仕事を辞めると、翌月から給料がゼロになりますよね。
次の仕事が見つかるまでの間、生活費をどうするか不安になる方も多いはずです。
そのために用意されているのが、「失業給付(雇用保険の基本手当)」という制度です。
雇用保険に入っていれば、退職後に再就職するまでの間、給料の一部相当額が受け取れます。
- いくら?給料のおよそ50〜80%(上限あり)
- 何日分?90〜360日分(年齢・加入期間・退職理由による)
- いつから?自己都合なら約1か月+7日後、会社都合なら7日後から
- 手続きは?ハローワークに行って申し込む(自動ではもらえない)
- 税金は?非課税(所得税も住民税もかからない)
- 期限は?退職翌日から1年以内に受け取りきる必要がある
注意:自動ではもらえません。ハローワークで手続きをしないと受給できません。また、病気・育児などで「すぐ働けない」状態だと対象外になることがあります(受給期間の延長という別の手続きがあります)。
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そもそも、なんで退職したらお金がもらえるの?
会社を辞めると、翌月から収入がゼロになりますよね。でも、次の仕事がすぐに見つかるとは限りません。
「仕事を探したいのに、お金がないから焦って合わない仕事に就いてしまった」という悪循環を防ぐために、国が「再就職するまでの間、生活を支えるお金を出しますよ」という制度をつくっています。それが失業給付(基本手当)です。
財源は、働いている間に毎月の給料から天引きされている「雇用保険料」です。在職中に少しずつ積み立てていた保険料を、失業したときに受け取るイメージです。
在職中に払った雇用保険料が、退職後の生活を支える
つまり、「払ってきた分を、必要なときに受け取る」しくみです。条件さえ満たせば遠慮なく使っていい制度です。申請しないと自動的にはもらえないので、退職後はすみやかにハローワークへ。
誰がもらえるの? 条件はあるの?
条件は大きく3つです。全部満たしていれば、基本的にもらえます。
パートやアルバイトでももらえるの?
はい、もらえます。正社員かどうかは関係ありません。週20時間以上かつ31日以上の雇用見込みがある働き方であれば、雇用保険に加入しているはずです。給与明細に「雇用保険料」が引かれていれば、加入していた証拠です。
「加入していたかどうかわからない」という場合は、ハローワークに問い合わせれば調べてもらえます。給与明細・雇用保険被保険者証・源泉徴収票のいずれかがあれば確認できます。
逆に、もらえないのはどんなとき?
- 雇用保険に加入していなかった(加入期間が足りない場合も含む)
- すぐに働ける状態にない(病気・妊娠・育児などで就職活動ができない状態)
- 自営業の準備をしているだけで、雇用される仕事を探していない
それ以外の方は、条件を満たしていれば基本的にもらえます。
退職すると健康保険・年金の切り替えも必要になります。毎月の支出が変わるので、マネーフォワード MEで収支を一括管理しておくと安心です(無料)。
いくらもらえるの? 金額の計算方法
もらえる金額は「1日あたりの金額(基本手当日額)×もらえる日数」で決まります。
1日あたりの金額はどう決まる?
おおまかな計算式はこうです。
- 退職前6か月の給料(残業代含む・賞与除く)を合計する
- その合計を180で割って「1日あたりの賃金(賃金日額)」を出す
- 賃金日額に「給付率(約50〜80%)」をかけて「基本手当日額」が決まる
高収入ほど給付率が低くなるしくみです。月収28万円程度の30歳の場合、1日あたり約5,000〜6,000円程度が目安になります。年齢別の上限額もあり(30〜44歳は日額8,055円が上限・2025年8月時点)、それ以上にはなりません。
モデルケースで計算してみると
たとえば、月収28万円・会社都合退職・30歳・加入5年の場合のイメージです。
- 退職前6か月の給与合計:28万円 × 6か月 = 168万円
- 賃金日額:168万円 ÷ 180 = 約9,300円
- 基本手当日額(給付率60%として):約5,600円
- 所定給付日数:会社都合・30歳・加入5年で約120日
- 受け取れる総額のイメージ:5,600円 × 120日 = 約67万円
実際の金額は個人によって異なります。正確な日額は、ハローワークで受給手続きをしたあとに交付される「雇用保険受給資格者証」に記載されます。
税金はかかりません:失業給付(基本手当)は所得税も住民税もかかりません。全額が手取りとして受け取れます。
何日分もらえるの? いつから受け取れるの?
