大学や専門学校の学費って、4年間で数百万円かかりますよね。
「行きたい学校があるけど、うちの家計じゃ無理かも…」と感じている人も多いはず。
そんな家庭のために、授業料や入学金をほぼタダにしてくれる制度が国にあります。
それが「高等教育の修学支援新制度」と呼ばれるものです。
- 何がもらえる?授業料減免+返済不要の奨学金
- 対象の学校は?大学・短大・高専・専門学校
- 誰がもらえる?収入・資産の基準を満たす世帯の学生
- 区分は?第1〜第4区分(収入で変わる)
- 申請は?在学校(or 高校)を通じて手続き
- 返済は?授業料減免・給付型奨学金は返さなくてOK
注意:貸与型奨学金(返済が必要なJASSO奨学金)とは別の制度です。この制度の給付型奨学金は返済不要です。
そもそも、なんでこの制度があるの?
ふだん病院に行くと、窓口で払うのは3割ですよね。残りは健康保険が負担してくれています。
でも、大学・専門学校の学費にはそういう「国が助けてくれるしくみ」が薄かったんです。その結果、家庭の収入によって、進学できるかどうかが決まってしまうという状況が長く続いていました。
「意欲があれば、お金がなくても学べる社会にしよう」ということで、2020年度から始まったのがこの制度です。
2つの支援がセットで提供されます。申込みは1回でOK。
つまり、こういうことです。
授業料を学校が免除してくれて(①)、さらに生活費として毎月お金が振り込まれる(②)。
どちらも返済不要なので、条件を満たせば実質タダで大学に行けるケースもあるんです。
誰がもらえるの? 条件はあるの?
条件はシンプルで、大きく次の3つです。
「うちは年収が高いからダメかな…」と思っていませんか?
2024年度からは、年収600万円程度までの世帯でも対象になる「第4区分」ができました。
特に子どもが3人以上いる多子世帯や私立の理工農系の学生は、ぜひ一度確認してみてください。
支援区分(第1〜第4区分)ってどう決まるの?
収入によって支援の「区分」が変わります。区分が高いほど支援額が多くなります。
第1〜第3区分(従来からある枠)
住民税の金額(所得割額)をもとに判定されます。家族構成によって目安の年収は変わりますが、代表的なイメージはこのような感じです。
- 第1区分(満額):住民税非課税世帯。支援を100%受けられます。
- 第2区分:第1区分よりやや収入が高い世帯。支援額は約2/3に。
- 第3区分:さらに収入が高い世帯。支援額は約1/3に。
例えば、両親・本人・中学生の4人世帯なら、年収約380万円程度までが第1〜3区分のイメージです(実際は税額で判定するため、あくまで目安です)。
第4区分(2024年度から新設)
中間所得層への拡大として新設されました。対象は次の2パターンです。
- 扶養する子どもが3人以上いる多子世帯の学生
- 私立大学等の理工農系に在籍する学生
世帯年収の目安は約600万円程度まで。支援額は満額の約1/4ですが、これまで対象外だった世帯に新たな選択肢ができた点は大きいです。
注意:「年収〇〇万円だから対象」という判断は危険です。住民税の所得割額・資産額・家族構成などで細かく判定されます。JASSOの進学資金シミュレーターや学校の窓口で必ず確認してください。
いくら支援してもらえるの?
以下は住民税非課税世帯(第1区分・満額支援)の場合の目安です。第2〜4区分の場合は、それぞれ2/3・1/3・1/4が目安になります。
授業料・入学金の減免上限(年額)
| 学校種別 | 入学金(国公立) | 授業料(国公立) | 入学金(私立) | 授業料(私立) |
|---|---|---|---|---|
| 大学 | 約28万円 | 約54万円 | 約26万円 | 約70万円 |
| 短期大学 | 約17万円 | 約39万円 | 約25万円 | 約62万円 |
| 高等専門学校 | 約8万円 | 約23万円 | 約13万円 | 約70万円 |
| 専門学校 | 約7万円 | 約17万円 | 約16万円 | 約59万円 |
給付型奨学金の支給額(年額)
| 学校種別・通学形態 | 年額の目安 |
|---|---|
| 大学・短大・専門学校(国公立)自宅生 | 約35万円 |
| 大学・短大・専門学校(国公立)自宅外生 | 約80万円 |
| 大学・短大・専門学校(私立)自宅生 | 約46万円 |
| 大学・短大・専門学校(私立)自宅外生 | 約91万円 |
| 高等専門学校(国公立)自宅生 | 約21万円 |
| 高等専門学校(国公立)自宅外生 | 約41万円 |
例えば私立大学に一人暮らしで通う場合(第1区分)、授業料減免で最大70万円、給付型奨学金で年91万円もらえます。合計で年間約161万円の支援。これは大きいですね。
金額は年度によって見直されることがあります。最新情報はJASSOのサイトまたは在学校の奨学金窓口でご確認ください。
どうやって申請するの? 手続きは難しい?
