住宅売却で損が出た(譲渡損-250万円)、確定申告で得する?

住宅売却で損が出た(譲渡損-250万円)、確定申告で得する?|お金の公的制度ガイド
最終更新日:2026.02.10

マイホームを売って損が出たときでも、条件を満たすと確定申告で税金が戻る(または翌年以降の税金が下がる)ことがあります。

  • 結論 「得する」のは2つの制度のどちらかに当てはまるとき
  • 目安 戻る金額はあなたの税率 ×(使える損の金額)で変わる
  • 注意 投資用・別荘などは原則、給料の税金計算に混ぜられない
  • 準備 売買契約書/購入時の資料/住宅ローン残高証明書など

※「譲渡損-250万円」でも、制度の条件上限で“全部は使えない”ことがあります。先にチェックしましょう。

1. まず結論:確定申告で「得する」可能性があるのは2パターン

土地や建物を売って損が出たとき、基本ルールでは「その損を給料などの税金計算に混ぜて、税金を減らす」ことはできません。 ただし、マイホーム(自分が住んでいた家)で、一定の条件を満たすときだけ例外があります。

得する可能性がある2パターン

  1. 住み替え(新しい家を買った)
    旧居宅を売って損が出て、一定期間内に新居宅を買い、年末に住宅ローン残高がある など。
  2. 住み替えなしでも、売値がローン残高より少ない
    売った家に住宅ローンが残っていて、売値 <(契約日前日の)ローン残高 など。

どちらにも当てはまらない場合は、損を給料の税金計算に混ぜられません(他の不動産の売却益がある場合は別)。

先にここだけ確認(1分チェック)

①売ったのはマイホーム? ②所有が5年超? ③住み替えした? ④ローン残高は売値より多い?

条件チェックに進む

2. 「譲渡損-250万円」って何?(ざっくりの考え方)

ここでいう「譲渡損(じょうとそん)」は、売った値段と、買ったときにかかった総額などを比べて出す損益のことです。

簡単なイメージ

売った値段 -(買った値段+買う/売るときの費用-建物の目減り分)=プラスなら利益、マイナスなら損

よくあるズレの原因

  • 買ったときの仲介手数料・登記費用などを入れていない
  • 売るときの仲介手数料・測量費・解体費などの扱いを間違える
  • 建物は年数で価値が目減りする(計算上も一部差し引く)

すでに「-250万円」と計算できているなら、次はその損を税金計算に使えるかがポイントです。

3. パターン1:住み替えした場合(新居宅あり)に使える制度

マイホームを売って損が出た年に、一定の条件で新しいマイホームを買ったなら、 その損を給料などの税金計算に混ぜられます(混ぜきれない分は最長3年、翌年以降に回せます)。

主な条件(代表例)

  • 売った家が自分のマイホーム(以前住んでいた家でも期限内ならOK)
  • 所有が5年超(売った年の1月1日時点)
  • 新居宅の床面積が50㎡以上 など
  • 新居宅は「前年1/1〜翌年12/31」の範囲で取得し、一定期限までに住む
  • 新居宅について、年末に返済期間10年以上の住宅ローン残高がある(繰り越す年も)

条件は細かいので、当てはまるか不安なら「確定申告ソフト」や「税理士相談」を使う方が早いです。

書類作りが不安なら

不動産売却の申告は入力項目が多めです。ガイド付きの確定申告ソフトだと、迷いにくいです。

確定申告ソフトを比較する(広告)

4. パターン2:住み替えなしでも使える制度(ローン残高が売値より多い)

新しい家を買っていなくても、売った家に住宅ローンが残っていて 売値がローン残高より少ない場合は、別の制度で税金計算に使えることがあります。

ポイントは「使える損の上限」

この制度では、税金計算に使える損の金額に上限があります。 ざっくり言うと、 (契約日前日のローン残高 − 売値)が上限になりやすい、ということです。

例:譲渡損-250万円でも、上限で減るケース

  • 譲渡損:-250万円
  • 契約日前日のローン残高:2,900万円
  • 売値:2,750万円
  • 上限(ローン残高−売値):150万円

この例だと、税金計算に使えるのは150万円まで、というイメージです(細部は個別に確認)。

逆に、売値がローン残高より多い(ローンを完済できる)場合は、この制度の対象外になりやすいです。

5. いくら戻る?(ざっくりの目安)

