年収420万円で医療費が32万円かかったら、医療費控除でいくら戻る?

医療費控除でいくら戻る?年収420万円・医療費32万円の計算例と申告のやり方
最終更新日:2026.02.05
ざっくり言うと

病院代や薬代が多い年って、正直しんどいですよね。
実は、1年間に払った医療費が10万円を超えると、確定申告をするだけで税金の一部が戻ってくるんです。
これが「医療費控除」という制度です。

  • いくら戻る?年収・税率しだいで変わる
  • 今回の例年収420万・医療費32万円
  • 控除額は?22万円(32万−10万)
  • 戻る目安合計3.3〜4.4万円ほど
  • 手続きは?確定申告(年末調整では不可)
  • 家族の分は?同じ家計なら合算できる

注意:「医療費控除の控除額(22万円)」がそのまま戻るわけではありません。戻るのは「控除額 × あなたの税率」の分だけです。

あわせて読みたい サムネイル セルフメディケーション税制:市販薬が多い年に使える別の控除 医療費控除と同時には使えないので、どちらが有利か比較してから選びましょう。

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そもそも、なんで医療費控除なんてあるの?

病気やケガで病院にかかるお金って、自分ではコントロールできないですよね。

体調を崩した年は医療費が一気に増えて、家計にのしかかります。「それなのに税金まで同じように取られるのは不公平じゃないか」という考え方が、この制度の出発点です。

だから、一定額を超えた医療費については、税金の計算から差し引いてあげましょう、というのが医療費控除の仕組みです。

医療費が少ない年 収入 − 各種控除 = 税金がかかる元(課税所得) くらべると… 医療費が多い年(控除なし) お金が出ていってるのに税金は変わらない… だから「医療費控除」で課税所得を減らせる!

医療費控除の考え方:多く払った年は税負担を軽くする

つまり、医療費控除は「かかった医療費がそのまま戻る」制度ではないんです。正確には「税金を計算する元の金額(課税所得)が減る」→ その結果として税金が少し戻る、という順番です。ここを最初に押さえておくと、あとがすっと入ります。

年収420万円・医療費32万円だと、結局いくら戻るの?

まず控除額を計算してみよう

医療費控除の計算は、次の2ステップです。

1
払った医療費から「保険で戻ったお金」を引く 高額療養費や入院給付金など、保険・給付で戻ってきた分があれば先に引きます。今回は「戻りなし」のケースで計算します。
2
残った金額から10万円を引いた部分が「控除額」 年収420万円は通常「総所得200万円以上」になるので、ハードルは10万円です。
32万円 − 10万円 = 控除額 22万円

「総所得が200万円未満の人はハードルが5%になる」というルールもありますが、年収420万円の会社員の場合はほぼ「10万円」側になります。迷ったら、年末にもらう源泉徴収票の数字で確認できます。

戻る金額は「税率」で変わる

控除額22万円が確定しても、「戻る金額=22万円」ではありません。

「課税所得が22万円分減る」→ その22万円に対してかかるはずだった税金が戻る、という順番なので、あなたの税率が高いほどお得になります。

年収420万・医療費32万円(保険戻りなし)の戻り試算 所得税率(目安) 所得税の戻り 住民税の減り 5% (課税所得195万円以下) 約11,231円 22万×5%×1.021 約22,000円 22万×10%(翌年) 10% (課税所得195万円超) 約22,462円 22万×10%×1.021 約22,000円 22万×10%(翌年)

所得税の戻りと住民税の減額(目安)※復興特別所得税を含む概算

※住民税の減額は所得税の還付と時期がずれます。所得税は申告後の還付、住民税の減額は翌年6月以降の通知に反映されます。

合計すると、所得税5%の人は約3.3万円、10%の人は約4.4万円がトータルで戻る・減る計算です。一気に手元に来るわけではなく、所得税の還付はすぐ、住民税の効果は翌年、と2回に分かれます。

自分の税率、どうやって確認する?

一番かんたんなのは、年末にもらう源泉徴収票を使う方法です。

1
「給与所得控除後の金額」から「所得控除の額の合計額」を引く どちらも源泉徴収票に書いてあります。
2
出た金額が「課税所得のおおよその目安」 195万円以下 → 税率5%の可能性が高い
195万円超330万円以下 → 税率10%

「自分の場合はいくら戻る?」を正確に計算したい

ここまでの計算はざっくりした目安です。実際には各種控除や保険料の額によって変わります。確定申告ソフトに数字を入れると、自動で正確な還付額を計算してくれます。

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何が対象になるの?何が対象外なの?

