台風で家が浸水した、車上荒らしにあった、そんなとき「税金で少しでも取り戻せないの?」と思いますよね。
実は、災害・盗難・横領で財産に損害を受けたとき、一定の計算式で求めた金額を所得から差し引いて税金を減らせる制度があります。
これが「雑損控除」と呼ばれるものです。
- 対象の原因は?災害・盗難・横領(詐欺・恐喝はダメ)
- 対象の財産は?日常生活で使う資産(別荘・骨董などは原則ダメ)
- いくら控除できる?2つの計算式の大きい方
- 保険金があったら?まず損害額から差し引く
- その年で引ききれない?原則3年(条件で5年)繰り越せる
- 手続きは?原則として確定申告(会社員でも必要)
注意:災害の年は「雑損控除」と「災害減免法(税金の軽減・免除)」のどちらか有利な方を選ぶしくみです。両方は使えません。
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「うちの場合、雑損控除で本当に得するの?確定申告って自分でできる?」
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そもそも、なんで税金が安くなるの?
ふだんの生活で税金は、「稼いだお金(所得)」をもとに計算されます。
でも、災害や盗難に遭ったとき、財産を失っても稼ぎが同じなら同じ税金を払い続けないといけないというのは、ちょっと酷ですよね。
「予期せぬ損害を受けた分だけ、担税力(税金を払う能力)が落ちているんだから、その分は考慮しましょう」というのが雑損控除の考え方です。
なぜ税金が安くなるのか
一言でまとめると、「損害を受けた分だけ、所得を減らして計算しなおす」のが雑損控除です。所得が減れば税金も減るので、結果的に税金が安くなる(または還付が増える)わけです。
詐欺にあったけど対象になる?対象になる原因って何?
残念ながら、詐欺・恐喝による損失は対象外です。これはよく間違われるポイントなので、最初に確認しておきましょう。
対象になる原因は、次の3種類だけです。
詐欺・恐喝はダメ:よく相談されるケースですが、残念ながら雑損控除の対象外と明記されています。「だまされてお金を失った」「脅されて支払った」というケースは対象になりません。
「なんで詐欺はダメなの?」と思うかもしれませんね。ざっくり言うと、雑損控除は「本人の意思に関係なく突然被害にあった」ケースを対象にしています。詐欺は法律上の分類が異なるため、残念ながら含まれません。
どんな財産が対象になるの?別荘や貴金属はどうなる?
原因だけでなく、損害を受けた財産の種類も重要です。すべての財産が対象になるわけではありません。
対象になる財産の条件(2つ必要)
対象外になりやすい財産の典型例
- 別荘など…保養・娯楽目的の不動産
- ゴルフ会員権など…趣味・娯楽目的の資産
- 貴金属・書画・骨董など…1個(1組)30万円超の動産
- 事業用の資産(店の商品・事業用設備など)…事業の経費として別の処理をします
シンプルに言うと、「毎日の生活に使っているもの」は対象になりやすく、「趣味・投資・ぜいたく品」は対象外になりやすいと覚えておきましょう。自宅・普段使いの家財・通勤用の車などは、基本的に対象です。
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「雑損控除で税金が戻っても、そもそも損害を補えてる?」
雑損控除で取り戻せるのは「税金の一部」です。損害そのものをカバーするのは火災保険・地震保険の役割。被災をきっかけに「今の保険で足りるか」を見直す人が増えています。複数社を無料で比較できるサービスで、補償の漏れを確認してみましょう。
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いくら控除できるの?計算はどうするの?
控除額は、次の(1)と(2)のうち大きい方になります。
計算式①(基本)
(損害金額 + 災害等関連支出 − 保険金等)− 総所得金額等 × 10%
「総所得金額等の10%」が自己負担として差し引かれます。たとえば年収400万円(給与所得が計算の基礎)の人なら、おおよそ40万円を超えた部分が控除の対象になるイメージです。
計算式②(災害の撤去費用などがある場合)
(災害関連支出 − 保険金等)− 5万円
台風で家が倒れて撤去・除去の費用がかかったケースなど、災害による取り壊し・撤去・除去費用が大きいときに使う計算式です。しきい値が「5万円」と低いので、撤去費用が5万円を超えていれば有利になることがあります。
ポイントは「2つの式を両方計算して、大きい方を使える」ということです。状況によってどちらが有利かが変わるので、両方の計算をしてから申告しましょう。
「損害金額」「災害等関連支出」って何?
