生命保険に入っていると、毎年秋ごろに「控除証明書」という封筒が届きますよね。
これを年末調整か確定申告で申告すると、所得税と住民税が安くなります。
仕組みを「生命保険料控除」と言います。うまく使えると、年間で数千円〜数万円の節税になります。
- 節税になる?所得税+住民税が安くなる
- 対象の保険は?生命保険・医療保険・個人年金
- 上限は?所得税12万円・住民税7万円
- 手続きは?年末調整か確定申告で申告
- 必要なものは?秋に届く「控除証明書」
- 2026年の注意23歳未満の扶養がいると上限拡充
注意:「控除額=戻ってくるお金」ではありません。所得から引ける金額のことで、実際に減る税金は所得税率などによって変わります。「控除が12万円=12万円戻る」ではないので注意してください。
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そもそも、なんで保険料を払うと税金が安くなるの?
ふだん病院に行くと、窓口で払うのは3割ですよね。残りの7割は健康保険が出してくれています。でも、民間の生命保険は自分でお金を出して備えるものです。
国は「病気・老後・万が一に備えてくれる人には、税金を少し安くしてあげよう」という考え方をしています。これが生命保険料控除の背景です。
保険料を払うことで課税所得が減り、税金が安くなるしくみ
つまり、保険料をそのまま全額引けるわけではないんです。支払い額に応じて計算した「控除額」が所得から引かれる、という仕組みです。「控除12万円=12万円節税」ではないのでご注意を。
どの保険が対象になるの?3つの区分ってどういう意味?
生命保険料控除は、保険の種類によって3つの区分に分かれています。それぞれ上限が別々に設けられていて、合計で最大になります。
3区分それぞれに上限あり。合計で所得税12万円・住民税7万円が上限
対象になるかどうかは証明書で確認するのが一番早い
毎年届く「生命保険料控除証明書」に、区分(一般・介護医療・個人年金)が書かれています。書類に記載されている金額や区分をそのまま使えばOKです。
個人年金は「追加の条件」がある
個人年金保険は、他の保険と違って3つの追加条件をすべて満たす必要があります。年金受取人が払込者本人か配偶者であること、10年以上の定期払い、受取開始が60歳以降の10年以上、という条件です。証明書に「個人年金保険料控除対象」と書かれていれば条件を満たしています。
対象外になりやすいもの
- 保険期間が5年未満の貯蓄性保険
- 受取人が配偶者・親族以外の人になっている保険
- 傷害保険・財形貯蓄など、保険料控除の対象外の契約
「自分の保険が何区分に当たるか」は、秋に届く控除証明書の封筒を開ければすぐわかります。証明書に区分と金額が書いてあるので、それをそのまま年末調整の書類に書き写すだけです。
新契約・旧契約って何?どうやって判断するの?
生命保険料控除は2012年(平成24年)1月1日を境に、計算表が変わりました。
- 新契約:2012年1月1日以降に締結した保険
- 旧契約:2011年12月31日以前に締結した保険
どちらに当たるか、どうすればわかる?
控除証明書を見てください。「新」「旧」の区分が書いてあります。昔から同じ保険に入り続けている人は「旧契約」、最近新しく入った保険は「新契約」になることが多いです。
注意が必要なのは、新旧が混在しているケースです。保険を見直した結果、一般生命保険料の中に「新」と「旧」の両方がある人がいます。この場合、単純に足し算するのではなく、別のルールで計算します(次のセクションで説明します)。
旧契約の医療保険はどこに入る?
旧制度では「一般生命保険料」と「個人年金保険料」の2区分しかありませんでした。2012年以前に加入した医療保険・介護保険は、「旧生命保険料(一般)」として扱われます。「介護医療」という区分は新制度から生まれたものです。
実際にいくら控除できるの?計算方法を教えて
基本のルール:支払額が多いほど控除額が増える(ただし上限あり)
控除額は「払った保険料の全額」ではありません。下の計算表で決まります。年間8万円以上払っている場合は、それ以上払っても控除額は増えません(上限に達する)。
新契約の計算表(所得税・各区分上限4万円)
| 年間の支払保険料 | 控除額 |
|---|---|
| 2万円以下 | 全額 |
| 2万円超〜4万円以下 | 保険料×1/2+1万円 |
| 4万円超〜8万円以下 | 保険料×1/4+2万円 |
| 8万円超 | 一律 4万円(上限) |
旧契約の計算表(所得税・各区分上限5万円)
| 年間の支払保険料 | 控除額 |
|---|---|
| 2.5万円以下 | 全額 |
| 2.5万円超〜5万円以下 | 保険料×1/2+1.25万円 |
| 5万円超〜10万円以下 | 保険料×1/4+2.5万円 |
| 10万円超 | 一律 5万円(上限) |
新旧が混在する場合は?
一般生命保険料・個人年金保険料の区分で新旧が混在している場合、計算方法が変わります。
- 旧契約の年間保険料が6万円を超える:旧の計算表だけで算出(上限5万円)
- 旧契約が6万円以下:新の控除額+旧の控除額を足す(ただし合計上限4万円)
住民税の計算は所得税と違う
住民税の控除額は、所得税と別の計算表を使います。新契約は各区分上限2.8万円、旧契約は上限3.5万円で、3区分合計の上限は7万円です。
計算が複雑に感じる場合は、控除証明書に記載の金額をそのまま年末調整の書類に書けばOKです。会社の経理・人事担当者や税務ソフトが自動で計算してくれます。自分で全部計算する必要はありません。
2026年(令和8年分)の特例に注意
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「計算が面倒…自分でやるのが不安」という方へ
確定申告ソフトを使えば、控除証明書の金額を入力するだけで控除額を自動計算してくれます。年末調整で出し忘れた場合の還付申告にも使えます。
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年末調整と確定申告、どっちでやればいいの?手続きは?
