障害者控除ってなに?税金がいくら安くなる?手続きも解説

障害者控除ってなに?税金がいくら安くなる?手続きも解説
最終更新日:2026.02.03
ざっくり言うと

本人や扶養している家族に障害がある場合、税金の計算のときに「その分だけ所得を少なく見てあげましょう」という制度があります。
これが「障害者控除」です。所得税と住民税の両方が安くなります。

  • いくら?年27万〜75万円の所得控除
  • 誰が?本人・配偶者・扶養親族
  • 手続きは?年末調整か確定申告
  • 手帳なし?認定書で対象になることも
  • 取り忘れ?5年以内ならさかのぼれる
  • 他の控除と?医療費控除・扶養控除と重複OK

注意:「障害年金」や各種手当(現金が支給される制度)とは別の制度です。税金が安くなる「控除」なので、両方使えることもあります。

あわせて読みたい サムネイル 障害年金ってなに?もらえる金額と申請のしかた 障害の状態に応じて毎月もらえる年金。税金の控除とは別の制度です。

無料相談サービス

「障害者控除で実際に税金がいくら安くなるか、計算してほしい」

控除の組み合わせや税率によって効果は変わります。障害年金・各種手当・控除を含めた家計全体を、プロのFPに無料で整理してもらえるサービスがあります。

  • 完全無料・勧誘なし
  • オンライン対応・全国OK
  • 税・保険・給付をトータルで相談できる
無料でFP相談を予約する

※外部サービスのページへ移動します

そもそも、なんで障害者控除っていう制度があるの?

ふだん、税金は「稼いだお金(所得)」に対して計算されます。でも、障害がある人や、障害のある家族を養っている人は、医療費・介護費・通院交通費など、どうしてもお金がかかりやすい状況があります。

「同じ収入でも、事情が違うなら税負担も同じじゃなくていいよね」という考えから、所得から一定額を差し引いた上で税金を計算しましょう、というのがこの制度のしくみです。

ふつうの税計算 所得 × 税率 = 税額 障害者控除があると… 障害者控除あり (所得 - 控除額)× 税率 = 税額 控除額:27万〜75万円(所得税) 税負担が年数万円〜十数万円 安くなる!

障害者控除のしくみ:課税対象となる所得が減るので、税額が安くなります

つまり、「収入が増えるわけじゃないけど、税金の計算で損をしない」ようにするのが障害者控除です。手続きをしないと自動的には適用されないので、「対象かも?」と思ったら確認してみましょう。

控除額はいくら?区分によって変わる?

障害者控除の金額は、障害の重さと同居かどうかによって3段階に分かれています。

基本は「障害者」で27万円(所得税)。でも、重い障害の場合は「特別障害者」として40万円、さらに同居していれば「同居特別障害者」として75万円になります。

所得税の控除額

区分所得税の控除額どんな人?
障害者27万円税法上の障害者に該当する人(手帳3〜6級など)
特別障害者40万円より重度の障害(手帳1・2級、重度知的障害など)
同居特別障害者75万円特別障害者で、納税者等と常に同居している人

住民税の控除額(所得税と金額が違います)

区分住民税の控除額
障害者26万円
特別障害者30万円
同居特別障害者53万円

「控除額って言われてもピンとこない…」という方に例えると、所得税率20%・住民税率10%のケースで考えると:
・障害者なら →(27万+26万)× 税率合計≒年5〜15万円の節税
・同居特別障害者なら →(75万+53万)× 税率合計≒年15〜38万円の節税
ただし実際の効果は他の控除や収入によって変わります。

また、対象者が複数いる場合は、1人ずつ控除が使えます。たとえば本人と扶養している親の2人が対象なら、その分が重なります。

税金シミュレーション

「実際に自分の税金がいくら安くなるか確かめたい」

控除額と税率が決まれば計算できますが、他の控除との組み合わせが複雑で手計算は大変です。所得税・住民税を一括でシミュレーションできるオンラインサービスを使うと、各種控除の効果を比べながら確認できます。

税額シミュレーションサービスを見る

※外部サービスのページへ移動します

誰が対象になるの?条件はある?