申請は在学校(または高校)を窓口に進めます。自分でJASSOに直接連絡する必要はなく、学校の奨学金担当者が案内してくれます。
進学前に申し込む「予約採用」
進学後に申し込む「在学採用」
進学してから申し込む「在学採用」もあります。在学校の奨学金窓口に相談すれば案内してもらえます。ただし、採用時期の関係で給付開始が遅れることがあるので、できれば予約採用をおすすめします。
手続きは学校任せでいい?
基本的には学校が案内してくれますが、締切を見逃すと取り返しがつかないこともあります。進学を考えているなら、高2〜高3のなるべく早い時期に学校の先生や窓口に確認しておきましょう。
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「貸与奨学金」や「教育ローン」とどう違うの?
同じ「お金の支援」でも、性質が全然違います。整理しておきましょう。
「返さなくていいもの」か「借りるもの」かで大きく異なります。
まず修学支援新制度で「どこまでカバーできるか」を確認するのが鉄則です。
その上で足りない分を貸与型奨学金や教育ローンで補う、という順番で考えましょう。
借りるお金は将来の返済負担になるので、なるべく借りる額を減らすことが大切です。
修学支援新制度を最大限活かす3ステップ
ステップ1:まず対象になるか調べる
JASSOの「進学資金シミュレーター」を使えば、世帯収入・家族構成を入力するだけでおおよその支援額を確認できます。無料で使えます。
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ステップ2:進路・学部選択と収支をセットで考える
学部・学科選択は学費の額にも直結します。私立理工農系は修学支援の拡充で支援が手厚くなっているので、進路選びと支援額をセットで確認しましょう。
ステップ3:教育費と家計全体を長期で見直す
子どもが複数いる家庭は、進学時期が重なると家計への負担がピークになります。修学支援を最大限活用しつつ、貯蓄・借入のバランスを早めに整理しておくことが大切です。
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みんなが気になる Q&A
A.在学校(学生課・奨学金窓口)を通じて申請します。進学前は高校経由で「予約採用」として申し込めます。学校ごとに締切があるので、早めに確認を。
A.世帯の収入・資産・家族構成などをもとに判定されます。JASSOの進学資金シミュレーターで事前に概算が確認できます。
A.JASSOの給付型奨学金に申し込めば、授業料等減免も同時に申請されます。ただし書類の提出先や期限は学校によって異なるので、学校の案内に従ってください。
A.基本的には併用できます。ただし、修学支援の区分によって貸与型奨学金の月額上限が調整されるケースがあります。先に修学支援の支援額を確認してから、不足分をどうするか考えましょう。
A.在学中の学修状況の確認があり、要件を満たさないと支援が打ち切られることがあります。ただし、救済措置もあります。詳しくは学校とJASSOの案内を確認してください。
A.文部科学省が公開している「確認大学等の一覧(対象機関リスト)」で確認できます。進学を検討している学校が対象かどうかは必ずチェックしましょう。
もっと詳しく知りたいとき(公式の情報)
- 文部科学省「学びたい気持ちを応援します 高等教育の修学支援新制度」(制度全体)
- 文部科学省「高等教育の修学支援新制度」(制度概要・拡充内容)
- 文部科学省「確認大学等の一覧(対象機関リスト)」
- JASSO「給付奨学金(返済不要)について」
- JASSO「進学資金シミュレーター」
最終的な手続き・提出期限は在籍校の案内が基準です。迷ったら学校の奨学金窓口に相談してください。

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