転職・退職したとき、社会保険や手当はどうなるの?手続きを全部まとめました

転職・退職したとき、社会保険や手当はどうなるの?手続きを全部まとめました
最終更新日:2026.03.21
ざっくり言うと

会社を辞めると、今まで会社がまとめてやってくれていた「健康保険」「年金」「税金」の手続きが、急に自分の仕事になります。
しかも、退職後14日以内に動かないといけないものも多い。「気づいたら無保険だった……」というトラブルが起きやすいタイミングです。
さらに、仕事を辞めたら失業給付(基本手当)という、次の仕事が決まるまでの生活を支えてくれるお金ももらえる可能性があります。

  • 健康保険は?3択から選んで14日以内に手続き
  • 年金は?国民年金に切り替え(免除制度あり)
  • 失業給付は?条件を満たせばもらえる・ハローワークで申請
  • 給付制限は?自己都合でも原則1か月に短縮(2025年4月〜)
  • 児童手当は?公務員→一般は切り替え申請が必要
  • 住民税は?退職後も翌年5月まで払い続ける

注意:「失業給付(基本手当)」は申請しないとゼロです。退職後なるべく早くハローワークに行きましょう。受給できる期間は離職翌日から1年間のみで、遅く申請するほど損します。

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そもそも、なぜ退職すると手続きが必要になるの?

会社で働いている間は、社会保険のほぼすべてを「会社経由」で手続きしています。健康保険の加入も、年金の支払いも、税金の天引きも、会社が代わりにやってくれていたんです。

ところが会社を辞めた瞬間、そのしくみから外れます。翌日から「無保険」「未加入」の状態になってしまうので、自分で新しい制度に入り直す必要があるんです。

在職中(会社員) 健康保険・厚生年金・住民税すべて → 給与から天引き・会社が手続き 退職! 退職後(翌日から) すべての社会保険から自動的に外れる → 放置すると「無保険」状態に! 14日以内に自分で新しい制度へ切り替える 健康保険・国民年金・失業給付の申請 早く動けば動くほど損しない

退職すると社会保険はどうなるか

つまり、退職後の手続きは「早い者勝ち」ではなく、遅れると損するしくみです。健康保険は空白期間があると病院代が全額自己負担になるリスクがあります。失業給付は申請が遅いほど受け取れる日数が減ります。退職日が決まったら、まずこのページの手続きを頭に入れておきましょう。

健康保険はどうなるの? 3つの選択肢から選ぶ

退職すると、会社の健康保険(協会けんぽや健康保険組合)から外れます。退職翌日から14日以内に、次の3つのうちどれかに入る手続きが必要です。

退職後の健康保険 3つの選択肢 ① 任意継続 前の会社の保険を最長2年間、個人で継続できる 保険料:在職中の2倍(会社負担分がなくなるため) → 退職後20日以内に申請。高収入だった人は国保より安い場合あり ② 国民健康保険(国保)に加入 住んでいる市区町村の国保に切り替える 保険料:前年の収入をもとに計算(地域差あり) → 退職後14日以内に役所へ。収入が低い年は保険料が安くなる ③ 家族の扶養に入る 配偶者や親の健康保険の「扶養」に入れてもらう 保険料:自分の分は不要(扶養者の保険料に含まれる) → 年収130万円未満が条件。資格喪失後5日以内に申請

どれが得かは収入・状況によって変わります

マイナ保険証って何?退職時の保険証はどうなるの?

