育休に入ると、お給料が出なくなりますよね。
でも、収入がゼロになるわけじゃないんです。雇用保険から、休む前のお給料の67%(半年後は50%)がもらえます。
これが「育児休業給付金」です。子育てしながら仕事を休んでいる間の、大切な生活の支えになります。
- いくら?賃金の67%(181日目以降50%)
- 誰が?雇用保険に入っている人
- いつまで?子が原則1歳になるまで(延長あり)
- 申請は?原則2か月ごと・会社経由
- 上乗せは?条件で+13%(最大28日)あり
- 非課税?給付は非課税・社会保険料も免除
注意:「産休中のお給料のかわり」にもらえるお金(出産手当金)や、育休そのものの法律制度とは別の給付です。申請は原則として会社(事業主)経由でハローワークに行います。
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そもそも、なんで育休中にお金がもらえるの?
会社を休んでいる間は、基本的にお給料が出ませんよね。でも子どもが生まれたばかりの時期は、まとまったお金が必要な場面も多い。
「休んでいる間も生活できるように」というのがこの制度の狙いです。雇用保険(毎月お給料から引かれているあれ)を財源に、国がバックアップしてくれるしくみです。
育休に入るとお給料が止まる→だから給付がある
「給付は非課税」+「育休中は社会保険料も免除(申出が必要)」のおかげで、手取りベースで見ると休業前の8〜9割くらいになるケースもあります。実際の金額は個人の状況によって変わりますが、「収入がゼロになる」わけではないと知っておくと安心です。
誰がもらえるの? 条件はあるの?
条件はシンプルで、大きく次の3つです。
条件①:雇用保険に入っている
会社員・パート・アルバイトなど、雇用保険に入っていれば対象です。自営業・フリーランスの方は雇用保険がないので残念ながら対象外になります。
条件②:休み始める前の2年間に「12か月以上」の実績がある
育休に入る前の2年間に、「給料をもらった日が11日以上ある月」が12か月以上あることが必要です。産休に入った月や産休直前の月もカウントに使えます。転職したばかりでも、前の職場での期間も通算できます。
条件③:育休中の仕事が少ない
支給期間の1か月ごとに、就業日数が10日以内(10日を超えるなら就業時間が80時間以内)であることが必要です。ちょっとだけ復帰したからアウト、というわけではありませんが、超えると給付がもらえなくなることがあります。
「有期契約(パートなど)なんだけど、もらえる?」→ 育休の対象期間(最長子が2歳になるまで)の間に契約が終わることが明らかでなければ対象になります。更新される見込みがある場合は更新後の契約で判断されます。会社の人事・総務に確認してみましょう。
「自分は対象になるのかよくわからない」という場合は、ハローワークか会社の担当者に聞くのが一番確実です。育休前に確認しておくと、申請がスムーズになります。手続きに不安がある方は、社労士へのオンライン相談サービス(無料相談あり)も活用できます。
いくらもらえるの? 計算のしかたは?
基本は「休む前の給料の67%」
計算のベースになるのは「休業開始時賃金日額」という金額です。育休に入る前の直近6か月分の給料を合計して、それを180で割った1日あたりの額が基準になります。
支給額のめやすは次のとおりです。
- 育休開始〜180日目まで:賃金日額 × 支給日数(原則30日)× 67%
- 育休181日目以降:賃金日額 × 支給日数 × 50%
ざっくり例で確認してみると…
月給30万円の人なら、日額はおよそ1万円。30日分の支給だと、67%なら約20万円、50%なら約15万円が目安になります(上限があるので、給料が高い人は頭打ちになります)。
「手取りで10割相当になる」という話を聞いたことがあるかもしれません。これは、給付が非課税であること+育休中は社会保険料が免除されることの合わせ技で、手取りベースで見ると休業前に近くなる、というケースがあるということです。あくまで条件が重なったときの話で、全員がそうなるわけではありません。
2025年4月からの「13%上乗せ」って何?
「出生後休業支援給付金」という新しい給付が2025年4月から始まりました。一定の条件(両親がともに一定日数以上育休を取る、など)を満たすと、最大28日分について13%が上乗せされます。育児休業給付金の支給を受けることが前提なので、条件を確認してみましょう。
育児休業給付金の支給率の変わり方(概算)
「育休中の収支、ちゃんと把握できるか不安…」という方は、銀行・カードを一括で管理できる家計アプリを使っておくと、育休に入ってからの収支がわかりやすくなります。マネーフォワード MEなら無料で始められます。
育休中にちょっと働いたり、給料が出たらどうなるの?
就業日数が多いと支給されなくなる
1か月ごとの支給期間に、就業日数が10日を超えると(それ以上なら就業時間が80時間を超えると)、その月の給付が受けられなくなる可能性があります。「少しだけ手伝った」という日でも就業日数にカウントされることがあるので、会社の勤怠の扱いを確認しましょう。
給料が出た場合は「減額」または「不支給」になることも
育休中に会社から賃金が出た場合、もらえる給付の額が変わります。目安はこちらです。
| 育休中にもらった給料の割合 | 給付はどうなる? |
|---|---|
| 基準額の30%以下 | 給付は減らず、全額もらえる |
| 基準額の30%超〜80%未満 | 80%になるように給付が減額 |
| 基準額の80%以上 | 給付はゼロ(不支給) |
ここでいう「基準額」は、休業開始時賃金日額 × 休業日数(例:30日)です。給料が多く出た月は給付がゼロになることもあります。
育休中に少し仕事をした場合でも、すぐに「給付なし」になるわけではありません。就業日数が10日以内かつもらった給料が80%未満なら、給付を受けながら少しだけ働く、ということもできます。ただし会社と事前によく相談してから動くのが安心です。
申請はどうやるの? どこに出せばいいの?
