iDeCoや小規模企業共済の掛金が節税になるのはなぜ?小規模企業共済等掛金控除をわかりやすく解説

iDeCoや小規模企業共済の掛金が節税になるのはなぜ?小規模企業共済等掛金控除をわかりやすく解説
最終更新日:2026.02.03
ざっくり言うと

iDeCoや小規模企業共済に毎月お金を積み立てていると、払った掛金が全額「所得」から引かれて税金が安くなります
たとえば年間20万円積み立てれば、税率20%の人なら所得税だけで約4万円節税できます。
この節税のしくみを「小規模企業共済等掛金控除」と言います。

  • いくら控除?年内に払った掛金の全額
  • 対象は?iDeCo・小規模企業共済・企業型DC加入者掛金 など
  • 手続きは?年末調整 or 確定申告に転記するだけ
  • 書類は?秋〜冬に届く「控除証明書」を使う
  • 上限は?控除自体に上限なし(制度ごとに拠出上限はある)
  • 注意点「経費」ではなく「所得控除」

注意:控除額と同じ金額の税金が戻るわけではありません。節税額は「控除額×あなたの税率」です。

確定申告・年末調整

「控除証明書が手元にある。あとはどこに入力すればいい?」

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そもそもiDeCoの掛金を払うと、なんで税金が減るの?

税金って、「年収から何も引かないまま」計算しているわけじゃないんです。

まず年収から「控除」と呼ばれるものをいくつか引いて、残った金額(課税所得)に税率をかけて税額が決まります。
つまり、控除が増えるほど課税所得が減って、税金も減るというわけです。

iDeCoや小規模企業共済の掛金は、この「控除」として使える制度なんです。しかも払った掛金の全額が控除になるので、節税効果が大きいのが特徴です。

① 年収(額面) 各種控除を引く ② 課税所得 年収 − 掛金(控除) − 基礎控除 − 社会保険料控除 など ★ 掛金が増えるほど課税所得が減る 税率をかける ③ 所得税・住民税(税額) 掛金を払うほど②が減って③も減る! 節税額 = 控除額(掛金合計)× 税率

所得控除が税金を減らすしくみ

「控除と同じ額が戻ってくる」と思っている人が意外と多いですが、実際は違います。
節税額=控除額×あなたの税率なんです。たとえば控除額が30万円で税率20%なら、節税できるのは6万円。30万円まるごとではありません。

どんな掛金が対象になるの?

対象になるのは、大きく3種類です。

① 小規模企業共済の掛金

個人事業主や小さな会社の役員が加入できる「退職金のかわりになる積み立て制度」(中小機構が運営)の掛金です。月額1,000円〜7万円の範囲で設定できて、払った全額が控除になります。

② 確定拠出年金の掛金

iDeCo(個人型)、または企業型DCで自分で上乗せして払う掛金(加入者掛金・マッチング拠出)が対象です。会社が払ってくれる「事業主掛金」は対象外なので注意してください。

③ 心身障害者扶養共済の掛金

都道府県・政令市などが運営する制度で、障がいのある家族を支えるための積み立てです。自治体によって手続きが異なります。

一番よく使われるのは① 小規模企業共済② iDeCoの2つです。会社員の方はiDeCoが中心、個人事業主や経営者の方は小規模企業共済と組み合わせることが多いです。
どちらも使える人は、年内に払った掛金をまとめて合算して控除できます。

注意:小規模企業共済の「旧第二種共済契約」に該当する掛金は、この控除ではなく生命保険料控除の対象になることがあります。契約内容や控除証明書で確認してください。

小規模企業共済等掛金控除の対象 ① 小規模企業共済掛金 個人事業主・役員向けの退職金積み立て(中小機構) 月1,000円〜7万円 / 払った全額が控除 ② 確定拠出年金の加入者掛金 iDeCo(個人型)または企業型DCで自分が払う掛金 ※ 会社が払う「事業主掛金」は対象外 ③ 心身障害者扶養共済の掛金 都道府県・政令市等が運営する自治体制度 証明書・領収書の扱いは自治体で確認

3種類の対象掛金まとめ

控除額はいくら?上限ってあるの?