2025年12月から、従来の紙の健康保険証はマイナンバーカード(マイナ保険証)に完全移行しました。退職しても、マイナ保険証自体を返却する必要はありません。ただし、健康保険の「加入先」は切り替える必要がありますので注意してください。

マイナンバーカードを持っていない方や、健康保険証の利用登録をしていない方には「資格確認書」が発行されます。

3択の選び方の目安はこうです。
すぐに転職先が決まる人 → 転職先の健康保険に加入(手続きは会社がやってくれる)
無職期間がある人・収入が高かった人 → 任意継続か国保を比較して安い方を選ぶ
配偶者が会社員で収入が安定している人 → 扶養に入るのが保険料ゼロで最も楽
迷ったら、前の会社の人事・総務か、近くの社会保険労務士に相談してください。

年金はどうなるの? 国民年金への切り替えが必要

会社員の間は「厚生年金」という年金に入っていました。退職すると厚生年金から外れ、「第1号被保険者」、つまり自分で国民年金を払う立場に変わります。

手続きは退職後14日以内に住んでいる市区町村の役所(またはマイナポータル)で行います。会社から「健康保険・厚生年金資格喪失連絡票」が届いたら、それを持って役所に行きましょう。

お金がないとき、年金は免除できるの?

失業中で収入がない期間は、国民年金の保険料を免除・猶予してもらえる制度があります。「退職特例」といって、通常より有利な条件で免除申請できます。

  • 全額免除・4分の3免除・半額免除・4分の1免除の4段階
  • 免除期間中も年金の受給資格期間(10年)にカウントされる
  • 全額免除でも将来の年金は半分程度受け取れる(国が半額負担)
  • 収入が戻ったら追納(10年以内)することで年金額を元に戻せる

「払えない月は払わなくていいや」と放置するのは危険です。未納のまま放置すると、将来の年金額が大きく減り、最悪の場合は障害年金や遺族年金がもらえなくなるケースも。払えない月は「免除申請」を必ずするのが鉄則です。申請するだけで年金の権利は守られます。

失業給付(基本手当)はもらえるの? 条件と金額は?

仕事を辞めて、次の仕事を探している間の生活を支えてくれるのが「失業給付(基本手当)」です。雇用保険から支給されます。

もらえる条件は?

1
雇用保険に加入していた期間が一定以上ある 自己都合退職(自分から辞めた)の場合:離職前2年間のうち12か月以上。会社都合退職(解雇・倒産)の場合:離職前1年間のうち6か月以上。
2
「失業状態」にある 働く意志と能力があるのに、仕事が見つかっていない状態のこと。病気・ケガ・妊娠中ですぐに働けない場合は対象外(ただし受給期間の延長制度あり)。
3
ハローワークに求職申込みをしている 「働きたい」という意志を示す必要があります。4週間ごとにハローワークで「失業の認定」を受けながら求職活動を続けます。

2025年4月から給付制限が変わった!

以前は自己都合で辞めると、ハローワーク手続き後に「給付制限」として2か月間お金が出ない期間がありました。2025年4月以降に離職した方は、これが原則1か月に短縮されました。

さらに、離職前1年以内または離職後に教育訓練給付の対象講座を受講した場合、給付制限がゼロになる新制度も2025年4月からスタートしています。

ただし、過去5年間に自己都合で2回以上失業給付を受けた人は、従来通り3か月の給付制限が適用されます。

いくらもらえるの?

1日あたりの金額(基本手当日額)は、退職前6か月の給与をもとに計算されます。計算式は「賃金日額 × 給付率(50〜80%)」で、給料が低いほど給付率が高くなる設計です。

もらえる日数は、退職理由・年齢・雇用保険の加入期間によって90日〜330日の範囲で決まります。

失業給付は離職翌日から1年間しか受け取れません。申請を先延ばしにした分だけ、受け取れる日数が削られていきます。特に会社都合退職(解雇・倒産)の人は給付制限ゼロなので、退職後すぐにハローワークへ行くのがベストです。

離職票はいつ届くの?マイナポータルでも受け取れる?

