仕事を辞めたあと、求職活動中にもらえる「失業給付(基本手当)」。
その1日あたりの金額(基本手当日額)が、2025年8月1日から変わりました。
上限と下限がそれぞれ引き上げられています。自分に関係ある?増えるの?そのポイントをまとめました。
- いつから?2025年8月1日以降の支給対象日
- 下限は?2,411円(+116円/日)
- 上限は?(30〜44歳)8,055円(+210円/日)
- 増える人は?上限・下限に当たっている人が中心
- 確認方法は?受給資格者証の「基本手当日額」欄
- 再就職手当は?日額が基礎なので上限にも影響あり
注意:上限・下限の間に当たっている人は、今回の改定で金額が変わらないことも多いです。「増える」かどうかは自分の日額が上限・下限に当たっているか次第です。
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そもそも「基本手当日額」ってどうやって決まるの?
失業給付(基本手当)は、毎月まとめてもらえるわけじゃなくて、「1日いくら」×「認定された日数分」というしくみでもらいます。
この「1日いくら」の部分が基本手当日額です。どうやって決まるかというと、こんな流れです。
基本手当日額のしくみ(2025年8月改定の対象部分)
つまり、今回変わったのは「計算式そのもの」じゃなくて、「上限と下限の金額」だけなんです。だから、もともと上限・下限のあいだで金額が決まっている人は「変わらない」ことが多くて、上限や下限にぴったり当たっている人だけが増える、というわけです。
2025年8月、具体的に何円変わったの?
改定されたのは「賃金日額」と「基本手当日額」の上限・下限の2つです。どちらも引き上げられました。
基本手当日額(1日もらえる額)の変更
年齢によって上限が違います。下限は全年齢共通です。
| 離職時の年齢 | 旧・上限(〜2025/7/31) | 新・上限(2025/8/1〜) | 差 |
|---|---|---|---|
| 29歳以下 | 7,065円 | 7,255円 | +190円 |
| 30〜44歳 | 7,845円 | 8,055円 | +210円 |
| 45〜59歳 | 8,635円 | 8,870円 | +235円 |
| 60〜64歳 | 7,420円 | 7,623円 | +203円 |
| 全年齢(下限) | 2,295円 | 2,411円 | +116円 |
※年齢は「離職時点」で判定します。受給中に誕生日を迎えても区分は変わらないのが原則です。
賃金日額(計算のベースになる額)の変更
賃金日額にも上限・下限があって、こちらも改定されています。高賃金の人は賃金日額の上限に当たりやすいため、ここが上がると基本手当日額の計算にも影響します。
| 離職時の年齢 | 賃金日額 上限(旧) | 賃金日額 上限(新) | 賃金日額 下限(旧→新) |
|---|---|---|---|
| 29歳以下 | 14,130円 | 14,510円 | 2,869円 → 3,014円 |
| 30〜44歳 | 15,690円 | 16,110円 | |
| 45〜59歳 | 17,270円 | 17,740円 | |
| 60〜64歳 | 16,490円 | 16,940円 |
「賃金日額」と「基本手当日額」、2つ出てきてわかりにくいですよね。整理すると、賃金日額は「計算の土台」、基本手当日額は「実際にもらう額」です。土台の上限が上がれば、それをもとに計算する基本手当日額も上がる、という連動のしくみです。
自分の支給額、増えるの?変わらない?
増えやすい人は?
- 上限に当たっている人:離職前の給料が高く、基本手当日額が上限で決まっているケース。上限が上がる分、増える余地があります。
- 下限に当たっている人:給料が低く、日額が下限(2,295円→2,411円)で決まっているケース。
- 65歳以上で高年齢求職者給付金を受ける人:計算に基本手当日額と同じ表を使うため、金額に影響することがあります。
変わらないことが多い人は?
- 基本手当日額が上限・下限のあいだで決まっている人。今回の改定は「端の値の更新」なので、真ん中あたりの人は影響が出にくいです。
- ただし、離職前の給料が上限・下限に近い場合は賃金日額の上限・下限改定の影響で変わることがあります。
いつから新しい金額になるの?
厚生労働省の案内では、2025年8月1日以降の認定日に返却される受給資格者証に新しい日額が印字されます。受給中の人は「8月以降の失業認定」のタイミングで金額が切り替わるイメージです。
実際いくら増えるの?(差額の目安)
失業認定は原則4週(28日)ごとに行われます。上限・下限に当たっている場合、28日分で差額を計算するとこうなります。
| 区分 | 1日あたりの増加額 | 28日分の目安 |
|---|---|---|
| 下限(全年齢) | +116円 | +3,248円 |
| 上限(29歳以下) | +190円 | +5,320円 |
| 上限(30〜44歳) | +210円 | +5,880円 |
| 上限(45〜59歳) | +235円 | +6,580円 |
| 上限(60〜64歳) | +203円 | +5,684円 |
※「28日すべて失業認定された」場合の単純計算です。就労・収入がある日は認定されない場合があります。
月2〜6千円の差になるケースが多いです。大きな金額ではないですが、受給期間(最大330日など)が長い人ほど累計額が積み上がるので、自分が上限・下限に当たっているか確認する価値はあります。
自分の金額、どこで確認できるの?
