住宅耐震改修補助|耐震診断・設計・工事の助成と減税(2025年版)

住宅耐震改修補助ってどんな制度?いくら出るの?(2025年版)
最終更新日:2026.02.03
ざっくり言うと

「古い家が地震で壊れないか心配…でも耐震工事って何十万円もかかるんでしょ?」
そんな不安を少しでも和らげるために、自治体が耐震診断・設計・改修工事の費用の一部を補助してくれる制度があります。
場合によっては工事費の半分以上が戻ってくることも。これが「住宅耐震改修補助」です。

  • いくら出るの?自治体次第(工事は上限100〜150万円が多い)
  • 対象の家は?主に旧耐震基準(昭和56年以前)の住宅
  • 窓口は?住んでいる市区町村
  • 申請のタイミングは?必ず契約・着工の前に!
  • 減税との関係は?補助と所得税控除・固定資産税減額の併用も可
  • 予算は?年度途中で終了することあり、早めが鉄則

注意:「省エネリフォーム補助(断熱・窓など)」や「住宅ローン控除」とは別の制度です。目的(耐震・省エネ・税制)ごとに窓口と手続きが異なります。

あわせて読みたい サムネイル 住宅ローン控除ってどんな制度? 住宅購入後に受けられる所得税の控除。耐震改修とは別に使えます。

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「補助が使えるのはわかった。でも、どこに頼めばいいの?」

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そもそも、なんでこんな補助があるの?

日本では1981年(昭和56年)に建築基準法が大きく改正されて、「新耐震基準」が導入されました。

それ以前に建てられた家の多くは、今の基準を満たしていません。大きな地震が来ると、倒壊するリスクが高いんです。

「でも、耐震工事って高いし…」という家庭のために、自治体が費用の一部を肩代わりするのがこの制度の目的です。

旧耐震基準の家(昭和56年以前) 大きな地震が来ると倒壊するリスクが高い 耐震工事が必要 → でも高額… だから自治体が補助する 新耐震基準(1981年以降)の家 耐震性が高く、大地震でも倒壊しにくい 地震保険料の割引も受けやすい 補助を使って耐震改修 → 安心できる家に! 工事費の一部が自治体から戻ってくる

旧耐震住宅のリスクと補助の位置づけ

つまり、「古い家に住んでいて、地震が心配だけど工事費が高くて踏み出せない」という家庭を後押しするのがこの制度なんです。補助を使えば、実際の自己負担はぐっと下がります。

うちの家って対象になるの? 基準は何?

補助の対象になりやすいのは、主に次の2パターンです。

昭和56年以前に建てられた家(旧耐震)

1981年(昭和56年)5月31日以前の建築基準で建てられた家は「旧耐震基準」と呼ばれます。多くの自治体がこの時期の木造住宅を補助のメインターゲットにしています。

昭和56年以降でも対象になることがある(新耐震グレーゾーン)

自治体によっては、昭和56年6月以降〜平成12年5月末以前に着工された住宅を「新耐震グレーゾーン」として補助対象に追加している例があります(例:横浜市)。

なので「古い家じゃないから対象外かな」と決めつけず、必ず住んでいる自治体の要件を確認してみてください。

対象かどうかの入口は、①対象住宅であること ②耐震診断で耐震性が不足していること ③正しい手順で申請することの3点セットです。「対象住宅かどうか」だけでは判断できないので、まず自治体の窓口に相談するのが一番早いです。

確認ポイント:木造か非木造か、戸建てか共同住宅か、着工年、居住しているかどうか(居住要件)、世帯区分(非課税かどうか)など、自治体で条件が異なります。

いくら補助が出るの? 自治体ごとに違うの?

補助額は自治体によってかなり差があります。ただ、よく見られるパターンはこんな感じです。

補助メニューと典型的な上限

補助のメニュー よくある計算方法 よくある上限
耐震診断 費用のほぼ全額(10/10や10/11など) 数万円(例:5万円)
耐震改修の設計 費用の2/3程度 数万〜十数万円
耐震改修工事 工事費の1/2〜4/5程度 100〜150万円が多い
除却・シェルター 費用の一定割合 数十万円

主要都市の例(2025年時点の公開情報より)

自治体 メニュー 補助率・上限(目安)
横浜市 木造住宅耐震改修 一般:上限115万円 / 非課税:上限155万円。新耐震グレーゾーンも対象に追加。
大阪市 診断・設計・工事(各メニューあり) 診断:10/11、設計:2/3、工事:1/2。工事上限100万円。
名古屋市 木造住宅耐震改修 工事費の4/5以内。一般:上限115万円 / 非課税:上限165万円。
福岡市 耐震改修工事 工事費の80%以内・上限150万円。
注意:上の表はあくまでも参考例です。補助上限・対象住宅・申請期間は年度や予算で変わります。必ず自分の自治体の最新の要綱で確認してください。

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「同じ工事でも、業者によって補助の取り方が変わることがある」

補助額は「補助率×対象費用」と「上限額」の小さい方になります。見積もりの内訳(対象工事・対象外工事)の分け方で、実質の自己負担が変わることがあるので、複数社を比較するのがおすすめです。

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補助のほかに、減税もあるってほんと?

