ひとり親家庭に月々もらえるお金ってなに? 児童扶養手当のしくみ

ひとり親家庭に月々もらえるお金ってなに? 児童扶養手当のしくみ
最終更新日:2026.02.02
ざっくり言うと

ひとり親として子どもを育てていると、仕事と育児を一人でこなすことになり、 収入が安定しにくかったり、思うように働けなかったりすることがありますよね。
そんな家庭の生活を安定させて、自立を後押しするために、月々まとまったお金がもらえる制度があります。
これが「児童扶養手当」と呼ばれるものです。

  • いくら?最大 月46,690円(1人目)
  • 誰が?ひとり親家庭・養育者
  • 支給月は?1・3・5・7・9・11月(2か月分ずつ)
  • 手続きは?市区町村で申請(自動ではもらえない)
  • 所得制限は?あり(収入が多いと一部・全部停止)
  • 年金は?条件次第で差額分をもらえる場合あり

注意:「児童手当」(子育て世帯全体を対象にした手当)とは別の制度です。ひとり親の場合、両方もらえることもあります。

あわせて読みたい サムネイル 児童手当っていつからいくらもらえるの? 0歳〜高校生年代まで毎月もらえるお金のしくみ。申請タイミングに注意が必要です。

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そもそも、なんでこの制度があるの?

ふだん子育てをしていても、二人の親がいる家庭では「どちらかが働いてどちらかが育てる」「二人で分担する」という選択肢があります。

でも、ひとり親の場合は働くことと育てることを、ひとりで両立しなければなりません。フルタイムで働けなかったり、急に子どもが体調を崩して仕事を休んだりすることも多く、収入が安定しにくいのが現実です。

「それだと、子どもが十分な生活を送れない家庭が出てしまう…」ということで、国や自治体が月々お金を出して支えるのがこの制度です。

二人親の家庭 働く担当・育てる担当に分けやすい → 収入が安定しやすい くらべると… ひとり親の家庭 働くことも育てることもひとりでこなす → 収入が不安定になりやすい 子どもの生活が不安定になりやすい… だから月々お金で補助するのが「児童扶養手当」

ひとり親家庭に児童扶養手当がある理由

つまり、「ひとりで仕事と育児を両立しているぶん、国が毎月お金で応援しますよ」というのがこの制度のキモです。離婚後や死別後、生活を立て直す時期を経済的に下支えしてくれるものだと思っておくといいです。

いくらもらえるの?

支給額は、子どもの人数あなたの収入(所得)によって変わります。

1人目の子どもの分(基本額)

所得が低い(「全部支給」に当てはまる)場合は、月46,690円が支給されます(2025年4月以降)。

所得がある程度ある場合は、所得に応じて11,010円〜46,680円の間で段階的に決まります(「一部支給」)。

2人目以降の子どもの分(加算額)

2人目以降は、1人増えるごとに加算されます。

  • 全部支給の場合:1人につき月11,030円が加算
  • 一部支給の場合:1人につき5,520円〜11,020円の間で段階的に加算

例)子ども2人で全部支給の場合:46,690円 + 11,030円 = 月57,720円が支給されます。

手当の額は物価の動きに合わせて毎年見直し(物価スライド)されます。最新の金額は市区町村の窓口や、こども家庭庁のサイトで確認するのが確実です。

毎月の手当額が確認できたら、次は「毎月いくら入ってきて、いくら出ていくか」を見える化することが大切です。マネーフォワード MEなら銀行・カードを一括管理できます(無料)。

誰がもらえるの? 条件はある?

「ひとり親家庭ならみんなもらえるの?」と思うかもしれませんが、条件があります。大きく分けると3つ確認が必要です。

1
対象となる「子ども」がいる 18歳になった後の最初の3月31日まで(障害がある場合は20歳未満)の子どもを育てていること。
2
受給できる立場にある 子どもを育てているお母さん・お父さん、または父母に代わって育てている祖父母などが対象です。
3
子どもがひとり親家庭等の状態にある 離婚・死別・未婚出産・父または母が一定の障害状態、などが対象です。

「ひとり親の状態」ってどんなケース?

