ひとり親の手当、ちゃんともらえてる?児童扶養手当・特別児童扶養手当のきほん

ひとり親の手当、ちゃんともらえてる?児童扶養手当・特別児童扶養手当のきほん
最終更新日:2026.02.05
ざっくり言うと

ひとり親家庭や、障害のある子を育てている家庭には、毎月まとまったお金が国からもらえる制度があります。
「児童扶養手当」(ひとり親向け)と「特別児童扶養手当」(障害児の養育者向け)の2つで、条件を満たせば月に数万円受け取れます。

  • 児童扶養:いくら?最大46,690円/月
  • 特別児童扶養:いくら?1級56,800円・2級37,830円
  • 誰が対象?ひとり親等 / 障害児を育てている人
  • 所得制限は?あり(ただし令和6年11月に引き上げ)
  • 申請先は?住んでいる市区町村の窓口
  • 毎年何かある?8月に「現況届」を出す必要あり

注意:「児童手当」(子育て世帯全般に出るお金)や「障害年金」(本人の障害に対する年金)とは別の制度です。両方もらえるケースもありますが、調整が入ることもあります。

あわせて読みたい 児童手当っていつからいくらもらえるの? 児童手当っていつからいくらもらえるの? 子どもを育てているすべての世帯に出る手当。児童扶養手当とは別物です。

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そもそも、なんでこういう制度があるの?

ひとり親家庭って、収入が1人分しかない中で子育てをしなきゃいけないですよね。病気やケガで働けなくなったとき、一気に生活が苦しくなります。

障害のある子を育てている場合も同じで、医療費や介助の手間がふつうの子育てより多くかかります。

「じゃあ国がお金を出して、その負担を少し減らしましょう」というのが、この2つの手当の趣旨です。

2つの手当:どんな人のため? 児童扶養手当 対象 ひとり親家庭など (離婚・死別・DV等) 子どもの年齢 18歳年度末まで 月額(最大) 46,690円 特別児童扶養手当 (特別児童扶養) 対象 障害児を育てている 父母・養育者 子どもの年齢 20歳未満 月額(1級) 56,800円 ※ひとり親 + 障害児の養育 → 両方に該当する場合あり

2つの手当の対象・月額の比較。条件によっては両方に当てはまることも。

「ひとり親なんだけど、子どもに障害もある」という場合、両方の手当に同時に申請できる可能性があります。ただし所得制限や年金との調整があるので、窓口でまとめて確認するのが確実です。

「児童扶養手当」って、誰がもらえるの?

ひとり親家庭の「生活の安定と自立」を支えるための手当です。条件はシンプルで、次の2つを満たせばOKです。

条件①:ひとり親等に当てはまる

次のどれかに当てはまれば対象になります。

  • 離婚してひとりで子どもを育てている
  • 配偶者が死亡した
  • 配偶者から「DV保護命令」が出ている
  • 配偶者が行方不明・重度の障害状態にある
  • 婚姻せずに出産した(未婚の親)

条件②:対象の子どもがいる

原則として18歳に達する年度末(3月31日)までの子どもを育てていること。障害のある子どもの場合は20歳未満まで対象が広がります。

「同居している男性がいたら対象外になる?」と心配する人も多いですが、事実婚・同居が認定されると支給が止まる場合があります。「交際相手が泊まりに来る」というケースで問題になることもあるので、判断が微妙なときは窓口に相談してください。

対象外になる主なケース:子どもが施設に入所している、受給者が婚姻した(事実婚含む)、対象の子どもが就職・婚姻した、など。

児童扶養手当、いくらもらえるの?所得制限は?

もらえる金額のきほん(令和7年4月〜令和8年3月分)

基本は子ども1人あたり最大46,690円/月です。前年の所得に応じて「全部支給(満額)」「一部支給(減額)」「支給停止」の3段階があります。

2人目からは1人につき最大11,030円が加算されます。子どもが多いほど受け取れる額が増える仕組みです。

「一部支給」は所得に応じて10円単位で細かく変動します。満額より少なくても、1円ももらえないよりは全然マシ。所得が基準を少し超えているからと諦めず、まず窓口で確認してみてください。

所得制限の目安(令和6年11月改正後)

