国民年金(老齢基礎年金)だけだと、満額もらっても月約6.9万円。物価が上がり続ける今、それだけで暮らすのはきつい……という声はよく聞きます。
そんな低所得の年金受給者を支えるために、年金に毎月5,450円(2025年度)上乗せしてもらえる制度があります。
年間にすると約6.5万円。これが「年金生活者支援給付金」です。
- いくら?月最大5,450円(2025年度)
- 誰が?低所得の老齢・障害・遺族年金受給者
- 財源は?消費税引き上げ分(2019年〜)
- 手続きは?日本年金機構から届くはがきに記入して返送
- 毎年必要?一度申請すれば原則自動継続
- 税金は?非課税(所得には含まれない)
注意:この給付金は申請しないともらえません。日本年金機構から請求書が届いたら、必ず期限内に手続きをしましょう。知らずに放置している人が多い制度です。
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そもそも、なんでこんな制度があるの?
日本の公的年金は「現役時代に保険料を納めた分だけ老後にもらえる」しくみです。ところが、保険料を免除してもらった期間が長い人や、加入期間が短い人は、年金がとても少ない金額になってしまいます。
そこに「消費税が10%に引き上げられた分を活用して、低所得の年金受給者の生活を支えよう」という考え方から2019年10月に始まったのが、この年金生活者支援給付金です。
いわば「年金の底上げ」をするための制度なんです。
国民年金満額受給者が給付金をもらった場合のイメージ(2025年度・480か月全期間納付の場合)
「たった月5,000円ちょっと?」と思うかもしれませんが、年間6.5万円、夫婦2人なら年13万円になります。しかも非課税で、一度申請すれば毎年手続きは不要。もらえる条件に当てはまる人はぜひ活用してほしい制度です。
いくらもらえるの? 計算方法はあるの?
給付金は「老齢」「障害」「遺族」の3タイプがあり、それぞれ金額のルールが違います。
老齢タイプ(65歳以上・老齢基礎年金の人)
金額は、過去に年金保険料を払った月数によって変わります。計算式はこうなっています。
- 保険料をちゃんと払った月 → 5,450円 × 納付月数 ÷ 480月
- 保険料を免除してもらった月 → 11,551円 × 免除月数 ÷ 480月(昭和31年4月2日以後生まれの場合)
「480月」というのは、20〜60歳の40年間すべての月数です。
たとえば、20〜60歳の40年間すべて保険料を払い続けた人なら、月5,450円(年6万5,400円)がフルでもらえます。払った月数が少ないほど、もらえる額は少なくなります。でも、免除期間がある人はそれはそれで別計算で加算されるので、「免除してたからゼロになる」ではないのです。
2026年4月からは月5,620円に増額予定:毎年度、物価の変動に応じて改定されます。2025年度は前年から2.7%増額されています。2026年度は月5,620円(年約6.7万円)になる見込みです。
障害タイプ(障害基礎年金の人)
障害の等級によって金額が変わります。
- 1級:月6,813円(2025年度)
- 2級:月5,450円(2025年度)
遺族タイプ(遺族基礎年金の人)
月5,450円(2025年度)が基本です。2人以上の子が遺族基礎年金を受給している場合は、この金額を人数で分けます。
給付金だけでは老後の生活費を全部まかなうのは難しいのが現実です。現役世代のうちからiDeCoやNISAで資産を積み上げることが、老後の安心につながります。SBI証券のiDeCoなら月5,000円から積立を始められます(運営管理手数料0円)。
誰がもらえるの? 条件はあるの?
最も対象者が多い「老齢タイプ」は、次の3つの条件をすべて満たす必要があります。
「遺族年金や障害年金を受け取っているけど、所得が高くて対象外かな」と思っている方へ。遺族年金・障害年金はこの所得判定に含まれません(非課税収入なので)。実際は思っていたより所得が低く、条件を満たす方も多いです。念のため確認してみてください。
障害・遺族タイプの条件は?
- 障害タイプ:障害基礎年金を受給していて、前年の所得が4,794,000円以下であること(障害年金・遺族年金等の非課税収入は含まない)
- 遺族タイプ:遺族基礎年金を受給していて、前年の所得が4,794,000円以下であること(同上)
障害・遺族タイプは所得制限がかなりゆるいので、受給していれば基本的にもらえると思って大丈夫です。
逆に、もらえないのはどんなとき?
- 年金を受け取っていない(未請求)
- 日本国内に住所がない(海外在住)
- 同一世帯に住民税を払っている人がいる(老齢タイプの場合)
- 収入が基準額を超えている
- 刑事施設・少年院などに拘禁されている
どうやって申請するの? 手続きは難しい?
申請は難しくありません。ほとんどの人は、届いたはがきに記入して返送するだけです。
初めて申請するとき(新規申請)
主に次のタイミングで、日本年金機構からはがき型の請求書が送られてきます。
- 65歳になって老齢年金の請求書と一緒に届く場合
- 前年の収入が下がり、新たに対象になった場合(毎年9月頃に届く)
届いたらできるだけ早く記入して返送しましょう。申請した翌月分から支給されます。
年金生活者支援給付金の申請から受給までの流れ
2年目以降は手続き不要?
