バリアフリー化・断熱リフォーム・二世帯住宅への改築など、特定の工事を含むリフォームでローンを組んだとき、税金が安くなる制度があります。
それが「特定増改築等住宅借入金等特別控除」と呼ばれるしくみです。
ただし、令和4年(2022年)以降に工事を終えて入居した方は、この制度は使えません。令和3年(2021年)以前に入居した方向けの制度です。
- 何の制度?特定リフォームのローン控除
- いくら安くなる?年最大12.5万円(5年間)
- 対象は?バリアフリー・省エネ・二世帯工事
- 控除期間は?居住した年から最長5年間
- 条件は?令和3年12月31日までに入居
- 申請は?初年度のみ確定申告が必要
重要:令和4年(2022年)以降に住宅ローンを組んでリフォームした場合は、この「特定増改築等住宅借入金等特別控除」は使えません。代わりに通常の「住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)」や「住宅特定改修特別税額控除」の対象になる場合があります。
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そもそもなんでこんな制度があるの?
ふだんの住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、家を新しく買ったり建てたりしたときに使えるものですよね。
でも、今の家に住み続けながらバリアフリーに改修したいとか、省エネ仕様にリフォームしたいとか、親と同居するために部屋を増やしたいとか、そういう事情でまとまったお金を借りる人もいます。
「ローンを組んでリフォームするなら、何かしら税金が安くなるしくみがあってもいいじゃないか」ということで生まれたのが、この「特定増改築等住宅借入金等特別控除」です。
特定増改築等住宅借入金等特別控除の位置づけ
「リフォームでローン控除?」と聞くと難しそうですが、やっていることはシンプルです。ローンの年末残高に一定の割合をかけた金額が、所得税から引かれる(=税金が安くなる)しくみです。最大5年間使えます。
「特定の工事」って具体的に何のこと?
この控除で対象になるのは、次の3種類の工事を含むリフォームです。
① バリアフリー改修工事
手すりの取り付け・段差の解消・廊下の拡幅・スロープの設置など、高齢者や障害者が安全に生活できるようにする工事です。
ただし、「特定個人」と呼ばれる条件がある点に注意が必要です。要は、次のいずれかに当てはまる人が対象です。
- 50歳以上の方
- 要介護・要支援の認定を受けている方
- 障害者の方
- 上記の方や65歳以上の方と同居している方
② 省エネ改修工事(断熱リフォーム)
窓の断熱改修・床・天井・壁の断熱工事など、エネルギーの節約につながる改修が対象です。
全居室の窓の改修が中心となり、それに合わせて床・天井・壁の断熱工事を行った場合などに適用されます。
③ 多世帯同居改修工事
台所・浴室・トイレ・玄関のうち、いずれかを増設して2世帯が一緒に暮らせるようにする工事です。いわゆる「二世帯住宅化」のためのリフォームです。
「特定の工事」というのは、バリアフリー・省エネ・二世帯の3種類のことです。これら以外の一般的なリフォーム(水回りの交換など)だけでは、この「特定増改築等住宅借入金等特別控除」の対象にはなりません。
工事費用の下限あり:対象工事(バリアフリー・省エネ・二世帯のいずれか)の費用の合計額が、補助金等を除いて50万円超であることが条件です。
バリアフリーや省エネ工事はまとまった費用がかかることも多いです。リフォームローンの金利比較サービスで、複数の銀行をまとめてチェックするのも一つの方法です。
誰が使えるの? 条件はあるの?
大前提として令和3年(2021年)12月31日までに入居していることが必要です。それを踏まえたうえで、次の条件をすべて満たす必要があります。
逆に、使えないのはどんなとき?
- 令和4年(2022年)1月1日以降に入居した(最重要)
- 特定の工事(バリアフリー・省エネ・二世帯)を含まないリフォームだった
- 親族からの借入れや無利息のローン
- 合計所得金額が3,000万円を超えている年
一番大きな壁は「令和3年12月31日までに入居していること」です。2022年1月以降に工事を終えて住み始めた方は、この控除は使えません。その場合は、通常の住宅ローン控除(借入限度額2,000万円・控除率0.7%・最長10年)が別途対象になるか確認してみてください。
税金がいくら安くなるの? 計算してみると?
控除額は、ローンの年末残高をもとに計算します。仕組みが少し独特なので、順を追って説明します。
控除率の計算方法
リフォームローンのうち、特定工事(バリアフリー・省エネ・二世帯)に使った部分とそれ以外の部分で控除率が違います。
- 特定工事部分(上限250万円):年末残高の 2%
- その他の部分(上限1,000万円から特定工事部分を引いた額):年末残高の 1%
控除額の計算例(年末残高800万円・特定工事200万円の場合)
最大で、特定工事250万円×2%=5万円、その他750万円×1%=7.5万円、合計年間12.5万円の控除が受けられます。5年間続けば、最大62.5万円の節税になります。ただし、所得税額が少ない方はその金額が上限になります。
住民税への影響:所得税から控除しきれなかった場合、翌年の住民税(上限あり)からも控除できます。
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この控除を受けるには、最初の年だけ確定申告が必要です。書類の作成が不安な場合は、住宅ローン控除に対応した確定申告ソフトを使えば、画面の案内に沿って入力するだけで計算明細書が作れます。
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「令和4年以降は使えない」ってどういうこと?
2022年の税制改正で、特定増改築等住宅借入金等特別控除は新規適用が廃止されました。
令和4年(2022年)1月1日以降に住宅ローンを組んで特定工事を行い、入居した方は、この控除は使えません。
令和4年以降にリフォームした場合の代わりの制度は?