この控除の額は、その年に実際に払った掛金の合計額がそのまま控除額になります。

「○万円まで」という固定の上限はありません。ただし、各制度の掛金自体に上限があります。

小規模企業共済の掛金上限

月額1,000円〜7万円(年間最大84万円)の範囲で設定します。

iDeCoの掛金上限(区分ごとに違う)

iDeCoは「自分がどんな立場か」によって上限が変わります。次のセクションで詳しく説明しています。

控除額を計算するときは、秋〜冬に郵送される「控除証明書(払込証明書)」に書いてある「年内払込額」をそのまま使うのが一番確実です。途中で掛金を変えた人も、この方法ならミスがありません。

節税しながら積み立てたお金は、老後の資産になります。自分の資産をまとめて管理したいなら、マネーフォワード MEで銀行・iDeCo口座を一括管理できます(無料)。

実際にどれくらい節税できるか、計算してみよう

掛金の合計と所得税率を入力すると、節税額の目安がわかります。

※控除証明書の「年内払込額」をそのまま入力してください。
※会社の「事業主掛金」はここに入れないでください。
※実際は自治体の条例・均等割・調整控除等で差が出ます。

自分の所得税率がよくわからない人は、「課税所得195万円以下は5%、330万円以下は10%、695万円以下は20%……」という早見表で確認できます。源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」から各種控除を引いた額が課税所得の目安です。

iDeCoの上限って、自分はどの区分に当たるの?

iDeCoの掛金は全額が控除対象ですが、「いくらまで積み立てられるか」は自分の立場によって変わります。2024年12月から上限が変わった区分もあるので、改めて確認しておきましょう。

自分の立場 iDeCoの上限(月額)
自営業・フリーランス(第1号) 6.8万円
国民年金基金・付加年金との合算枠
専業主婦・主夫(第3号) 2.3万円
会社員:企業年金なし(第2号) 2.3万円
会社員:企業型DC・DB等あり(公務員含む) 最大 2.0万円
※会社拠出との合算で月5.5万円以内

会社に企業年金(企業型DCやDB)がある人は、会社がいくら拠出しているかによって自分の上限が2.0万円よりさらに小さくなることがあります。最低掛金(5,000円)未満になると拠出できないケースもあるので、正確な上限は運営管理機関(証券会社・銀行)や会社の人事に確認してください。

iDeCo 口座開設

「iDeCoをまだ始めていない」「口座を乗り換えたい」という方へ

iDeCoは掛金が全額控除になるうえ、運用益も非課税。老後資金を節税しながら積み立てられる制度です。口座によって手数料や商品ラインナップが違うので、比較してから開設するのがおすすめです。

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年末調整と確定申告、どっちでやるの?

会社員か個人事業主かで、手続き先が変わります。

1
会社員→ 年末調整(会社に書類を出す) 秋ごろに会社から配られる「給与所得者の保険料控除申告書」に、控除証明書の金額を転記して提出します。証明書の原本(または二次元コード付き書面)も一緒に出します。
2
個人事業主・年末調整で申告し忘れた人→ 確定申告 確定申告書の「小規模企業共済等掛金控除」の欄に金額を入力し、証明書を添付(または提示)します。クラウド型申告ソフトを使えば、入力ガイドに従うだけで完結できます。
控除証明書が届いたら 会社員 年末調整で会社に提出 個人事業主・副業者 確定申告で申告 課税所得が減って税金が下がる 会社員は還付 / 個人事業主は納税額が減る ★ 証明書の添付・提示を忘れずに

手続きの流れ(会社員と個人事業主の違い)

控除証明書が届かない・なくした場合は?

  • 小規模企業共済:中小機構に問い合わせて再発行またはWEB確認の可否を確認
  • iDeCo:国民年金基金連合会(または運営管理機関)に「払込証明書の再発行」を依頼
  • 心身障害者扶養共済:自治体の担当窓口に確認

マイナポータル連携で楽になる:小規模企業共済・iDeCoは、マイナポータルから控除証明書データを取り込めるサービスが用意されています。対応の確定申告ソフトを使うとさらにスムーズです。

