スキルアップや資格取得のためにスクールに通うと、数十万円〜数百万円かかることもありますよね。
この受講費用の一部を、雇用保険から最大80%まで返してもらえるのが教育訓練給付金です。
在職中でも使えるし、転職・退職後でも使えます。
- いくら?受講費の20〜80%が戻る
- 誰が?雇用保険に入っている人(在職中・退職後1年以内)
- 3種類?一般 / 特定一般 / 専門実践
- 講座は?厚労省が指定した講座のみ
- 申請期限修了後1か月以内(専門実践は6か月ごと)
- 窓口は?ハローワーク
注意:どの講座でも使えるわけではありません。厚労省が指定した講座だけが対象です。「教育訓練給付金 講座検索」で事前に確認を。
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そもそも、なんでスクール費用が返ってくるの?
会社で働いていると、雇用保険に加入していますよね(給与明細を見ると「雇用保険料」として引かれているはずです)。
この雇用保険は、失業したときの「失業手当」だけじゃないんです。「もっとスキルを磨いて、長く働き続けてほしい」という目的で、学び直しにかかる費用を一部補助する仕組みもあります。それがこの制度です。
つまり「スクールや通信講座に通って、ちゃんと修了したら、払ったお金の一部を返しますよ」という流れです。
お金の流れのイメージ。先払い→修了→申請→給付の順番です。
つまり「修了してからお金が戻る」仕組みです。受講中はいったん全額払う必要があります。修了前に辞めてしまうと、原則として給付はゼロになります。
3種類あるってどういうこと?自分はどれに当てはまる?
教育訓練給付金には3つの種類があって、種類によって給付率も上限も違います。どの種類になるかは「受ける講座がどの区分に指定されているか」で決まります。自分で選ぶのではなく、講座の区分が決めてくれるイメージです。
一般教育訓練給付金(いちばん使いやすい)
語学・IT・簿記など、幅広い資格・スキルアップ講座が対象です。給付率は受講費の20%、上限10万円です。「まずは試してみたい」層に向いています。
特定一般教育訓練給付金(就職・転職に直結する資格向け)
介護職員初任者研修・大型免許・社労士など、就職・転職に直結する資格が対象です。給付率は40%(条件を満たすと50%)、上限20万円(最大25万円)です。受講前に「訓練前キャリアコンサルティング」が必須になります。
専門実践教育訓練給付金(看護師・保育士など中長期の資格向け)
看護師・保育士・美容師など、修了に1〜3年かかる長期の資格コースが対象です。給付率は50〜80%、年間上限40〜64万円(最大で3年間、通算192万円)です。6か月ごとの申請と訓練前キャリコンが必要です。
| 種類 | 給付率 | 上限(年) | こんな人向け |
|---|---|---|---|
| 一般 | 20% | 10万円 | 幅広いスキルアップ・語学・IT等 |
| 特定一般 | 40〜50% | 20〜25万円 | 就転職に直結する資格(介護・IT等) |
| 専門実践 | 50〜80% | 40〜64万円 | 看護・保育・美容師など長期資格 |
「条件を満たすと給付率が上がる」って書いてある場合、資格を取って就職が決まった後に差額が追加で支給されるイメージです。まず基本の給付を受けて、条件達成後にボーナス分が戻る、と覚えると混乱しません。
いくら戻ってくるの?計算方法をざっくり教えて
計算式はシンプルです。「自分が実際に払った受講料 × 給付率」が戻ってくる金額です。ただし上限があります。
受講料って何が含まれる?
入学料+受講料が対象です。交通費・テキスト代・受験料は原則含まれません。また、会社が負担してくれた分や割引後の価格が基準になるので、自分が実際に払った額がベースになります。
計算のイメージ(例)
| 受講費用 | 一般(20%) | 特定一般(40%) | 特定一般(50%) |
|---|---|---|---|
| 10万円 | 2万円 | 4万円 | 5万円 |
| 30万円 | 6万円 | 12万円 | 15万円 |
| 50万円 | 10万円(上限) | 20万円(上限) | 25万円(上限) |
専門実践の場合は「年ごと」に計算する
専門実践は1年ごとに上限があります。年80万円の学費でも、基本給付(50%)の上限は年40万円です。修了後に条件を満たすと、差額分が追加支給されます。
「差額が追加で出る」という部分、少し複雑に聞こえますよね。たとえば年40万円の受講費なら、受講中は50%(20万円)が6か月ごとに出て、資格を取って就職できたら70%に引き上げ(+20%で8万円追加)、さらに賃金が上がれば80%に引き上げ、という流れです。修了してから振り返って支給額が増える仕組みです。
自分は対象になる?条件を確認したい
条件は大きく2つです。「雇用保険に入っている(入っていた)こと」と「加入期間が足りていること」。意外とシンプルです。
条件① 雇用保険に入っている(入っていた)
在職中なら受講開始日に雇用保険の加入者であればOKです。退職している場合は、退職日の翌日から受講開始日まで1年以内であれば対象になります(育児・傷病などで受講できない期間があった場合は最大20年まで延長できます)。
「雇用保険に入っているか」は、給与明細で確認できます。会社員・派遣社員・パートなど幅広く加入しています。自営業・フリーランスは基本的に加入できないので、この給付も対象外になります(一部の特別加入制度を除く)。
条件② 雇用保険の加入期間(支給要件期間)
給付を受けるには、一定期間雇用保険に入っている必要があります。ポイントは「初めて申請する人は短縮される」こと。
| 種類 | 原則 | 初めて申請する場合 |
|---|---|---|
| 一般・特定一般 | 3年以上 | 1年以上でOK |
| 専門実践 | 3年以上 | 2年以上でOK |
再受給には間隔が必要
以前に教育訓練給付金をもらったことがある場合、前回の受講開始日から3年以上経過していないと、原則として再び受給できません。
どうやって受け取るの?手続きの流れを教えて
手続きの基本は「修了後にハローワークへ書類を出す」だけです。ただし、特定一般・専門実践は受講前にも手続きが必要なので注意が必要です。
左:一般教育訓練/右:特定一般・専門実践の手続きの流れ
申請はオンライン(e-Gov)でもできる?