次のいずれかに当てはまる子どもを育てている場合が対象になります(代表例)。

  • 父母が離婚した
  • 父または母が死亡した
  • 父または母が一定の障害状態にある
  • 父または母の生死が不明
  • 父または母が1年以上遺棄している
  • DVにより裁判所の保護命令が出た
  • 父または母が1年以上拘禁されている
  • 母が婚姻によらないで出産した

上記に当てはまっていても、住所・同居状況・再婚(事実婚を含む)・所得などの状況によっては対象外になることがあります。

「自分が対象かどうかわからない」というときは、自己判断せず、必ず市区町村の担当窓口(ひとり親担当、子育て支援課など)に相談してください。電話でも問い合わせできることが多いです。

所得に応じて変わるって、どういうこと?

収入が多い場合は、手当が一部または全部もらえなくなります。これが「所得制限」です。ちょっとわかりにくい仕組みなので、順番に説明しますね。

そもそも何の「所得」で判定するの?

判定に使われるのは、前の年の所得です(給与収入ではなく、税法上の「所得」=収入から給与所得控除などを引いた後の金額)。あなた自身の所得だけでなく、同居している扶養義務者(祖父母・兄弟姉妹など)の所得も影響することがあります。

所得によってどう変わるの?

扶養している人(子どもなど)の人数に応じて「全部支給の限度額」と「一部支給の限度額」が決まり、あなたの所得がどこに当てはまるかで支給額が決まります。

  • 所得が全部支給の限度額未満→ 満額(全部支給)
  • 全部支給限度額以上で一部支給限度額未満→ 所得に応じて段階的に減額(一部支給)
  • 一部支給限度額以上→ その年度は手当が0円(支給停止)

目安(扶養親族0人・受給者本人の所得で判定する場合):
全部支給:所得 約69万円未満(収入目安 約160万円)
一部支給:所得 約208万円未満(収入目安 約385万円)
※扶養親族の人数が増えると、限度額も増えます。実際には市区町村の所得限度額表で確認してください。

「所得が増えたら手当が減るんじゃ、働く気が起きない…」と思う方もいるかもしれません。でも、所得が上がった分は手当の減りより大きいことがほとんどなので、就労・収入アップを目指すことはトータルでプラスになります。多くの自治体がシミュレーションページを公開しているので試してみてください。

申請ってどこに何を出せばいいの?

児童扶養手当は申請しないとゼロです。要件に当てはまっていても、自動では支給されません。

1
市区町村窓口で相談・要件確認 離婚後や別居開始時点で、「ひとり親担当窓口」「子育て支援課」などに行って、受給できるか・何が必要かを確認します。
2
書類を集めて提出 認定請求書のほか、戸籍謄本・住民票・マイナンバー関係書類・養育状況を確認できる書類などが必要です(窓口で案内してもらえます)。
3
審査・認定 市区町村が審査し、認定されると認定通知が届きます。原則、申請した月の翌月分から支給対象になります。
4
支給開始(奇数月に2か月分まとめて) 1・3・5・7・9・11月に、前の2か月分がまとめて振り込まれます。
5
毎年8月に「現況届」の提出 引き続き要件を満たしているか、毎年確認が必要です。提出し忘れると支給が止まることがあります。住所や就労状況が変わったときも届出が必要です。

「申請した月の翌月分から」というのがポイントです。つまり、離婚が成立してもすぐに申請しないと、その分はもらえません。要件に当てはまったら、なるべく早く窓口へ行くことをおすすめします。

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もらえなくなるのはどんなとき?

一度認定されても、その後の状況変化によって手当が止まることがあります。代表的なケースを確認しておきましょう。

手当が止まる(支給停止・資格喪失)主なケース

  • 受給者が婚姻した(事実婚・同居・生活費の援助なども「実質的な婚姻」とみなされることがあります)
  • 子どもが施設に入所したり里親に委託されたりした
  • 受給者や子どもが日本に住所を持たなくなった
  • 対象の子どもが亡くなった
  • 所得が一部支給の限度額以上になった

5年経つと半額になるって本当?

