配偶者控除ってなに?2025年から年収123万円まで対象に。税金がいくら安くなるか解説

配偶者控除ってなに?2025年から年収123万円まで対象に。税金がいくら安くなるか解説
最終更新日:2026.02.04
ざっくり言うと

パートナー(配偶者)がいて、その収入が一定以下なら、あなた自身の税金を安くできます
たとえば年収600万円の人が配偶者控除を使うと、所得税が約3.8万円〜7.6万円ほど安くなるイメージです。
これが「配偶者控除(はいぐうしゃこうじょ)」という制度です。

  • いくら安くなる?最大38万円の所得控除
  • 誰が使える?配偶者がいる納税者(本人)
  • 配偶者の年収は?給与のみなら123万円以下が目安
  • 本人の年収は?合計所得1,000万円以下
  • 手続きは?年末調整または確定申告
  • 2025年の変更は?配偶者の年収基準が103万→123万円に

注意:「税の配偶者控除」と「健康保険の扶養(年収130万円の壁)」はまったく別の制度です。片方がOKでも、もう片方がOKとは限りません。

あわせて読みたい サムネイル 配偶者特別控除ってなに?収入が増えても段階的に控除が受けられる 配偶者の年収が123万円を超えた場合でも使える、配偶者特別控除の仕組みをわかりやすく解説。

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そもそも、なんで配偶者控除って制度があるの?

日本の所得税は、収入が多いほど税率が高くなります(累進課税)。
家計全体で見たとき、配偶者が家事・育児を担っていても、「働いていない分の貢献」は税金の計算に反映されません。
それを少し補うために「配偶者がいる世帯」の税負担を軽くしよう、というのが配偶者控除の考え方です。

配偶者控除のしくみ(イメージ) 配偶者控除なし 年収 600万円 ↓ 各種控除を引く (給与所得控除・基礎控除など) 課税所得:約360万円 税率20%なら 約72,000円 税金 多め ↑ 配偶者控除あり 年収 600万円 ↓ 各種控除+38万円引く (配偶者控除38万円を追加) 課税所得:約322万円 税率20%なら 約64,400円 ▲7,600円 節税!

※給与収入600万円のケースでの概算イメージ。実際の税額は各種控除の組み合わせで変わります。

つまり、配偶者控除とは「課税される所得(=税金の計算のもとになる金額)を減らす」制度です。直接「税金が38万円引かれる」わけではなく、「38万円分、所得が少なかったことにしてもらえる」イメージです。

誰が使えるの?条件はあるの?

条件はシンプルで、次の4つをすべて満たせばOKです。

民法上の配偶者(婚姻届を出している) 内縁・事実婚のパートナーは対象外です。婚姻届を出していることが必要です。
あなたと「生計を一(ひとつ)」にしている 家計を一緒にしているという意味です。単身赴任など別居でも、生活費を一緒に出し合っていればOKな場合があります。
配偶者の合計所得金額が58万円以下(令和7年分=2025年分以後) 給与収入だけなら、年収123万円以下が目安です(給与所得控除65万円を引いた金額が58万円)。
あなた自身の合計所得金額が1,000万円以下 年収が高い方は注意。1,000万円を超えると、配偶者控除も配偶者特別控除も使えません。

使えないケースは?

  • 配偶者があなたの事業の青色事業専従者として給与をもらっている場合
  • 配偶者が白色事業専従者の場合
  • 配偶者の合計所得が58万円超の場合(→ 配偶者特別控除に移る可能性あり)

「令和6年分(2024年分)以前」の申告では、配偶者の所得基準が48万円以下(給与収入103万円以下)でした。2025年分からは58万円以下(年収123万円以下が目安)に拡大されています。年分をまちがえないようにしましょう。

「年収いくらまで」ってどういう計算をするの?

税金の計算で使うのは「年収(収入)」ではなく「合計所得金額(所得)」です。
給与の場合、ざっくりこう計算します。

給与所得 = 給与収入 − 給与所得控除(最低65万円)
たとえば、給与収入が123万円なら → 123万円 − 65万円 = 所得58万円

年収換算のざっくり目安(給与のみの場合)

配偶者の給与収入(年収) 概算の合計所得金額 配偶者控除
100万円約35万円○ 使える
123万円約58万円○ ギリギリ使える
130万円約65万円× 使えない(特別控除へ)
160万円約95万円× 使えない(特別控除も上限)