基本は「会社がハローワークに出す」
育児休業給付金の申請は、原則として会社(事業主)経由でハローワークに行います。自分でハローワークに直接行く必要は基本的にありません。
会社が「育児休業給付金支給申請書」などをまとめて提出してくれます。会社の人事・総務担当者に「手続きはどうすればいいですか?」と聞いてみましょう。
いつ申請するの?
- 初回:育休に入ってから、会社が受給資格の確認と初回の申請を行います(育休開始から4か月以内が目安)
- 2回目以降:原則として2か月ごとに申請します(本人希望で1か月ごとにもできます)
- 期限:支給対象期間の初日から数えて4か月を経過する月の末日までに出す必要があります
「自分でやることはほとんどない」ので安心してください。ただし、申請のタイミングで会社から書類に署名を求められることがあります。また、就業日数の確認で勤怠情報が必要になるので、育休中に少しでも出勤した場合は会社に正確に伝えておきましょう。
よくあるつまずき
- 育休中に出勤扱いが増えていて、10日/80時間のラインを超えてしまう
- 有期契約の更新見込みが書類上はっきりしておらず、要件で止まる
- 申請期限を過ぎてしまう(2か月ごとのつもりで油断)
- 育休中に給料の一部が支給されていて、80%を超えて不支給になっていた
こういうときどうなるの?(よくあるケース)
パパも育休を取ろうとしている場合
パパの育休(出生時育児休業=「産後パパ育休」)も、雇用保険から給付が出ます。これは「出生時育児休業給付金」といい、子の出生後8週間以内に最大28日取得できます。もらえる金額は育児休業給付金と同じ67%です。
パパとママが両方育休を取ると、前述の「出生後休業支援給付金(13%上乗せ)」の対象になる可能性がある点も要チェックです。
あわせて読みたい サムネイル 産後パパ育休(出生時育児休業)でもらえるお金は? 出生後8週間以内に最大28日。出生時育児休業給付金の条件と申請のしかた。保育所に入れなかった場合(延長)
子が1歳になるときに保育所などに入れなかった場合は、給付期間を1歳6か月まで延長できます。それでも入れなければ、さらに2歳まで延長できます。ただし延長にはハローワークへの手続きが必要で、証明書類も必要です。会社と連携して早めに動きましょう。
育休中に会社を辞めた場合
育休中に退職すると、給付は打ち切りになります。退職後の生活費は、失業給付(ハローワークの基本手当)で対応する形になります。ただし出産・育児を理由にした離職は「特定理由離職者」として扱われることが多く、給付制限なしで失業給付が受けられる場合があります。
あわせて読みたい サムネイル 育休後に復帰しない場合の失業給付は? 育休中・育休後に退職したとき、雇用保険でもらえるお金と手続きの流れ。「出産手当金」や「社会保険料免除」とは別のもの?
育休まわりには名前が似た制度がいくつかあって、混乱しやすいです。整理するとこういう関係です。
育休まわりの給付・制度の関係
出産手当金と育児休業給付金は別制度なので、重複する期間には両方もらうことはできません。産後休業(産後8週間)が終わって育休に入ると、出産手当金から育児休業給付金に切り替わるイメージです。
みんなが気になるQ&A
A.申請書がハローワークで審査・支給決定された後に振り込まれます。申請は原則2か月ごとなので、最初の振り込みは育休に入ってから数か月後になることがほとんどです。会社がいつ申請手続きを行うか(締め日・勤怠確定のタイミング)を確認しておきましょう。
A.育休開始日から数えて181日目以降が50%になります。産後パパ育休(出生時育児休業給付金)で支給を受けた日数も、この180日の計算に通算されます。
A.退職した時点で給付は終了します。退職後は失業給付の受給資格が発生する場合があります。育児を理由とした離職は「特定理由離職者」として扱われることが多く、給付制限なしで失業給付を受けられるケースがあります。
A.誰でも、というわけではありません。育児休業給付金(または出生時育児休業給付金)の支給を受けることが前提です。さらに、原則として両親がともに一定日数以上育休を取るなどの要件を満たす必要があります。対象期間は出生後の一定期間で、日数の上限は28日です。
A.保育所等に入れなかった場合の延長(1歳6か月・2歳)には、会社経由でハローワークへの延長手続きが必要です。入所できなかったことを証明する書類(保育所等の不承諾通知)が必要になるので、通知が届いたら会社の担当者に早めに連絡しましょう。
もっと詳しく知りたいとき(公式の情報)
- 厚生労働省「育児休業等給付について」(制度概要・Q&A・様式)
- ハローワークインターネットサービス「育児休業等給付」
- 厚生労働省「育児休業等給付の内容と支給申請手続」(PDF)
- 厚生労働省「育児休業給付金の支給対象期間延長手続き」
制度は改正や金額改定が入ります。会社の総務・人事、またはハローワークで最新の扱いを確認してください。