手当の受給開始から5年(または支給要件に該当してから7年)が経過すると、一部支給停止(おおむね半額程度)になる仕組みがあります。

ただし、就業中・求職中・障害や病気で就労が難しい場合などは「一部支給停止適用除外事由届」を提出することで減額が免除されます。

要注意:この届出を忘れると自動的に減額されます。対象になる時期が近づいたら、必ず市区町村に確認してください。

年金をもらっていたらどうなるの?

「遺族年金や障害年金をもらっているけど、児童扶養手当はどうなるの?」という疑問はよくあります。

以前は「年金をもらっていると児童扶養手当はもらえない」というルールがありましたが、制度改正により、今は年金と手当の「差額分」をもらえる仕組みになっています。

  • 年金額 < 児童扶養手当額 → 差額分を手当としてもらえる
  • 年金額 ≥ 児童扶養手当額 → 手当は全部支給停止(0円)

たとえば遺族年金が月3万円で、児童扶養手当が月4万円なら、差額の1万円を手当として受け取れます。年金額が改定されたり新たに受給が始まったりした場合は、市区町村への届出が必要です。届出を怠ると、後から過払い分の返還を求められることがあるので注意してください。

「児童手当」とはどう違うの? 似た制度との関係

名前が似ていてまぎらわしい制度がいくつかあります。整理するとこういう関係です。

ひとり親家庭に関係しやすい制度マップ 条件が合えば複数もらえることもあります ← このページ 児童扶養手当 → 月最大 46,690円〜 ひとり親家庭の生活安定・自立支援のお金 児童手当 子育て世帯全体を対象にした月々の手当 → ひとり親かどうかは関係なく対象。両方もらえることもある 特別児童扶養手当 障害がある子どもを育てている場合の手当 → ひとり親に限らず対象。条件次第で児童扶養手当と併用可 ひとり親家庭等医療費助成(自治体) 医療費の自己負担を軽くする制度。現金給付ではない。内容は自治体で異なる

ひとり親家庭まわりのお金の制度マップ

ひとり親家庭の場合、児童扶養手当と児童手当は両方もらえるのが基本です。子どもに障害があれば特別児童扶養手当も対象になる場合があります。お住まいの市区町村の医療費助成も合わせて確認してみてください。

みんなが気になる Q&A

Q. 離婚したら自動でもらえる?

A.自動では支給されません。市区町村で認定請求が必要です。支給開始は「申請した月の翌月分」から。早めに窓口へ行くことをおすすめします。

Q. いつ振り込まれるの?

A.原則、1・3・5・7・9・11月に、前2か月分がまとめて振り込まれます。具体的な支払日は市区町村によって異なります。

Q. 再婚・同居・事実婚をしたらどうなる?

A.婚姻(事実婚を含む)や、異性と同居して生活費の援助を受けている状況は「実質的な婚姻」とみなされ、支給停止・資格喪失になることがあります。変化があったら速やかに届出してください。

Q. 仕事を始めて収入が増えたら止まる?

A.所得が高くなると一部支給や支給停止になりますが、トータルで手取りが増えることがほとんどです。具体的な試算は市区町村の窓口やシミュレーションツールで確認できます。

Q. 遺族年金をもらっているけど手当ももらえる?

A.年金額が手当額より少なければ、差額分を手当として受け取れます。年金額が変わったときは市区町村への届出が必要です。

Q. 毎年の現況届って何?

A.継続受給の確認のため、毎年8月頃に現況届を市区町村に提出します。提出を忘れると支給が止まることがあるので注意してください。

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もっと詳しく知りたいとき(公式の情報)

この記事はわかりやすさを優先して書いています。金額・所得限度額・必要書類の最終確認は、必ず以下の公式情報やお住まいの市区町村の窓口で確認してください。

この記事は一般的なケースをわかりやすくまとめたものです。最終的な判断・必要書類は、お住まいの市区町村の案内が基準になります。

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