はい、あります。補助金(工事費の一部が戻る)とは別に、税金を安くしてくれるしくみが2つあります。

所得税の税額控除(確定申告が必要)

旧耐震の住宅を現行の耐震基準に適合させる工事をした場合、所得税が10%控除(上限250万円の工事相当額)される可能性があります。

ただし、補助金をもらった場合は「補助金の金額を差し引いた後の工事費」が控除の計算対象になります。「補助をもらったら減税がなくなる」わけではありませんが、控除額に影響します。

適用期限は2025年(令和7年)12月31日までとされています(確定申告で手続き)。

たとえば工事費が200万円で補助金が100万円出た場合、控除の計算対象は残り100万円になります。「補助をもらったから減税はゼロ」ではなく、両方を上手に使えるイメージです。

固定資産税の減額(工事後3か月以内に申告)

条件を満たす耐震改修をすると、翌年度の固定資産税が2分の1に減額されます。

主な条件は次のとおりです。

  • 昭和57年(1982年)1月1日以前から存在する家屋
  • 工事費が税込50万円を超えること
  • 工事完了日から3か月以内に市区町村に申告(申告書・契約書写し・証明書等を提出)

適用期限は2026年(令和8年)3月31日まで(国土交通省資料)。

手続きのし忘れに注意:所得税の控除は確定申告、固定資産税の減額は工事後3か月以内の申告と、手続きの期限が別々です。工事が終わったらすぐに動く習慣をつけておきましょう。

どうやって申請するの? 順番を間違えると損するって本当?

はい、本当です。「工事してから申請しようとしたら断られた」という失敗が最も多いパターンです。申請は必ず次の順番で進めてください。

1
自治体の窓口に相談する 対象住宅かどうか、申請期間・予算残量・指定業者の条件などを確認します。電話や窓口で気軽に聞いてOKです。
2
耐震診断を受ける 自治体が指定する方法・有資格者で診断します。診断で「耐震性が不足」と判明した場合に補助の対象になります。
3
補強設計をする(必要な場合) 工事の内容と費用の内訳を確定させます。
4
補助金の交付申請(←ここが重要!) 審査を受けて「交付決定」の通知が来るまで、工事の契約・着工は待ちます。多くの自治体では「交付決定前の契約・着工」は補助対象外です。
5
交付決定後に契約・着工 決定通知が届いてから工事業者と正式に契約します。
6
工事完了→実績報告 工事前後の写真、領収書、検査記録などを提出します。写真は後から用意できないので、着工前から記録しておくことが大切です。
7
補助金の受け取り 確認が完了すると振込されます。業者が代わりに受け取る「代理受領」に対応する自治体もあります。
申請の流れ(全体像) ① 自治体窓口に相談 ② 耐震診断を受ける ③ 補強設計 ④ 補助金の交付申請 ← ここが最重要! 交付決定が来るまで着工・契約は待つ ⑤ 契約・着工 ⑥ 工事完了・実績報告 ⑦ 補助金の受け取り 🎉

申請の全体フロー(④の前に着工すると補助が受けられなくなることが多い)

一番多い失敗:「工事を先にしてしまった」「契約済みで申請に来た」「着工前の写真を撮っていなかった」など、順番のミスが最多です。業者に任せきりにせず、自分でも申請の流れを把握しておきましょう。

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補助金申請は書類・写真・工程の管理が一体でないと失敗しやすいです。補助金申請の実務に慣れた業者に、見積もり段階から相談するのがおすすめです。

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申請に必要な書類って何?

自治体によって多少違いますが、頻出する書類はこんな感じです。

  • 申請書(交付申請・変更申請・実績報告など、段階ごとに別々のことが多い)
  • 本人確認書類・住民票(居住要件がある場合)
  • 建物の建築時期がわかる書類(登記事項証明書、建築確認関係書類など)
  • 耐震診断の結果報告書
  • 補強設計図書(設計メニューがある場合)
  • 見積書(内訳明細)・契約書
  • 工事前後の写真(撮影箇所の指定がある場合は要注意)
  • 領収書・振込記録(支払日・支払先がわかるもの)
  • 検査記録・工事監理報告(必要な自治体の場合)
実務のコツ:見積もりは「補助対象の工事」「対象外の工事」を分けて記載してもらうと、審査がスムーズです。差し戻しも減ります。

やってしまいがちな落とし穴って何?