もらえる日数(所定給付日数)
退職の理由・年齢・雇用保険の加入期間によって変わります。おおまかな目安はこちらです。
- 自己都合退職(転職・家庭の事情など):加入10年未満で90日、10〜20年で120日、20年以上で150日
- 会社都合退職(倒産・解雇など):年齢と加入期間によって90〜330日(会社都合の方が自己都合より多い日数になりやすい)
- 障害などで就職が著しく困難な方:150〜360日
「会社都合と自己都合で、これだけ差が出るの?」と感じる方もいると思います。もし実際には会社から退職を促されたのに、離職票の理由が「自己都合」になっている場合は、ハローワークに実態を話すと変更できることがあります。泣き寝入りせずに相談してみてください。
いつから受け取れるの?
ハローワークで求職の申込みをした日の翌日から7日間は「待期期間」といって、全員もらえない期間があります。そのあとは退職理由によって変わります。
- 会社都合退職(倒産・解雇など):待期7日が終わればすぐ支給対象になります
- 自己都合退職:待期7日のあとにさらに原則1か月の「給付制限」があります(2025年4月以降の退職の場合。それ以前は2か月)
退職理由によって受給開始時期が大きく違う
受給期間(1年間)の上限に注意:失業給付は退職翌日から1年以内に受け取りきる必要があります。手続きが遅れると、その遅れた分だけ「受け取れずに終わる日数」が増えてしまいます。退職したらなるべく早めにハローワークへ行くことが大切です。
早く就職したら「再就職手当」がもらえることも
受給期間中に早めに就職が決まった場合、残っている給付日数に応じた「再就職手当」がもらえることがあります。残日数が多いほど多くもらえるしくみです。
あわせて読みたい サムネイル 再就職手当ってなに?早く就職するとお金がもらえるしくみ 失業給付の受給中に早期就職が決まると、残日数に応じたお金がもらえます。計算方法と申請のしかたを解説。どうやって手続きするの? ハローワークに行くだけ?
手続きは主にハローワークで行います。一度行けばあとは定期的に認定を受けるだけなので、それほど複雑ではありません。
つまずきやすいポイントは「退職からハローワークに行くまでの期間を空けすぎること」です。受給期間(1年間)はじわじわ消費されていくので、退職したらなるべく早く動くのがコツです。すぐ動けない事情がある場合でも、まず電話でハローワークに相談しておくと安心です。
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こういうときどうなの?(よくあるケース)
自己都合退職だと絶対もらえないの?
いいえ、自己都合でももらえます。ただし、会社都合より給付日数が少なくなる場合があり、1か月の給付制限(2025年4月以降)があります。ポイントは「自己都合でも、雇用保険の加入期間さえ足りていれば受給できる」ということです。
離職票の退職理由が「自己都合」になっているけど、実態は違う場合
実際には会社から退職を促された(パワハラ・退職勧奨など)のに、離職票に「自己都合」と書かれているケースがあります。その場合はハローワークで実態を話すと、「会社都合」に変更されることがあります。給付日数や給付制限の有無に大きく影響するので、泣き寝入りせずに相談しましょう。
パートやアルバイトが契約満了で辞めた場合
「更新を希望したのに更新してもらえなかった」などの場合は「特定理由離職者」として扱われ、会社都合と同じように給付制限なしで受給できることがあります。離職票の退職理由の記載内容を確認し、実態と違う場合はハローワークに相談してください。
病気・育児で「今すぐ働けない」場合
すぐに働ける状態でないと失業給付の対象外になります。ただし、「受給期間の延長」という手続きをすることで、回復後や育児が落ち着いた後に改めて受給できるようになります。退職後すみやかにハローワークに相談しましょう。
あわせて読みたい サムネイル 育休・産休中に退職したら失業給付はどうなる? 妊娠・育児で退職したときの失業給付の受給期間延長のしかたをわかりやすく解説。受給中にアルバイトはできるの?