この制度で戻る(または将来下がる)金額は、「損の金額」そのものではなく、 損を税金計算に混ぜた結果、税金がいくら減るかで決まります。

目安の考え方

戻る目安 ≒(使える損の金額)×(あなたの所得税率+住民税の目安)

例:使える損が250万円で、合計の税率イメージが20%の場合

250万円 × 20% = 約50万円

ただし、実際は「ほかの控除」「年収」「家族構成」「住民税の計算」などで変わります。 「だいたいどれくらいか」を早く知りたいなら、確定申告ソフトに数字を入れて試算するのが確実です。

6. 申告の流れと必要書類(チェックリスト)

流れ(ざっくり)

  1. 売却損の金額を計算(すでに-250万円ならOK)
  2. 「住み替えあり」か「ローン残高が売値より多い」かを判定
  3. 必要書類をそろえる
  4. 確定申告で申請(e-Taxでも紙でもOK)
  5. 損を繰り越すなら、翌年以降も連続して申告

必要書類(代表例)

  • 売買契約書(売ったとき・買ったとき)
  • 仲介手数料などの領収書・明細
  • 登記事項証明書など(所有期間・面積がわかるもの)
  • (住み替えあり)新居宅の資料、年末の住宅ローン残高証明書
  • (住み替えなし)売った家の住宅ローン残高証明書(契約日前日のもの)

「繰り越し」を使う場合は、期限内に申告し、翌年以降も連続して申告する必要があります。

不動産の申告が初めてなら

入力漏れや書類不足が不安なら、税理士へのスポット相談も選択肢です。

税理士に相談できるサービスを見る(広告)

7. よくある落とし穴(ここで損しがち)

マイホーム以外(投資用・別荘など)

不動産売却の損は、基本的に「他の不動産の売却益」にはぶつけられても、 給料などとは混ぜられません。マイホームの特例に当てはまるかが重要です。

所有期間5年の数え方

多くのルールは「売った年の1月1日時点」で5年超かどうかを見ます。 「契約日で5年超えた」はカウントがズレることがあります。

繰り越しは“期限内申告”が前提

申告が遅れると、繰り越しが使えない(または不利になる)ことがあります。 売った翌年の申告期間は意識しておきましょう。

制度の期限(変更されることがある)

国税庁の案内では「令和7年12月31日まで」と書かれている制度がありますが、税制改正で延長されることもあります。 売却年が新しい場合は、最新の公式情報を確認してください。

8. よくある質問

Q. 譲渡損-250万円なら、税金も必ず50万円くらい戻りますか?
A. 戻るのは「損の金額」ではなく「税金が減った分」です。さらに、制度によっては“使える損”に上限があります。まずはどの制度に当てはまるか確認してください。
Q. 住宅ローンが完済済みでも得できますか?
A. 「住み替え(新居宅あり)」の制度に当てはまれば可能性があります。一方、「住み替えなし」の制度は、売った家のローン残高が条件になるため、完済済みだと対象外になりやすいです。
Q. 住宅ローン控除と一緒に使えますか?
A. 併用できる旨が国税庁の案内にあります。住み替えあり・住み替えなし、いずれの制度でも確認できます。
Q. 住民税も下がりますか?
A. 所得が下がる形なので、翌年の住民税に影響することがあります。自治体への反映は時期がありますので、申告時期が遅い場合は注意してください。
Q. 繰り越しを使う場合、翌年以降も何かしますか?
A. はい。損を繰り越す年は、連続して確定申告が必要です(“今年は損が残っている”ことを毎年申告します)。
Q. 売った相手が親や配偶者でも使えますか?
A. 親子・夫婦など「特別の関係」がある相手への売却は、制度の対象外になる場合があります。

9. 参考(公式資料)

関連制度(あわせて読みたい)

関連しやすい制度をまとめて確認できます。

出産手当金(産休中の給与補填)

出産により仕事を休む期間の給付(健康保険)。

育児休業給付金(育休中の給付)

育児休業中に雇用保険から支給される給付。

児童手当

子育て世帯向けの定期給付(支給要件・手続き)。

医療費控除(確定申告)

出産費用などの医療費が一定額を超えた場合の控除。

高額療養費制度

医療費の自己負担が高額になったときの上限制度。

妊婦健診の助成(自治体制度)

自治体ごとに異なる妊婦健診・出産関連の助成。