ひとり親が資格を取りながら毎月もらえるお金って?高等職業訓練促進給付金のしくみ

ひとり親が資格を取りながら毎月もらえるお金って?高等職業訓練促進給付金のしくみ
最終更新日:2026.02.03
ざっくり言うと

ひとり親で子どもを育てながら、看護師や介護福祉士などの資格を取ろうとすると、学費だけじゃなくて「学んでいる間の生活費」が大きな壁になります。
そのために、修業している期間中に毎月お金が出る制度があります。非課税世帯なら月10万円、最後の1年は月14万円です。
これが「高等職業訓練促進給付金」と呼ばれるものです。

  • いくら?月10万円(課税世帯は月7.05万円)
  • 誰が?ひとり親(児童扶養手当の受給者等)
  • 最後の1年は?+4万円の加算あり
  • 期間は?修業中ずっと(最長4年)
  • 修了時は?一時金5万円(課税世帯は2.5万円)
  • 窓口は?お住まいの市区町村

注意:授業料を補助してくれる「自立支援教育訓練給付金」とは別の制度です。両方使えることもあります。

あわせて読みたい サムネイル 児童扶養手当っていくらもらえるの?所得制限はどうなってる? ひとり親家庭への毎月の手当。この給付金の対象かどうかの目安にもなる制度です。

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そもそも、なぜこんな制度があるの?

ひとり親で子どもを育てながら、2〜4年かかる資格の学校に通うのは、かなりの経済的負担になります。 学校に通っている間はバイトや仕事の時間が減って収入が下がる。でも授業料はかかる。子どもの生活費もかかる。

この「収入が減るのに支出が増える」というダブルパンチを和らげるために、「修業している間は毎月お金を支給しますよ」という仕組みがつくられました。 それがこの制度です。

資格取得期間中の家計イメージ 給付金なし 収入:大幅減(仕事を減らす) 授業料の支払い 生活費・子育て費用 家計がかなりきつい 貯蓄が底をつくリスク 給付金あり 月10万円(非課税世帯)の給付 自立支援訓練給付金も活用可 児童扶養手当なども継続 資格取得に集中できる 修了後の収入アップに繋がる

※給付額は非課税世帯の代表例。実際の金額は自治体の実施要綱を確認してください。

つまり、「学んでいる間のお給料のかわり」をもらえる制度と考えるとわかりやすいです。貯蓄を切り崩しながら学校に通わなくて済む分、資格取得に集中できます。

誰がもらえるの? 条件はある?

条件はシンプルで、次の4つが基本です。

ひとり親である 20歳未満の子どもを扶養している、母子家庭の母または父子家庭の父が対象です。
収入が一定水準以下である 児童扶養手当を受給しているか、同等の所得水準(子ども1人の場合、年収385万円未満が目安)であること。
対象になる資格の養成機関で修業する 6か月以上(または1年以上)のカリキュラムを修業し、資格取得が見込まれること。
仕事や育児との両立が困難と認められる すでに同じ趣旨の給付金(教育訓練支援給付金など)を受けていないこと。

ざっくりまとめると、「ひとり親で、それなりに収入が少なくて、ちゃんとした養成機関に通う人」が対象です。すでに他の訓練給付を受けている場合は重複受給できないので注意が必要です。

逆に、もらえないのはどんなケース?

  • 配偶者がいる(ひとり親でない)
  • 所得が判定基準を超えている
  • 通信講座のみや短期講座など、対象外の課程に通う
  • 雇用保険の「教育訓練支援給付金」などをすでに受けている
  • 過去にこの給付金を受給したことがある

「6か月以上か1年以上か」などの細かい基準は自治体によって違います。まずは市区町村のひとり親相談窓口で確認するのがおすすめです。

対象になる資格ってどんなもの?

国家資格・公的資格を取得できる2年制・4年制の養成機関が対象になることが多いです。代表的なものは次のとおりです。

  • 看護師・准看護師・保健師・助産師
  • 介護福祉士・社会福祉士・精神保健福祉士
  • 保育士
  • 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士
  • 歯科衛生士
  • 美容師・理容師・調理師・製菓衛生師
  • ITや情報系の一部資格(自治体による)

学校を選ぶ前に、必ず自治体の窓口で「この資格・この学校は対象ですか?」と確認してください。通信制や夜間課程が対象かどうかも自治体によって違います。対象外だとわかってから申し込むと、給付金が出ません。

具体的な対象資格リストは、各自治体のホームページや、ひとり親支援の相談窓口(母子・父子自立支援員)で確認できます。

いくらもらえるの? 期間は?