一定の範囲内ならできます。ただし、働いた日数・時間・収入によってその日の基本手当が減額・不支給になることがあります。週20時間以上の仕事は「就職」とみなされ、失業状態とは認められません。失業認定申告書への正しい申告が必須です。申告漏れは不正受給になるので必ず報告してください。
受給中に将来の独立を考えている方は、ランサーズなどのクラウドソーシングで小さく副業を試すのもひとつの方法です(受給への影響は必ずハローワークに確認してください)。
「傷病手当金」とか「再就職手当」とは何が違うの?
名前が似ていて混同しやすい制度がいくつかあります。整理するとこういう関係です。
退職・失業まわりの制度マップ
「傷病手当金」と「失業給付」は同時にはもらえません。病気で退職した場合は傷病手当金が優先で、回復して求職活動ができる状態になってから失業給付に切り替わるのが基本的な流れです。どちらをいつ使うかの順番が重要なので、心配な方はハローワークと健康保険の窓口の両方に相談してみてください。
雇用保険に加入していない・加入期間が足りないという方でも、「求職者支援制度」を利用できることがあります。
あわせて読みたい サムネイル 雇用保険に入れなかった人向け:求職者支援制度とは? フリーランスや加入期間が短い人向けの職業訓練+生活支援の制度をわかりやすく解説。みんなが気になる Q&A
A.退職翌日から1年以内であれば手続きできます。ただし、手続きが遅れた期間はさかのぼってもらうことはできず、その分の給付日数が消えてしまいます。気づいたらなるべく早めにハローワークへ行くことをおすすめします。
A.2025年4月以降の退職であれば、一定の教育訓練(リスキリング)を受講する場合、自己都合退職でも給付制限が解除される場合があります。また、「正当な理由のある自己都合退職」(体調不良・ハラスメント・家族の介護など)に該当する場合は、給付制限がかからないことがあります。ハローワークで実態を話して確認してみてください。
A.65歳になる前にもらう「特別支給の老齢厚生年金」などと、失業給付(基本手当)は原則として同時には受け取れません。ハローワークで失業給付の受給手続きをすると、その期間中は老齢厚生年金が支給停止になるのが基本です。詳しくは年金事務所に確認してください。
A.全部なくなるわけではありません。働いた日数・時間・収入によってその日の基本手当が減額・不支給になる場合があります。週20時間未満・月末から見て4週間で働いた日数などが判断基準になります。必ず失業認定申告書に正直に記載してください。申告漏れは不正受給とみなされます。
A.基本手当の所定給付日数が終わっても就職できていない場合、「個別延長給付」が適用される場合があります(ハローワークの支援状況や就職困難さによります)。また、収入・資産要件を満たせば「求職者支援制度」の活用も検討できます。ハローワークに相談してください。
A.失業給付は「日本国内での就職を目指している」ことが前提です。一定期間以上の海外滞在が決まっている場合は、そもそも失業状態と認められないことがあります。海外に行く前にハローワークに事情を話して相談してください。
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もっと詳しく知りたいとき(公式の情報)
この記事はわかりやすさを優先して、細かいルールを省略している部分があります。最終的に正確な情報は、以下の公式サイトや、お住まいの地域のハローワークの窓口で確認してください。
- 厚生労働省:Q&A〜労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)
- ハローワークインターネットサービス:基本手当について
- ハローワークインターネットサービス:雇用保険手続きのご案内
- 厚生労働省:令和7年4月以降に教育訓練等を受ける場合の給付制限解除について
- 厚生労働省:求職者支援制度
この記事は一般的なケースをわかりやすくまとめたものです。最終的な判断・必要書類は、あなたが加入していた雇用保険・お近くのハローワークの案内が基準になります。