薬局やドラッグストアで市販薬をよく買う人、実は税金が少し戻ってくるかもしれません。
1年間に買った「対象の市販薬」の合計が12,000円を超えた分を、所得から引ける制度があります。
これが「セルフメディケーション税制」です。
- いくら引ける?合計 − 12,000円(上限88,000円)
- 誰が?本人+同じ家計の家族分も合算OK
- 条件は?健診・予防接種などをしている人
- 手続きは?確定申告で「明細書」を提出
- 書類保管レシートなどを5年間自宅保管
- 注意点医療費控除と同じ年には両方使えない
注意:「医療費控除(通常)」と同じ年に両方は使えません。どちらか一方を選ぶ必要があります。
そもそも、なんでこんな制度があるの?
最近、政府が「なるべく軽い病気は市販薬で自分で治してほしい」という方向に動いています。病院に行く人が増えすぎると、医療費(保険料や税金)がどんどん増えてしまうからです。
そこで、「ちゃんと健康に気を使いながら、市販薬で自分でケアしている人を税金で応援しよう」という目的でできたのが、このセルフメディケーション税制です。
セルフメディケーション税制の3ステップ
つまり、「健康に気を使いながら市販薬で自分ケアしている人に、税金でちょっとお返しします」という制度です。市販薬をたくさん買っている人ほど、使い得な制度なんです。
どの市販薬が対象になるの?見分け方は?
対象は、病院で出る薬と同じ・同じような成分が入った市販薬の一部です。全部の市販薬が対象になるわけではないので、確認が必要です。
一番かんたんな見分け方:レシートで確認
多くのドラッグストアや薬局では、対象品を買うとレシートに「対象」「★」「◆」などの印が出ます。レシートを見るだけで判断できるので、まず捨てずにとっておきましょう。
注意:過去に「対象ではない商品にも印が付いていた」というレシート表示ミスが報告されています。印があっても、商品名が一覧に載っているか、念のため確認すると安心です。
対象にならないもの(例)
- サプリメント・健康食品・栄養ドリンク(薬ではないもの)
- マスク・消毒液・体温計などの衛生用品
- 同じ成分でも、製品によって対象外のものがある(年度によっても変わる場合あり)
迷ったらレシートの印を確認して、まずは1年間とりあえず保管しておくのがおすすめです。申告するときにまとめて計算できます。マネーフォワード MEなどの家計管理アプリで領収書を撮影保管しておくと、後で集計がラクになりますよ。
いくら税金が戻るの?計算のしかたは?
まず「引ける金額(控除額)」を出します。計算はシンプルです。
控除額 = (対象の市販薬の年間合計) − 12,000円
※上限は 88,000円。合計が100,000円以上でも、引けるのは88,000円まで。
例:対象の市販薬を3万円買った年
30,000円 − 12,000円 = 18,000円が控除額です。
実際に「戻るお金」は、この控除額 × あなたの税率です(税率20%なら3,600円戻る計算)。
ざっくり早見表(控除額)
対象薬の合計と控除額の関係
注意:保険金などで補填(実質タダ)になった分は差し引いて考えます。
使えるのはどんな人?条件はあるの?
条件は2つです。両方満たせばOKです。
「健康づくり」の条件は自分(申告する人)が満たしていればOK。家族が健診を受けていなくても関係ありません。また、健診や予防接種にかかったお金自体は、この制度の控除対象にはならない点に注意です。
保管しておくもの(5年間)
申告のときに提出する必要はありませんが、後から税務署に確認されることがあるため、手元に保管しておきます。
- 対象薬のレシート・領収書
- 健診の結果通知・予防接種済証など(「健康づくりをした」証拠)
申告のやり方は?やることは4ステップ
年末調整では自動的に反映されません。確定申告で手続きします。流れはシンプルです。
確定申告ソフト
「明細書の作り方がわからない…」なら申告ソフトが便利です
入力画面に沿って進むだけで自動計算してくれます。セルフメディケーション税制の明細書も、数字を入力すれば自動で作れます。e-Tax対応なので郵送不要でそのまま送信できます。
- セルフメディケーション税制・医療費控除の両方に対応
- e-Tax対応・スマホからでも申告OK
- 初めての確定申告でも安心のサポート
※外部サービスのページへ移動します
医療費控除とどっちが得?選び方は?
セルフメディケーション税制は「医療費控除の特例」なので、同じ年に両方は使えません。どちらか有利な方を選びます。
2つの制度の比較(同じ年にどちらか一方を選ぶ)
迷ったときの選び方
- 病院代・処方薬代が年10万円を超えた年 → 医療費控除(通常)の方が有利になりやすい
- 病院代は少ないが、市販薬をよく買う年 → セルフメディケーション税制が向くことがある
「病院にあまり行かないけど、市販の風邪薬や胃腸薬はよく買う」という人ほど、このセルフメディケーション税制が向いています。12,000円を超えるかどうかが最初のチェックポイントです。
無料FP相談
「医療費控除とどちらが得か、自分でよくわからない…」
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こういうときどうなるの?失敗しやすいポイント
同じ年に医療費控除も申告してしまう
両方は使えません。申告書に入力していると気づきにくいので、最後に「どちらを選んでいるか」を必ず確認します。
「健康づくり」をその年にやっていなかった
健診や予防接種が1回もない年は、条件を満たせません。会社の健診の結果通知は捨てずに保管しておきましょう。
対象じゃない買い物が混ざっている
サプリや栄養ドリンク、衛生用品は対象外です。レシートの印と商品名を確認します。不安なら厚労省の対象品目一覧で品名を調べてください。
レシートを年の途中で捨ててしまう
申告後も5年間保管が必要です。月ごとに封筒に入れておくだけでも十分です。領収書を写真で管理できる家計簿アプリを使うと、まとめて管理しやすくなります。
制度の期限に注意:現行の制度は2026年12月31日までが期限とされています(延長の可能性もあるため、毎年の公式情報を確認してください)。
みんなが気になるQ&A
A.できます。自分だけでなく、同じ家計の配偶者や親族(子ども・親)のために買った対象の市販薬の分も合算できます。
A.なりません。確定申告が必要です。会社員でも、この控除だけのために確定申告(還付申告)をすることができます。
A.なりません。健診や予防接種は「使う条件」ですが、その費用自体は控除の対象外です。混同しやすいので注意してください。
A.基本は印で判断できますが、過去に表示ミスが報告された例があります。商品名が対象品目一覧に載っているか確認すると確実です。
A.使えません。同じ年はどちらか一方を選びます。両方計算してみて、有利な方を選ぶのがポイントです。
A.現行の期限は2026年12月31日までとされています。延長の可能性もあるため、毎年の国税庁・厚労省の公式情報を確認してください。