リフォームで税金が戻ってくる?住宅特定改修特別税額控除(投資型減税)のしくみ

リフォームで税金が戻ってくる?住宅特定改修特別税額控除(投資型減税)のしくみ
最終更新日:2026.02.04
ざっくり言うと

省エネのために窓を替えたり、バリアフリーのために段差をなくしたりするリフォーム。
実はそのリフォーム費用をもとに、所得税が直接安くなる制度があります。
これが「住宅特定改修特別税額控除(投資型減税)」と呼ばれるものです。住宅ローンを組まなくても使えます。

  • 減税額は?A×10%+B×5%(上限あり)
  • 対象は?自分が住んでいる家のリフォーム
  • ローンは必要?不要(一括払いでもOK)
  • 申告は?リフォームした年に確定申告1回
  • 工事の種類は?省エネ・バリアフリー・多世帯同居など5種類
  • 期限は?工事完了から6か月以内に入居

注意:住宅ローンを使う場合の「住宅ローン控除(借入型)」とは別の制度です。同じ工事で両方の要件を満たしても、基本的にどちらか一方しか使えません。

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そもそもなんでリフォームで税金が戻ってくるの?

日本の家は、築30〜40年を超えると省エネ性能が低かったり、高齢者が動きにくい段差があったりすることが多いです。

でも、リフォームのお金は「全額自己負担」なので、費用が高くて踏み出せない人も多い。そこで国が「税金を安くするから、リフォームしてください」と後押しするための制度です。

省エネ化・バリアフリー化・子育てしやすい住まいなど、社会的に意義のある工事を対象にしているのが特徴です。

ふつうのリフォーム 費用は全額自己負担 減税なし 対象工事(省エネ・バリアフリー等)なら… 投資型減税のリフォーム 費用をもとに所得税が直接安くなる 控除額 = A(標準的な費用)× 10% + B × 5%

リフォームの投資型減税のしくみ(イメージ)

「税額控除ってなに?」→ 所得税の計算でよくある「所得控除」(課税対象の金額を減らす)とは違い、税額控除は計算後の税金そのものを直接差し引くしくみです。つまり、より強力に税負担が減ります。

結局いくら減税されるの?計算のしかたは?

控除額の計算式はこうです。

控除額 = A × 10% + B × 5%

「A(標準的な費用の額)」ってなに?

Aは、リフォーム代の「実際の支払額」ではなく、工事の種類ごとに国が定めた「標準的な費用の額」です。増改築等工事証明書に記載されています。

請求書の金額より高いことも低いこともあります。まずは施工会社に「増改築等工事証明書を発行してもらえますか?」と確認しましょう。

Aには、工事メニューごとに上限(控除対象限度額)があります。例えば省エネ改修なら250万円が上限です。

つまり、AがB万円以下なら控除額 = A × 10% がほぼ答えです。試算例:省エネ改修でA(標準額)が200万円なら、200万円 × 10% = 20万円の減税。バリアフリー改修でAが180万円なら18万円の減税。

「B(5%部分)」ってどういうとき使うの?

Bは、Aが上限を超えた分や、同時に行う増築・改築等の一定工事費を追加で拾うための枠です。上限が複雑なので、Bが発生する場合は国税庁の計算明細書に沿って整理するのが安全です。

補助金をもらった場合:省エネ補助金などを受け取ると、その分をAから差し引いてから計算します。補助金を引いた後のAが50万円以下になると、この制度の要件(50万円超)を満たせないことがあるので注意が必要です。

確定申告サポート

「計算が複雑で自分でできるか不安…」そんなときは

投資型減税の確定申告は、明細書の作成や標準的な費用の額の確認など手順がやや複雑です。税理士に依頼すると確実ですが、e-Tax(国税庁の確定申告書等作成コーナー)でも案内に沿って入力できます。

  • e-Tax(無料):国税庁の公式ツールで手順通りに入力するだけ
  • 税理士紹介サービス:初回無料相談があるサービスも多数
  • 会社員でも確定申告が必要(年末調整では完結しない)
e-Tax(国税庁)で申告する

