住宅ローン控除は、マイホームに住んでいる間、年末のローン残高に応じて所得税・住民税が安くなる制度です。
ただし、家を賃貸に出して住まなくなると、原則として控除は止まります。
- 基本年末(12/31)に住んでいる年だけ対象
- 賃貸家を丸ごと貸すと控除は原則ストップ
- 戻る転勤など条件しだいで「残り期間」だけ再開
注意:「出産手当金」や自治体の給付とは別制度です。
1. 結論:家を「住まい」から「賃貸」にすると、住宅ローン控除は基本止まる
住宅ローン控除は、自分の住まいとして使っていることが前提です。 家を賃貸に出して、年末(12月31日)に住んでいない年は、原則としてその年の控除を受けられません。
※住まいとして使い続けている(例:家族が住み続ける単身赴任)など、例外があります。後半で整理します。
- 家を丸ごと貸す:控除は原則ストップ
- 住みながら一部だけ貸す:条件を満たせば対象になり得る
- 転勤などで一時的に住めない:条件を満たせば、戻ったあとに「残り期間」だけ再開できることがある
制度の内容は税制改正で変わります。2025年12月26日に国土交通省が、住宅ローン減税等の延長・拡充が閣議決定されたと発表しています(参考欄)。
まず「いつから控除が止まるか」を確定
控除が止まる年を間違えると、後から税金を払い直すことになりやすいです。
このページのチェックリストを見て、あなたのケースを先に整理してください。
2. いつから止まる?(年の途中で引っ越して貸した場合)
住宅ローン控除は、その年の12月31日まで住んでいることが要件のひとつです。 そのため、年の途中で引っ越して、年末に住んでいない場合は、その年は対象外になりやすいです。
よくある例
- 2026年7月に転居 → 2026年8月から賃貸:2026年分の控除は原則なし
- 2026年12月に転居 → 2027年から賃貸:2026年12月31日に住んでいなければ、2026年分も原則なし
- 住み続けたまま一部を賃貸:住まい部分が建物の半分以上なら対象になり得る
「年の途中で貸し始めたから、その年分だけはOK」という扱いにならないことが多い点が落とし穴です。
3. 住みながら一部を貸す場合はどうなる?
住みながら一部を貸す場合は、建物の床面積の半分以上を「自分の住まい」として使っていれば、 住宅ローン控除の要件を満たす可能性があります。
ただし、貸している部分の広さや使い方(民泊など)で扱いが変わることがあります。迷う場合は税務署に確認してください。
4. 例外:単身赴任で家族が住み続けるなら、控除が続くことがある
転勤などであなたが家を離れても、配偶者などの家族がその家に住み続ける場合は、 一定の条件を満たせば「住み続けている」として扱われ、控除が続くことがあります。
この場合は「賃貸に出す」のではなく、家族が住まいとして使い続けるのがポイントです。
5. 転勤などで一時的に賃貸に出した場合、戻ったあとに「再開」できる?
転勤などのやむを得ない理由で住めなくなった場合は、条件を満たせば、 あとでその家に戻った年(または翌年)から、住宅ローン控除を残り期間だけ受け直せることがあります。
重要:戻った年が「賃貸の年」だと、再開は翌年から
戻った年に賃貸に出していた期間がある場合は、その年は受けられず、翌年から再開になる扱いがあります。
控除期間は延びない
住んでいなかった年があっても、控除期間そのものが後ろにずれるわけではありません。 受けられるのは、あくまで「残っている年数」だけです。
手続き(ざっくり)
- 賃貸に出す前に、税務署の案内に従って必要書類(届出書など)を準備する
- 戻って再開するときは、その年分の確定申告で再開手続きをする
「届出書が必要か」「どの書類が必要か」は状況で変わるため、参考の公式資料の案内を必ず確認してください。
6. 賃貸に出す前のチェックリスト(税金・銀行・書類)
(1)銀行に連絡(契約違反にならないか)
住宅ローンは「自分が住む」前提の契約になっていることがあります。 賃貸に出すときは、条件変更や手続きが必要になることがあるので、先に金融機関へ確認してください。
(2)住宅ローン控除の扱いを整理(いつ止まるか/戻る予定はあるか)
「今年の12月31日に住んでいるか」「戻る予定があるか」で、控除の扱いが大きく変わります。 転勤などの場合は、後で再開するための手続きが必要になることがあります。
(3)家賃収入の申告の準備(経費の領収書を集める)
家賃収入があると、税金の申告が必要になることがあります。 管理費・修繕費・保険料・固定資産税など、必要経費になるものの記録を残しておくと楽です。
7. 家賃収入があるときの税金(ざっくり)
家賃収入は、税金の計算では「家賃の入金額」そのままではなく、家賃収入-必要経費で考えます。 この「利益」が一定以上になると、確定申告が必要になります。
必要経費になりやすい例
- 管理会社の手数料
- 修理・修繕
- 火災保険・地震保険(賃貸用の部分)
- 固定資産税(賃貸用の部分)
- ローンの利息部分(ケースにより)
会社員でも確定申告が必要になることがある
「給与が1か所」の会社員でも、給与以外の所得が一定を超えると確定申告が必要です。 ただし条件は細かいので、公式資料の基準を確認してください。
対象外なのに住宅ローン控除を受けてしまったとき
本当は対象外なのに、年末調整などで控除を続けていた場合は、後で税金を払い直すことになりやすいです。 早めに税務署へ相談し、必要なら確定申告(または修正申告)で直すのが安全です。
家賃収入の申告は「入力ミス」が起きやすい
住宅ローン控除の停止・再開と、家賃収入の申告が同時に動くと、ミスが起きやすくなります。
書類や計算が不安なら、確定申告ソフトや専門家相談を使うとミスを減らせます。
8. Q&A
A.年末(12月31日)まで住んでいることが要件のひとつなので、年末に住んでいない年は原則として受けられません。
A.転勤などの事情があり、家族がその家に入居して住み続け、将来は同居に戻る見込みがあるなど、一定の条件を満たすと続けられることがあります。
A.条件を満たすと「残り期間」だけ再開できることがあります。ただし、戻った年に賃貸に出していた期間があると、その年は受けられず翌年からになる扱いがあります。
A.建物の半分以上を自分の住まいとして使っていれば、住宅ローン控除の対象になり得ます。貸す範囲が広い場合は要確認です。
A.後で追加で税金を払うことになりやすいので、早めに税務署に相談し、確定申告(または修正申告)で直すのが安全です。