- 損害金額…被害を受ける直前の資産の時価をベースに計算します
- 災害等関連支出…撤去・除去費用(災害の場合)や原状回復の修繕費(盗難・横領でも該当することあり)
- 保険金等…火災保険・地震保険・損害賠償金などでもらえる金額(まず損害金額から差し引き、残りを関連支出から差し引く順序)
実務メモ:申告時点で保険金の金額が未確定なことがあります。後日確定した場合に調整が必要になるケースもあるため、状況に応じて税務署や税理士に確認してください。
「計算が複雑で自信がない…」という場合は、freee確定申告(ソフト)なら対話形式でガイドしてくれるので、初めての人でも入力しやすいです(無料プランあり)。
控除しきれなかった分は消えてしまうの?
損害が大きくて、その年の所得から全部引ききれなかった場合でも安心してください。
翌年以後3年間、繰り越して控除できます。毎年確定申告をする必要はありますが、損失を3年かけて使い切れるしくみになっています。
5年繰り越せるケースもあります:東日本大震災、または令和5年4月1日以降に発生した「特定非常災害」(政府が指定する大規模災害)による損失は、繰越期間が5年間に延長されます。
たとえば家が大きな被害を受けて損害が1,000万円あったとしても、年収が500万円程度なら1年で使いきれませんよね。そういう場合でも3年かけて少しずつ税金を取り戻せるというわけです。繰越がある年も確定申告が必要な点は忘れずに。
「災害減免法」というのとは違うの?どっちが得?
災害で住宅・家財に損害を受けた場合に限り、雑損控除とは別に「災害減免法」による税額の軽減・免除という選択肢があります。
2つの違いを整理すると、こういう関係です。
雑損控除と災害減免法の違い
「どっちが得か」は所得の額・損害の大きさ・その年の税額によって変わります。所得が高めの人は雑損控除が有利なことが多く、所得が低い人で損害が住宅・家財に集中しているケースは災害減免法が有利なこともあります。どちらも計算して比べてみることをおすすめします。
確定申告の手続きはどうするの?必要な書類は?
雑損控除は、確定申告で手続きします。会社員の方でも年末調整では使えないので、自分で確定申告書を提出する必要があります。
大まかな流れ
あると助かる書類
- 災害の場合:市区町村発行のり災証明書(被災証明書)、撤去・修繕費の領収書
- 盗難の場合:警察の盗難届の受理情報、原状回復の修繕費領収書
- 横領の場合:被害事実を示す書類(裁判資料等)
- 共通:保険会社の支払通知書、被害を受けた資産の購入時の書類(売買契約書・領収書など)
「り災証明書は提出必須?」とよく聞かれますが、絶対に必要とは限りません。ただ、被害の事実を客観的に示す書類があるとスムーズなのは確かです。確定申告書等作成コーナーのガイドに沿って進めると、何が必要かわかります。迷ったら税務署の電話相談センターや税理士に確認してみましょう。
書類の準備や計算が大変な場合は、マネーフォワード クラウド確定申告なら、対話形式で入力を進められます(年間プランあり)。
みんなが気になる Q&A
A.残念ながらできません。雑損控除の対象は「災害・盗難・横領」だけで、詐欺・恐喝は対象外とはっきり決まっています。
A.盗難による損害(盗まれた物の時価相当)と、原状回復のための修繕費(窓ガラスの修理代など)は「災害等関連支出」として含めることができます。領収書を保管しておきましょう。
A.原則として対象外です。別荘は「趣味・娯楽・保養目的の不動産」に当たるため、「生活に通常必要でない資産」として雑損控除の対象から外れます。
A.保険金でカバーされた部分は差し引いて計算しますが、損害額が保険金を上回っていれば、その差額部分について控除できます。保険で全額補てんできた場合は、控除できる金額がゼロになることがあります。
A.はい、原則3年(特定非常災害は5年)繰り越せます。繰り越しする年も確定申告が必要ですので、忘れずに申告しましょう。
A.所得・損害の額・その年の税額によって変わります。一般的に、所得が高めで損失が大きい場合は雑損控除が有利になりやすいです。両方の計算をしてみて、税額が少ない方を選びましょう。迷う場合は税理士や税務署に相談してください。
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もっと詳しく知りたいとき(公式の情報)
この記事はわかりやすさを優先して、細かいルールを省略している部分があります。最終的に正確な情報は、以下の公式サイトや、お近くの税務署の窓口で確認してください。
- 国税庁:No.1110 災害や盗難などで資産に損害を受けたとき(雑損控除)
- 国税庁:No.1902 災害減免法による所得税の軽減免除
- 国税庁:No.8004 災害により被害を受けたときの所得税の取扱い
- 国税庁:雑損失の金額の計算書(PDF)
- 国税庁:災害(タックスアンサー分野一覧)
- 国税庁:確定申告書等作成コーナー
この記事は一般的なケースをわかりやすくまとめたものです。最終的な判断・必要書類は、申告時点の国税庁の案内を基準に確認してください。災害が「特定非常災害」に指定される等で取扱いが変わる場合があります。
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