対象になる人は大きく2つのパターンです。

①「自分自身が障害者」に該当する場合と、②「扶養している家族が障害者」に該当する場合があります。

「障害者」に該当する主なケース

  • 身体障害者手帳が交付されている人(等級によって障害者・特別障害者に分かれる)
  • 療育手帳が交付されている人(知的障害があると判定されている)
  • 精神障害者保健福祉手帳が交付されている人
  • 常に介護が必要なほど重い精神障害がある人(成年後見制度の対象レベルなど)

「特別障害者」に該当する主なケース

  • 身体障害者手帳の等級が1級または2級の人
  • 療育手帳で「A(重度)」など重度の知的障害と判定されている人
  • 精神障害者保健福祉手帳の等級が1級の人
  • 寝たきり等で常に介護を要する状態にある人

「同居特別障害者」の条件

以下の3つをすべて満たす場合に「同居特別障害者」として75万円の控除になります。

1
特別障害者に該当する重度の障害があること
2
納税者の同一生計配偶者か扶養親族であること
3
納税者や配偶者など生計が一緒の家族と常に同居していること

「同じ特別障害者でも別居しているだけで控除額が75万円→40万円に下がる」という点が盲点になりやすいです。施設入所中でも、住民票上の同居でなく「常に同居」が実態として必要なので、迷ったら税務署や税理士に確認を。

また、16歳未満の子どもでも、障害者控除は使えます(扶養控除は16歳未満は対象外ですが、障害者控除は別の話です)。

手帳がなくても使えるの?「認定書」ってなに?

「障害者手帳を持っていないから使えない」と思っていませんか?じつは、手帳がなくても対象になるケースがあります

高齢の親御さんなどで、身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳は持っていないけれど、実際の状態は税法上の障害者に近い──という場合に、「障害者控除対象者認定書」という書類を市区町村から発行してもらえることがあります。

認定書をもらえる代表的なケース

  • 認知症などで日常生活に常時介護が必要と介護認定・診断されている高齢者
  • 手帳は持っていないが、等級表の3〜6級に相当する障害があると医師が診断している人
  • 知的障害に準ずると判断されるが、療育手帳の交付を受けていない人

認定書をもらうための手順

1
市区町村の担当窓口に確認する
障害福祉担当課または高齢福祉・介護保険担当課に相談
2
必要書類を揃えて申請する
介護保険の要介護認定通知書・主治医の診断書など
3
認定書が発行される(市区町村が審査)
4
年末調整・確定申告で認定書を添付して控除を適用する

注意:「要介護認定を受けていれば必ず障害者控除の対象になる」というわけではありません。認定の基準は自治体ごとに細部が違うので、まず窓口で確認するのが確実です。

手続きはどうするの?会社員と自営業者で違う?

申請先や書類は、働き方によって変わります。

会社員(給与所得者)の場合 → 年末調整

毎年秋ごろに会社から渡される「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」に、本人や家族の障害の有無・区分を書いて提出します。

  • 手帳や認定書の写しを、会社の求めに応じて提示・提出する
  • 年の途中で手帳を取得した場合は「異動」として申告書を出し直す
  • 年末調整で精算されるので、自分で税務署に行く必要はない

自営業・フリーランスの場合 → 確定申告

毎年2〜3月の確定申告で、申告書の所定欄に対象者の人数と区分を記入します。

  • e-Taxでも同様に入力画面から登録できる
  • 手帳・認定書の写しを添付するか、税務署に求められたら提示する
  • 住民税は、所得税の申告内容が自治体に自動的に連携される

会社員でも、医療費控除などで確定申告をする年は、その申告書に障害者控除もまとめて記載します。年末調整とどちらか一方だけでOKです。

確定申告サポート

「障害者控除・医療費控除をまとめて正しく申告したい」

複数の控除を同時に適用する場合、どれが対象か・書類の添付方法は?といった疑問が出やすいです。オンラインで専門家に確認しながら申告書を作れるサービスを使うと、記入ミスや控除漏れを減らせます。

確定申告サポートサービスを見る

※外部サービスのページへ移動します

「去年まで控除してなかった!」どうすれば?