こういうときどうする? つまずきポイント4つ

「経費にしてしまった」は二重計上になる

小規模企業共済の掛金は、事業の必要経費ではなく「所得控除」として申告します。経費に入れてしまうと控除も取ってしまい、二重計上になるので注意してください。

会社が払っているDC掛金まで入れてしまう

企業型DCで控除の対象になるのは「加入者掛金(本人が自分で上乗せした分)」だけです。会社負担(事業主掛金)は控除対象外です。

年末調整に間に合わなかった

証明書が届くのが遅くて年末調整に出せなかった場合でも、大丈夫です。翌年の確定申告で改めて申告すれば、控除を受けて還付が受けられます(証明書の添付・提示が必要)。

iDeCoの上限を把握せず、拠出できなくなる

会社に企業年金がある人は、会社側の拠出額によってiDeCoの上限が変わります。まず「自分の区分」と「会社の拠出額」を確認してから掛金額を設定するのが安全です。

年末調整・確定申告の時期は「証明書が手元にあるか」を先に確認するのがポイントです。証明書なしでは申告できないので、届いたらすぐに封を開けて保管しておきましょう。

税金・資産運用の相談

「iDeCoや小規模企業共済、自分の場合いくら積み立てるのが最適?」

節税しながら老後資産を作る戦略は、収入・家族構成・他の控除によって変わります。ファイナンシャルプランナーに相談すれば、自分に合った掛金額や制度の組み合わせを提案してもらえます。

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「社会保険料控除」や「生命保険料控除」とどう違うの?

社会保険料控除(国民年金・健康保険など)との違い

社会保険料控除は、国民年金・厚生年金・健康保険・介護保険などの「法律で強制的に払う保険料」が対象です。一方、小規模企業共済等掛金控除は「任意で加入する積み立て・拠出年金の掛金」が対象です。両方に該当する支払いがある場合は、それぞれ別の控除として合算できます。

生命保険料控除との違い

生命保険料控除は民間の生命保険・個人年金保険などが対象で、控除額に上限があります(一般・個人年金・介護医療それぞれ最大4万円など)。小規模企業共済等掛金控除は、払った全額がそのまま控除になる点が大きく違います。

「経費(必要経費)」との違い

所得控除は「収入から引いてから税金を計算する」仕組みで、経費は「事業収入から引いてから所得を計算する」仕組みです。iDeCoや小規模企業共済の掛金は、原則として経費ではなく所得控除に入れます。

「控除が多すぎて混乱する」という方へ。年末調整・確定申告の書類には控除の種類ごとに入力欄が分かれています。小規模企業共済等掛金控除は、「保険料控除申告書」の中に専用の欄があるので、そこにだけ書けばOKです。他の控除欄に書く必要はありません。

みんなが気になるQ&A

Q. 小規模企業共済とiDeCoは両方使える?

A.両方使えます。どちらも「小規模企業共済等掛金控除」として合算して申告できます。ただしiDeCo側の拠出上限は区分で決まっているので、上限内で設定する必要があります。

Q. 掛金を年払い・半年払いにした場合、控除はいつの年?

A.「その年に実際に払った金額」がその年分の控除です。証明書に書いてある「年内払込額」で確認するのが確実です。

Q. 払ったのに申告し忘れた。取り戻せる?

A.年末調整で漏れた場合でも、確定申告を行えば控除を申告し直せます(還付申告)。証明書の添付・提示が必要です。申告できる期間は原則5年間です。

Q. 心身障害者扶養共済の掛金も同じ欄に書く?

A.はい、同じ「小規模企業共済等掛金控除」の欄にまとめて記入します。証明書・領収書の扱いは自治体の案内に従ってください。

Q. 会社員でも確定申告が必要なことはある?

A.会社員でも、年末調整で申告し忘れた場合や、副業収入が年20万円を超える場合などは確定申告が必要です。iDeCoは年末調整で申告できますが、うっかり漏れた場合は確定申告で取り返せます。

もっと詳しく知りたいときは(公式の情報)

制度の最終確認は、必ず公式サイトで行ってください(内容は改定されることがあります)。

申告の手順まとめ:① 控除証明書の「年内払込額」を確認 → ② 年末調整(保険料控除申告書)または確定申告に転記 → ③ 証明書を添付・提示 → ④ iDeCoは拠出上限(区分・企業年金の有無)を事前に確認。

あわせて読みたい

同じ「所得控除」や、掛金に関連する制度もあわせて確認しておきましょう。

iDeCo(個人型確定拠出年金)

掛金が全額所得控除になる老後の積み立て。拠出上限・運用・受け取り方を解説。

社会保険料控除

国民年金・健康保険などの保険料が対象の控除。小規模企業共済等掛金控除とは別枠です。

生命保険料控除

民間保険の保険料が対象。控除額に上限がある点が掛金控除との違いです。

医療費控除(確定申告)

年間の医療費が10万円を超えた場合に使える所得控除。確定申告で申請します。

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※本ページは情報提供を目的としています。制度・拠出上限・手続きは改定される可能性があるため、必ず公式情報で最終確認してください。

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