実際に多いミスや勘違いを整理しました。

  • 予算が尽きて申請できなかった:年度途中で受付終了になる自治体があります。「来年でもいいか」と先送りにしていると、補助がなくなることも。
  • 契約してから申請に来た:「交付決定前の契約・着工」は不支給になることが多いです。先に窓口へ行くのが鉄則。
  • 「うちは新耐震だから対象外」と思い込んだ:グレーゾーンが対象になる自治体もあります。確認しないと損します。
  • 工事前写真を撮っていなかった:後から用意できません。着工前にしっかり記録しておきましょう。
  • 「補助で全額戻る」は基本ない:補助率が高くても上限があります。自己負担が残る前提で資金計画を作っておきましょう。
  • 減税の手続きを忘れた:所得税は確定申告、固定資産税は工事後3か月以内の申告が必要です。セットで対応を。

一番の予防策は「何もする前にまず自治体の窓口に電話して相談する」ことです。要件の確認・申請期間・予算残量をまとめて聞けるので、動き出す前に全体像がつかめます。

「省エネリフォーム補助」や「住宅ローン控除」とは違うの?

耐震改修の補助と省エネリフォーム補助は別枠

断熱・窓・設備の省エネ改修を対象にした補助は、耐震とは別の制度です。目的と工事内容によって対象が異なるので、「耐震も省エネも一緒にやりたい」場合は両方別々に申請できるかを確認してください。

住宅ローン控除は購入時の話

住宅ローン控除は主に住宅の購入・新築・一定のリフォームで使える所得税控除です。今回の耐震改修補助(自治体の助成金)とは別物ですが、工事内容によっては同年にどちらも利用できることがあります。

除却(解体)・建替えの支援もある

耐震改修が難しい場合に、解体や建替えを支援する制度を用意している自治体もあります。改修か建替えか迷う場合は、両方の要件を比較してみてください。

あわせて読みたい サムネイル 省エネリフォーム補助(断熱・窓など)はどんな制度? 耐震とは別に使えることが多い、省エネ改修向けの補助制度を解説します。
住宅まわりの制度マップ 耐震改修補助 自治体の助成金 工事費の一部が戻る 省エネ補助 断熱・窓・給湯器など 別枠で申請できることも 所得税の控除 確定申告で手続き 補助金と同年に使える 固定資産税の減額 翌年度の税が1/2に 工事後3か月以内に申告 住宅ローン控除 主に購入・新築時(別制度)

住宅まわりの制度を整理するとこんなイメージ(それぞれ別制度)

みんなが気になるQ&A

Q. 工事を先にしてしまった。今から申請できる?

A. 多くの自治体では「交付決定前の契約・着工」は補助対象外です。ただし例外がある場合もあるので、まず自治体の窓口に状況を説明して確認してください。ダメ元でも相談してみる価値があります。

Q. 昭和56年より後の家でも補助は使えるの?

A. 自治体によっては「新耐震グレーゾーン(昭和56年6月〜平成12年5月末以前着工)」も対象に含めているところがあります。「新耐震だから対象外」と決めつけず、住んでいる自治体の要件を確認してみてください。

Q. マンションでも使える?

A. マンションは管理組合が申請主体になる・共用部が対象になるなど、戸建てとは要件が大きく異なります。「共同住宅の耐震化」メニューが別立てになっているかを自治体の窓口に確認してください。

Q. 補助金と所得税控除・固定資産税の減額は同時に使える?

A. 使える場合があります。ただし所得税控除の計算では「補助金相当額を差し引く」ルールがあるので、控除額が減ることがあります。税務資料と自治体の要綱の両方を確認してください。

Q. 補助金っていつ受け取れるの?

A. 一般的な流れは「交付決定→工事→完了検査・実績報告→確定→振込」の順です。工事完了後の書類に不備があると遅れるので、提出書類を前もって揃えておくとスムーズです。

Q. 申請は業者に任せていいの?

A. 委任状で業者が代行できる自治体もありますが、申請主体は住宅の所有者(または管理組合)です。最終責任はあなた側に残るので、書類・期限は必ず自分でも把握しておいてください。

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もっと詳しく知りたいとき(公式の情報)

この記事はわかりやすさを優先して、細かいルールを省略している部分があります。最終的に正確な情報は、以下の公式サイトや、あなたが住んでいる自治体の窓口で確認してください。

この記事は一般的なケースをわかりやすくまとめたものです。制度の要件・受付状況は自治体ごとに異なり、年度途中で変更・終了することがあります。最終的な判断・必要書類は、あなたが住んでいる自治体の案内が基準になります。

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