失業給付の申請に必要な「離職票」は、退職後おおむね2週間ほどで会社経由で届きます。2025年1月からは、条件を満たす場合はマイナポータルに直接PDFで届くようになりました。事前にマイナポータルと雇用保険WEBサービスの連携設定をしておくと、受け取りがスムーズです。

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住民税はどうなるの? 「後払い」だから注意が必要

給与から毎月天引きされていた住民税は、実は「昨年の収入に対して今年払う」という後払い方式になっています。これを知らないと退職後にびっくりすることがあります。

1
1〜5月退職の場合 最後の給与から残りの住民税(〜5月分)を一括で天引きされます。手続き不要ですが、最後の給与が少なく見えることがあります。
2
6〜12月退職の場合 退職後の住民税は自分で納付書を使って払います(普通徴収)。一括払いまたは4回に分割して払えます。退職後に自治体から納付書が届くので、忘れずに払いましょう。
3
すぐ転職した場合 転職先の会社に「給与から引き続き天引きしてほしい(特別徴収の継続)」と申し出ることで、手続きをシンプルにできます。

退職後しばらくして住民税の納付書が届いてびっくりする方が多いです。金額が大きいので計画的に準備しておきましょう。目安は退職前の年収の約10%が翌年分の住民税として残ります。退職前に3〜6か月分の生活費+住民税をまとめて手元に置いておくのが安心です。

児童手当の受給者が変わるときはどうするの?

子どもがいる家庭で、退職・転職にともなって児童手当の申請先が変わるケースがあります。

公務員が民間に転職したとき

公務員の場合は「勤務先の共済組合」から児童手当が支給されています。民間企業に転職すると、申請先が住んでいる市区町村に変わります。転職後できるだけ早く市区町村の窓口で切り替え申請をしてください。

退職して専業主婦(主夫)になったとき

共働きの場合、前年の収入が高い方が受給者になっているのが一般的です。退職して収入がなくなると、来年以降は配偶者の方が受給者に変更になる場合があります。状況が変わったら自治体窓口に確認してみましょう。

あわせて読みたい サムネイル 児童手当っていつからいくらもらえるの?申請から受け取りまで全部わかる 2024年10月改正で高校生まで拡大、所得制限撤廃。申請しないともらえません。

退職・転職時に一番見落とされがちなのが、この児童手当の切り替えです。特に公務員から民間への転職は申請先が丸ごと変わるので、転職手続きと同じタイミングで窓口に確認しておきましょう。

退職後の手続き、どの順番でやるの?

やることが多くて混乱しがちですが、時間軸で整理するとこうなります。

退職日当日〜翌日 健康保険証(資格確認書)を会社に返却・離職票を受け取る手配 5日以内 扶養に入る場合 → 扶養者の会社へ扶養申請 14日以内(重要) ① 国民健康保険 or 任意継続の切り替え手続き ② 国民年金への切り替え(役所 or マイナポータル) 20日以内 任意継続を選ぶ場合 → 退職前の健康保険窓口へ申請 離職票が届いたらすぐ ハローワークで失業給付(基本手当)の申請 ← 早いほど得!

退職後の手続きタイムライン

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こういうときどうなるの?(よくあるケース)

すぐに転職先が決まっているとき

転職先への入社日と退職日の間が1日でも空く場合、その間は健康保険の空白期間になります。月の途中に退職して月末前に入社しても、その間の数日分は国民健康保険に入る義務があります(実際には空白が1〜2日なら加入しないことも多いですが、厳密には加入が必要です)。

月末退職→翌月1日入社なら、加入する必要はありません。退職日の設定は月末にするのが手続き上スムーズです。

フリーランスや自営業に転向するとき

会社員を辞めてフリーランス・自営業になる場合も、失業給付は「就業している」と判断されるため原則受け取れません。ただし、開業届を出すタイミングによっては一部受け取れるケースもあるので、ハローワークに自分の状況を正直に説明して確認してみてください。

育休中・産休中に退職したとき

育休・産休中に退職した場合、失業給付の受給期間を最大4年まで延長できます。育児が落ち着いてから申請しても間に合うようになっています。退職後すぐにハローワークに行って「受給期間延長申請」をしておきましょう。

