転職を年に2回すると、前の会社を2社分やめているので、手元の「源泉徴収票(げんせんちょうしゅうひょう)」が2枚になります。 年末調整(ねんまつちょうせい:会社が、1年分の税金を計算し直す手続き)では、その年にもらった給料をまとめて計算するため、基本は2枚とも必要です。
- 結論2枚とも提出
- 提出先年末に在籍の会社
- 間に合わない確定申告で精算
- もらえない前職へ再発行依頼
- 同時に2社年末調整は原則1社
- 損を防ぐ控除書類も整理
注意:このページは「給料(給与)」の話が中心です。副業の利益や投資の利益などがある場合、年末調整とは別に手続きが必要になることがあります。
1. 結論:源泉徴収票は「全部」出す
年末調整は、会社があなたの1年分の給料と、すでに天引きされている税金をまとめて確認し、払いすぎ・不足を計算し直す手続きです。 そのため、年の途中で辞めた会社がある人は、前の会社でもらった給料や天引きされた税金を把握する必要があります。
そこで必要になるのが、前の会社から受け取る源泉徴収票です。 年末調整をする会社に、その年に働いた前の会社分をすべて出します。
ポイント:「転職2回で源泉徴収票が2枚」なら、今の会社の年末調整に2枚とも提出するのが基本です。
2. 「転職2回で源泉徴収票が2枚」ってどんな状態?
典型例は次のような動きです。
- 1月〜3月:会社Aで働く → 退職(会社Aの源泉徴収票を受け取る)
- 4月〜7月:会社Bで働く → 退職(会社Bの源泉徴収票を受け取る)
- 8月〜12月:会社Cで働く → 年末調整(会社Cが年末に源泉徴収票を作る)
この場合、手元にあるのはAとBの2枚です。年末調整をする会社Cは、AとBの給料・天引き税額を確認して、Cの分と合算して計算し直します。
※同じ年に2回転職していない場合(転職時期が年をまたぐ場合)は、必要になる枚数が変わります。
3. どの源泉徴収票を出せばいい?(チェック表)
「その年に給料をもらった会社」のうち、年末調整をしてくれる会社以外の分を出します。
| あなたの状況 | 年末調整に出す源泉徴収票 | メモ |
|---|---|---|
| 年の途中で転職(前職を退職) | 前職の分を全部 | 転職回数ぶん増える |
| 同じ年に2回転職(前職が2社) | 前職2社の2枚 | 今回のケース |
| 年末時点で2社から同時に給料 | 年末調整する会社以外は原則出さない(代わりに確定申告) | 後の章で説明 |
注意:「退職金」の源泉徴収票は別物です。退職金がある場合は、会社や税理士に確認してください。
4. いつ・誰に渡す?(提出の流れ)
4-1. 出す相手
年末調整をするのは、ふつう年末に在籍している会社です。そこへ前職分の源泉徴収票を渡します。
4-2. 出すタイミング
会社から「年末調整の書類を提出して」と案内が来たタイミングで一緒に出します。
4-3. 手元に残す工夫
- 提出前にスマホで撮影(紛失対策)
- 会社へは原本が求められることが多いので、コピーを手元に残す
5. 間に合わない/もらえないときの対処
5-1. まずは前の会社へ「発行(再発行)」を依頼
源泉徴収票は、退職した人には退職後1か月以内など、期限を決めて交付するルールがあります。 退職してしばらく経っても届かない場合は、まず前の会社へ連絡し、発行を依頼します。
5-2. どうしても年末調整に間に合わない場合
年末調整は、前職分の金額が確認できないと正しくできません。 間に合わないときは、年末調整で無理にまとめず、翌年の確定申告(かくていしんこく)で1年分をまとめて精算するのが基本です。
覚え方:「年末調整=会社」「確定申告=自分」。会社で完結しないときは、自分で精算に切り替えます。
確定申告が必要になりそうなら
源泉徴収票がそろったら、入力して提出するだけのサービスを使うと迷いにくいです(スマホ対応のものもあります)。
確定申告サービスを比較する(アフィリエイト想定)6. 年末調整だけで終わらない人(確定申告が必要になりやすい)
次のどれかに当てはまると、年末調整だけでは終わらないことがあります。
6-1. 年末時点で「同時に2社」から給料がある
2社から同時に給料がある場合、年末調整は原則として主な1社だけで行います。 もう片方(従たる会社)の分は、年末調整に入らないのが原則なので、条件しだいで確定申告が必要になります。
6-2. 副業の利益や、他の収入がある
給料以外のもうけが一定以上ある場合も、確定申告が必要になることがあります。
6-3. 年末調整で扱えない控除を使いたい
医療費控除や寄付金控除など、年末調整では入れられないものは確定申告で申請します。
注意:「必要かどうか」は収入の種類や金額で変わります。迷う場合は、まず源泉徴収票をそろえて判断するのが早いです。
7. 迷ったらこのチェックリスト(最短コース)
- その年に辞めた会社の源泉徴収票を全部集める(今回なら2枚)。
- 年末に在籍している会社へ、年末調整の提出期限までに渡す。
- 間に合わない・そもそも年末調整ができない場合は、翌年に確定申告で精算する。
- 医療費控除や寄付金控除などを使うなら、年末調整後でも確定申告を検討する。
書類がそろうか不安なとき
「前職に連絡しても動かない」「転職が多くて漏れが心配」などは、専門家に一度整理してもらうと事故が減ります。
税金の無料相談を探す(アフィリエイト想定)8. Q&A
A.まず前の会社へ発行を依頼し、期限に間に合うかを会社(現職)にも共有します。間に合わなければ、年末調整で無理にまとめず、翌年に確定申告で精算するのが基本です。
A.まずは旧会社の連絡先・清算人・管財人などの窓口を探します。どうしても源泉徴収票が手に入らない場合は、給与明細など手元の資料で確定申告を行い、事情を説明する形になります(税務署へ相談)。
A.会社の事務処理の締切により対応が分かれます。間に合わない場合は、確定申告で1年分を精算します。まずは会社の担当に「いつまでなら反映できるか」を確認してください。
A.できます。発行元(前の会社)へ再発行を依頼します。提出前に写真で残すと再発行の手間が減ります。
A.年末調整をする会社(主な勤務先)へは、年内に辞めた会社の源泉徴収票を出します。ただし同時に2社から給料があると、年末調整に入らない分が出やすいので、確定申告が必要になることがあります。
9. 参考(公式資料)
- 国税庁 No.2674「中途就職者の年末調整」(前職分の確認と源泉徴収票)
- 国税庁 質疑応答事例「前の給与の支払者が支払った給与等の金額が分からないとき」(源泉徴収票がないと年末調整できない)
- 国税庁 No.7411「給与所得の源泉徴収票」の提出範囲と提出枚数等(退職者への交付期限)
- 国税庁 No.2520「2か所以上から給与をもらっている人の源泉徴収」(年末調整できない給与の扱い)
- 国税庁 No.1900「給与所得者で確定申告が必要な人」
最終的な判断は、あなたの状況(収入の種類・金額)と、会社の事務ルールで変わります。迷う場合は会社の担当者、または税務署へ確認してください。