収票をなくしてしまった。どうすればいい?

    A.退職した会社に連絡して再発行を依頼してください。法律上、会社には再発行の義務があります。会社が対応してくれない場合は、管轄の税務署や労働基準監督署に相談する方法があります。

    Q. 副業収入があった場合はどうなる?

    A.退職年に副業(フリーランス収入・ネット販売など)があった場合、その所得が年間20万円を超えると確定申告の義務が生じます。給与の還付申告と同時に副業分も申告する形になります。帳簿や領収書は保管しておきましょう。

    Q. 確定申告したら逆に税金を追加で払うことはある?

    A.退職後も収入があった場合(副業・フリーランス・不動産収入など)は、追加で税金が発生する可能性があります。ただし、退職のみで収入がほぼゼロという方は、追加徴収になることはほぼなく、還付になるケースが大半です。

    Q. 年の途中で再就職した場合は?

    A.再就職先で年末調整を受けるとき、前の会社の源泉徴収票を提出すれば、1年分まとめて精算してくれます。その場合は確定申告は不要です(医療費控除などを使いたい場合は別途申告できます)。源泉徴収票の提出を忘れると正確な年末調整ができないので、必ず出しましょう。

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    もっと詳しく知りたいとき(公式の情報)

    この記事はわかりやすさを優先して、細かいルールを省略している部分があります。最終的に正確な情報は、以下の公式サイトや、お近くの税務署・確定申告相談会で確認してください。

    この記事は一般的なケースをわかりやすくまとめたものです。最終的な判断・必要書類はお住まいの地域の税務署の案内が基準になります。税額の計算が複雑な場合は、税理士や税務署の無料相談窓口への相談をおすすめします。

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