※国税庁の公式ページへ移動します

どんなリフォームが対象なの?5つのメニューを確認しよう

この制度は、工事メニューによって「何が対象か」「Aの上限額」が決まっています。まず自分のリフォームがどれに当たるかを確認しましょう。

メニュー どんな工事? Aの上限額 期限
省エネ改修 窓の断熱改修、断熱材の追加、太陽光発電設備(条件あり) 250万円
(太陽光含む場合350万円)
令和7年12月31日まで
バリアフリー改修 手すり設置、段差解消、出入口の拡張など(50歳以上・要介護等の要件あり) 200万円 令和7年12月31日まで
多世帯同居改修 キッチン・浴室・トイレ・玄関を2つ以上に増設(2種類以上が複数になる工事) 250万円 令和7年12月31日まで
耐久性向上改修
(長期優良住宅化)
劣化対策・維持管理改善など(耐震または省エネと同時工事が必要) 250〜600万円
(組み合わせで変動)
令和7年12月31日まで
子育て対応改修 転倒防止床材・防音・収納増設・対面キッチンなど(40歳未満・子あり等の要件あり) 250万円 令和7年12月31日まで
(居住:令和6年4月1日以後)

省エネ改修:窓の工事がポイント

居室の窓を断熱改修することが基本です。窓改修と一緒に行う床・天井・壁の断熱工事も対象になります。改修後の省エネ性能が一定の基準以上になることが条件です。

バリアフリー改修:「誰が住んでいるか」が条件になる

誰でも使えるわけではなく、原則として50歳以上、要介護・要支援認定を受けている人、障害者、または一定の同居親族がいる場合に限ります(「特定個人」といいます)。

「バリアフリー改修で段差をなくしたい」と思ったら、まず自分または同居の家族が「特定個人」の要件を満たすかを確認しましょう。要件を満たさないと、工事をしても控除が受けられません。

子育て対応改修:対象になる人が限られる

40歳未満で配偶者がいる、または19歳未満の扶養親族がいる人などが対象(「特例対象個人」)です。対象工事は指挟み防止の戸・転倒防止床材・子ども部屋の間仕切りなど多彩です。

耐久性向上改修:単独では使えない

この工事だけでは使えません。耐震改修または省エネ改修と同時に行う必要があります。認定された長期優良住宅計画に基づく工事が必要です。

誰が使えるの?共通の条件を確認しよう

メニューごとの要件に加えて、どのメニューでも共通する条件があります。シンプルにいうと次の5つです。

自分が所有し、実際に住んでいる家

自分の持ち家で、工事後6か月以内に住み始めることが条件です。賃貸に住んでいる人は対象外です。

床面積が50㎡以上

登記事項証明書などで確認できます。広さが足りないと使えません。

合計所得2,000万円以下

その年の合計所得金額が2,000万円以下であることが条件です。高所得の方はご注意を。

Aが50万円超(補助金等を引いた後)

補助金を受け取った場合はAから差し引いた後の金額で判定します。50万円以下になってしまうと使えません。

増改築等工事証明書が取得できる工事

建築士等が発行する証明書が必要です。施工会社に「証明書を出してもらえますか?」と事前に確認しておきましょう。

注意:住宅ローン控除(借入型)と同じ工事で選択関係になる場合があります。どちらが有利かを比較したうえで申告してください。申告後に変更できないことがあります。

どうやって申告するの?確定申告の流れは?

この制度は年末調整だけでは完結しません。確定申告が必要です。会社員の方も含めて、リフォームした年に申告します。

① 施工会社に証明書の発行を依頼 「増改築等工事証明書」を着工前に依頼するのがポイント ② 計算明細書を作成する 国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で案内に沿って入力 ③ 確定申告書を提出する 翌年2月16日〜3月15日が申告期間(e-Taxでも提出可) ④ 所得税から控除額が差し引かれる 還付がある場合は数週間〜2か月ほどで口座に振り込まれる

確定申告の流れ(投資型減税)

「会社員なのに確定申告が必要なの?」→ そうなんです。住宅ローン控除と違い、この制度は年末調整で処理できないことが多いです。でも国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を使えば、画面の質問に答えながら入力できるので思ったより簡単です。

なお、リフォームが令和7年12月31日までに居住(入居)が完了することが要件です(メニューごとに居住期限が異なります)。

申告に必要な書類って何?

