セルフメディケーション税制|対象の市販薬・条件・いくら戻る・申告のやり方

セルフメディケーション税制とは?対象の市販薬・条件・いくら戻るか・申告方法
最終更新日:2026.02.06
ざっくり言うと

薬局やドラッグストアで市販薬をよく買う人、実は税金が少し戻ってくるかもしれません。
1年間に買った「対象の市販薬」の合計が12,000円を超えた分を、所得から引ける制度があります。
これが「セルフメディケーション税制」です。

  • いくら引ける?合計 − 12,000円(上限88,000円)
  • 誰が?本人+同じ家計の家族分も合算OK
  • 条件は?健診・予防接種などをしている人
  • 手続きは?確定申告で「明細書」を提出
  • 書類保管レシートなどを5年間自宅保管
  • 注意点医療費控除と同じ年には両方使えない

注意:「医療費控除(通常)」と同じ年に両方は使えません。どちらか一方を選ぶ必要があります。

あわせて読みたい サムネイル 医療費控除(通常)とはどう違う?どちらが得か比べ方 病院代・薬代・市販薬の合計によって、どちらの制度を使うべきかが変わります。

そもそも、なんでこんな制度があるの?

最近、政府が「なるべく軽い病気は市販薬で自分で治してほしい」という方向に動いています。病院に行く人が増えすぎると、医療費(保険料や税金)がどんどん増えてしまうからです。

そこで、「ちゃんと健康に気を使いながら、市販薬で自分でケアしている人を税金で応援しよう」という目的でできたのが、このセルフメディケーション税制です。

健診・予防接種などで健康に気を使う 人間ドック・会社の健診・インフルエンザ予防接種など 対象の市販薬を年12,000円超買う レシートに「対象」印がある薬をコツコツ集める 確定申告 → 超えた分が所得から引ける! 税金が少し戻ってくる(金額は税率による)

セルフメディケーション税制の3ステップ

つまり、「健康に気を使いながら市販薬で自分ケアしている人に、税金でちょっとお返しします」という制度です。市販薬をたくさん買っている人ほど、使い得な制度なんです。

どの市販薬が対象になるの?見分け方は?

対象は、病院で出る薬と同じ・同じような成分が入った市販薬の一部です。全部の市販薬が対象になるわけではないので、確認が必要です。

一番かんたんな見分け方:レシートで確認

多くのドラッグストアや薬局では、対象品を買うとレシートに「対象」「★」「◆」などの印が出ます。レシートを見るだけで判断できるので、まず捨てずにとっておきましょう。

1
レシートで確認する 商品名の横に「対象」「★」などの印があればOK。
2
パッケージのマークを見る 対象品には共通のセルフメディケーション税制マークが表示されていることがあります。
3
厚労省の対象品目一覧で検索 印がない・不安な場合は、厚生労働省が公表している一覧で品名を確認できます。

注意:過去に「対象ではない商品にも印が付いていた」というレシート表示ミスが報告されています。印があっても、商品名が一覧に載っているか、念のため確認すると安心です。

対象にならないもの(例)

  • サプリメント・健康食品・栄養ドリンク(薬ではないもの)
  • マスク・消毒液・体温計などの衛生用品
  • 同じ成分でも、製品によって対象外のものがある(年度によっても変わる場合あり)

迷ったらレシートの印を確認して、まずは1年間とりあえず保管しておくのがおすすめです。申告するときにまとめて計算できます。マネーフォワード MEなどの家計管理アプリで領収書を撮影保管しておくと、後で集計がラクになりますよ。

いくら税金が戻るの?計算のしかたは?

まず「引ける金額(控除額)」を出します。計算はシンプルです。

控除額 = (対象の市販薬の年間合計) − 12,000円
※上限は 88,000円。合計が100,000円以上でも、引けるのは88,000円まで。

例:対象の市販薬を3万円買った年

30,000円 − 12,000円 = 18,000円が控除額です。
実際に「戻るお金」は、この控除額 × あなたの税率です(税率20%なら3,600円戻る計算)。

ざっくり早見表(控除額)

年間の対象薬合計 引ける金額(控除額) 12,000円 0円(超えないため) 20,000円 8,000円 50,000円 38,000円 100,000円以上 88,000円 (これが上限)

対象薬の合計と控除額の関係

注意:保険金などで補填(実質タダ)になった分は差し引いて考えます。

使えるのはどんな人?条件はあるの?