訓練中の毎月の給付額

住民税の課税状況によって、次の2パターンに分かれます。

世帯の課税状況 通常の月額 最後の1年間
住民税非課税世帯 月 10万円 月 14万円(+4万円)
住民税課税世帯 月 7万500円 月 11万500円(+4万円)

課税・非課税の判定は、申請者と同居家族の住民税の状況で決まります。前年の年収をもとに判定されるので、入学年度によって変わることもあります。

もらえる期間は?

  • 修業に必要な期間を上限に、最長4年間が目安です
  • 申請した月の翌月(または申請月)から支給が始まり、さかのぼって支給してもらうことはできません
  • 看護師と准看護師の課程を続けて受講する場合など、特例が設けられている自治体もあります

たとえば非課税世帯で3年制の学校に通う場合、最大で「2年間×月10万円+1年間×月14万円=408万円」になる計算です。申請が遅れると、その分もらえる月数が減ります。入学したらすぐに申請するのが鉄則です。

修了時の一時金(修了支援給付金)

養成機関を修了して対象資格を取得すると、「高等職業訓練修了支援給付金」として一時金がもらえます。

  • 非課税世帯:5万円
  • 課税世帯:2万5千円

入学準備や卒業直後の出費を少しカバーしてくれる位置付けです。修了後に別途申請が必要なので、修了のタイミングで忘れずに手続きしましょう。

どうやって受け取るの? 手続きは面倒?

給付金は自動的には出ません。学校に入ったあと、自分で申請する必要があります。流れは次のとおりです。

申請から支給までの流れ ① 市区町村のひとり親支援窓口で事前相談 希望資格・学校・生活状況を伝えて対象か確認 ② 対象資格・学校を確認してから入学 通信制・夜間課程が対象かも確認する ③ 入学後すぐに申請書類を提出 戸籍・住民票・所得証明・在学証明など ④ 審査・支給決定 支給額(課税・非課税)と期間が決定 ⑤ 毎月指定口座に振り込み(在籍確認あり) 修了まで継続。最後の1年は+4万円 ⑥ 修了後:修了支援給付金を別途申請

※申請書類の種類・提出先は自治体によって異なります。事前に窓口で確認を。

「ひとり親支援窓口」ってどこ?

お住まいの市区町村の役所に行って「ひとり親の相談窓口を教えてください」と言えばOKです。
「母子・父子自立支援員」という担当者が相談に乗ってくれます。
必要書類は自治体ごとに違うので、一覧を送ってもらうか、役所のホームページで確認しましょう。

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他の制度と一緒に使えるの?

ひとり親が職業訓練中の生活費をサポートする制度は複数あります。重複受給できるかどうかで、受け取れるお金の総額が大きく変わるので、きちんと把握しておきましょう。

重複受給ができない(原則NG)の組み合わせ

  • 雇用保険の教育訓練支援給付金:専門実践教育訓練を受ける失業中の人への生活費給付。目的が同じなので、高等職業訓練促進給付金と一緒には受けられないのが一般的です。
  • 求職者支援制度の職業訓練受講給付金:雇用保険を受給できない求職者向けの給付金。これも多くの自治体で重複不可とされています。

重複して使えることが多い組み合わせ

  • 自立支援教育訓練給付金:授業料の一部を補助してくれる制度で、生活費を支援するこの給付金と目的が違うため、一緒に使えるケースが多いです。「生活費はこの給付金で、授業料は自立支援教育訓練給付金で」という組み合わせが典型的です。
あわせて読みたい サムネイル 自立支援教育訓練給付金って何が違うの?授業料の補助のしくみ ひとり親向けに授業料を補助してくれる制度。高等職業訓練促進給付金と組み合わせると効果的です。

どの制度を使えるかは、雇用保険に入っているかどうか・今仕事をしているかどうか・受講する講座の種類によって変わります。自治体の窓口・ハローワーク・学校の入試窓口、複数に聞いてから最終判断するのが安全です。

「似た制度」と何が違うの?