令和4年以降の場合、次の制度が使える可能性があります。
- 住宅借入金等特別控除(通常の住宅ローン控除):リフォームで100万円超の工事費用がかかり、一定の条件を満たせば対象。借入限度額2,000万円・控除率0.7%・控除期間10年。
- 住宅特定改修特別税額控除:ローンを組まなくても使える税額控除。バリアフリー・省エネ・多世帯同居・子育て対応改修の工事費用に対して適用。
「じゃあ今から(令和4年以降に)バリアフリー工事してもお得じゃないの?」→ そんなことはないです。ローンを組めば通常の住宅ローン控除が使えますし、ローンなしの工事なら「住宅特定改修特別税額控除」があります。制度の名前は変わりましたが、支援自体はあります。
今まさに控除期間中の方は?(令和3年以前入居)
令和3年(2021年)以前にリフォームを終えて入居した方は、まだ控除期間が残っている場合があります。
控除期間は居住開始年から5年間なので、たとえば令和3年(2021年)に入居した方は令和7年(2025年)分の所得税までが対象です。令和7年分は2026年3月の確定申告(または年末調整)で申請できます。
申請し忘れに注意:年末調整で控除を受けている場合は毎年自動では処理されません。年末に会社に「住宅借入金等特別控除申告書」と「年末残高等証明書」を提出しているか、確認してみてください。
どうやって申請するの? 手続きは面倒?
申請のしかたは、1年目と2年目以降で違います。
1年目は確定申告が必須
会社員の方でも、控除を受ける最初の年だけは確定申告が必要です。翌年の2〜3月の確定申告期間中に、税務署(またはe-Tax)に申告します。
用意する主な書類はこちらです。
- 確定申告書
- (特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書
- 住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書(金融機関から届く)
- 増改築等工事証明書(施工業者・建築士が発行)
- 登記事項証明書(法務局で取得)
- 請負工事契約書の写しなど
増改築等工事証明書は施工業者か建築士に依頼して発行してもらう書類です。工事が終わった後でも発行できますが、なるべく早めに依頼しておきましょう。忘れがちなポイントです。
2年目以降は年末調整でOK(会社員の場合)
1年目の確定申告が終わると、税務署から残りの年数分(最大4年分)の「住宅借入金等特別控除申告書」がまとめて送られてきます。
2年目以降は毎年、この申告書と金融機関から届く「年末残高等証明書」を会社に提出するだけで完了です。確定申告は不要になります。
申告書を紛失した場合:税務署に「住宅借入金等特別控除証明書の再交付申請書」を提出すれば再発行できます。国税庁ホームページからダウンロードして、所轄の税務署に提出してください。
控除を受けるための申請の流れ
通常の「住宅ローン控除」と何が違うの?
ふだんよく聞く「住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)」とどう違うのか、整理しておきます。
特定増改築等住宅借入金等特別控除と通常の住宅ローン控除の比較
「控除率だけ見ると特定増改築等の方が高い(2% vs 0.7%)じゃないか」と思うかもしれませんが、控除期間が5年と短く、かつ令和4年以降は新規に使えません。令和3年以前にリフォームして現在も控除期間中の方にとっては、引き続き有利な制度です。
みんなが気になるQ&A
A使えます。特定工事(バリアフリー・省エネ・二世帯のいずれか)を含むリフォームなら、工事全体の費用を対象にローンを組んでいてもOKです。ただし、特定工事部分と、それ以外の部分で控除率が変わります(特定部分2%、それ以外1%)。
A自分が所有している家、かつ自分が住む家のリフォームが条件です。親が所有者で自分はそこに住んでいる場合や、自分が所有者だが住んでいない(転勤中など)場合は基本的に対象外になります。「自分が所有・自分が居住」がセットで必要です。
A最初の年だけ必要です。会社員の場合、通常は年末調整で税金の計算が完結しますが、住宅ローン控除は1年目だけ確定申告が必須になっています。2年目以降は年末調整で完結します。忘れないようにしましょう。
A控除はローンの年末残高をもとに計算するので、繰り上げ返済で残高が減れば控除額も減ります。ただし、控除期間(5年)が終わっていなければ、毎年末の残高に応じて引き続き控除を受けられます。全額繰り上げ返済してローン残高がゼロになった年からは、控除はなくなります。
A再発行できます。国税庁ホームページから「住宅借入金等特別控除証明書の再交付申請書」をダウンロードして、所轄の税務署に提出してください。再交付には少し時間がかかることがあるので、年末前に早めに動きましょう。
A使える制度があります。ローンを組んで100万円超のリフォームなら「住宅借入金等特別控除(通常の住宅ローン控除)」が、ローンなしで省エネ・バリアフリー等の工事をした場合は「住宅特定改修特別税額控除」が使えます。ただし適用要件はそれぞれ異なるので、確認が必要です。
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もっと詳しく知りたいとき(公式の情報)
- 国税庁「No.1218 借入金を利用してバリアフリー改修工事をした場合(特定増改築等住宅借入金等特別控除)」
- 国税庁「No.1217 借入金を利用して省エネ改修工事をした場合(特定増改築等住宅借入金等特別控除)」
- 国税庁「No.1211-4 増改築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」
- 国土交通省「住宅ローン減税」(最新の制度概要・パンフレット等)
この記事は一般的なケースをわかりやすくまとめたものです。最終的な判断・必要書類はご自身の状況に基づいて税務署や専門家に確認してください。