令和6年11月から所得の限度額が引き上げられました。以前は「ちょっと収入が多いから対象外」だった人も、改正後は対象に入る可能性があります。

扶養する子等の数 全部支給(満額)の収入目安 一部支給の収入目安(上限)
0人約142万円約334万円
1人約190万円約385万円
2人約244万円約433万円
3人約299万円約480万円
4人約353万円約528万円
5人約401万円約575万円

※上記は「収入ベース」の目安です。実際の判定は控除後の「所得」で行われます。給与収入と所得は別物なので、数字だけで判断しないでください。詳しくは窓口で確認を。

「年収で判断する」は間違い:判定に使うのは「所得(控除後)」です。給与収入から給与所得控除・養育費などを差し引いた数字なので、年収が限度額を少し超えていても、所得では対象内になることがあります。

年収は税引き前の給与総額、所得は年収からいくつかの控除を引いた後の金額です。所得制限の判定はこの「所得」の数字を使います。

年収(給与総額) 400万円 給与所得控除(134万円)を引くと… 所得(判定の基準) 266万円 控除分 134万円 ↑ 所得制限の判定はここで行う 差し引かれる

養育費を受け取っている場合は、その8割も控除できます。年収が限度額をちょっと超えていても、所得に直すと対象内になるケースがあります。諦める前にかならず窓口で試算してもらいましょう。

※給与所得控除の額は年収によって変わります。詳細は国税庁「給与所得」をご確認ください。

公的年金をもらっている場合は?

遺族年金や障害年金などを受給している場合でも、年金の月額が手当の金額より低ければ、その差額分を受け取れます。「年金がある=手当ゼロ」ではありません。年金額が変わったときは自治体への届出が必要です。

いつ、どのくらいの頻度で振り込まれるの?

年6回(1月・3月・5月・7月・9月・11月)に、2か月分まとめて振り込まれます。「後払い」なので、最初の振り込みは申請から少し時間がかかります。

「特別児童扶養手当」って、誰がもらえるの?

20歳未満の障害のある子どもを育てている父母(または養育者)に支給される手当です。ひとり親かどうかは関係なく、両親がいる家庭でも対象になります。

「障害」ってどのくらいの程度?

手帳の有無ではなく、法律が定める「障害の状態」で1級・2級に認定されます。おおまかなイメージは次のとおりです。

  • 1級:日常生活の多くに介助が必要な重い状態
  • 2級:日常生活に著しい制限がある状態

「身体障害者手帳を持っていれば自動的に対象」というわけではありません。診断書を基に都道府県が認定する仕組みなので、手帳なしで認定されるケースも、手帳があっても認定されないケースもあります。まずは窓口で相談してみてください。

対象外になる主なケース:子どもが施設に入所している、受給者や子どもが公的年金を受けている(金額によって調整あり)、など。

特別児童扶養手当、いくらもらえるの?

月額(令和7年4月〜令和8年3月分)

認定の等級によって金額が異なります。1級は56,800円、2級は37,830円(月額)です。これは前年度から物価に合わせて改定されたあとの金額です。

金額は毎年4月に「物価スライド」で見直されます。上がることも下がることもあるので、年度替わりのタイミングで公式発表を確認する習慣をつけておくといいですよ。

所得制限(本人だけでなく、家族の所得でも判定)

受給者本人だけでなく、配偶者や扶養義務者(祖父母など)の所得でも判定されます。所得制限は児童扶養手当よりもかなり高めに設定されています。

扶養親族等の数 本人の所得制限限度額 配偶者・扶養義務者の限度額
0人4,596,000円6,287,000円
1人4,976,000円6,536,000円
2人5,356,000円6,749,000円
3人5,736,000円6,962,000円
4人6,116,000円7,175,000円
5人6,496,000円7,388,000円

※所得は、住民税の課税対象となる所得から各種控除を差し引いた金額で判定されます。給与収入そのままの数字ではありません。

振り込まれる頻度は?

年3回で、4か月分がまとめて振り込まれます。支払いの時期は自治体によって異なりますが、おおむね4月・8月・11月ごろが多いです。

令和6年11月の改正で何が変わったの?

児童扶養手当に関して、令和6年11月から2つの大きな改正がありました。

改正①:所得限度額の引き上げ

「少しだけ収入が多いせいで対象外だった」という人が、改正後に対象に入れるようになりました。たとえば子ども1人の場合、全部支給の収入目安が約160万円から約190万円に引き上げられています。

改正②:第3子以降の加算額が第2子と同額に

以前は3人目以降の加算が少なかったのですが、改正で2人目と同じ加算額(最大11,030円)になりました。子どもが多いほど恩恵を受けやすくなっています。

「以前申請して対象外と言われた」という人も、令和6年11月以降は状況が変わっている可能性があります。もう一度窓口で確認してみる価値がありますよ。

どうやって申請するの?手続きは難しい?