一般・特定一般・専門実践の支給申請は電子申請(e-Gov)でも対応しています。ただし、教育訓練支援給付金(失業中の生活費支援)は失業認定が必要なため、窓口対応が必要な手続きが残ります。
無料キャリア相談
「どの講座が給付金の対象か」「自分の条件で使えるか」が不安なら
特定一般・専門実践は受講前のキャリアコンサルティングが必須です。どの講座を選べばいいか迷ったら、無料のキャリア相談を活用するのが近道です。
- 完全無料・オンライン対応
- 給付金を活用したキャリアプランの相談に強い
- 講座選びから申請サポートまで
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こういうときどうなるの?ケース別に確認したい
在職中にIT資格を取りたい(一般 or 特定一般)
会社で働きながら受講できます。雇用保険の加入期間が1年以上(初回)であればOKです。修了後1か月以内にハローワークへ申請します。
退職して転職活動中に資格を取りたい
退職日の翌日から1年以内に受講を開始すれば対象になります。特定一般なら給付率40〜50%が狙えます。ただし、受講開始日を後ろ倒しにしすぎると「1年以内」の期限に引っかかるので注意です。
育児中で復職前に取りたい
育児・妊娠・出産などで受講できない期間があった場合、本来の「退職後1年以内」という期限が最大20年まで延長されます。まずハローワークに「適用対象期間延長の手続き」をしておきましょう。
看護師の資格を取りたい(専門実践)
指定課程に進学し、6か月ごとに申請します。在学中は受講費用の50%を受け取り、修了して国家試験合格+就職が決まれば70%に引き上げ(差額を追加支給)、さらに賃金が受講前より5%以上上がれば80%になります。
会社が受講費を出してくれる場合
教育訓練経費は「本人が実際に負担した額」が基準です。会社が立替・補助した分は差し引いて申請します。
「失業手当」や「職業訓練」と何が違うの?
それぞれ目的・対象・申請先が違います。複数を組み合わせられるケースもあります。
求職者支援制度との違い
求職者支援制度は雇用保険に入っていない人向けの制度です。職業訓練を受けながら月10万円の手当を受け取れますが、受講できる訓練の種類は決まっています。自分で好きな講座を選んで給付金をもらう教育訓練給付金とは入口が違います。
公共職業訓練(ハロートレーニング)との違い
ハロートレーニングはハローワークが指示して受けるもので、受講料が無料の訓練が多いです。一方、教育訓練給付金は「自分で選んで、自分で申し込んで、修了後に費用が返ってくる」スタイルです。
教育訓練支援給付金との違い
専門実践を受講中で、失業状態にある人を対象にした「生活費を補う給付」です。専門実践教育訓練給付金(受講費用の給付)と別々の給付で、要件を満たせば両方受けられます。
みんなが気になるQ&A
A.妊娠・出産・育児・病気・ケガなどで30日以上受講できない期間があった場合、期限を延長できます(最大20年)。該当する場合はハローワークで「適用対象期間延長届」を出してください。
A.通信制は教材等の発送日が受講開始日です。指定教育訓練実施者が証明します。要件判定はこの日が起点になるので、「離職後1年以内」の確認は発送日ベースで計算してください。
A.原則として「修了」が要件なので、未修了だと給付対象外です。やむを得ない理由がある場合の扱いは個別にハローワークで確認してください。
A.雇用保険からの給付は非課税扱いが一般的です。ただし、健康保険の被扶養者認定(年間収入の判定)には影響する場合があるため、扶養に入っている方は加入している保険者に確認することをおすすめします。
A.申請できる金額は「本人が実際に負担した額」が基準です。会社が全額負担している場合は対象外、一部補助の場合は自己負担分のみが対象です。
A.同時に複数講座を申請することは基本的にできません。また、前回受給から3年経過していないと再申請できません。計画的に講座を選ぶことが大切です。
A.主なものは「教育訓練給付金支給申請書(指定教育訓練実施者が記入)」「領収書(指定実施者が発行したもの)」「本人確認書類」「雇用保険被保険者証」などです。正確な書類は給付の種類によって変わるため、ハローワークの窓口でリストをもらうのが確実です。
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