条件は2つです。両方満たせばOKです。

1
その年に「健康づくり」をしている 人間ドック・会社の健診・市区町村の健診・がん検診・特定健康診査(メタボ検診)・予防接種(インフルエンザなど)のどれか1つでもOKです。
2
対象の市販薬を年間12,000円を超えて買っている 本人分だけでなく、同じ家計の家族(配偶者・子どもなど)の分も合算できます。

「健康づくり」の条件は自分(申告する人)が満たしていればOK。家族が健診を受けていなくても関係ありません。また、健診や予防接種にかかったお金自体は、この制度の控除対象にはならない点に注意です。

保管しておくもの(5年間)

申告のときに提出する必要はありませんが、後から税務署に確認されることがあるため、手元に保管しておきます。

  • 対象薬のレシート・領収書
  • 健診の結果通知・予防接種済証など(「健康づくりをした」証拠)

申告のやり方は?やることは4ステップ

年末調整では自動的に反映されません。確定申告で手続きします。流れはシンプルです。

1
1年分(1/1〜12/31)のレシートを集める 「対象」印のある薬のレシートだけ集めます。
2
合計金額を計算する 家族分も合わせて、対象薬の年間合計額を出します。
3
「セルフメディケーション税制の明細書」を作成して確定申告する 国税庁のe-Taxまたは申告ソフトを使って作成・提出します。
4
レシートと健診書類を5年間保管する 提出は不要ですが、手元に保管しておきます。

確定申告ソフト

「明細書の作り方がわからない…」なら申告ソフトが便利です

入力画面に沿って進むだけで自動計算してくれます。セルフメディケーション税制の明細書も、数字を入力すれば自動で作れます。e-Tax対応なので郵送不要でそのまま送信できます。

  • セルフメディケーション税制・医療費控除の両方に対応
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医療費控除とどっちが得?選び方は?

セルフメディケーション税制は「医療費控除の特例」なので、同じ年に両方は使えません。どちらか有利な方を選びます。

どちらかを選ぶ(同じ年に両方はNG) セルフメディケーション税制 対象 対象の市販薬のみ スタートライン 年12,000円超 追加条件 健診・予防接種が必要 上限 88,000円 医療費控除(通常) 対象 病院代・薬代など広い スタートライン 年10万円超 (収入で変わる場合あり) 追加条件 基本は不要 上限 200万円

2つの制度の比較(同じ年にどちらか一方を選ぶ)

迷ったときの選び方

  • 病院代・処方薬代が年10万円を超えた年 → 医療費控除(通常)の方が有利になりやすい
  • 病院代は少ないが、市販薬をよく買う年 → セルフメディケーション税制が向くことがある

「病院にあまり行かないけど、市販の風邪薬や胃腸薬はよく買う」という人ほど、このセルフメディケーション税制が向いています。12,000円を超えるかどうかが最初のチェックポイントです。

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こういうときどうなるの?失敗しやすいポイント

同じ年に医療費控除も申告してしまう

両方は使えません。申告書に入力していると気づきにくいので、最後に「どちらを選んでいるか」を必ず確認します。

「健康づくり」をその年にやっていなかった

健診や予防接種が1回もない年は、条件を満たせません。会社の健診の結果通知は捨てずに保管しておきましょう。

対象じゃない買い物が混ざっている

サプリや栄養ドリンク、衛生用品は対象外です。レシートの印と商品名を確認します。不安なら厚労省の対象品目一覧で品名を調べてください。

レシートを年の途中で捨ててしまう

申告後も5年間保管が必要です。月ごとに封筒に入れておくだけでも十分です。領収書を写真で管理できる家計簿アプリを使うと、まとめて管理しやすくなります。

制度の期限に注意:現行の制度は2026年12月31日までが期限とされています(延長の可能性もあるため、毎年の公式情報を確認してください)。

みんなが気になるQ&A

Q. 家族の分も合算できる?

A.できます。自分だけでなく、同じ家計の配偶者や親族(子ども・親)のために買った対象の市販薬の分も合算できます。

Q. 年末調整だけで完結する?

A.なりません。確定申告が必要です。会社員でも、この控除だけのために確定申告(還付申告)をすることができます。

Q. 健康診断の費用も対象になる?

A.なりません。健診や予防接種は「使う条件」ですが、その費用自体は控除の対象外です。混同しやすいので注意してください。

Q. レシートの印だけで対象か判断していい?

A.基本は印で判断できますが、過去に表示ミスが報告された例があります。商品名が対象品目一覧に載っているか確認すると確実です。

Q. 医療費控除と同じ年に両方使える?

A.使えません。同じ年はどちらか一方を選びます。両方計算してみて、有利な方を選ぶのがポイントです。

Q. いつまで使える制度?

A.現行の期限は2026年12月31日までとされています。延長の可能性もあるため、毎年の国税庁・厚労省の公式情報を確認してください。

公式の情報はここで確認

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