名前が似ている制度がいくつかあります。「生活費を支えるお金」なのか「授業料を補助するお金」なのか「貸付」なのかで性格がまったく違うので、まずここで整理しましょう。

制度 何を支援する? 対象の目安 注意点
高等職業訓練促進給付金 修業中の生活費(毎月)+修了時の一時金 ひとり親(児童扶養手当受給者等) 申請月から支給/自治体ごとに運用差あり
自立支援教育訓練給付金 受講費用の一部(授業料補助) ひとり親(対象講座の事前指定が必要) 受講前の手続きが必要/雇用保険の教育訓練給付と調整あり
雇用保険の教育訓練給付 受講費用の一部(授業料補助) 雇用保険の被保険者等 加入期間などの要件あり/講座の指定が必要
求職者支援制度(職業訓練受講給付金) 月10万円+交通費等(条件あり) 雇用保険を受給できない求職者 収入・資産・出席率など要件が厳格
高等職業訓練促進資金貸付 入学準備金・就職準備金などの貸付 高等職業訓練促進給付金の利用者等 給付ではなく貸付。条件を満たすと返還免除あり

どの制度を組み合わせるかは「何の支出(生活費/授業料/交通費)をどの制度で賄うか」を整理してから窓口で確認するのが安全です。

みんなが気になる Q&A

制度の運用は自治体ごとに異なります。最終的には窓口で確認してください。

Q仕事を辞めなくても申請できる?
A申請できます。ただし「仕事と育児・修業の両立が困難」と認められることが要件なので、フルタイムで働きながらだと審査が通りにくい場合があります。夜間・通信課程に通う場合も同様に、自治体の判断によります。事前相談で確認するのが確実です。
Q申請が遅れたら、その分さかのぼってもらえる?
Aさかのぼって受け取ることはできません。多くの自治体で「申請月から支給」が原則です。入学後にのんびりしていると、その分もらえる月数が減ってしまいます。入学と同時に申請の手続きを進めましょう。
Q民間の資格スクールや通信講座は対象になる?
A民間スクールや通信講座は対象外のことが多いです。対象になるのは、主に国家資格・公的資格を取得できる「養成機関」(専門学校・大学など)です。通信制・夜間制が対象かどうかも自治体によって変わるので、学校を決める前に必ず確認してください。
Q給付金だけで生活費はまかなえる?
A給付金は上限が月10〜14万円(非課税世帯)なので、これだけで生活費をすべてまかなうのは難しいことが多いです。児童扶養手当・住民税非課税世帯向けの各種減免・アルバイト収入などと組み合わせるのが現実的です。訓練期間中の収支をあらかじめ試算しておくことをおすすめします。
Q資格を取ったあと、収入はどれくらい上がる?
A取得する資格・勤務先・勤務形態によって大きく異なります。看護師なら正規雇用で年収350〜450万円が目安になるケースも多いです。資格取得後の就職イメージを事前に持っておくことで、「何年で元が取れるか」の見通しが立てやすくなります。

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資格を取る前に確認しておくべきこと

高等職業訓練促進給付金は、「短期的に収入が減っても資格取得に集中する」ための制度です。 ただし、制度を使えるからといって、すぐに仕事を辞めるのは危険です。次の点を事前に整理しておきましょう。

訓練期間中の収支を具体的に試算する

  • 給付金・児童扶養手当・住民税非課税の各種減免を一覧化する
  • 学費・保育料・生活費・交通費などの毎月の支出を洗い出す
  • 貯蓄でどれくらいの期間カバーできるかを確認する
  • 仕事を続けながら夜間・通信で通う場合と、離職して集中する場合を比べる

修了後のキャリアのイメージを持っておく

  • 取得したい資格で、どんな職場・勤務形態・収入水準を目指すか
  • 子どもの年齢や教育費のピークを考慮して、資格取得のタイミングが合っているか
  • 児童扶養手当が減っても、資格取得後の収入増で世帯全体の手取りが上がるかを確認する

資格取得後に安定したフルタイム就労につなげられれば、給付金が終わっても世帯全体の手取りが増えるケースは少なくありません。数年単位のスパンで家計を見る視点が重要です。

もっと詳しく知りたいとき(公式の情報)

この記事はわかりやすさを優先して、細かいルールを省略している部分があります。最終的に正確な情報は、以下の公式サイトや、お住まいの自治体の窓口で確認してください。

この記事は一般的なケースをわかりやすくまとめたものです。最終的な判断・必要書類は、お住まいの自治体の案内が基準になります。

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