大学の学費って高すぎない?修学支援新制度で「授業料ゼロ」になるケースも

大学の学費って高すぎない?修学支援新制度で「授業料ゼロ」になるケースも
最終更新日:2026.02.02
ざっくり言うと

大学や専門学校の学費って、4年間で数百万円かかりますよね。
「行きたい学校があるけど、うちの家計じゃ無理かも…」と感じている人も多いはず。
そんな家庭のために、授業料や入学金をほぼタダにしてくれる制度が国にあります。
それが「高等教育の修学支援新制度」と呼ばれるものです。

  • 何がもらえる?授業料減免+返済不要の奨学金
  • 対象の学校は?大学・短大・高専・専門学校
  • 誰がもらえる?収入・資産の基準を満たす世帯の学生
  • 区分は?第1〜第4区分(収入で変わる)
  • 申請は?在学校(or 高校)を通じて手続き
  • 返済は?授業料減免・給付型奨学金は返さなくてOK

注意:貸与型奨学金(返済が必要なJASSO奨学金)とは別の制度です。この制度の給付型奨学金は返済不要です。

そもそも、なんでこの制度があるの?

ふだん病院に行くと、窓口で払うのは3割ですよね。残りは健康保険が負担してくれています。

でも、大学・専門学校の学費にはそういう「国が助けてくれるしくみ」が薄かったんです。その結果、家庭の収入によって、進学できるかどうかが決まってしまうという状況が長く続いていました。

「意欲があれば、お金がなくても学べる社会にしよう」ということで、2020年度から始まったのがこの制度です。

修学支援新制度の2つの柱 ① 授業料等減免 大学が授業料・ 入学金を免除 最大: 私立大で約70万円/年 (第1区分・授業料のみ) 返済不要 ② 給付型奨学金 JASSOから毎月 生活費として振込 最大(自宅外・私立): 約91万円/年 (第1区分・大学等) 返済不要 ①+② セットで受けられる!

2つの支援がセットで提供されます。申込みは1回でOK。

つまり、こういうことです。
授業料を学校が免除してくれて(①)、さらに生活費として毎月お金が振り込まれる(②)。
どちらも返済不要なので、条件を満たせば実質タダで大学に行けるケースもあるんです。

誰がもらえるの? 条件はあるの?

条件はシンプルで、大きく次の3つです。

対象の学校に在学している 大学・短期大学・高等専門学校(4・5年次)・専門学校が対象です。ただし、すべての学校が対象というわけではなく、文部科学省が「確認大学等」として認定した学校に限ります。
家計の基準を満たしている 世帯収入・資産・家族構成などで判定されます。おおむね世帯年収270〜600万円程度が対象ラインのイメージですが、家族構成によって大きく変わります。詳しくは後述の「区分」で説明します。
学ぶ意欲がある 高校時代の成績だけでなく、レポートや面談で「ちゃんと学びたい意欲があるか」が確認されます。在学中も一定の学修状況が求められます。

「うちは年収が高いからダメかな…」と思っていませんか?
2024年度からは、年収600万円程度までの世帯でも対象になる「第4区分」ができました。
特に子どもが3人以上いる多子世帯私立の理工農系の学生は、ぜひ一度確認してみてください。

支援区分(第1〜第4区分)ってどう決まるの?

収入によって支援の「区分」が変わります。区分が高いほど支援額が多くなります。

第1〜第3区分(従来からある枠)

住民税の金額(所得割額)をもとに判定されます。家族構成によって目安の年収は変わりますが、代表的なイメージはこのような感じです。

  • 第1区分(満額):住民税非課税世帯。支援を100%受けられます。
  • 第2区分:第1区分よりやや収入が高い世帯。支援額は約2/3に。
  • 第3区分:さらに収入が高い世帯。支援額は約1/3に。

例えば、両親・本人・中学生の4人世帯なら、年収約380万円程度までが第1〜3区分のイメージです(実際は税額で判定するため、あくまで目安です)。

第4区分(2024年度から新設)

中間所得層への拡大として新設されました。対象は次の2パターンです。

  • 扶養する子どもが3人以上いる多子世帯の学生
  • 私立大学等の理工農系に在籍する学生

世帯年収の目安は約600万円程度まで。支援額は満額の約1/4ですが、これまで対象外だった世帯に新たな選択肢ができた点は大きいです。

注意:「年収〇〇万円だから対象」という判断は危険です。住民税の所得割額・資産額・家族構成などで細かく判定されます。JASSOの進学資金シミュレーターや学校の窓口で必ず確認してください。

いくら支援してもらえるの?

以下は住民税非課税世帯(第1区分・満額支援)の場合の目安です。第2〜4区分の場合は、それぞれ2/3・1/3・1/4が目安になります。

授業料・入学金の減免上限(年額)

学校種別入学金(国公立)授業料(国公立)入学金(私立)授業料(私立)
大学約28万円約54万円約26万円約70万円
短期大学約17万円約39万円約25万円約62万円
高等専門学校約8万円約23万円約13万円約70万円
専門学校約7万円約17万円約16万円約59万円

給付型奨学金の支給額(年額)

学校種別・通学形態年額の目安
大学・短大・専門学校(国公立)自宅生約35万円
大学・短大・専門学校(国公立)自宅外生約80万円
大学・短大・専門学校(私立)自宅生約46万円
大学・短大・専門学校(私立)自宅外生約91万円
高等専門学校(国公立)自宅生約21万円
高等専門学校(国公立)自宅外生約41万円

例えば私立大学に一人暮らしで通う場合(第1区分)、授業料減免で最大70万円、給付型奨学金で年91万円もらえます。合計で年間約161万円の支援。これは大きいですね。

金額は年度によって見直されることがあります。最新情報はJASSOのサイトまたは在学校の奨学金窓口でご確認ください。

どうやって申請するの? 手続きは難しい?