基本的には次の書類が必要です。多くのメニューで共通しています。

  • 確定申告書
  • 住宅特定改修特別税額控除額(等)の計算明細書(国税庁の様式)
  • 増改築等工事証明書(建築士・指定確認検査機関等が発行)
  • 床面積が50㎡以上とわかる書類(登記事項証明書など)

「増改築等工事証明書」がこの制度の一番のポイントです。工事完了後では証明できないケースもあるので、着工前に施工会社に「この税制を使いたい」と伝えておくのが大切です。証明書の手配を忘れると控除が受けられません。

メニューによって追加書類が必要なことも

  • バリアフリー改修の場合:要介護・要支援認定を受けているときは介護保険の被保険者証の写しなど
  • 子育て対応改修の場合:「特例対象個人」に該当することを確認する書類(家族構成・年齢等)

※登記事項証明書は、計算明細書に不動産番号を記載することで添付省略できる場合があります(最新の案内で確認してください)。

書類の準備が終わったら、次は補助金との組み合わせも確認してみましょう。減税と補助金を上手に組み合わせることで、実質負担をさらに減らせます。住宅省エネ支援の補助金(国土交通省)も確認しておきましょう。

「住宅ローン控除」と何が違うの?

混同しやすい制度が3つあります。簡単にまとめます。

制度 一言でいうと
住宅特定改修特別税額控除(このページ) リフォームをした年だけ1回の税額控除。ローン不要
特定増改築等住宅借入金等特別控除(ローン型リフォーム) リフォームに住宅ローンを組んだ場合の複数年控除。
固定資産税の減額(市区町村へ申請) 所得税ではなく固定資産税が軽減される。申請先は市区町村、期限は工事完了から3か月以内が多い。

リフォームでローンを組む場合は「ローン型」も選べますが、どちらが有利かは年収・ローン残高・控除期間によって変わります。確定申告する前に、どちらが得かシミュレーションするか、専門家に確認するのがおすすめです。一度申告したら変更できないので慎重に。

補助金との関係は?

省エネリフォームでは「住宅省エネ支援(補助金)」と組み合わせることができます。ただし、補助金を受け取った分はAから差し引いてから控除額を計算する点に注意が必要です。補助金 → 減税の順で整理しましょう。

みんなが気になる Q&A

Q. 住宅ローン控除と両方使える?

A.基本的にはどちらか一方を選択します。同じ工事で両方の要件を満たしても、申告後の選択替えができないので、事前に有利な方を比較してから申告してください。

Q. 補助金をもらった場合、減税額は変わる?

A.変わります。補助金の額を「A(標準的な費用の額)」から差し引いた後の金額で判定・計算するルールです。補助金を引いた結果、Aが50万円以下になると要件を満たせなくなることがあります。

Q. 中古住宅でも使える?

A.使えます。「自己が所有する居住用家屋」に対する改修が前提で、新築に限りません。共通の要件(床面積50㎡以上・所得2,000万円以下など)と、メニューごとの要件を満たせばOKです。

Q. 「A(標準的な費用の額)」は請求書の金額と同じ?

A.同じとは限りません。Aは工事の種類ごとに定められた「標準単価 × 施工面積等」で計算され、増改築等工事証明書で確認できます。請求書の実際の支払額と差があることがよくあります。

Q. バリアフリー改修は親のために工事してもOK?

A.「一定の同居親族がいる」場合も要件を満たします。ただし「同居」が前提になりますので、別居の親のために工事する場合は対象外になることがあります。事前に要件を確認してください。

Q. 控除しきれない分はどうなる?

A.投資型減税(このページの制度)は翌年への繰り越しができません。その年の所得税を超える控除額は切り捨てになります。所得税の額が少ない場合は、住民税への控除も一部あり得ますが、詳細は申告時に確認してください。

もっと詳しく知りたいとき(公式の情報)

適用要件・期限は国税庁の一次情報(タックスアンサー等)で最終確認してください。令和8年度税制改正大綱では延長案が示されていますが、実施は税制改正法の成立が前提です。

あわせて読みたい

住宅のお金に関連する制度をまとめて確認できます。

特定増改築等住宅借入金等特別控除(ローン型のリフォーム減税)

リフォームで住宅ローンを組む場合の減税。複数年にわたって控除できます。

固定資産税の減額(耐震・省エネ・バリアフリー等)

工事完了後の翌年度分などを軽減する制度。申請先は市区町村です。

住宅省エネ支援(補助金)

窓・断熱・給湯などの補助金。減税との組み合わせ時は補助金を先にAから引く点に注意。

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)

住宅購入・新築時のローンで最大13年間控除できる制度。リフォームとの選択関係も確認を。

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※本ページは情報提供を目的としており、個別の税務判断は税務署・税理士等へご相談ください。制度の要件・期限・提出書類は必ず国税庁等の一次情報で確認してください。

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