受給手続きをするともらえる雇用保険受給資格者証に記載されています。第1面の次の欄を見てください。
- 賃金日額:第1面の 14欄
- 基本手当日額:第1面の 19欄
今すぐできるチェック
- 受給資格者証の「賃金日額(14欄)」と「基本手当日額(19欄)」をメモする
- この記事の上限・下限表と照らして、どちらかに当たっているか確認
- わからなければハローワーク窓口で「改定後の金額が適用されているか」を確認
※受給資格者証を紛失した場合は、ハローワークで再発行等の手続きができます。
失業給付ってそもそもどうやって受け取るの?
「改定がどんな影響をするか」を理解するには、失業給付の流れを押さえるのが早いです。
転職サポート
給付期限は1年。早く動くほど「再就職手当」の恩恵が大きい
早期に再就職すると「再就職手当」として一時金が出ます(基本手当日額×残日数×一定割合)。受給を始めたら、求職活動と並行して転職エージェントに登録しておくと選択肢が広がります。複数登録して比較するのが定番です。
- 求人母数を増やせる(非公開求人あり)
- 職務経歴書の添削・面接対策が無料
- 完全無料・登録だけでもOK
※再就職手当の支給可否は就職形態・残日数などの要件で決まります。詳細はハローワークへ
2025年4月の改正も、セットで知っておいた方がいいの?
はい、知っておくと判断ミスが減ります。2025年は「8月の金額改定」以外にも、失業給付まわりのルールが変わっています。
自己都合退職の「給付制限」が短くなった(2025年4月1日〜)
- 原則2か月 → 1か月に短縮されました
- 離職の前後で一定の教育訓練を受けた場合、給付制限が解除される仕組みも導入されました
- ただし、5年以内に3回以上自己都合離職している場合は給付制限が3か月になります
就業促進手当の見直し(2025年4月1日〜)
- 就業手当が廃止されました
- 就業促進定着手当の上限も見直されています
- 早期再就職を狙う場合は、どの手当が対象になるか窓口での確認が重要です
スキルアップ支援
「どうせ待つなら、給付制限中にスキルを付ける」という選択肢
2025年4月から、一定の教育訓練を受けると自己都合離職の給付制限が解除される仕組みが導入されています。費用の最大70%が国から戻ってくる「教育訓練給付金」が使える講座もあります。どうせ仕事を探すなら、市場価値も上げてしまいましょう。
- 受講費用の20〜70%が給付対象(条件あり)
- 自己都合退職の給付制限解除につながる可能性あり
- IT・会計・語学など幅広い対象講座
※対象講座かどうか・受講開始日・手続き要件は講座や個人の状況によります
早く再就職すると「再就職手当」がもらえるってほんと?
本当です。失業給付は「失業している日」に対して出るお金ですが、早めに就職できると「再就職手当」という一時金がもらえることがあります。
計算式は「基本手当日額 × 支給残日数 × 一定割合」。基本手当日額の上限が上がった分、理論上は再就職手当の上限にも影響します。
再就職手当をもらえる条件は「安定した職業(1年超の雇用見込みなど)への就職」などが必要で、残日数の要件もあります。給付制限中に就職した場合はもらえないケースもあるので、タイミングはハローワークで確認してください。
「高年齢求職者給付金」とか「求職者支援制度」とは違うの?
「失業したときのお金」は複数の制度があって混同しやすいです。ポイントだけ整理します。
退職後のお金に関する主な制度の位置づけ
制度の名前が似ていても、対象年齢・支給形態・要件が全然違います。「自分はどの給付区分になるか」が迷ったときは、まずハローワークに確認するのが一番です。
みんなが気になるQ&A
A. 変わる可能性があります。厚生労働省の案内では、対象者には2025年8月1日以降の認定日に返却される受給資格者証に新しい基本手当日額が印字されます。実際の適用タイミングは認定対象期間によって変わるため、受給資格者証とハローワーク窓口の説明を優先してください。
A. 増えません。今回の改定は「上限・下限」の更新なので、基本手当日額がもともと上限・下限のあいだで決まっている人は金額が変わらないことが多いです。自分が上限・下限に当たっているかが分かれ目です。
A. 原則として「離職時の年齢」で判定します。受給中に誕生日を迎えても区分が途中で切り替わるとは限りません。受給資格者証の印字で確認してください。
A. 「安定した職業(1年超の雇用見込みなど)」への就職など、いくつかの要件があります。支給残日数や就職のタイミングなども条件に含まれるため、詳しくはハローワークで確認してください。
A. 原則7日間の待期に加えて、給付制限がつきます。2025年4月1日以降、給付制限は原則2か月から1か月に短縮されました。また、一定の教育訓練を受けた場合は給付制限が解除されることがあります(ただし例外あり)。最終判断はハローワークが行います。
A. はい、影響します。高年齢求職者給付金は基本手当日額と同じ表を使って計算されるため、上限・下限の改定が金額に反映されます。