申請は在学校(または高校)を窓口に進めます。自分でJASSOに直接連絡する必要はなく、学校の奨学金担当者が案内してくれます。

進学前に申し込む「予約採用」

1
高校の説明会・配布書類を確認する 高校ごとに申込時期が決まっています。締切を過ぎるとその年は申せないことも。
2
高校を通じてJASSOに申し込む 必要書類(マイナンバー関連・収入証明など)を揃えて提出します。
3
候補者通知が届く 合格・進学決定後に、大学等を通じて進学届等を提出します。
4
採用決定・支援スタート 授業料減免は大学が手続き。給付型奨学金はJASSOから毎月振込まれます。

進学後に申し込む「在学採用」

進学してから申し込む「在学採用」もあります。在学校の奨学金窓口に相談すれば案内してもらえます。ただし、採用時期の関係で給付開始が遅れることがあるので、できれば予約採用をおすすめします。

手続きは学校任せでいい?
基本的には学校が案内してくれますが、締切を見逃すと取り返しがつかないこともあります。進学を考えているなら、高2〜高3のなるべく早い時期に学校の先生や窓口に確認しておきましょう。

学費・奨学金の総額を把握したい方へ

「修学支援を使っても、結局いくら必要?」を試算できるサービス

授業料減免・給付型奨学金・貸与型奨学金・生活費を一覧で試算できるライフプランサービスを使うと、進学後の資金計画が立てやすくなります。

  • 自宅通学/自宅外、国公立/私立を比較できる
  • 奨学金の返済シミュレーションも
  • オンラインで完結
教育費シミュレーションサービスを見る

※外部サービスのページへ移動します

「貸与奨学金」や「教育ローン」とどう違うの?

同じ「お金の支援」でも、性質が全然違います。整理しておきましょう。

奨学金・教育ローンの種類と特徴 修学支援新制度(この記事) 授業料減免+給付型奨学金 → 返済不要、収入要件あり JASSO 貸与型奨学金(第一種・第二種) 借りるお金 → 卒業後に返済が必要(無利子or有利子) 国の教育ローン(日本政策金融公庫) 保護者が借りるローン → 在学中から返済が始まることも 民間金融機関の教育ローン 金利・条件は様々。借りすぎに注意

「返さなくていいもの」か「借りるもの」かで大きく異なります。

まず修学支援新制度で「どこまでカバーできるか」を確認するのが鉄則です。
その上で足りない分を貸与型奨学金や教育ローンで補う、という順番で考えましょう。
借りるお金は将来の返済負担になるので、なるべく借りる額を減らすことが大切です。

修学支援新制度を最大限活かす3ステップ

ステップ1:まず対象になるか調べる

JASSOの「進学資金シミュレーター」を使えば、世帯収入・家族構成を入力するだけでおおよその支援額を確認できます。無料で使えます。

奨学金・教育費・生活費をまとめて試算したい方へ

授業料減免・給付型奨学金・貸与型・生活費を一括で試算できるサービスを活用すると、進学計画が立てやすくなります。

教育費対応ライフプランサービスを比較する

※外部サービスへのリンクです

ステップ2:進路・学部選択と収支をセットで考える

学部・学科選択は学費の額にも直結します。私立理工農系は修学支援の拡充で支援が手厚くなっているので、進路選びと支援額をセットで確認しましょう。

ステップ3:教育費と家計全体を長期で見直す

子どもが複数いる家庭は、進学時期が重なると家計への負担がピークになります。修学支援を最大限活用しつつ、貯蓄・借入のバランスを早めに整理しておくことが大切です。

教育資金と家計を長期でみてもらえるFP相談

修学支援新制度・NISA・iDeCoも含めて、教育費と老後資金のバランスを一緒に考えてもらえるオンラインFP相談サービスがあります。

FPに無料相談する

※外部サービスへのリンクです

みんなが気になる Q&A

Q. 申請はいつ・どこでするの?

A.在学校(学生課・奨学金窓口)を通じて申請します。進学前は高校経由で「予約採用」として申し込めます。学校ごとに締切があるので、早めに確認を。

Q. 支援区分はどうやって決まるの?

A.世帯の収入・資産・家族構成などをもとに判定されます。JASSOの進学資金シミュレーターで事前に概算が確認できます。

Q. 授業料等減免と給付奨学金は別々に申請が必要?

A.JASSOの給付型奨学金に申し込めば、授業料等減免も同時に申請されます。ただし書類の提出先や期限は学校によって異なるので、学校の案内に従ってください。

Q. 貸与奨学金や教育ローンと併用できる?

A.基本的には併用できます。ただし、修学支援の区分によって貸与型奨学金の月額上限が調整されるケースがあります。先に修学支援の支援額を確認してから、不足分をどうするか考えましょう。

Q. 成績が悪くなると打ち切られる?

A.在学中の学修状況の確認があり、要件を満たさないと支援が打ち切られることがあります。ただし、救済措置もあります。詳しくは学校とJASSOの案内を確認してください。

Q. 在学している学校が対象かどうかはどこで確認する?

A.文部科学省が公開している「確認大学等の一覧(対象機関リスト)」で確認できます。進学を検討している学校が対象かどうかは必ずチェックしましょう。

もっと詳しく知りたいとき(公式の情報)

最終的な手続き・提出期限は在籍校の案内が基準です。迷ったら学校の奨学金窓口に相談してください。

あわせて読みたい

教育費まわりで関係しやすい制度をまとめました。

© お金の制度ナビ

コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です