あわせて読みたい サムネイル 育休中のお金はどうなる?育児休業給付金のきほん 育休に入ると収入がゼロに……ならないための給付金のしくみ。申請・金額・いつまでもらえるかを解説。

傷病手当金をもらいながら退職するとき

病気やケガで休業中に傷病手当金を受け取っている場合、退職後も一定の条件を満たせば引き続き受け取れます(資格喪失後の継続給付)。退職前に1年以上健康保険に加入していることが条件です。

あわせて読みたい サムネイル 傷病手当金ってなに?病気で休んだときにもらえるお金のしくみ 会社員が病気・ケガで4日以上休んだときに、お給料の代わりにもらえるお金。退職後も継続できる場合があります。

「失業給付」「再就職手当」「傷病手当金」、どう違うの?

退職前後にもらえるお金は複数あります。それぞれ目的と条件が違うので、自分がどれに当てはまるか確認しておきましょう。

退職前後でもらえるお金の制度マップ 条件が合えば複数もらえることもあります ← このページで解説 失業給付(基本手当) 次の仕事が見つかるまでの生活支援・ハローワーク経由 再就職手当 早期に再就職したときに失業給付の残り日数分がもらえる → 所定給付日数の3分の1以上を残して就職すれば対象 傷病手当金 病気・ケガで働けないときの会社員向けの給付 → 退職後も条件を満たせば継続受給できる 教育訓練給付金 スキルアップのための講座受講費用を国が補助する制度

退職前後でもらえるお金の整理

「失業給付」と「傷病手当金」は同時には受け取れません(病気で働けない状態は「失業」とは言えないため)。傷病手当金を受け取り終わってから、失業給付の手続きをするのが基本的な流れです。どちらの状態にあるか、まずハローワークか健康保険の窓口に確認しましょう。

みんなが気になる Q&A

Q. 退職後、健康保険に入らなかったらどうなる?

A.病院に行った場合、医療費が10割(全額)自己負担になります。さらに、未加入期間の国民健康保険料は遡って請求されることがあります。「どうせ病院に行かないし」と思っていても、急な事故や病気に備えて必ず加入しておきましょう。

Q. 失業給付をもらいながらバイトはできるの?

A.7日間の待機期間中はNG、それ以降は条件付きでOKです。週20時間未満・1日4時間未満を目安に、必ずハローワークに申告してください。申告せずにバイトをすると、不正受給として給付金を全額返還+3倍返しのペナルティになることがあります。

Q. 自己都合退職でも失業給付はもらえる?

A.もらえます。2025年4月以降に退職した場合、自己都合でも給付制限が原則1か月に短縮されました(以前は2か月)。加入期間が2年間で12か月以上あれば対象です。「自己都合はもらえない」は誤解なので、迷わずハローワークへ行きましょう。

Q. 再就職手当はいくらもらえるの?

A.失業給付の残り日数が「所定給付日数の3分の2以上ある」かつ「就業日が早い」場合は残日数の70%分、「3分の1以上2分の1未満」の場合は60%分が一括で支給されます。早く就職するほど得をするしくみなので、転職先が決まったらすぐにハローワークへ申請しましょう。

Q. 国民年金の免除は将来の年金にどう影響するの?

A.全額免除の場合、将来もらえる年金額は「払った場合の半分」になります(国が半額を保障するため)。ただし未納(払わない)と違って、受給資格期間にはカウントされます。追納(10年以内に遡って払う)すれば年金額を満額に戻せるので、余裕ができたら追納を検討しましょう。

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もっと詳しく知りたいとき(公式の情報)

この記事はわかりやすさを優先して、細かいルールを省略している部分があります。最終的に正確な情報は、以下の公式サイトやお近くのハローワーク・市区町村窓口で確認してください。

この記事は一般的なケースをわかりやすくまとめたものです。最終的な判断・必要書類は、お近くのハローワーク・市区町村の案内が基準になります。

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