どちらの手当も、住んでいる市区町村の窓口(福祉担当)で申請します。流れは次のとおりです。

1
窓口に事前相談する 「自分は対象になりますか?」「どんな書類が必要ですか?」を先に聞いてから動くと、余分な手間が省けます。
2
必要書類を集める 戸籍謄本・住民票・所得証明書・印鑑が基本です。特別児童扶養手当は診断書も必要(障害の状態確認のため)。状況によって追加書類が出ることもあります。
3
申請書を提出する 書類を揃えて窓口へ。不備があると差し戻しになるので、事前確認しておくのがおすすめです。
4
審査(数週間〜数か月) 所得・要件を確認します。特別児童扶養手当は都道府県の認定が必要なので、審査に時間がかかることがあります。
5
認定→支給スタート 原則として申請した月の翌月分から支給が始まります。遡っては支給されないので、早めの申請が大切です。
遡っては支給されない:「後から申請したら過去の分もまとめてもらえる」ということはありません。「対象かも」と思ったら、早めに動くのが鉄則です。

書類集めや窓口への往復は、仕事・育児と並行するととにかく時間がかかります。「申請が落ち着くまでの間だけでも、家事を誰かに頼む」という選択肢も、うまく使えば毎日の余裕が変わります。

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「毎年8月に何かしないといけない」って本当?

本当です。受給を続けるには、毎年8月に現況届(児童扶養手当)または所得状況届(特別児童扶養手当)を提出する必要があります。

これは「まだ対象の状況が続いているか」を確認するための手続きです。提出を忘れると、11月分以降の支給が止まることがあります。

カレンダーや手帳に「8月:現況届を出す」と固定で書き込んでおくのがおすすめです。
特別児童扶養手当には、障害の状態が「有期認定」の場合に診断書での更新(有期更新)も必要です。通知が来たらすぐ動きましょう。

「児童手当」「障害年金」とは違うの?

名前が似ていて混同しやすいので、目的と窓口で整理しておきます。

制度名 どんな人のため? 窓口 このページの手当との関係
児童手当 子育て世帯全般への定期給付 市区町村 別制度。対象が重なることが多い
障害年金 障害のある本人への年金 年金事務所 別制度。金額によって調整が入ることあり
障害児福祉手当 重度の障害児本人への手当 市区町村 別制度。対象・要件が異なる
ひとり親家庭等医療費助成 ひとり親家庭の医療費負担軽減 市区町村 別制度。多くの場合、一緒に申請できる
就学援助 小中学校の学用品費などの負担軽減 市区町村(学校経由も) 別制度。所得要件ありで生活費支援ではない

「同じ窓口(市区町村)でまとめて申請できることが多い」のはこれらの制度の共通点です。窓口に行くときは「ひとり親です。他にも受けられる制度はありますか?」と聞いてみるのが一番の近道ですよ。

みんなが気になるQ&A

Q. 児童扶養手当と特別児童扶養手当は同時にもらえますか?

A. 条件を満たせば両方に申請できます。ただし所得制限や年金との調整が絡むため、窓口で「両方の同時申請を前提に確認したい」と伝えて相談してみてください。

Q. 働いていても(収入があっても)もらえますか?

A. もらえます。所得制限の範囲内であれば、働きながら受給できます。「一部支給」の範囲なら満額より少なくてもゼロではありません。収入があるからと諦めず、まず確認してみてください。

Q. 令和8年4月から金額は変わりますか?

A. 毎年4月に物価等に応じて改定される仕組みです。上がることも下がることもあります。令和8年4月分以降の確定額は、改定発表後に自治体や関係省庁のページで確認してください。

Q. 申請したら、いつから振り込まれますか?

A. 原則として「申請した月の翌月分」から支給開始です。実際の振込は支給月にまとめてなので、初回は申請から数か月後になることがあります。早めに申請するのが大切です。

Q. 現況届を出し忘れたらどうなりますか?

A. 支給が止まることがあります。ただし、遅れて提出した場合に支給を再開できることもあるので、忘れた場合はすぐ窓口に相談してください。放置が一番よくないです。

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