条件を満たし続けている限り、2年目以降の申請は基本的に不要です。市町村から提供される所得情報などをもとに、日本年金機構が毎年判定してくれます。
ただし、次の場合は届出が必要になります。
- 住所が変わった
- 年金の種類が変わった(障害から老齢に変わるなど)
- 収入が増えて対象外になった
振込は年金と同じ偶数月の中旬ですが、振込口座と振込通知書は年金とは別です。通帳を見たときに「あれ、2口座に入ってる?」とびっくりする方もいます。年金の通帳と別に確認してみてください。
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こういうときどうなの?(よくあるケース)
年金を受け取り始めたばかり(65歳)の場合
65歳になって老齢基礎年金の請求書を提出するとき、一緒に給付金の請求書が入っていることがあります。忘れずに同封して返送しましょう。ポイントは「老齢年金の申請と同時に手続きできる」ということです。
収入が減って新たに対象になった場合
退職やパート収入がなくなるなど、収入が下がると新たに対象になることがあります。日本年金機構が毎年所得情報を確認し、新たに対象となる方には9月頃に請求書が届きます。届いたらすぐに手続きを。翌年1月5日頃までに届けば、10月分にさかのぼって受け取れます。
配偶者が亡くなって世帯が変わった場合
世帯の状況が変わると、新たに住民税非課税世帯になることがあります。これを機に支給対象になるケースも多いです。ポイントは「世帯の変化があったときは確認する」ということです。
あわせて読みたい サムネイル 遺族基礎年金・遺族厚生年金はどう違うの? 配偶者が亡くなったとき受け取れる年金のしくみと、受け取れる条件をわかりやすく解説。障害年金を受け取っている場合
障害基礎年金を受給していれば、所得が4,794,000円以下(障害年金等の非課税収入を除く)であれば対象になります。障害年金の受給者は条件がゆるいので、ほとんどの方が受け取れます。ただし、障害年金の受給とは別に手続きが必要です。
「補足的老齢年金生活者支援給付金」ってなに?
老齢タイプで、年収が809,000円(昭和31年4月2日以後生まれ)を超えているけど909,000円以下、という人向けの「一部だけもらえる」給付金です。満額ではないですが、所得に応じた金額が支給されます。通常の給付金と同様に自動的に判定されるので、特別な手続きは不要です。
「住民税非課税給付金」とか「障害年金」とは違うの?
似た名前の給付や制度がいくつかあります。整理するとこういう関係です。
老後・年金まわりの制度マップ
よく混乱するのが「臨時の給付金」との違いです。物価高騰対策などで政府が不定期に出す「住民税非課税世帯への10万円給付」などは一時的なものですが、年金生活者支援給付金は毎年継続してもらえる制度です。どちらも対象なら両方受け取れます。
みんなが気になる Q&A
A.年金と同じ偶数月(2月・4月・6月・8月・10月・12月)の中旬に2か月分まとめて振り込まれます。たとえば10月分と11月分は12月中旬に振り込みです。振込口座は年金と同じですが、振込通知書と明細は年金とは別に届きます。
A.申請はいつでもできます。ただし支給開始は「申請した翌月分」からなので、遅れた分はさかのぼってもらえません。毎年9月頃の請求書については、翌年1月5日(令和7年10月分からは2026年1月5日)頃までに届ければ、10月分にさかのぼって受け取れます。まだ申請していない方は給付金専用ダイヤル(0570-05-4092)に問い合わせましょう。
A.パートや給与収入がある場合は、公的年金収入+給与所得等の合計で所得判定されます。合計が基準額以内であれば対象になります。ただし収入が増えて基準を超えると支給停止になることがあります。所得に変化があった年は確認しておきましょう。
A.いいえ、不要です。年金生活者支援給付金は非課税なので、確定申告や年末調整に記載する必要はありません。また所得判定にも含まれないので、もらっても翌年の住民税や年金額に影響しません。
A.原則として日本国内に住所があれば申請できます。ただし、刑事施設・少年院等に拘禁されている場合は対象外です。施設入居中でも一般の介護施設であれば問題ありません。家族が代わりに手続きを行う場合は、代理人として申請書を提出できます。
A.はい、夫婦がそれぞれ老齢年金を受給していて、それぞれが条件を満たしていれば2人とも受け取れます。1人ひとり個別に支給されるので、夫婦合計で月1万円超になるケースもあります。ただし、「世帯全員が住民税非課税」の条件はお互いに当てはまっている必要があります。
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もっと詳しく知りたいとき(公式の情報)
この記事はわかりやすさを優先して、細かいルールを省略している部分があります。最終的に正確な情報は、以下の公式サイトや、日本年金機構の窓口で確認してください。
- 厚生労働省「年金生活者支援給付金制度 特設サイト」
- 厚生労働省「年金生活者支援給付金制度について」(支給要件・計算方法)
- 日本年金機構「年金生活者支援給付金」
- 日本年金機構「令和7年4月分からの年金額等について」(最新改定情報)
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この記事は一般的なケースをわかりやすくまとめたものです。最終的な判断・必要書類は、日本年金機構や加入中の年金制度の案内が基準になります。金額は令和7年度(2025年4月〜2026年3月)のものです。