会社員なら「年末調整」でOK
会社員の場合、毎年秋〜年末にかけて会社から「保険料控除申告書」という書類が配られます。そこに控除証明書の金額を書いて提出するだけです。
自営業・フリーランスなら「確定申告」
確定申告書の「生命保険料控除」欄に金額を記入します。確定申告ソフトを使うと、入力に沿って進めるだけで計算・書類作成が完了します。
年末調整で出し忘れた場合はどうする?
翌年3月15日までに確定申告(還付申告)をすることで精算できます。期限を過ぎても5年間は遡って申告できるので、焦らず確認しましょう。
住民税は、所得税の申告内容が自動的に反映されます(会社員で年末調整のみの人も同じ)。住民税を別に申告する必要は、基本的にありません。
控除証明書ってどこから来るの?なくしたらどうなる?
毎年秋、保険会社から自動的に届く
契約している保険会社から、9〜11月ごろに郵便で送られてきます。複数の保険に入っている場合は、それぞれの保険会社から別々に届きます。
電子で受け取る方法もある
保険会社によっては、マイページから電子の控除証明書をダウンロードできます。QRコード付きの書面を印刷すれば、紙の証明書と同様に使えます(電磁的記録印刷書面)。
なくしてしまったら?
保険会社に連絡して再発行を依頼できます。各社のカスタマーセンターか、マイページから手続きできることが多いです。
こんなときはどうなるの?落とし穴と注意点
受取人が「家族以外」だと対象外になる
保険金の受取人が、配偶者・親族以外になっていると控除を受けられません。離婚後に受取人の変更を忘れているケースはよくある落とし穴です。証明書の「受取人」欄を確認しましょう。
新旧が混在しているとき、足し算してはいけない
前のセクションで説明したとおり、新旧が混在する区分は特別な計算が必要です。証明書の「新」「旧」の区分を確認して、それぞれ別に計算しましょう。
剰余金・割戻金がもらえた年は基礎が減る
配当型の保険などで「剰余金」「割戻金」が戻ってきた年は、その分を支払保険料から引いた残りが控除の計算に使われます。控除証明書に記載の金額はすでにこの計算済みのことが多いので、証明書の数字をそのまま使えば大丈夫です。
年末調整に出し忘れた保険が1枚ある…
翌年に確定申告(還付申告)をすれば取り戻せます。「出し忘れたら終わり」ではないので安心してください。
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地震保険料控除や社会保険料控除とは何が違うの?
所得控除には、生命保険料控除のほかにもいくつかあります。似ているようで、仕組みが大きく違います。
4つはそれぞれ「別枠」。全部該当すれば全部申告できる
社会保険料控除やiDeCo控除は上限なし(払った分が全額控除)なのに対して、生命保険料控除には上限があります。どれも「別枠」なので、全部対象なら全部まとめて申告できます。節税の観点から言うと、まず上限なしの控除を使い切ることが先決です。
みんなが気になるQ&A
A. 違います。12万円は「所得から引ける金額の上限」です。実際に減る税金は、あなたの所得税率によって変わります。たとえば税率10%なら、12万円の控除で約1.2万円の節税になるイメージです。
A. なります。貯蓄性がない掛け捨ての保険でも、対象要件を満たしていれば控除を受けられます。証明書が届いていれば対象と考えてOKです。
A. 実際に保険料を負担した人が控除を受けます。妻が払っているなら妻の控除になります。ただし、夫の給与口座から引き落としている場合など、実質的な負担者で判断されます。
A. 保険会社に連絡して再発行を依頼してください。マイページからダウンロードできる場合もあります。証明書なしで申告することはできないので、早めに対応を。
A. 翌年3月15日まで(期限後でも5年間)確定申告で取り戻せます。「還付申告」と言って、過払い分の所得税を返してもらえます。遅すぎることはないので、ぜひ申告を。
A. 所得(課税される収入)がなければ、控除を引く対象がないので節税効果はありません。夫(配偶者)の保険料を夫が払っている形にして、夫の年末調整で申告するほうが節税になります。
A. 23歳未満の扶養親族(子どもなど)がいる人などに、一般生命保険料控除(新契約・所得税)の上限が4万円→6万円に拡充される時限措置です。小さいお子さんがいるご家庭は確認してみてください。
もっと詳しく知りたいとき(公式の情報)
この記事はわかりやすさを優先して、細かいルールを省略している部分があります。最終的に正確な情報は、以下の公式サイトや、加入している保険会社・勤務先の経理担当者に確認してください。
- 国税庁|No.1140 生命保険料控除
- 国税庁|No.1141 年末調整での生命保険料控除
- 国税庁|確定申告書等作成コーナー(自動計算)
- 生命保険文化センター(JILI)|生命保険料控除の解説
- 生命保険文化センター(JILI)|Q&A(新旧両制度がある場合など)
- 生命保険協会|令和8年分の特例の計算表(PDF)
この記事は一般的なケースをわかりやすくまとめたものです。最終的な判断・必要書類は、あなたが加入している保険会社や勤務先の案内が基準になります。
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