※給与収入が190万円以下の範囲での概算。実際の給与所得控除額は所得税法の「給与所得控除後の給与等の金額の表」で計算します。給与以外の収入(事業・不動産・年金など)がある場合は合算して判定します。

「103万円の壁」という言葉を聞いたことがあるかも。これは2024年分以前の基準です。2025年分からは「123万円の壁」に変わりました。パートの時間調整をしている方は、最新の基準で確認しましょう。

税金はいくら安くなるの?(所得税・住民税の控除額)

「控除額38万円」とは「税金が38万円引かれる」ではなく、「課税所得が38万円分減る」という意味です。
そのため、実際に安くなる税額は「控除額 × 税率」になります。

所得税の配偶者控除額

控除額は「あなた自身(控除を受ける側)の合計所得金額」によって変わります。

本人の合計所得金額 配偶者控除(一般) 配偶者控除(老人:70歳以上)
900万円以下38万円48万円
900万円超 950万円以下26万円32万円
950万円超 1,000万円以下13万円16万円
1,000万円超0円(適用不可)

住民税の配偶者控除額

本人の合計所得金額 配偶者控除(一般) 配偶者控除(老人:70歳以上)
900万円以下33万円38万円
900万円超 950万円以下22万円26万円
950万円超 1,000万円以下11万円13万円
1,000万円超0円(適用不可)

たとえばあなたの年収が600万円(所得税率20%)なら:
所得税の節税額 = 38万円 × 20% = 7.6万円
住民税の節税額 = 33万円 × 10% = 3.3万円
合わせて年間約10.9万円の節税になります(概算)。

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パートナーの収入が123万円を超えたら、すべて0円になるの?(配偶者特別控除)

安心してください。配偶者の合計所得金額が58万円を超えても、133万円以下なら「配偶者特別控除」が使えます。
配偶者控除→配偶者特別控除へ、段階的に控除額が減っていくイメージです。

配偶者特別控除の控除額(所得税)

配偶者の合計所得金額 本人 900万円以下 本人 900〜950万円 本人 950〜1,000万円
58万円超 95万円以下38万円26万円13万円
95万円超 100万円以下36万円24万円12万円
100万円超 105万円以下31万円21万円11万円
105万円超 110万円以下26万円18万円9万円
110万円超 115万円以下21万円14万円7万円
115万円超 120万円以下16万円11万円6万円
120万円超 125万円以下11万円8万円4万円
125万円超 130万円以下6万円4万円2万円
130万円超 133万円以下3万円2万円1万円
133万円超0円(適用不可)

※令和7年分(2025年分)以後の表です。住民税の配偶者特別控除も同様に段階的に減少します(最大33万円・本人900万円以下)。

収入が123万円を1円超えただけで控除がゼロになる、ということはありません。133万円以下(合計所得133万円以下)まで、段階的に控除が続きます。「ちょっと超えちゃいそう」という方でも、完全に0円になるわけじゃないので焦らないでOKです。

あわせて読みたい サムネイル 配偶者特別控除の計算方法と申告のしかた 配偶者の年収が123万〜201万円の範囲で使える配偶者特別控除を詳しく解説。

年末調整ではどうすればいいの?手続きは面倒?

ほとんどの会社員(給与所得者)は、職場の年末調整で手続きが完結します。やることはシンプルです。

1
職場から申告書を受け取る 「給与所得者の配偶者控除等申告書」という書類です。毎年秋〜年末に配られます。
2
配偶者の見込み収入を記入する 配偶者のその年の年収の見込み額を記入します。まだ確定していなければ「見込み」でOKです。
3
職場に提出する 提出期限は会社によって違いますが、多くは11〜12月ごろです。期限に遅れないようにしましょう。
4
年末に「見込み」と「実績」のズレが出たら確定申告で調整 年の途中で配偶者の収入が大きく変わった場合は、翌年の確定申告で精算できます。

海外に住む配偶者の場合は?

配偶者が日本国外に住んでいる(非居住者)場合は、申告書の提出に加えて「親族関係書類」と「送金関係書類」の提出・提示が必要になる場合があります。

「年末調整を出し忘れた」「記入内容を間違えた」という場合でも、翌年の確定申告で配偶者控除を申告して精算できます。焦らずに確定申告を利用しましょう。

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こういうときはどうなるの?(よくある注意点)

「なんとなくわかったけど、自分のケースは大丈夫?」という疑問をまとめました。

「103万円の壁」「130万円の壁」との違いは?