過去の年分で障害者控除を適用していなかった場合でも、一定期間内ならさかのぼって税金を戻してもらえます

そもそも確定申告をしていなかった場合(還付申告)

会社員などで申告義務がなかった場合でも、翌年1月1日から5年間は「還付申告」ができます。

  • 例:2024年(令和6年)分の還付申告 → 2030年12月31日まで可能
  • 医療費控除など他の控除を同時に申請することもできる

過去に確定申告をしたが控除もれがあった場合(更正の請求)

申告済みの年分に控除もれがあった場合は、申告期限から5年以内なら「更正の請求」で訂正できます。

  • 更正の請求書に手帳・認定書等を添付して税務署へ提出する
  • 所得税が還付されると住民税も自動的に調整されることが多い

「5年前まで使えた税金が戻ってくるかもしれない」というのは、案外見落とされがちなポイントです。思い当たる年がある場合は早めに動くのがおすすめです(時効があるため)。

「障害年金」とか「医療費控除」とは何が違うの?

障害に関わるお金の制度はいくつかあって、混乱しやすいです。ざっくり整理するとこういう違いがあります。

障害まわりのお金の制度マップ 障害者控除 税金が安くなる(控除) お金がもらえるわけではない 障害年金 毎月お金がもらえる(給付) 年金保険料の納付が条件 医療費控除 税金が安くなる(控除) 多額の医療費を払った年に使う 各種手当 お金がもらえる(給付) 特別障害者手当など 青枠=この記事の制度 緑枠=税控除 白枠=給付 複数の制度を同時に使えることがあります

障害まわりの制度は「税金を安くする」か「お金をもらう」かで性質が違います

ポイント:障害者控除と障害年金は同時に受けられます。どちらかを使ったからもう一方が使えない、ということはありません。対象になっていれば両方手続きしましょう。

家計やライフプランにどんな影響がある?

障害者控除は毎年適用できる制度なので、長期的に積み重なるとかなり大きな差になります。

  • 同居特別障害者がいる場合、所得税・住民税あわせて年15〜38万円前後の節税になることがある
  • 障害年金(非課税収入)をもらっている場合でも、障害者控除でさらに税負担を抑えられる
  • 医療費控除・生命保険料控除・iDeCo掛金控除など、他の控除と重ねて使える
  • 将来的に親の介護・相続が発生したとき、「障害者控除があるかないか」で毎年の手取りが変わる

「毎年浮いた税金分を積立に回す」という考え方もできます。NISA・iDeCo・保険などと組み合わせて、家庭のリスクに合った資産計画を立てておくと安心です。

資産形成の無料相談

「毎年の節税分をどう活かすか、一緒に考えてほしい」

障害者控除で浮いた税金をNISA・iDeCo・保険にどう振り向けるか、ファイナンシャルプランナーにオンラインで相談できるサービスがあります。

  • 完全無料・オンライン対応
  • 税制優遇と資産形成をまとめて相談できる
FPに無料相談する

※外部サービスのページへ移動します

みんなが気になるQ&A

Q. 障害者手帳を申請中です。控除は使えますか?

A.手帳が発行されていれば、その年から控除の対象になります。申請中の段階では基本的に適用できませんが、市区町村の認定書(障害者控除対象者認定)を別途取得できる場合があるので、窓口で相談してみてください。

Q. 会社員ですが、年末調整だけで手続きは終わりますか?

A.給与収入のみの場合は年末調整だけでOKです。ただし、医療費控除などの理由で確定申告をする年は、申告書の中で障害者控除も一緒に記載します。

Q. 扶養している親が介護施設に入っています。同居特別障害者になりますか?

A.「常に同居していること」が要件なので、施設入所中の場合は原則として同居特別障害者には該当しません。ただし実態(一時的な入院なのか、常設の施設なのか)によって判断が変わる場合もあるので、税務署に確認するのが確実です。

Q. 16歳未満の子どもでも使えますか?

A.はい、使えます。扶養控除は16歳未満の子どもには適用できませんが、障害者控除は年齢に関係なく適用できます(要件を満たす場合)。

Q. 3年前の申告に控除もれがあったと気づきました。今からでも間に合いますか?

A.間に合います。確定申告済みの場合は「更正の請求」を申告期限から5年以内に行えば調整できます。給与所得者で申告していない場合は「還付申告」で翌年から5年以内まで対応できます。

もっと詳しく知りたいとき(公式の情報)

この記事は一般的なケースをわかりやすくまとめたものです。最終的な判断・必要書類は、あなたの状況(区分・同居の有無・手帳の有無)と提出先(会社・税務署・自治体)によって変わります。必ず公式資料と窓口の案内で確認してください。

あわせて読みたい

障害・難病まわりで一緒に検討されやすい制度をまとめました。

© お金の制度ナビ

コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です