医療費控除で迷いやすいのが「これって対象になるの?」という判断です。ざっくりとしたルールを覚えておきましょう。

対象になりやすいもの

  • 病院・歯科の診療費・治療費(保険診療・自由診療ともに)
  • 処方された薬代
  • 治療を目的とした市販薬(かぜ薬、胃腸薬など)
  • 通院するための交通費(電車・バス。領収書がなくてもメモでOK)
  • 入院の差額ベッド代のうち、医療上必要とされるもの
  • 妊婦健診・出産にかかった費用(正常分娩含む)

対象外になりやすいもの

  • 健康診断・人間ドック(病気が見つかって治療につながった場合は対象になることも)
  • 美容目的の施術(ホワイトニング、美容整形など)
  • 病気予防のためのサプリ・ビタミン剤
  • 自家用車の通院ガソリン代・駐車場代(原則)
  • インフルエンザ予防接種などの予防接種費用

「治療のため」なら対象になる可能性が高く、「予防・美容・健康増進のため」なら対象外が多い、という感覚で判断するとだいたい合います。グレーゾーンは国税庁の例示ページか、申告ソフトの対象チェック機能が便利です。

家族の分もまとめられます:自分と「同じ家計」の家族(配偶者・子・親など)の医療費は、払った人(申告する人)がまとめて申告できます。世帯合算で10万円のハードルを超えやすくなるので、まず家族全員分を合計してみましょう。

申告ってどうするの?会社員でもやらなきゃダメ?

結論から言うと、医療費控除は年末調整では申告できません。会社員でも、自分で確定申告する必要があります。

いつ申告する?

2025年(令和7年)分の医療費は、2026年2月16日〜3月16日が確定申告の受付期間です。ただし、還付目的だけなら1月1日から申告可能で、過去5年分まで遡れます(還付申告)。

「去年の医療費を申告し忘れた!」という場合でも、5年以内なら還付申告できます。あきらめる前に確認してみてください。

何を用意する?

  • 源泉徴収票(会社員)
  • 医療費の領収書・または医療費通知書(健保組合から届くもの)
  • 保険や給付で戻った金額の通知(あれば)
  • マイナンバーカード(e-Taxで申告する場合)

領収書は「提出」より「保管」

e-Taxや書面申告では、医療費控除の明細書を申告書に添付して提出します。領収書そのものは自宅で5年間保管しておくのが基本です。

e-Taxで申告する場合、健保組合からもらえる「医療費通知データ」を読み込むと、入力の手間が大幅に減ります。

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「セルフメディケーション税制」とは違うの?

ドラッグストアで買う市販薬が多い年は、「セルフメディケーション税制」という別の控除が使えることがあります。ただし、医療費控除と同時には使えません。どちらか有利な方を1つ選ぶ制度です。

医療費控除 vs セルフメディケーション税制 医療費控除 セルフメディケーション 主な対象 主な対象 病院・薬局・通院費など 対象の市販薬(OTC) ハードル ハードル 10万円(または5%)超 12,000円超 控除上限 控除上限 200万円 88,000円 ※どちらか1つしか使えない(同時申請不可)

医療費控除とセルフメディケーション税制の比較

迷ったときの判断軸は「病院代が10万円を超えているか」です。超えているなら医療費控除が有力。市販薬中心で病院にはあまり行かなかった年なら、セルフメディケーション税制の方が控除を受けやすいことがあります。両方の戻り額を計算してから選ぶのがベストです。

あわせて読みたい サムネイル セルフメディケーション税制とは?医療費控除とどっちがお得? 市販薬が多い年に使える控除の仕組みと、医療費控除との選び方を解説。

みんなが気になるQ&A

できます。自分と同じ家計の家族(配偶者・子・親など)の医療費を、お金を払った人がまとめて申告できます。世帯合算で10万円のハードルを超えやすくなるので、まず家族全員の合計を出してみてください。

引きます。医療費控除は「実質の自己負担」を対象にするので、健康保険などで戻った金額はその医療費から差し引く必要があります。引き忘れると、申告後に修正を求められることがあります。

e-Taxで申告すると、申告から3週間〜1か月程度で指定口座に振り込まれるケースが多いです。書面申告だともう少しかかります。住民税の減額は翌年6月以降の住民税通知に反映されます。

できません。医療費控除は確定申告が必要です。ただし、還付目的の申告(還付申告)は1月1日から受け付けていて、過去5年分まで遡れます。「去年申告し忘れた」場合もあきらめずに確認してみてください。

電車・バスでの通院費は対象になります。領収書がなくても、通院日・交通手段・金額のメモがあれば大丈夫です。ただし、自家用車のガソリン代・駐車場代は原則対象外です。

もっと詳しく知りたいとき(公式の情報)

本ページは一般的な情報提供を目的としています。家族構成・各種控除の有無・保険給付の内容により結果は変わります。最終的な判断は国税庁の案内や税務署、または税理士にご確認ください。

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