「103万円の壁」は2024年分以前の税の配偶者控除基準です(2025年分からは123万円に)。
「130万円の壁」は健康保険の扶養基準(社会保険)の話で、別制度です。
税と社会保険の「壁」はそれぞれ別に考える必要があります。

年の途中で結婚したら?

その年の12月31日時点で婚姻関係にあり、要件を満たしていれば対象になります。年末調整・確定申告はどちらも「年末時点の状況」で判定します。

配偶者の収入に給与以外もある場合は?

パートの給与と副業収入があるなど、複数の収入がある場合はすべて合計した所得で判定します。給与収入だけ見ていると判定ミスになることがあります。源泉徴収票や申告書の「合計所得金額」欄で確認しましょう。

夫婦のどちらが申告する?

控除を受けるのは「納税者本人(収入が多い側)」です。配偶者を控除対象にするという形なので、夫婦が同時に「お互いを控除対象にする」ことはできません。

「税の配偶者控除」と「健康保険の扶養(社会保険)」はまったく別制度です。税の控除が使えても、健保の扶養から外れることはあります。逆もしかりです。両方を混同しないようにしましょう。

「扶養控除」や「社会保険の扶養」とは何が違うの?

混同しやすい制度を整理します。

配偶者まわりの制度マップ 税金(所得控除) 配偶者控除 配偶者の所得58万円以下 控除額:最大38万円 配偶者特別控除 配偶者の所得58万超〜133万以下 控除額:段階的に最大38万円 扶養控除 配偶者「以外」の扶養親族 (主に16歳以上の子ども等) 社会保険 健保の扶養(130万円の壁) 年収130万円未満(目安) → 保険料を払わずに   健康保険が使える ※税の控除とは別基準! 国民年金の第3号被保険者 年収130万円未満(目安) → 保険料を払わなくても   年金に加入できる

「税の控除」と「社会保険の扶養」はまったく別の制度。それぞれ独自の基準があります。

よくある誤解:「配偶者控除が使えたから、健康保険の扶養もOK」とはなりません。税の判定(所得で見る)と社会保険の判定(収入見込みで見る)は別物です。年収が増えた際は両方の基準を確認しましょう。

あわせて読みたい サムネイル 扶養控除ってなに?対象になる扶養親族の条件と控除額 配偶者ではなく子どもや親などを扶養している場合に使える扶養控除の解説。

みんなが気になるQ&A

Q. 配偶者の年収が123万円をちょっと超えたら、すぐに0円になるの?

A. なりません。123万円を超えても、配偶者特別控除が段階的に使えます。合計所得が133万円を超えるまでは何かしらの控除が続きます。たとえば年収130万円なら(所得65万円で)、配偶者特別控除として6万円の控除が受けられます(本人の所得900万円以下の場合)。

Q. 配偶者が無収入(専業主婦・専業主夫)でも使えるの?

A. 使えます。配偶者の合計所得金額が0円でも配偶者控除の対象になります(他の要件を満たしていれば)。無収入の配偶者がいる方は、基本的に配偶者控除を申告できます。

Q. お金はいつ戻ってくるの?

A. 年末調整で反映された場合、12月または1月の給与で差額が精算されます。確定申告の場合は、申告から1〜2か月程度で還付金が振り込まれるのが一般的です。

Q. 申告するの、去年忘れてた…今からでも取り戻せる?

A. 取り戻せます。確定申告(還付申告)は、申告できる年から5年以内なら遡って申告できます。「去年申告し忘れた」という場合でも、翌年以降に確定申告することで還付を受けられます。

Q. 配偶者が海外(国外)に住んでいても使えるの?

A. 使える場合があります。ただし非居住者の配偶者を対象にする場合は、申告書に加えて「親族関係書類」や「送金関係書類」の提出・提示が必要になるケースがあります。詳しくは国税庁のサイトや税務署にご確認ください。

Q. 2025年から制度が変わったって聞いたけど、何が変わったの?

A. 令和7年分(2025年分)から、配偶者の合計所得金額の基準が48万円→58万円に引き上げられました。給与収入だけで見ると、これまで「103万円の壁」と呼ばれていた基準が「123万円」になったことに相当します。配偶者特別控除の範囲(58万円超〜133万円以下)も同様に変わっています。

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この記事はわかりやすさを優先して、細かいルールを省略している部分があります。最終的に正確な情報は、以下の公式サイトや、あなたが勤務する会社の人事・総務部門に確認してください。

この記事は一般的なケースをわかりやすくまとめたものです。最終的な判断・必要書類は、あなたが勤務する会社の年末調整案内や、国税庁の案内が基準になります。

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